11日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均は前日比210円ほど安く寄りつき後場中頃までは一進一退の動きで一時340円安まで下げましたが、その後急速に戻し、結局112円安で引けました。出来高は21.2億株と低水準で、外人も930万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差は+136とプラス幅が縮小しました。
米国株式市場では、FRBの利下げが0.25%と小幅にとどまり、声明文でも今後の利下げを強く示唆しなかったことが市場の失望を誘い、売りが膨らんだようです。
日本市場は米国株安により後場中頃までは大きく下げましたが、GLOBEXでNASDAQ100株価指数先物が高く推移したことから、12日の米国株の戻りに期待する動きとなったようです。日経平均は75日線までの戻しがトレンド転換の前提条件ですが、残念ながら超えることなく下落しました。しかし、明日以降への期待感をにじませる陽線で終了しました。再チャレンジを期待したいところです。
一目均衡表では雲の500円下に在り、総合乖離率は-5.0%とマイナス幅は小さいままですが、200日線との乖離率は-6.3%とマイナス幅は多少拡大しました。25日線はまだ下向きですので、中期的トレンドは、赤信号のままです。しかし、75日線は横這いとなり、今の株価水準を維持すれば25日も数日後に上向きとなり、"IPゾーン"と呼ばれる"買いゾーン"入りとなります。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は健在ですし、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場が8.6ポイント下回り、だいぶ縮まりましたが、日本市場は、まだまだ、売られ過ぎが続いています。信用収縮と政局が落ち着き、企業業績が改善すれば、この差が埋まるものと思われます。なかなか、この状況から脱することが出来ません。
決算算発表はほぼ修了しましたが、通期予想増益率が6.8%から5.3%に低下しています。中間決算は好調ですが、通期の業績には慎重な見方が多いようです。
米国市場の動きと日本の政局の行方や外人の動向で、ここからの方向を見極める必要が有ります。日経平均はテクニカル指標では、目先警戒感が出てくる水準に近づいていた上にFOMCの利下幅が0.25%でしたので、材料出尽くしで米国市場に連動して下落しました。ここからは、このまま下落して25日線を割るのか、逆に再び上昇し75日線を抜くのかを見極めたいところです。
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