日経平均の予想: November 2025

Saturday, November 08, 2025

[2025/11/09]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、AI関連株のバリュエーションの高さが意識されていることや、米政府機関の一部閉鎖が雇用悪化につながり始めたことで、株価指数は週間では下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.21%, NASDAQ:-3.04%, S&P500:-1.63%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2026年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.63ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.5に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER18.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2026年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.63ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER27.5程度になる。又は、日経平均が72,840円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は22,570円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、22,570円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは、拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2026GDP予測値(現在+2.5%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.7%となりました。3ヶ月前に比べて-0.2%ポイント悪化しています。利益伸び率は-6.3%となりました。3ヶ月前に比べて-1.5%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2. 42から2. 43と拡大したものの、ドル円は154円台から152円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.16%下落しました。

  OECDの日米の2026年の名目GDP伸び率は、日本が+2.5%で、米国は+4.3%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.8ポイント劣ります。

  10月第5週は買い越しで、11月第1週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に9.9ポイント(日経平均に勘算すると4980円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に17.4ポイント(日経平均に勘算すると8750円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQより強い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 19.1と上昇しました。 日経 VI は 週間で 35.5と上昇しました。米国市場は疑心暗鬼状態で日本市場は高所恐怖症状態です。

 

日経平均は、9日線の下にあり、25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+39.0%となり、200日移動平均線乖離率は+24.5%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は残っています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。

 

為替市場を分析すると、20254月につけた139円をボトムに円安方向に転換しています。今週は154円台から151円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、政府機関の閉鎖が史上最長を記録しており、米経済指標の発表停止が長期化する見込みですが、週間ADP雇用統計など民間の経済指標が焦点となります。世界的には、英国のGDPと労働市場指標、ユーロ圏の鉱工業生産、中国の鉱工業生産、小売売上高、日本のGDP速報値を発表します。

 

先週の日経平均は想定範囲内を下振れしました。上値はほぼ一致し、下値は1560円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在50820円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在47240円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、日米のAI関連株のバリュエーションの高さへの危惧が払しょくされなければ、軟調な展開が続きそうです。


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Thursday, November 06, 2025

[2025/11/07]今後の日経平均の見通し

[市況]

116日、NYDowNASDAQは下落しました117日の日経平均先物は、前日比630円安で寄り付くと、午前中は400円安から1060円安と下落幅を拡げ、午後は1180円安から480円安と下落幅を縮めて、結局、550円安で取引を終えました。日経平均の終値は607円安の50276円で、出来高は25.52億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

116日の米国市場では、複数の調査会社から米労働市場の減速を示すデータが公表されたことを受け、米経済の先行きに対する懸念が強まり、売りが優勢となりました。これまで相場上昇を牽引してきたAI関連銘柄に、過熱感から売りが膨らんだことも重石となりました。NYDowNASDAQは反落しました。

117日の日本市場では、前日の米株式市場で主要な株価指数がそろって下落した流れが引き継がれ、AI関連のハイテク株を中心に売りが優勢となりました。前日に決算を発表した味の素がストップ安まで売られたことも相場の重石となりました。一方、衆院予算委員会で高市総理大臣が「プライマリーバランスの黒字化目標は取り下げる」旨の発言をしたことは、積極財政を裏付けるものとして好感されました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+39.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+24.5%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+9.6ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が4830円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+17.2ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8650円ほど割高であることを示しています

 

日経VI35.51と前日より上昇し、VIX19.50と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.60、米国-0.19と日本が3.41ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.60ポイント(日経平均換算で22020円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、10月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.99PBR1.66となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.3%で、こちらは3か月前より4.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%となり、日経平均の割高幅は460円から440円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+440円~+2030円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.46ポイントから2.43ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

116日の米国市場では、10月の雇用統計や、11月ミシガン大学消費者態度指数のほか、フランクリン・リソーシズや、デューク・エナジーなどの四半期決算が予定されています。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを780円ほど下回り、下値は想定ラインを480円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在50820円近辺)が上値の目安に、25日線+400円(現在49430円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は反落しました。115日の安値(49073円)を終値で下回るかどうかが、次の注目点です。



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Wednesday, November 05, 2025

[2025/11/06]今後の日経平均の見通し

[市況]

115日、NYDowNASDAQは上昇しました116日の日経平均先物は、前日比730円高で寄り付くと、午前中は770円高から100円高の間で上下し、午後は530円高から250円高の間でもみあって、330円高で取引を終えました。日経平均の終値は671円高の50883円で、出来高は28.13億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

115日の米国市場では、10月のADP雇用統計と10月のISM非製造業景況指数がともに市場予想を上回ったことが投資家心理を上向かせ、株買いにつながりました。AMDなどハイテク株が売り一巡後に切り返したことも相場の支えとなりました。また、最高裁で争われているトランプ関税の合憲性をめぐる訴訟で、「複数の判事が合憲性に懐疑的な姿勢を示している」と伝わり、関税政策が覆る可能性も意識されたようです。NYDow3営業日ぶりに反発し、NASDAQも反発しました。

