日経平均の予想: [2025/11/19]今後の日経平均の見通し

Tuesday, November 18, 2025

[2025/11/19]今後の日経平均の見通し

[市況]

1118日、NYDowNASDAQは下落しました1119日の日経平均先物は、前日比440円高で寄り付くと、午前中は一時230円安まで下落したのち650円高まで上昇幅を拡げ、午後は650円高から60円安と再びマイナスに転じて、結局、140円高で取引を終えました。日経平均の終値は165円安の48537円で、出来高は24.69億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

1118日の米国市場では、AI関連企業への過剰投資が警戒されるなか、エヌビディアの四半期決算発表を間近に控えて半導体株やハイテク株に持ち高調整の売りが出て、相場の重石となりました。一方、ビットコインの価格が回復したことは投資家心理の支えとなりました。NYDow4日続落し、NASDAQも続落しました。

1119日の日本市場では、前日の大幅な株安の反動で、目先の戻りを見込んだ買いが入りました。一方、米エヌビディアの決算発表を前にレーザーテックやアドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体関連株には売りが出て、相場を下押ししました。日中関係悪化への警戒感も投資家心理の重石となりました。日経平均は4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+21.7%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+18.9%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.8ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3790円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.8ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均6700円ほど割高であることを示しています

 

日経VI36.56と前日より上昇し、VIX24.67と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.76、米国-0.22と日本が3.54ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.74ポイント(日経平均換算で22490円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.23PBR1.61となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より6.6ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.4%となり、日経平均の割安幅は1850円から1250円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1850円~-540円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.38ポイントから2.38ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安水準でもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

1119日の米国市場では、10月の住宅着工件数や10月のFOMC議事要旨のほか、エヌビディア、ターゲット、TJXカンパニー、プログレッシブ・コープ、パロ・アルト・ネットワークス、ロウズ・カンパニーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを410円ほど下回り、下値は想定ラインを90円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+400円(現在49150円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在47490円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、やや弱まりました。日経平均は続落しました。引き続き、ボリンジャーバンド-2σ(現在47491円)で踏みとどまれるかどうかが注目点です。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のバナーをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート