日経平均の予想: November 2010

Tuesday, November 30, 2010

[2010/11/30]日経平均の今後の見通し

[市況]
29日のNYDowとNASDAQは下落しました。30日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付きました。前場は、一時10円安まで下げ幅を縮める場面もありましたが、後場は一段安となり、最終的に170円安で終わりました。日経平均は188円安で引け、出来高は21.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、10万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
29日の米国市場では、EUとIMFがアイルランドへの支援を決めましたが、欧州市場は総じて下落し、スペインやイタリアなどの国債利回りが急上昇しました。アイルランド支援策は欧州の不安拡大を防ぐには力不足との見方から、売りが先行しました。また、ドルがユーロに対して上昇したことで、素材・エネルギー株が売られ、NYDowは心理的な節目である11000ドルを下回る場面がありました。
30日の日本市場では、欧州の金融・財政不安を背景とした欧米市場安が重荷となったほか、後場は中国の金融引き締めを警戒した上海株式相場の大幅安が嫌気され、中国関連銘柄を中心に売られました。さらに、大引けにかけては米MSCI指数などの株価指数の銘柄構成比率の見直しに伴う売りも出たようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は+7.8%とプラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は+0.7%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、9日線の上に在りますが、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.7ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.3ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の個人消費支出、11月の消費者態度指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の耐久財受注、10月の消費者態度指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月25日 0.2919% → 11月26日 0.2944% → 11月29日 0.2959%と上昇傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は29日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.15ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.2、PBRが1.14、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率以上に下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.4%となり、日経平均は140円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、+120円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、米国市場と比べて強い動きが続いていますが、今日は大幅に縮小しました。米国市場は、短期は横ばいトレンドですが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。一方、日経平均は中期上昇トレンドですが、短期トレンドは横ばいとなりました。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、今夜の米国市場では、9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数や年末商戦の状況が注目されそうです。日経平均は中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.64%と縮小傾向ですので、目先は円高ぎみに動きそうです。引き続き、朝鮮半島情勢、欧州財政問題、中国の利上げや米年末商戦の状況に左右される相場となりそうです。日経平均は上海市場の急落の影響を受けましたが、テクニカルな高値警戒感は後退しました。欧州財政問題が落ち着けば、米国市場が戻り歩調となる可能性も有り、そうなれば、日本市場にも上昇余地が出てきそうです。ただ、LIBORのドル3ヶ月物金利が上昇してきた点は要注意です。この状態が続けば再び金融不安となる可能性もあり、欧州財政問題が落ち着く方向とは言えそうもありません。


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Monday, November 29, 2010

[2010/11/29]日経平均の今後の見通し

[市況]
26日のNYDowとNASDAQは下落しました。29日の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付きました。前場は、一時100円高まで上げた後、20円安まで下げる動きでした。後場は再び上昇する展開となり、最終的に60円高で終わりました。日経平均は86円高で引け、出来高は17.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、260万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
26日の米国市場では、アイルランドの財政や金融システムに対する警戒感がスペイン市場の下落など欧州各国に拡散しました。焦点の米年末商戦は順調な滑り出しを見せましたが、欧州問題への懸念が上回って目先の利益確定売りが優勢となりました。
29日の日本市場では、円相場が84円台前半と2ヶ月ぶりの安値を付けたことや、米クリスマス商戦の出足好調が伝わったことを受け、電機や自動車株などが輸出採算の改善を期待した買いを集めました。一時は上げ幅を100円あまりに拡大しましたが、利益確定売りで急速に伸び悩む場面もありました。後場は月末の特有のドレッシング買いも入っていたようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+13.9%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は+2.2%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.4ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.3ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の個人消費支出、11月の消費者態度指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の耐久財受注、10月の消費者態度指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月24日 0.2875% → 11月25日 0.2919% → 11月26日 0.2944%と低下後横ばいから上昇に転じました。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は26日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.11ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.5、PBRが1.16、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.8%となり、日経平均は270円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、米国市場と比べて強い動きが続いていますが、今日は拡大しました。米国市場は、短期は横ばいトレンドになりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りし、短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、今夜の米国市場では、11月のダラス連銀製造業活動指数や年末商戦の状況が注目されそうです。日経平均は中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.70%と拡大傾向は一服していますので、目先の一段の円安は無さそうです。引き続き、朝鮮半島情勢、欧州財政問題や米年末商戦の状況に左右される相場となりそうです。日経平均はテクニカルに高値圏に近いと云う面もありますが、米国市場が戻り歩調となる可能性も有り、そうなれば、日本市場にも上昇余地が出てきそうです。


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Sunday, November 28, 2010

[2010/11/28]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、経済指標の好転と年末商戦期待で上昇する日もありましたが、長期金利上昇、欧州の財政不安や朝鮮半島情勢緊迫で下げ圧力が勝りました。一方、中長期的には、先進国の消費や雇用の改善の動きは弱く、欧州の財政問題や金融改革法案成立の影響による信用収縮傾向と、先進国の緊縮財政と新興国の利上げが景気後退懸念を生み、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性があります。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は米長期金利の上昇もあり、日本市場が1.3ポイント割安となっています。S&P500のPERが15.3で、日経平均のPERの15.8との差と日米金利差の結果、日本市場は割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週の米国市場の週足は陰線となりました。欧州の財政不安や朝鮮半島危機や長期金利上昇が一過性か否かが問題です。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は75%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.5%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向で、日米の金利差は1.7%~1.8%前後で推移し、為替は82から84円台の動きでした。今週は83から84円台が想定されます。
④ 今年5月に更新された、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+3.0%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の弱気材料です。
⑤ 11月3週は買い越しで11月4週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち③が強気材料でした。今週も引き続き、①③⑤と米長期金利や経済指標発表が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、7.2ポイント割安となり、先週比0.1ポイント割安幅が拡がりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+1.3%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。総合乖離率は+11.6%となりプラス幅が縮まりました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は中期的には上昇トレンドですが、短期的には横ばいです。日本市場は短期、中期とも上昇トレンドです。一方、LIBORのドル3ヶ月物金利はギリシャ・ショック以前に戻りましたが、欧米の財政問題が再燃して上昇し始めましたので要注意です。11月に入ってからは金融緩和に対する材料出尽くしと長期金利上昇、欧州の財政不安や中国の金融引き締め、朝鮮半島情勢緊迫を背景に、米国市場はNYDow、NASDAQともに下落傾向です。今週の米国市場は、9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、11月のISM製造業景気指数、米地区連銀経済報告、11月の雇用統計などが注目されそうですが。欧州財政問題の再燃、朝鮮半島リスクが懸念材料ですが、長期金利の落ち着きと年末商戦期待、経済指標が支援材料となりそうです。日柄からは、そろそろ上昇に転じても可笑しくない時期になります。今週の日経平均は目先の高値警戒感は残り、日米金利差が拡大方向は止まり、為替の円安方向も一服しそうですので、もう少し、揉み合う状況が続きそうです。


