日経平均の予想: November 2024

Saturday, November 30, 2024

[2024/12/1]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、トランプ政権の政策と人事や長期金利の低下を好感し、週間で株価指数は上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+1.39%, NASDAQ:+1.13%, S&P500:+1.06%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.35ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.0対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.35ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER47.5程度になる。又は、日経平均が117,110円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は78,900円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、78,900円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.3ポイント改善しています。また、利益伸び率は+1.9%となりました。3ヶ月前に比べて-0.2%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.33から3.14と縮小して、ドル円は154円台から149円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-1.59%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.0%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.9ポイント劣ります。

  11月第3週は売り超しで、11月第4週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料で、③と⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に11.9ポイント(日経平均に勘算すると4550円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に12.4ポイント(日経平均に勘算する4740円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 13.6 と低下しました。 日経 VI は 週間で 23.7と低下しました。米国市場は楽観的で、日本市場はボラタイルです。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の中にあります。総合乖離率は-2.3%、200日移動平均線との乖離率は-1.1%。これら2つの要因がマイナスであるため、中期トレンドには"黄信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念が意識されています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンド。

日本市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は150円から147円が想定されます。

 

今週の米国市場では、11月の雇用統計とパウエル議長を含むFRB高官の講演に注目が集まります。また、JOLTの求人倍率、ISM製造業・サービス業PMI、ミシガン大学消費者信頼感指数、製造業受注、貿易統計にも注目が集まります。世界的には、ユーロ圏とカナダの失業率、中国の製造業・サービス業PMI、ドイツの製造業受注と鉱工業生産も注目されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを一時上振れしました。上値は想定を370円ほど上回り、下値は想定ラインを150円ほど上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在39170円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在37660円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週も、半導体関連株が復活しなければ、日経平均の本格的な反発は難しそうです。


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Thursday, November 28, 2024

[2023/11/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

1128、米国市場は休場でした1129日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は120円安から390円安の間で上下し、午後は120円安から270円安の間でもみあって、結局、210円安で取引を終えました。日経平均の終値は141円安の38208円で、出来高は16.25億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

1128日の米国は感謝祭の祝日で、株式市場は休場でした。

1129日の日本市場では、前日に買われた半導体関連株に戻り待ちの売りが向かい、指数を押し下げました。外国為替市場で円相場が強含んだことも重石となりました。ただ、売り一巡後は押し目買いも入り、相場の下値を支えました。また、比較的に円高の影響を受けにくい内需株にも物色が向かいました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変りました。

総合乖離率は-2.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-1.1%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-11.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4240円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-12.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4580円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.69と前日より上昇し、VIX13.90と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.2と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.67ポイント(日経平均換算で100330円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、9月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月の耐久財受注、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.49PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月より0.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均の割安幅は1050円から830円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1750円~-830円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.21ポイントから3.18ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的は下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

1129日の米国はブラックフライデーで、株式市場は短縮取引です。重要な経済指標の発表は予定されておらず、個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを500円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど上回りました。目先は、25日線(現在38670円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在37660円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は円高と半導体関連株の下落を受けて反落しました。日経VIが高水準にあるうちは、上値の重い展開が続きそうです。



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Wednesday, November 27, 2024

[2023/11/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

1127NYDowNASDAQは下落しました1128日の日経平均先物は、前日比210円安で寄り付くと、午前中は300円安から290円高と上昇に転じ、午後は390円高から160円高の間で上下して、結局、280円高で取引を終えました。日経平均の終値は214円高の38349円で、出来高は16.90億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

1127の米国市場では、感謝祭の祝日を前に短期的な過熱感が意識され、利益確定の売りが優勢となりました。四半期決算で収益見通しが振るわなかったデル・テクノロジーズが12%あまり下落し、AI需要への期待感が後退したことも、ハイテク株には重石となりました。結局、NYDow6営業日ぶりに反落し、NASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

1128日の日本市場では、前日の米株安を受けて売りが先行しましたが、「米政府の対中半導体輸出規制が当初の想定ほど厳しくないものになる」とブルームバーグの報道で伝わると、安心感から半導体関連株に押し目買いが入り、指数を押し上げました。ただ、日経平均が25日移動平均線に近付く場面では利益確定の売りが出て、上値が重くなりました。日経平均は3日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変りました。

