日経平均の予想: [2025/11/04]今後の日経平均の見通し

Monday, November 03, 2025

[2025/11/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

113日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました114日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付くと、午前中は一時210円安から410円高の間で上下し、午後は180円高から780円安と下落幅を拡げて、780円安で取引を終えました。日経平均の終値は914円安の51497円で、出来高は30.57億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

113日の米国市場では、オープンAIにクラウドサービスを提供すると伝わったアマゾン・ドット・コムや、アラブ首長国連邦へのAI半導体の輸出が商務省に許可されたと伝わったエヌビディアなど、好材料が出たハイテク株に買いが集まりました。一方、10月のISM製造業景況指数が市場予想を下回り、製造業の苦境が伝わったことは相場の重石となりました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは続伸しました。

114日の日本市場では、足元の急ピッチな株価上昇を受けて過熱感が意識され、幅広い銘柄に利益確定の売りが優勢となりました。米株価指数先物が下落したことや、外国為替市場で円相場が円高ドル安方向に振れたことも重石となりました。一方、好決算を発表した主力企業の一角には買いが向かいました。日経平均は4営業日ぶりに大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+50.3%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+28.1%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+9.0ポイントとプラス幅を縮め、日平均が4630円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+19.8ポイントとプラス幅を縮め、日経平均10200円ほど割高であることを示しています

 

日経VI32.66と前日より上昇し、VIX17.17と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.52、米国-0.20と日本が3.32ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.51ポイント(日経平均換算で21310円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、10月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.32PBR1.68となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-7.9%で、こちらは3か月前より4.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落率以上に下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.8%となり、日経平均の割高幅は2430円から1400円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1400円~+2430円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.45ポイントから2.43ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

114日の米国市場では、9月の貿易収支や、9月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数、9月の製造業受注のほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ウーバー・テクノロジーズ、ファイザー、ピンタレスト、アムジェンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを110円ほど下回り、下値は想定ラインとほぼ一致しました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-900円(現在51750円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在50600円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に反落しました。前日の安値を終値で下回ったことは、調整局面入りのサインかもしれず、目先、警戒が必要なようです。



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