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Friday, November 26, 2010

[2010/11/26]日経平均の今後の見通し

[市況]
25日のNYDowとNASDAQは休場でした。26日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。前場は、一時60円高まで上げた後、寄り付き値近辺まで下げる動きでした。後場はさらに下げる展開となり、最終的に20円安で終わりました。日経平均は40円安で引け、出来高は16.8億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、200万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
25日の米国市場は、感謝祭で休場でした。。
26日の日本市場では、円相場が対ドルで下落したため、朝方は輸出関連の主力株に買いが先行し、日経平均は10100円台に乗せる場面がありました。しかし、感謝祭休暇中の海外投資家が多く、商いは低調で、朝鮮半島の国際紛争リスクも懸念され、積極的な買いは手控えられました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+11.6%とプラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は+1.3%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在り、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.7ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.4ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の個人消費支出、11月の消費者態度指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の耐久財受注、10月の消費者態度指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月23日 0.2844% → 11月24日 0.2875% → 11月25日 0.2919%と低下後横ばいから上昇に転じました。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は25日、休場。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.17ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.15、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの休場で小幅に下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均は170円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、米国市場と比べて強い動きが続いていますが、さらに縮小しました。米国市場は、短期は横ばいトレンドになりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りし、短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、今夜の米国市場では、半日取引で、重要な経済指標の発表はなさそうです。日経平均は中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.73%と拡大傾向を維持していますので、目先円高は無さそうです。ただ、引き続き、朝鮮半島情勢、欧州財政問題やテクニカルに買われ過ぎと云う面もあり、買い材料に乏しく、短期調整局面と捉えておくことが無難と思われます。


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Thursday, November 25, 2010

[2010/11/25]日経平均の今後の見通し

[市況]
24日のNYDowとNASDAQは大幅上昇しました。25日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場は、一時前日同値まで下げましたが、後場は90円高まで上げる動となり、最終的に40円高で終わりました。日経平均は49円高で引け、出来高は19.2億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、140万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
24日の米国市場では、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善したことや、10月の個人消費支出と所得がともに前月比で増加したこと、11月の消費者態度指数が市場予想を上回る上昇となり、本格化する年末商戦への期待が強まり、株価指数は大幅上昇しました。一方、10月の耐久財受注額は市場予想を下回りましたが、9月分が上方修正されたことが減少幅の拡大につながった面もあり株価への影響は限定的でした。
25日の日本市場では、前場は円安や欧米市場高を好感した買いが先行しました。短期的な買われ過ぎに伴う戻り待ちの売りが上値を抑えましたが、3日ぶりに韓国株が反発し朝鮮半島情勢に対する過度な懸念が後退したほか、アジア株が上昇したことも支援材料となり、後場にはこの日の高値を付ける場面もありました。ただ、感謝祭の祝日で25日の米国市場が休場ということもあり、外人投資家は様子見で、商いは低調でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+13.2%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は+1.7%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在り、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.5ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の個人消費支出、11月の消費者態度指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の耐久財受注、10月の消費者態度指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月22日 0.2844% → 11月23日 0.2844% → 11月24日 0.2875%と低下後横ばいから上昇に転じました。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は24日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.17ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.16、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.5%となり、日経平均は250円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、+210円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、米国市場と比べて強い動きが続いていますが、縮小しました。米国市場は、短期は横ばいトレンドになりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りし、短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、今夜の米国市場は、感謝祭で休場です。日経平均は中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.76%と拡がりつつありますので、目先円高は無さそうです。朝鮮半島情勢による円高は今のところ一時的だったようです。ただ、引き続き、欧州財政問題やテクニカルに買われ過ぎと云う面もあり、短期調整局面と捉えておくことが無難と思われます。


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Wednesday, November 24, 2010

[2010/11/24]日経平均の今後の見通し

[市況]
23日のNYDowとNASDAQは下落しました。24日の日経平均先物は、前日比170円安で寄り付きました。前場は220円安もありましたが、その後50円安まで下げ幅を縮める動きとなりました。後場は小動きな展開となり、最終的に80円安で終わりました。日経平均は85円安で引け、出来高は21.2億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、770万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
23日の米国市場では、北朝鮮が韓国領を砲撃したと報じられ、南北の軍事衝突が深刻化するとの警戒感が広がりました。韓国ウォンが急落したことも市場心理を冷やしました。また、アイルランドの不良債権問題がポルトガルなど他国に広がるとの思惑も根強く、有力格付け会社がポルトガルの金融機関への懸念を示したと報じられたことも悪材料となりました。
24日の日本市場では、朝鮮半島に近い日本も地政学リスクの高まりが意識され、朝方は、外国人などによるリスク資産圧縮の売りによって下げ幅を200円あまりに拡大する場面がありました。もっとも「現時点では全面衝突には発展しない」との見方が多く、1万円割れの水準での底堅さを受けて過度な下値不安が後退し、後場は1万円を割り込むことなく推移しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+11.9%とプラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は+1.1%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.3ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.4ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月19日 0.2844% → 11月22日 0.2844% → 11月23日 0.2844%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は23日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.10ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.15、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率ほどは下げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.2%となり、日経平均は410円の割高で、割高幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、+220円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、米国市場と比べて強い動きが拡大しました。米国市場は、短期は下降トレンドになりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、10月の耐久財受注、10月のコア・デフレータ、10月の新築住宅販売件数が注目されそうです。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りし、短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、日経平均は中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.65%と縮まりつつあります。11月に入り拡大傾向が続いていてきましたが、朝鮮半島情勢次第で為替も変化しそうです。テクニカルに買われ過ぎでもありましたので、悪材料には敏感に反応しそうです。円高ぎみの動きが続けば、調整色を強めそうです。


