日経平均の予想: September 2013

Monday, September 30, 2013

[2013/09/30]今後の日経平均の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは下落しました。30日の日経平均先物は、前日比240円安で寄り付き、午前中は310円安から200円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は100円安まで下げ幅を縮める場面がありましたが、結局250円安で取引を終わりました。日経平均の終値は304円安の14455円で、出来高は27.09億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は160万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
27
日の米国市場は、暫定予算など財政の崖を巡る与野党の対立が続く中、行政機能停止懸念が強まり、運用リスク回避の利益確定売りが広がりました。
30日の日本市場では、前週末の米国市場安や為替の円高推移を受けて、朝方から売りが先行しました。売り一巡後は月末のドレッシング買いから下げ幅を縮める場面があったものの、米財政問題への懸念は強く、大引けにかけて再び売りに押されました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は+18.3%でプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+12.6%でプラス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.8ポイント割高(強い動き)であることを示しています。日本市場は中期的に割高幅が2.3ポイント縮まりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2013年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.30イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の4-6月期のGDP確報値は2.5%で、改定値の2.5%と変わりませんでした。4-6月期の米主要企業の決算発表内容は概ね良好な内容です。
経済指標では、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数、8月のISM製造業景況指数8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、8月の耐久財受注、9月のニューヨーク連銀景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の小売売上高、7月の製造業受注は予想以下でした。
8月の雇用統計は就業者数が前月比16.9万人増で、市場予測の18万人増を下回りましたが、失業率は先月の7.4%から7.3%に改善しました。
一方、住宅関連では、8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売は予想以上でしたが、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は予想以下でした。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.6%上昇し、市場予想の0.8%上昇を下回りました。ただ、18ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、短期低金利政策は当面継続されるものの、量的緩和の年内縮小の可能性が表明されたことが、長期金利の上昇を生み、新興市場や金など商品市場下落の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しているものの金融システム不安再燃への懸念を残しています。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとしていますが、量的緩和の年内縮小の可能性を表明しました。ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルが独歩高となり易い環境となっています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0925 0.2476% 0926 0.2481% 0927 0.2483%となっています。過去18ヶ月は低下傾向です。最近9ヶ月も緩やかに低下傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.8PBR1.38となっています。ROE8.7%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.6%となり、日経平均は360円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+180円 ~+610円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きが続いていますが、今日は強い動きが減速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルにはほぼ均衡で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.95と縮小し、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円安圧力は弱まりました。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。
ファンダメンタル面では、新興国経済と市場の低迷は新たな金融危機を誘発するか、世界の景気は拡大か後退か、米国の財政の崖問題や金融緩和縮小の影響はどの程度かが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、米国の金融緩和縮小懸念で下落した新興国市場は戻り歩調です。LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向で、直近の金利も緩やかに低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利は低下し、懸念は後退しているものの、今後も中国のシャドーバンキング問題に注意が必要です。一方、世界景気の減速懸念も完全には払拭出来ていない中、4-6月期の米国企業決算内容は良好だったものの、テクノロジー関連企業の伸び悩みで、1-3月期からは減速ぎみです。米国の雇用状況は改善傾向ながら勢いは今一つで、直近の経済指標、住宅指標はまちまちです。FRBは米景気を改善傾向と判断し、量的緩和の年内縮小の可能性を一旦表明しましたが、結局9月のFOMCでは緩和継続を決定しました。しかし、市場は緩和縮小開始時期への憶測と連邦債務の上限引き上げ問題の行方に疑心暗鬼となっているようです。このような相場環境の中、30日の米国市場では、9月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。

今日の日経平均の下値は想定したボリンジャーバンド+1を大きく下回りました。目先の日経平均の上値はボリンジャーバンド+1σ(現在14640円近辺)で、下値は25日線(現在14160円近辺)との間での動きが想定されます。


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Saturday, September 28, 2013