総合乖離率は-1.1%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-0.7%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線の上にあり、25日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-10.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が4140円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-11.7ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が4490円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.65と前日より低下し、VIX14.10と前日比で横ばいでした。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.2と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.70ポイント(日経平均換算で102960円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と変わりませんでした。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、9月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月の耐久財受注、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.51PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前と同水準です。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.7%となり、日経平均の割安幅は1750円から1050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1750円~-1050円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.22ポイントから3.21ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的はもみあいで、中期的にももみあいです。

 

1128日の米国は感謝祭の祝日で、株式市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを190円ほど下回り、下値は想定ラインを150円ほど上回りました。目先は、25日線+100円(現在38770円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在37960円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は、半導体関連株の戻りを受けて反発しました。日足は包み足の陽線となっており、反転継続が期待できそうです。



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Tuesday, November 26, 2024

[2023/11/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

1126NYDowNASDAQは上昇しました1127日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は50円安から420円安と下落幅を拡げ、午後は310円安から490円安の間でもみあって、結局、390円安で取引を終えました。日経平均の終値は307円安の38134円で、出来高は18.27億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

1126の米国市場では、トランプ次期政権が中国に対する関税を強化する方針を示したことが製造業や小売業の収益悪化懸念につながり、株売りを促しました。ただ、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことや、11月のFOMC議事要旨が利下げに前向きな内容だったことなどが好感され、次第に買いが優勢となりました。結局、NYDow5日続伸し、連日で過去最高値を更新しました。NASDAQ4日続伸しました。

1127日の日本市場では、米経済政策の先行き不透明感が投資家心理の重石となり、半導体関連株や自動車株の一角に売りが向かいました。外国為替市場で円相場が円高ドル安方向に推移したことも嫌気されました。一方、医薬品や食料品などディフェンシブ株の一角には買いが向かい、相場を下支えしました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変りました。

総合乖離率は-2.5%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-1.2%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線の上にありますが、25日線と200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-12.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4580円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-12.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4800円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.94と前日より上昇し、VIX14.10と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.2と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.74ポイント(日経平均換算で103840円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.44PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前より0.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.5%となり、日経平均の割安幅は1660円から1750円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1750円~-1270円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.24ポイントから3.22ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

1127日の米国市場では、79月期のGDP改定値、10月の耐久財受注、10月の中古住宅販売仮契約指数、10月の個人所得・個人消費支出、PCE価格指数などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを620円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。目先は、25日線(現在38660円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在37630円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は続落しました。やはり、半導体関連株の戻りがなければ、現状の上値の重さを脱することは難しそうです。



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Monday, November 25, 2024

[2023/11/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

1125NYDowNASDAQは上昇しました1126日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付くと、午前中は10円安から710円安と下落幅を拡げ、午後は580円安から250円安と下落幅を縮めて、結局、250円安で取引を終えました。日経平均の終値は338円安の38442円で、出来高は19.06億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

1125の米国市場では、買いが優勢となりました。トランプ次期大統領が新政権の財務長官に投資家のスコット・ベッセント氏を指名したと伝わり、同氏の経済成長を促す政策に前向きな姿勢が評価されました。長期金利が大幅に低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも支えとなりました。NYダウは4日続伸して最高値を更新しました。NASDAQ3日続伸しました。

1126日の日本市場では、トランプ次期米大統領が中国やカナダ、メキシコに対して関税を強化すると表明したことから、半導体関連や自動車など主力の輸出株を中心に、リスク回避目的の売りが広がりました。ただ、下値では押し目買いが入ったほか、ディフェンシブ株にも買いが向かい、指数には底堅さも見られました。日経平均は3営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。

総合乖離率は-0.1%とマイナスに転換し、200日線との乖離率も-0.4%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうち2つがマイナスとなり、中期トレンドも青信号から黄信号に変りました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-10.7ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4110円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-11.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4460円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.61と前日より上昇し、VIX14.60と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.2と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.69ポイント(日経平均換算で104800円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.60PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月前より0.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.3%となり、日経平均の割安幅は1270円から1660円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1660円~-1180円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.28ポイントから3.24ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

1126日の米国市場では、9月の住宅価格指数、9月のS&Pケース・シラー米住宅価格指数、10月の新築住宅販売件数、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、FOMC議事要旨のほか、デル、HP、ベストバイ、JMスマッカー、アナログ・デバイセズ、クラウド・ストライクなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを570円ほど下回り、下値は想定ラインを350円ほど下回りました。目先は、25日線+300円(現在38970円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在37960円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は反落しました。半導体関連株の戻りがなければ、現状の上値の重さを脱することは難しそうです。



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