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Monday, November 22, 2010

[2010/11/22]日経平均の今後の見通し

[市況]
19日のNYDowとNASDAQは上昇しました。22日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付きました。前場は120円高もありましたが、その後40円高まで上げ幅を縮める動きとなりました。後場は小動きな展開となり、最終的に70円高で終わりました。日経平均は92円高で引け、出来高は17.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、390万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
19日の米国市場では、中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き上げると発表したことで、米企業業績を押し下げるとの懸念から、NYDowは午前に約60ドル下げる場面もありました。一方、四半期決算で1株利益が市場予想を上回ったパソコン大手デルが上昇するなど、個別材料で上昇する銘柄が、NYDowの上昇を支えました。追加金融緩和への批判に反論した、バーナンキFRB議長の講演への反応は限られました。
22日の日本市場では、アイルランド政府がEUとIMFに金融支援を要請したと発表したことを受け、欧州の財政・金融不安が後退。為替市場で対ユーロを中心に円安が進んだことが輸出関連銘柄の買いを誘いました。ただ、勤労感謝の日を控え、後場は高い水準を維持しつつも小幅な値動きでした。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+14.9%とプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+2.0%とプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.2ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.8ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.5ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月17日 0.2844% → 11月18日 0.2844% → 11月19日 0.2844%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は19日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.27ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.5、PBRが1.16、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.4%となり、日経平均は330円の割高で、割高幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、+60円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、米国市場と比べて強い動きが拡大しました。米国市場は、短期トレンドは横ばいとなりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、特に注目すべき経済指標の発表はなさそうですので、個別材料が注目されそうです。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りし、短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、日経平均は中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.75%と若干縮まりましたが、11月に入り拡大傾向が続いています。ただ、サイコロジカルライン、25日線乖離率などがそろそろ買われ過ぎを示し始めていますので、そろそろ一服もありそうですが、調整幅は小さそうです。


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Sunday, November 21, 2010

[2010/11/21]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、長期金利上昇、欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念で週初は続落しましたが、週末にかけて欧州の財政問題の落ち着きで戻しました。一方、中長期的には、先進国の消費や雇用の改善の動きは弱く、欧州の財政問題や金融改革法案成立の影響による信用収縮傾向と、先進国の緊縮財政が景気後退懸念を生み、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性があります。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は米長期金利の上昇もあり、日本市場が1.6ポイント割安となっています。S&P500のPERが15.7で、日経平均のPERの15.4との差と日米金利差で日本市場は割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週の米国市場の週足は長い下髭となりました。欧州の財政不安や中国の金融引き締めの影響や長期金利上昇が一過性か否かが問題です。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は75%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.5%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利の低下は一服し、日米の金利差は1.7%~1.8%前後で推移し、為替は82から83円台の動きでした。今週は、82から84円台が想定されます。
④ 今年5月に更新された、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+3.0%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の弱気材料です。
⑤ 11月2週は買い越しで11月3週も買い越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち①③が強気材料でした。今週も引き続き、①③⑤と米長期金利や経済指標発表が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、7.1ポイント割安となり、先週比3.6ポイント割安幅が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+1.1%となり先週と比較してプラスに転換しました。総合乖離率は+12.3%となりプラス幅が拡がりました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は中期的には上昇トレンドですが、短期的には横ばいです。日本市場は短期、中期とも上昇トレンドです。一方、LIBORのドル3ヶ月物金利はギリシャ・ショック以前に戻り、欧米の財政問題が再燃してきたものの、金融不安とはなっていないようです。11月に入ってからは材料で尽くしと長期金利上昇、欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念を背景に、米国市場はNYDow、NASDAQともに下落傾向です。今週の米国市場は、10月の中古住宅販売件数、10月の耐久財受注、10月のコア・デフレータ、10月の新築住宅販売件数などが注目されそうですが。中国の利上げ実施や欧州財政問題の落ち着きで、売り圧力は減りそうです。ただ、長期金利の上昇傾向は続いており、日柄からも、もう少し調整があっても可笑しくありません。今週の日経平均は目先の高値圏入りを示すテクニカル指標が現れ始めましたので、調整が入りそうな気配です。ただ、日米金利差が拡大方向で、為替が円安方向に動く傾向が続けば、調整幅は限定的と思われます。
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Thursday, November 18, 2010

[2010/11/19]日経平均の今後の見通し

[市況]
18日のNYDowとNASDAQは大幅上昇しました。19日の日経平均先物は、前日比160円高で寄り付きました。前場は徐々に上げ幅を縮める動きとなりました。後場も上げ幅を縮める動きは続き、最終的に70円高で終わりました。日経平均は8円高で引け、出来高は21.5億株に減少しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、750万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
18日の米国市場では、アイルランド中銀総裁がEUとIMFからの財政支援を受け入れるとの方針を示したと報じられ、不良債権問題がポルトガルなどに飛び火するとの欧州の財政・金融不安がやや和らぎました。また、GM株が上場により市場で順調に消化されたことも相場の買い安心感につながったことや、11月のフィラデルフィア連銀景気指数が市場予想を大幅に上回ったこと、週間の新規失業保険申請件数も減少したことなども支援材料となりました。
19日の日本市場では、NYDowが173ドル高と急伸したことが買い安心感を誘い、海外ヘッジファンドによる売り方の買い戻しなどで、朝方は110円超まで上げ幅を拡大する場面がありました。ただ、11月に入って日経平均は約1割上昇しているため、日本株の出遅れ感は解消されつつあり、後場は中国株式相場が下げ足を速めたことも重荷になり、当面の利益を確定する売りで前日終値近辺まで上げ幅を縮めました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+12.3%とプラス幅は変化ありませんでした。200日線との乖離率は+1.1%とプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.4ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、11月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月16日 0.2844% → 11月17日 0.2844% → 11月18日 0.2844%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は18日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.30ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.15、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの大幅上昇の割に伸び悩みました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.0%となり、日経平均は290円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、+60円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、昨日の上げの反動もあり、米国市場と比べて強い動きが縮まりました。米国市場は、短期トレンドは横ばいとなりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、バーナンキ議長のECB理事会での講演などが注目されそうです。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りし、短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、今日の動きを見ると米国市場に連動する動きに戻ったようです。中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が続いています。円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.84%で11月に入り拡大傾向が続いています。日経平均は6/23の窓埋めとなる10100円を達成しました。サイコロジカルライン、25日線乖離率などがそろそろ買われ過ぎを示し始めていますので、そろそろ一服もありそうですが、調整幅は小さそうです。


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[2010/11/18]日経平均の今後の見通し

[市況]
17日のNYDowは小幅下落し、NASDAQは小幅上昇しました。18日の日経平均先物は、前日比同値で寄り付きました。前場は徐々に値を上げる動きとなりました。後場はさらに一段高となり、最終的に150円高で終わりました。日経平均は201円高で引け、出来高は24.4億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、470万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
17日の米国市場では、朝方発表の10月の住宅着工件数は年換算519,000戸と1年半ぶりの低水準にとどまり、市場予想を大幅に下回ったことで、住宅建設株が軒並み下落しました。バンカメやJPモルガン・チェースなど金融株が下げたことも、重荷となりました。一方、増益決算を発表したターゲットが大幅に上昇し、小売関連株が上昇するなど、NYDowが節目の11000ドルを下回る場面では押し目買いも入りました。
18日の日本市場では、米国市場や欧州が調整色を強めている中、これまで出遅れ感が強かった日本株に海外投資家の資金が流入しました。後場も中国の利上げ観測が浮上する中でも、上海株式相場が高く推移したことも、市場心理を明るくしました。1万円台では戻り売りが出ましたが、終値で1万円台を回復しました