[2013/09/29]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、暫定予算など連邦債務の上限引き上げ問題を巡り与野党交渉が難航するとの警戒感から、下落しました。一方、中長期的には、米国経済の回復に伴う金融緩和縮小懸念、中東の地政学的リスクの高まり、中国の景気減速とシャドーバンキング問題、米国の財政の崖問題及びEU諸国の緊縮財政による消費や雇用の停滞、新興国市場の下落による信用収縮懸念などに引き続き注意が必要です。
2013年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が1.18ポイント割安となりました。OECDの実質GDPの値が改定され、この改定値を基にすると、日本市場は割安と考えられます。割安の要因はS&P500PER15.0で、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2013年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ1.2%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER19.9程度になる(日経平均が18230円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2013GDP予測値(現在+1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。200日線の上に在り、日足は一目均衡表の雲の上限付近に在ります。米国市場は短期的に黄信号で、中長期的には青信号が点灯しています。今週は、9月のシカゴ購買部協会景気指数やISM製造業景況指数、9月の雇用統計が株式相場に影響しそうです。NYDowが一目均衡表の雲の上で維持できるか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は3月期の決算発表に伴い前年比+47%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は4-6月期の決算発表に伴い8.6%と伸び率に大きな変化はありません。
   日米の長期金利は低下して、日米の金利差は2.05%から1.95%と縮小し、為替は99円台から98円台と円高方向の動きでした。今週は97円台から99円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2013年の実質GDP伸び率は最近改定され日本が+1.6%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.3ポイント劣ります。
   93週は買い越しで、94週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうちが①③が弱気材料でした。今週も、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、3.4ポイント割高となりました。先週比割高幅は0.4ポイント縮小しました。日本市場は米国市場に比べて強い動きが減速しました。中長期的にはやや割高です。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+25.7%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+15.2%となりプラス幅は縮小しました。3つがプラスですので中期トレンドは、青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、新興国の利上、住宅市況の低迷、雇用指標の停滞、南欧政府債務問題、中国のシャドーバンキング問題、新興国市場の下落と世界景気後退懸念、資源高、中東の地政学的リスクなどのリスク懸念は後退しているものの、米国の財政の崖問題と金融緩和縮小懸念などが残っています。ただ、好材料としては、米国経済が回復基調の中でも、FRBによる超低金利が12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで継続されることや、ECBによる無制限の国債購入と金利引き下げ余地、FRBによる無期限のMBSの購入表明、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです
目先の状況を分析すると、シリア情勢を巡る警戒感は後退したものの、米暫定予算など連邦債務の上限引き上げ問題が浮上し、リスク許容度は低下しつつあります。また、米国景気は回復基調ながら経済指標は弱いものが目立ち長期金利は目先低下傾向で日米長期金利差が縮小し、円高要因でした。この面でも、日本株にはマイナスでした。

先週の日経平均は想定したボリンジャー・バンド+2σと25日線の範囲で推移しましたが、上値、下値とも、想定したラインには届きませんでした。今週の日経平均の上値はボリンジャー・バンド+2σ(現在15110円近辺)で下値は25日線(現在14120円近辺)の間での動き想定されます


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Thursday, September 26, 2013

[2013/09/27]今後の日経平均の見通し

[市況]
26
日のNYDowNASDAQは上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付き、午前中は80円安から10円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は120円安まで下げる場面があり、結局90円安で取引を終わりました。日経平均の終値は39円安の14760円で、出来高は30.67億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は120万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
26
日の米国市場は、朝方発表の新規失業保険申請件数は減少し、市場予想も下回ったことが好感されて買いが優勢となりました。ただ、連邦債務の上限引き上げを巡る与野党対立が続いており、伸び悩む場面もありました。
27日の日本市場では、為替市場で円相場が上昇したことや昨日の大幅高の反動で売りが優勢でした。ただ、内需株が買われ相場を支えた面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+25.7%でプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+15.2%でプラス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、9日線、25日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.1ポイント割高(強い動き)であることを示しています。日本市場は中期的に割高幅が1.3ポイント縮まりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2013年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.20イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の4-6月期のGDP確報値は2.5%で、改定値の2.5%と変わりませんでした。4-6月期の米主要企業の決算発表内容は概ね良好な内容です。
経済指標では、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数、8月のISM製造業景況指数8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、8月の耐久財受注、9月のニューヨーク連銀景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の小売売上高、7月の製造業受注は予想以下でした。
8月の雇用統計は就業者数が前月比16.9万人増で、市場予測の18万人増を下回りましたが、失業率は先月の7.4%から7.3%に改善しました。
一方、住宅関連では、8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売は予想以上でしたが、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は予想以下でした。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.6%上昇し、市場予想の0.8%上昇を下回りました。ただ、18ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、短期低金利政策は当面継続されるものの、量的緩和の年内縮小の可能性が表明されたことが、長期金利の上昇を生み、新興市場や金など商品市場下落の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しているものの金融システム不安再燃への懸念を残しています。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとしていますが、量的緩和の年内縮小の可能性を表明しました。ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルが独歩高となり易い環境となっています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0924 0.2502% 0925 0.2476% 0926 0.2481%となっています。過去18ヶ月は低下傾向です。最近9ヶ月も緩やかに低下傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.2PBR1.41となっています。ROE8.6%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも拘らず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.3%となり、日経平均は460円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+180円 ~+610円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きが続いていますが、今日は強い動きが減速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割高で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.98と拡大したものの、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は上昇し、円安圧力は強まりました。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、新興国経済と市場の低迷は新たな金融危機を誘発するか、世界の景気は拡大か後退か、米国の財政の崖問題や金融緩和縮小の影響はどの程度かが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、米国の金融緩和縮小懸念で下落した新興国市場は戻り歩調です。LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向で、直近の金利も緩やかに低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利は低下し、懸念は後退しているものの、今後も中国のシャドーバンキング問題に注意が必要です。一方、世界景気の減速懸念も完全には払拭出来ていない中、4-6月期の米国企業決算内容は良好だったものの、テクノロジー関連企業の伸び悩みで、1-3月期からは減速ぎみです。米国の雇用状況は改善傾向ながら勢いは今一つで、直近の経済指標、住宅指標はまちまちです。FRBは米景気を改善傾向と判断し、量的緩和の年内縮小の可能性を一旦表明しましたが、結局9月のFOMCでは緩和継続を決定しました。しかし、市場は緩和縮小開始時期への憶測と連邦債務の上限引き上げ問題の行方に疑心暗鬼となっているようです。このような相場環境の中、27日の米国市場では、8月の個人所得・個人支出、9月のミシガン大学消費者信頼感指数改定値が注目されそうです。