116日の日本市場では、前日の米株式相場がハイテク株を中心に上昇した流れが引き継がれ、短期筋の押し目買いが先行しました。朝方の買い一巡後は上値の重さが目立つ展開となりましたが、半導体関連の一角が買われたことや、商社や銀行といったバリュー(割安)株が物色されたことが、相場全体を支えました。日経平均は3営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+44.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+26.2%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+9.0ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が4580円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+18.0ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均9160円ほど割高であることを示しています

 

日経VI33.63と前日より低下し、VIX18.01と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.49、米国-0.15と日本が3.34ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.53ポイント(日経平均換算で21500円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、10月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.36PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-7.3%で、こちらは3か月前より5.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%となり、日経平均の割高幅は610円から460円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+460円~+2430円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.43ポイントから2.46ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

116日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数のほか、モデルナ、ラルフ・ローレン、タペストリー、デュポン・ド・ヌムール、ロックウェルオートメーション、NRGエナジー、カミンズ、エアビーアンドビー、アカマイ・テクノロジーズ、ハイアット・ホテルズなどの四半期決算が予定されています。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを370円ほど上回り、下値は想定ラインを1290円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+600円(現在51380円近辺)が上値の目安にボリンジャーバンド+1σ-700円(現在50080円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。きょうの日経平均は反発しましたが、目先の方向性を見極めるには、いましばらく時間が必要なようです。



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Tuesday, November 04, 2025

[2025/11/05]今後の日経平均の見通し

[市況]

114日、NYDowNASDAQは下落しました115日の日経平均先物は、前日比510円安で寄り付くと、午前中は480円安から2400円安と下落幅を大きく拡げ、午後は1980円安から980円安と下落幅を縮めて、980円安で取引を終えました。日経平均の終値は1284円安の50212円で、出来高は34.43億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

114日の米国市場では、AI関連銘柄のパランティア・テクノロジーズが、市場予想上回る好決算を発表したにもかかわらず大幅に下落したことから、AI投資の過熱感が意識され、ハイテク株を中心に売りが優勢となりました。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーのCEOが株式相場の先行きについて悲観的な見通しを示したことも重石となりました。NYDowは続落し、NASDAQ3営業日ぶりに反落しました。

115日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受け、値がさの半導体関連株やハイテク株を中心に売りが広がりました。一方、好業績を発表した銘柄には買いが入り、相場の下値を支えました。日経平均の下げ幅は一時2400円を超えましたが、午後は下げ渋り、終値では5万円台を維持しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+40.6%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+24.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+8.1ポイントとプラス幅を縮め、日平均が4070円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+17.0ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8540円ほど割高であることを示しています

 

日経VI36.61と前日より上昇し、VIX19.03と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.65、米国-0.21と日本が3.44ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.64ポイント(日経平均換算で22500円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、10月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.86PBR1.65となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.9%で、こちらは3か月前より4.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均の割高幅は1400円から610円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+610円~+2430円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.43ポイントから2.43ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

115日の米国市場では、10月のADP雇用統計や10月のISM非製造業景況指数のほか、アーム・ホールディングス、マクドナルド、クアルコム、フォーティネット、ロイヤルティファーマなどの四半期決算が予定されています。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを370円ほど下回り、下値は想定ラインを1660円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在50730円近辺)が上値の目安に、25日線+800円(現在49360円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に続落しました。しばらく下げ圧力が強い状態が続きそうです。25日線近辺で反転できるかどうかが、次の注目点です。



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Monday, November 03, 2025

[2025/11/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

113日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました114日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付くと、午前中は一時210円安から410円高の間で上下し、午後は180円高から780円安と下落幅を拡げて、780円安で取引を終えました。日経平均の終値は914円安の51497円で、出来高は30.57億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

113日の米国市場では、オープンAIにクラウドサービスを提供すると伝わったアマゾン・ドット・コムや、アラブ首長国連邦へのAI半導体の輸出が商務省に許可されたと伝わったエヌビディアなど、好材料が出たハイテク株に買いが集まりました。一方、10月のISM製造業景況指数が市場予想を下回り、製造業の苦境が伝わったことは相場の重石となりました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは続伸しました。

114日の日本市場では、足元の急ピッチな株価上昇を受けて過熱感が意識され、幅広い銘柄に利益確定の売りが優勢となりました。米株価指数先物が下落したことや、外国為替市場で円相場が円高ドル安方向に振れたことも重石となりました。一方、好決算を発表した主力企業の一角には買いが向かいました。日経平均は4営業日ぶりに大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+50.3%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+28.1%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+9.0ポイントとプラス幅を縮め、日平均が4630円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+19.8ポイントとプラス幅を縮め、日経平均10200円ほど割高であることを示しています

 

日経VI32.66と前日より上昇し、VIX17.17と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.52、米国-0.20と日本が3.32ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.51ポイント(日経平均換算で21310円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、10月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.32PBR1.68となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-7.9%で、こちらは3か月前より4.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落率以上に下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.8%となり、日経平均の割高幅は2430円から1400円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1400円~+2430円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.45ポイントから2.43ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

114日の米国市場では、9月の貿易収支や、9月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数、9月の製造業受注のほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ウーバー・テクノロジーズ、ファイザー、ピンタレスト、アムジェンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを110円ほど下回り、下値は想定ラインとほぼ一致しました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-900円(現在51750円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在50600円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に反落しました。前日の安値を終値で下回ったことは、調整局面入りのサインかもしれず、目先、警戒が必要なようです。



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