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+12.3%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は+0.9%とプラス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.6ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.8ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、10月の住宅着工件数は予想以下でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月15日 0.2844% → 11月16日 0.2844% → 11月17日 0.2844%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は17日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.19ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.15、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず大幅に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.1%となり、日経平均は400円の割高で、割高幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、+40円 ~ +440の間で推移しています。日本市場は、円安推移で米国市場と比べて強い動きが拡大しました。米国市場は小動きでした。短期は下降トレンドとなりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、週間の新規失業保険申請件数や10月のコンファレンスボード景気先行指数などが注目されそうです。一方、日経平均は中期上昇トレンド入りしました。短期も上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、今日の動きを見る限りは米国市場や為替離れしたように見えます。ただ、基本は米国市場に連動すると思われますので、いずれ連動した動きに戻ると考えておくべきでしょう。中長期的にはテクニカルにもファンダメンタルにも米国市場に比べて割安ですので、この修正が起きていると捉えるべきでしょう。何れにせよ、円高方向に戻るまでは、この傾向は続きそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。現在長期金利差は1.78%で11月に入り拡大傾向が続いています。日経平均は200日線を抜いてきましたので、次の目安は6/23の窓埋めとなる10100円近辺と思われます。


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Wednesday, November 17, 2010

[2010/11/17]日経平均の今後の見通し

[市況]
16日のNYDowとNASDAQは大幅下落しました。17日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付きました。前場は徐々に値を上げる動きとなりました。後場もさらに値を上げる展開となり、最終的に50円高で終わりました。日経平均は14円高で引け、出来高は15.4億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、210万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
16日の米国市場では、ドルがユーロなど主要通貨に対して買われ、商品相場の割安感が後退したことや。中国の金融引き締め懸念が強まったことで、資源需要の伸び悩みにつながるとの見方が出て商品相場や資源関連株が大幅に下落しました。また、欧州でアイルランドの財政悪化がユーロ圏の他の国にも波及するとの懸念が強まり欧州の主要株価指数が軒並み下落したことも株価の重荷になりました。
17日の日本市場では、欧米市場が大幅安となったこと嫌気し、朝方は利益確定売りが先行しました。商品相場の急落で資源・素材関連株を中心に軟調に推移しましたが、円相場が83円台前半で円安・ドル高方向に動いたことを手掛かりに、自動車・精密など輸出株が買われました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+6.3%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-1.1%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドはら黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は2.2ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ2.0ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月12日 0.2844% → 11月15日 0.2844% → 11月16日 0.2844%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は16日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.22ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.0、PBRが1.12、ROEが7.5%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.3%となり、日経平均は220円の割高で、割高幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、+40円 ~ +220の間で推移しています。日本市場は、円安推移で米国市場と比べて強い動きが拡大しました。米国市場はドル高と欧州市場安で株価は大幅下落しました。短期は下降トレンドとなりましたが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、10月の消費者物価指数や、10月の住宅着工件数などが注目されそうです。一方、日経平均の中期トレンドは横ばいのままですが、短期は上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。今日は日米長期金利差が少し縮小しましたが、目先の為替は円安ぎみに動きました。米国株安ながら円安が支援材料となり、今日の日経平均は最終的に高くなりました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、中国の利上げがや欧州の財務問題が重なると、日本株にとってもマイナス材料ですが、一方、金利差が開き円安となればプラス材料です。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。ここしばらくは、好悪材料が日替わりで入り乱れ、日経平均は、まだまだ、神経質な動きが続きそうです。


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Tuesday, November 16, 2010

[2010/11/16]日経平均の今後の見通し

[市況]
15日のNYDowは小幅上昇し、NASDAQは小幅下落しました。16日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付きました。前場は寄り付き後直ぐに下げに転じ、後場初めに50円安となる場面もありました。その後はプラス圏に戻す動きとなりましたが、引けにかけて売られ、最終的に40円安で終わりました。日経平均は30円安で引け、出来高は18.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、40万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
15日の米国市場では、10月の小売売上高が前月に比べて1.2%増加して、市場予想を上回り、景気持ち直し要因として好感されました。また,相次ぐM&A報道も投資家心理を好転させました。ただ、ドル相場が対円やユーロで上昇したことが嫌気され、徐々に値を下げる展開となりました。
16日の日本市場では、円安が好感されて寄付きに買いが先行し、一時9900円台を回復したものの、その後は先物の大口売りに押されて急速に伸び悩みました。米国金融緩和策に対する反対意見の広がりを受けた米国株の軟化など、警戒材料視する動きも強まったようです。後場中頃には切り返す場面も見受けられましたが、インフレ抑制策の強化懸念を背景とした中国株の下げ幅拡大なども嫌気されて、大引けにかけては再度伸び悩みました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+6.0%とプラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-1.3%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りをますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドはら黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.6ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は変化ありません。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ2.2ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月11日 0.2856% → 11月12日 0.2844% → 11月15日 0.2844%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は15日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.32ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.3、PBRが1.13、ROEが7.4%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.8%となり、日経平均は70円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、+40円 ~ +210の間で推移しています。日本市場は、円安推移で米国市場と比べて強い動きが後退しました。米国市場は長期金利の上昇とドル高で株価は伸び悩みました。短期トレンドは横ばいですが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、10月の鉱工業生産や、11月の住宅市場指数などが注目されそうです。一方、日経平均の中期トレンドは横ばいのままですが、短期は上昇トレンドです。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。今日も日米長期金利差が拡大し、目先の為替は円安方向に動きました。米国株安ながら円安が支援材料となり、今日の日経平均は高く推移する場面もありました。ただ、200日線に頭を抑えられました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、中国の利上げが重なると、日本株にとってはマイナスですが、一方、金利差が開き円安となればプラス材料です。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。ここしばらくは、好悪材料が日替わりで入り乱れ、日経平均は神経質な動きが続きそうです。