今日の日経平均は想定したボリンジャーバンド+2+1の間での動きとなりましたが、下値は目標ラインに接近しました。目先の日経平均の上値はボリンジャーバンド+2σ(現在15110円近辺)で、下値はボリンジャーバンド+1σ(現在14620円近辺)との間での動きが想定されます。


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[2013/09/26]今後の日経平均の見通し

[市況]
25
日のNYDowNASDAQは下落しました。26日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付き、午前中は140円安から200円高の範囲で下げ基調から一転して上げに転じる動きでした。午後は290円高まで上げる場面があり、結局270円高で取引を終わりました。日経平均の終値は178円高の14799円で、出来高は30.48億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は320万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
25
日の米国市場は、ウォルマートが在庫削減のために商品の発注を減らしていると報じられたことで、個人消費の減速懸念が浮上して、売りが優勢となりました。8月の米耐久財受注、新築住宅販売件数が予想以上となり、朝方はプラス圏で推移する場面がありました。
26日の日本市場では、朝方は米国市場安や9月期末の配当権利落ちを受けた売りが優勢となりました。その後は政府が法人税引き下げ検討を政策に盛り込むとの観測を受け、円安・株買いの動きで反発しました。日経平均は配当落ち分80円を吸収して高値引けとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+27.3%でプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+15.8%でプラス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、9日線、25日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.4ポイント割高(強い動き)であることを示しています。日本市場は中期的に割高幅が1.6ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2013年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.15イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の4-6月期のGDP改定値は2.5%で、速報値の1.7%から上方修正されました。4-6月期の米主要企業の決算発表内容は概ね良好な内容です。
経済指標では、8月の耐久財受注、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数、8月のISM製造業景況指数8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、9月のニューヨーク連銀景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の小売売上高、7月の製造業受注は予想以下でした。
8月の雇用統計は就業者数が前月比16.9万人増で、市場予測の18万人増を下回りましたが、失業率は先月の7.4%から7.3%に改善しました。
一方、住宅関連では、8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売は予想以上でしたが、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.6%上昇し、市場予想の0.8%上昇を下回りました。ただ、18ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、短期低金利政策は当面継続されるものの、量的緩和の年内縮小の可能性が表明されたことが、長期金利の上昇を生み、新興市場や金など商品市場下落の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しているものの金融システム不安再燃への懸念を残しています。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとしていますが、量的緩和の年内縮小の可能性を表明しました。ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルが独歩高となり易い環境となっています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0923 0.2506% 0924 0.2502% 0925 0.2476%となっています。過去18ヶ月は低下傾向です。最近9ヶ月も緩やかに低下傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.2PBR1.41となっています。ROE8.6%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

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今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘らず大幅上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.2%となり、日経平均は590円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+110円 ~+610円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きが続いていますが、今日は強い動きが急加速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割高で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.94と縮小したものの、ドル円は、円安方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円安圧力は弱まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、新興国経済と市場の低迷は新たな金融危機を誘発するか、世界の景気は拡大か後退か、米国の財政の崖問題や金融緩和縮小の影響はどの程度かが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、米国の金融緩和縮小懸念で下落した新興国市場は戻り歩調です。LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向で、直近の金利も緩やかに低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利は低下し、懸念は後退しているものの、今後も中国のシャドーバンキング問題に注意が必要です。一方、世界景気の減速懸念も完全には払拭出来ていない中、4-6月期の米国企業決算内容は良好だったものの、テクノロジー関連企業の伸び悩みで、1-3月期からは減速ぎみです。米国の雇用状況は改善傾向ながら勢いは今一つで、直近の経済指標、住宅指標はまちまちです。FRBは米景気を改善傾向と判断し、量的緩和の年内縮小の可能性を一旦表明しましたが、結局9月のFOMCでは緩和継続を決定しました。しかし、市場は緩和縮小開始時期への憶測で疑心暗鬼となっているようです。このような相場環境の中、26日の米国市場では、新規失業保険申請件数、4-6月期のGDP確報値、8月の中古住宅販売仮契約が注目されそうです。

今日の日経平均は想定したボリンジャーバンド+2+1の間を一時下回りました。目先の日経平均の上値はボリンジャーバンド+2σ(現在15060円近辺)で、下値はボリンジャーバンド+1σ(現在14560円近辺)との間での動きが想定されます。


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