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Monday, November 15, 2010

[2010/11/15]日経平均の今後の見通し

[市況]
12日のNYDowとNASDAQは下落しました。15日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付きました。前場は前日終値まで売られる場面もありましたが、徐々に戻す展開となりました。後場も小動きながら戻す動きは続き、最終的に80円高で終わりました。日経平均は102円安で引け、出来高は16.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、50万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
12日の米国市場では、物価上昇が続く中国が金融引き締めを実施するとの懸念で、資源需要が減少するとの思惑から、金などの主要な商品相場が急落し、株式市場ではアルコアやデュポンなど素材株への売りが目立ちました。ニューヨーク連銀が同日に初めて米国債を購入したにもかかわらず、米長期金利が上昇したことも嫌気されました。
15日の日本市場では、寄付き前に発表された7-9月期GDPの上振れ、欧州財政問題への警戒感後退に伴う円安反転の動き、中国市場の下げが限定的にとどまったことによる過度な警戒感の後退などを背景に、終始底堅い展開が続きました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りをます。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-+7.1%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-1.0%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在りをます。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドはら黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.6ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は2.8ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月10日 0.2856% → 11月11日 0.2856% → 11月12日 0.2844%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は12日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.29ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.6、PBRが1.13、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.6%となり、日経平均は150円の割高で、割高幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、-10円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、円安推移で米国市場と比べて強い動きが拡大しました。先週末の米国市場は長期金利の上昇で株価は下げました。短期トレンドは横ばいですが、中期はまだ上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、10月の小売売上高や11月のニューヨーク連銀製造業景気指数などが注目されそうです。一方、日経平均の中期トレンドは横ばいのままですが、短期トレンドは青信号となりました。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。今日は日米長期金利差が拡大し、目先の為替は円安方向に動きました。米国株安ながら円安が支援材料となり、今日の日経平均は小高く推移しました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、中国の利上げが重なると、日本株にとってはマイナスですが、一方、金利差が開き円安となればプラス材料です。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。ここしばらくは、好悪材料が日替わりで入り乱れ、日経平均は神経質な動きが続きそうです。


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Saturday, November 13, 2010

[2010/11/14]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、材料で尽くしと長期金利上昇、欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念を背景に大きく下落しました。一方、中長期的には、先進国の消費や雇用の改善の動きは弱く、欧州の財政問題や金融改革法案成立の影響による信用収縮傾向と、先進国の緊縮財政が景気後退懸念を生み、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性があります。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は米長期金利の上昇もあり、日本市場が1.9ポイント割安となっています。S&P500のPERが16.7で、日経平均のPERの15.3との差と日米金利差で日本市場は割安となりました。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週の米国市場は大幅に下落しました。欧州の財政不安や中国の金融引き締めの影響や長期金利上昇が一過性か否かが問題です。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は75%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.3%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利の低下は一服し、日米の金利差は1.6%~1.7%前後で推移し、為替は80から82円台の動きでした。今週は、81から83円台が想定されます。
④ 今年5月に更新された、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+3.0%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の弱気材料です。
⑤ 11月1週は買い越しで11月2週も買い越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち③が強気材料でした①が弱気材料でした。今週も引き続き、①③⑤と米長期金利や経済指標発表が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、10.7ポイント割安となり、先週比4.3ポイント割安幅が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は-2.1%となり先週と比較してマイナス幅が縮まりました。総合乖離率は+3.9%となりプラス幅が拡がりました。1つがマイナスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は中期的上昇トレンドに青信号が点灯していますが、短期は黄信号となりました。日本市場は短期がまだ青信号で、中期トレンドは黄信号となっています。ただ、株価は半年以上先の景気を暗示している面がありますので、200日線を下回る動きが続いている間は、円高と景気後退懸念から、株価低迷が続くと考えておくことが無難と思われます。ちなみに、日経平均は、200日線とは、まだ210円ぐらいのマイナス乖離があります。一方、LIBORのドル3ヶ月物金利はギリシャ・ショック以前に戻り、欧米の財政問題が再燃してきたものの、金融不安には波及していません。11月に入ってからは材料で尽くしと長期金利上昇、欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念を背景に、米国市場はNYDow、NASDAQともに下落傾向です。今週の米国市場は、10月の小売売上高、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の鉱工業生産、住宅関連指数、バーナンキ議長のECB理事会での講演などが注目されそうですが。長期金利の上昇傾向が続けば、利食い売りが続く可能性がたかそうです。今週の日経平均は日米金利差が拡大方向ですので、為替が円安方向に動く可能性が高そうです。そうなれば、米国市場が軟調でも、下げ渋る動きとなりそうです。ただ、市場環境が変化し、米長期金利が下がり日米金利差が縮まる動きとなった場合は米国市場の上昇には及ばない動きとなることが想定されます。


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Thursday, November 11, 2010

[2010/11/12]日経平均の今後の見通し

[市況]
11日のNYDowとNASDAQは下落しました。12日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付きました。前場は前日終値まで買われる場面も徐々に引き戻される展開となりました。後場は一段安で寄り付いた後は小動きな推移が続き、最終的に120円安で終わりました。日経平均は136円安で引け、出来高は18.2億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、190万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
11日の米国市場では、前日夕に慎重な売上高見通しを発表したシスコシステムズが急落したことで、警戒感が関連銘柄に波及しました。また、ウォルト・ディズニーの四半期決算が市場予想を下回ったことも投資家心理を冷やしました。中国の追加利上げ観測や欧州の財政不安への警戒感も重荷になり、NYDowは下げ幅を120ドル超に拡大する場面がありました。
12日の日本市場では、米市場安に加え、中国で利上げ観測が広がっているため、世界的な金融相場に水を差す動きへの警戒感が出て、利益確売りが出ました。週末に加え、G20首脳会議で、世界の不均衡是正に向けた政策協調の枠組みや金融規制がどう決まるかを見極めたいとして、売買を見送る投資家が多く、商いは低調でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りをます。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-+3.9%とプラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-2.1%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在りをます。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.2ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月09日 0.2856% → 11月10日 0.2856% → 11月11日 0.2856%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は11日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.36ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.12、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.7%となり、日経平均は60円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-30円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、円高推移で米国市場と比べて強い動きが後退しました。昨日の米国市場はハイテク株安と中国の利上げで下げました。その結果、短期トレンドは横ばいとなりましたが、中期は上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、G20首脳会議、11月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されそうです。一方、日経平均の中期トレンドは横ばいのままで、短期トレンドも横ばいとなりました。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。今日も日米長期金利差は縮小し、目先の為替は円高方向に動きました。米国株安と円高が重なり、今日の日経平均は大幅安となりました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、中国の利上げが重なると、日本株にとってはマイナスです。日本市場の上昇エンジンに急ブレーキが掛かった格好です。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。為替が円高方向への転換の可能性が出てくるとすると日経平均は米国市場より弱い動きが予想できます。200日線にも一旦接近しましたので、目先は短期調整局面入りを余儀なくされそうです。


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[2010/11/11]日経平均の今後の見通し

[市況]
10日のNYDowとNASDAQは小幅上昇しました。11日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場は30円から80円高までのレンジの推移でした。後場も20円から80円高までのレンジの推移で、最終的に50円高で終わりました。日経平均は30円高で引け、出来高は19.5億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、780万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
10日の米国市場では、朝方は欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念などを材料に売りが優勢でしたが、週間の新規失業保険申請件数が435,000件と、前週に比べて24000件減少しました。7000件程度の減少を見込んでいた市場予想と比べて大幅に改善したことで、消費関連銘柄などへの買いが入りました。また、FRBが14時に国債購入の日程を発表すると、緩和による流動性相場への期待が再浮上し。NYDowは水準を切り上げました。
11日の日本市場では、円安を手掛かりに輸出関連株に買いが先行し、前日に続いて大手銀行も上昇しました。ただ、韓国で開幕するG20首脳会議を控え模様眺めムードが広がったほか、高値警戒感もあり、一段と買い進む動きは限られました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りをます。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-+8.2%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-0.8%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在りをます。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.2ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.3ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月08日 0.2856% → 11月09日 0.2856% → 11月10日 0.2856%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は10日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.42ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.7、PBRが1.13、ROEが7.2%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均は110円の割高で、割高幅は変化ありませんでした。プレミアム値は、ここ一週間、-140円 ~ +150の間で推移しています。日本市場は、円高安推移で米国市場と比べて強い動きが続いています。昨日の米国市場は材料出尽くしと高値警戒感で一服しましたが、短期・中期とも上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、外為・債券市場が休場で注目される経済指標の発表はなさそうです。一方、日経平均は中期トレンドが黄信号のままですが、短期トレンドが青信号となっています。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。日・米長期金利差は縮小し、目先の為替は円高方向に動きましたが、米国株高の分、今日の日経平均は確りしていました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、日本株にとっては複雑です。日本市場の上昇エンジンはまだ片肺と考えておいた方が良さそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が重要です。為替が円安方向への転換の可能性が出てくるとすると日経平均は米国市場より強い動きが期待できますので、200日線(現在9935円近辺)回復も真近になりました。


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Tuesday, November 09, 2010

[2010/11/10]日経平均の今後の見通し

[市況]
8日のNYDowとNASDAQは下落しました。10日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場は160円高まで上昇する場面もありましたが、その後はやや値を下げる展開となりました。後場は小動きながら堅調な相場となり、最終的に120円高で終わりました。日経平均は136円高で引け、出来高は22.1億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、620万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
9日の米国市場では、午前中は欧州市場の上昇や、商品相場に買いが先行したことが相場を下支えしましたが、前日終値付近でもみ合う場面が目立ちました。午後は相場上昇が続いた後とあって、目先の利益確定売りが優勢でした。ドル高などを背景に金や原油など商品相場が午後に急速に水準を切り下げると、エネルギーや素材株に売りが出て、相場を押し下げました。
10日の日本市場では、一部海外紙で、銀行規制リストからアジアの銀行は除外される可能性があると伝わったことで、大手銀行に対する増資懸念が後退し、銀行株高期待で、寄り付きから買い優勢の展開となりました。また、円が81円後半まで円安に推移したことも支援材料となりました。後場もアジア株式市場が軟調に推移したにも関わらず、終始強い動きが続き本日の高値圏で取引を終えました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りをます。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-+7.4%とプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-1.1%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在りをます。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は2.3ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月05日 0.2856% → 11月08日 0.2856% → 11月09日 0.2856%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は9日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.30ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.6、PBRが1.13、ROEが7.2%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均は110円の割高で、割高幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、-180円 ~ +150の間で推移しています。日本市場は、円高安推移で米国市場と比べて強い動きが増しています。昨日の米国市場は材料出尽くしと高値警戒感で一服しましたが、短期・中期とも上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、9月の貿易収支が注目されそうです。一方、日経平均は中期トレンドが黄信号のままですが、短期トレンドが青信号となっています。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。米国長期金利は上昇し、金利差は拡大しましたので、目先の為替は円安方向に動きました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、日本株にとっては複雑です。日本市場の上昇エンジンはまだ片肺と考えておいた方が良さそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が重要です。為替が円安方向への転換の可能性が出てくるとすると日経平均は米国市場より強い動きが期待できますので、200日線(現在9940円近辺)回復も期待出来そうです。


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Monday, November 08, 2010

[2010/11/08]日経平均の今後の見通し

[市況]
5日のNYDowとNASDAQは小幅上昇しました。8日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付きました。前場は90円高まで上昇した後、上げ幅を縮める展開となりました。後場も前場と同程度の60円幅の動きとなり、最終的に70円高で終わりました。日経平均は106円高で引け、出来高は16.7億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、125万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
5日の米国市場では、10月の雇用統計で雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人以上に増加し、前月分も上方修正されたことで、雇用情勢が回復しつつあるとの見方から買いがやや優勢となりました。FRBが近く自己資本比率の高い健全行に増配を認めるとの報道を受け、前日に買われたJPモルガン・チェースなど大手銀行株に買いが続いたことも相場を支えました。もっとも、NYDowはリーマン・ショック前の水準まで上昇しており、材料出尽くし感から利益を確定する動きも出て、相場は前日終値近辺でもみ合う場面が目立ちました。
8日の日本市場では、10月の米雇用統計改善を手掛かりに5日の米国市場が続伸したことや、円が81円台前半にやや下げたことも追い風に、輸出関連株を中心に買われました。ただ、前週末までの3営業日で計5%強の急ピッチな上昇で短期の過熱感も意識され、9700円台では戻り待ちの売りが上値を抑えました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りをます。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-+4.7%とプラス幅が広がりました。200日線との乖離率は-2.2%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在りをます。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が13.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.1ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月03日 0.2859% → 11月04日 0.2856% → 11月05日 0.2856%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は5日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.49ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.5、PBRが1.12、ROEが7.1%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%となり、日経平均は10円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-260円 ~ +30の間で推移しています。日本市場は、円高一服でドルベースでは米国市場とほぼ均衡しています。今夜の米国市場は、重要な経済指標の発表はなさそうですので個別材料が注目されそうです。先週末は材料出尽くしと高値警戒感で揉み合う展開となりましたが、米国市場は短期・中期とも上昇トレンドの中にあります。一方、日経平均は中期トレンドが黄信号のままですが、短期トレンドが青信号となっています。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。目先の為替は円安方向に動きましたが、今回の米国の金融緩和で米国長期金利は低下し、金利差は縮まる傾向です。この傾向が続けば、円高傾向も続き、日本市場のブレーキとなりそうです。上昇エンジンはまだ片肺と考えておいた方が良さそうです。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が重要となりそうです。日経平均は節目のボリンジャーバンド+2σに到達しましたので、一服してもおかしくない水準ですが、為替か米国市場が支援材料となれば、200日線(現在9951円)までの上昇の可能性はありそうです。


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Saturday, November 06, 2010

[2010/11/07]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、好調な経済指標とFRBの追加金融緩和を背景に大きく上昇しました。一方、中長期的には、先進国の消費や雇用の改善の動きは弱く、欧州の財政問題や金融改革法案成立の影響による信用収縮傾向と、先進国の緊縮財政が景気後退懸念を生み、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性があります。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は米国企業7-9月期決算での増益修正で日本市場が0.1ポイント割高となっています。S&P500のPERが12.6で、日経平均のPERの15.3との差と日米金利差で日本市場は割高となりました。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週の米国市場は上昇しました。ただ、高値警戒感と材料出尽くしで、ピークアウト懸念もあります。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は75%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.1%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利の低下は一服し、日米の金利差は1.6%~1.7%前後で推移し、為替は80から81円台の動きでした。今週も、80から82円台が想定されます。
④ 今年5月に更新された、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+3.0%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の弱気材料です。
⑤ 10月4週は買い越しで11月1週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が強気材料でした。今週も引き続き、①③⑤と米国経済指標発表が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、15.0ポイント割安となり、先週比1.9ポイント割安幅が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は-3.3%となり先週と比較してマイナス幅が縮まりました。総合乖離率は-+1.5%となりプラス転換しました。1つがマイナスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は短期・中期的上昇トレンドに青信号が点灯しています。日本市場は短期が青信号となり、中期トレンドは黄信号となってきました。ただ、株価は半年以上先の景気を暗示している面がありますので、200日線を下回る動きが続いている間は、円高と景気後退懸念から、株価低迷が続くと考えておくことが無難と思われます。ちなみに、日経平均は、200日線とは、まだ330円ぐらいのマイナス乖離があります。一方、LIBORのドル3ヶ月物金利はギリシャ・ショック以前に戻り、欧米の金融不安は無くなりつつあります。9月に入ってからは経済指標と企業業績は改善傾向が持続しており、米国市場はNYDow、NASDAQともに堅調です。今週の米国市場は、9月の貿易収支、G20首脳会議などが株価に影響を与えそうですが、支援材料となるような経済指標の発表が無さそうですので、利食い売りが出やすい環境です。今週の日経平均は為替が円安方向に進まない場合はボリンジャーバンドの+2σに接近していることから、目先の高値を探る動きとなりそうですが、円安が進み、ボリンジャーバンドの+2σラインが拡がる展開となれば、一段高も期待出来そうです。


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Thursday, November 04, 2010

[2010/11/05]日経平均の今後の見通し

[市況]
4日のNYDowとNASDAQは上昇しました。5日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付きました。前場は徐々に値を上げる動きとなりました。後場も継続的に上昇する展開となり一時330円高となる場面がありました。引けにかけて、やや値を下げ、最終的に190円高で終わりました。日経平均は267円高で引け、出来高は21.2億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、620万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
4日の米国市場では、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数は前週から2万件増加と市場予想以上に増えましたが、相場は反応しませんでした。一方、追加緩和を受けてドル安が進み、原油や金など商品相場が上昇したことで、資源・エネルギー株が買われ、相場を押し上げました。取引終了前に「FRBが近く自己資本比率の高い金融機関の配当増額を容認する」との報道が伝わると銀行株が一段高となり、NYDowは上げ幅を拡大しました。
5日の日本市場では、米国相場が大幅高となったことや、円が落ち着いた動きだったことから、株式市場への資金流入期待を背景に、日本市場の出遅れ感からの買いが入りました。売り方の買い戻しや実需の買いも入り大幅高となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。総合乖離率は-+1.5%とプラス転換しました。200日線との乖離率は-3.3%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線の上に在り、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が15.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.3ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月米耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月02日 0.2859% → 11月03日 0.2859% → 11月04日 0.2856%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は4日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.33ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.6、PBRが1.11、ROEが7.1%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均は10円の割安で、割安幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-260円 ~ +40の間で推移しています。日本市場は、円高一服でドルベースでも米国市場より弱い動きが縮小しました。今夜の米国市場は、10月の雇用統計、9月中古住宅販売成約指数が注目されそうです。FRBの追加金融緩和規模はほぼ市場予想なみでしたが、米国市場は大幅上昇となり、米国市場は短期・中期とも上昇トレンドを確認しました。NYDowは25日線乖離率が3.2%となり、これを下回る可能性は小さくなりました。一方、日経平均は中期トレンドが黄信号のままですが、短期トレンドが青信号となり、上昇転換を確認しました。今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、円高傾向は続いていますので、上昇エンジンは片肺です。日経平均の今後を占う上で、為替相場を左右する日米金利差の推移が重要となりそうです。今回の米国の金融緩和で米国長期金利は低下し、金利差は縮まる傾向です。この傾向が続けば、円高傾向も続き、日本市場のブレーキとなりそうです。


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[2010/11/04]日経平均の今後の見通し

[市況]
3日のNYDowとNASDAQは上昇しました。4日の日経平均先物は、前日比120円高で寄り付きました。前場は徐々に値を上げ210円高となる場面がありました。後場も高値圏での揉み合いとなり、最終的に190円高で終わりました。日経平均は198円高で引け、出来高は17.8億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、860万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮まりました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
3日の米国市場では、朝方発表された10月のADP雇用リポートで、雇用者数が市場予想以上に増加したことや、10月のISM非製造業景況感指数が予想以上に改善したことが、株価の支援材料になりました。FRBがFOMCで、2011年6月末までに事前予想の5000億ドルを超える米国債6000億ドルを購入する金融緩和策を決めたことも好感されました。ただ事前に期待が広がっていただけに好材料出尽くし感も広がり、相場の上値は限られました。
4日の日本市場では、米国市場が上げた一方、FRBの追加金融緩和規模がほぼ事前の予想通りだったため円高が進まなかったことが買い安心感を誘いました。輸出関連を中心に多くの銘柄が買われ、東証1部の82%が値上がりするほぼ全面高の展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変りました。総合乖離率は-6.9%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-6.1%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上に在りますが、25日線、の下に在りますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が16.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.6ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.02ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月米耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月01日 0.2859% → 11月02日 0.2859% → 11月03日 0.2859%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は3日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.19ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.2、PBRが1.08、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均は110円の割安で、割安幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-260円 ~ -60の間で推移しています。日本市場は、円高一服でドルベースでも米国市場より弱い動きが縮小しました。今夜の米国市場は、新規失業保険申請件数 、10月のチェーンストア売上高が注目されそうです。FRBの追加金融緩和規模はほぼ市場予想なみとなりました。その結果、米国市場は短期・中期とも上昇トレンドとなりました。一方、日経平均は短期・中期とも黄信号となり、上昇に転換する可能性が見えてきました。今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、米国市場は材料出尽くしの面もあり、行き先は楽観できません。この先NYDowが25日線を割るか否かを注視することが必要です。ちなみに、現在の25日線乖離率は+1.5%で、まだ165ドル程度の余裕があります。日経平均の短期トレンドは黄信号となり、一目衡表の雲を上回りましたので、上昇転換への期待が出てきました。ただ、目先は週末に米雇用統計の発表を控え、様子見気分も出そうです。


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Tuesday, November 02, 2010

[2010/11/02]日経平均の今後の見通し

[市況]
1日のNYDowは小幅上昇し、NASDAQは小幅下落しました。2日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付きました。高値と安値の差は50円と終日膠着した値動きとなり、最終的に10円高で終わりました。日経平均は5円高で引け、出来高は15.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、250万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡がりました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
1日の米国市場では、10月のISM製造業景況感指数は前月比2.5ポイント上昇の56.9で市場予想の54.3を上回る内容となったほか、9月の建設支出も事前予想に反して増加するなど、景況感が改善し、朝方は高く始まりました。その後は、中間選挙やFOMCなど重要なイベントを控えて目先の利益確定売りに押され徐々値を下げる展開となりましたが、小幅ながら上昇を保って取引を終えました。
2日の日本市場では、FOMCの結果発表と米中間選挙を米国時間の3日に控え、様子見ムードが強いく、商いは低調でした。一日を通して前日終値を挟む水準で方向感に乏しい展開となりました。4-9月期の企業決算を手掛かりとした個別銘柄の売買が交錯したことも膠着相場の一因となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-13.2%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-8.1%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が16.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.2ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月米耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月28日 0.2869% → 10月29日 0.2859% → 11月01日 0.2859%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は1日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.17ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが14.9、PBRが1.06、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.3%となり、日経平均は240円の割安で、割安幅がやや縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-260円 ~ -60の間で推移しています。日本市場は、円高一服ながらドルベースでも米国市場より弱い動きが拡大しました。今夜から明日にかけての米国市場は、中間選挙や10月のISM非製造業景気指数、FOMCの追加金融政策の規模と内容が注目されそうです。9-10月に発表された米国の経済指標は、追加金融緩和期待から、予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いていていましたが、ここにきて変化が見られます。米国市場は中期上昇トレンドにありますが、短期トレンドは青信号の維持が微妙となりトレンドは横ばいになってきました。一方、日経平均は三角持ち合いを下離れ、冴えない動きとなっています。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、米国市場は高値圏でのもみ合い状態に在り、上昇が続くかどうか微妙な段階です。この先NYDowが25日線を割るか否かを注視することが必要です。ちなみに、現在の25日線乖離率は+0.9%で、まだ100ドル程度の余裕があります。日経平均の短期トレンドは赤信号が続いており、一目衡表の雲を下回りました。ボリンジャーバンドが拡がり始め、チャートとしては、一段と良くない形になっていますが、騰落レシオやサイコロジカルラインが売られ過ぎを示すなど、反転も近かそうです。中間選挙結果とFOMC声明が出た後の、休日明けの相場は一段安後に反転か、反転して始まるか、いずれにせよ、大きく動き出しそうです。


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Monday, November 01, 2010

[2010/11/01]日経平均の今後の見通し

[市況]
29日のNYDowとNASDAQは小幅上昇しました。1日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付き、寄り付き直後に急騰し80円高となる場面がありましたが、直ぐに元に戻り、前場は、その後小動きとなりました。後場も膠着した相場が続き、大引けにかけて、売り直され、最終的に30円安で終わりました。日経平均は47円安で引け、出来高は17.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、490万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮まりました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
29日の米国市場では、朝方に発表された7-9月期のGDP速報値は前期に比べ年率で2.0%増加し、市場予想にほぼ一致しました。個人消費は改善しましたが、景気の回復ペースは低調でFRBが追加緩和するとの観測を後退させるものではないと受け止められました。一方、決算の内容が嫌気されたシェブロンやメルクが下げたことや、10月の消費者態度指数が市場予想に反して低下したことが、相場の重荷になりましたが、相場は狭い値幅での推移が続きました。
1日の日本市場では、寄り付き直後は為替介入観測で乱高下しましたが、介入観測の後退とともに、円高、株安基調へと戻りました。後場に、PMIの前月比上昇を好感した中国株高で上昇する場面も見られましたが、円高進行とともに、日経平均も大引けにかけて下げ幅を広げる展開となりました。米国のFOMCや中間選挙の結果を見極めたいとするムードは依然として強く、買いは手控えられました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-13.8%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-8.3%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲を下回りました。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が17.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.1ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月米耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、9月のISM製造業景気指数、などは予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月27日 0.2884% → 10月28日 0.2869% → 10月29日 0.2859%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は29日、変らずでした。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.17ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.06、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均は200円の割安で、割安幅がやや縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-240円 ~ +0の間で推移しています。日本市場は、円高進行でドルベースでも米国市場より弱い動きが続いています。今夜の米国市場は、9月のコア・デフレータや、10月のISM製造業景気指数が注目されそうです。9-10月に発表された米国の経済指標は、追加金融緩和期待から、予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いていていましたが、ここにきて変化が見られます。米国市場は中期上昇トレンドにありますが、短期トレンドは青信号の維持が微妙となりトレンドは横ばいになってきました。一方、日経平均は三角持ち合いを下離れ、冴えない動きとなっています。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、米国市場は高値圏でのもみ合い状態に在り、上昇が続くかどうか微妙な段階です。この先NYDowが25日線を割るか否かを注視することが必要です。ちなみに、現在の25日線乖離率は+1.0%で、まだ110ドル程度の余裕があります。日経平均の短期トレンドは赤信号が続いており、一目衡表の雲を下回りました。ボリンジャーバンドが拡がり始め、チャートとしては、一段と良くない形になっています。目先は弱気が支配しやすい環境ですが、9080円近辺が目先の抵抗ラインと考えられますので、下げ余地はそれほどなさそうです。騰落レシオやサイコロジカルラインが売られ過ぎを示すなど、その先の反転も近かそうですが、FOMCが転換点の第一候補と考えられます。


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