日経平均の予想: April 2021

Thursday, April 29, 2021

[2021/04/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

429日、NYDowNASDAQは上昇しました。430日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は160円安から10円高の間で上下し、午後は120円安から280円安の間でもみあって、結局170円安で取引を終えました。日経平均の終値は241円安の28812円で、出来高は13.50億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

429日の米国市場では、バイデン大統領の施政方針演説を受け、大型の財政支出が景気の回復を後押しするとの期待が高まり、景気敏感株の一角が買われました。週間の新規失業保険申請件数が前週比で減少したことも、労働市場の改善を示すものとして好感されました。NYDowNASDAQは反発しました。

430日の日本市場では、決算発表を通過した値がさ株の一角が利益確定の売りに押され、指数を押し下げました。大型連休中のイベントリスクなどを警戒した持ち高調整の売りも重石となりました。また、さえない景気指標を受けて中国株や香港株が下落したことも、投資家心理を下向かせました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+6.7%と前営業日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.2%と前営業日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下に抜けました。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前営業日より0.6ポイント拡大して-3.5となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1010円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較でも、日経平均が3.5ポイント(日経平均換算で1010円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.7、米国-2.6と日本が2.1ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.45ポイント(日経平均換算で3020円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率6.4%増で、市場予想を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の小売売上高、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、3月の耐久財受注、3月の鉱工業生産指数、2の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は83負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比91.6万人増で、市場予想の67.5万人増を上回りました。また、失業率は6.0%で、先月の6.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。一方、2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+11.9%で、市場予想の+11.8%を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金融緩和期待の両面で中立材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、426 0.1840 427 0.1771 428 0.1855と落ち着いていますが、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER21.1PBR1.28なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE6.1%となり、これは3か月前より1.2ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+17.2%で、こちらは3か月前より36.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.6%となり、日経平均の割安幅は640円から760円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-760円から-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.55ポイントから1.57ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇レンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

430日の米国市場では、3月の個人消費支出・個人所得のほか、エクソン・モービルやシェブロンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを260円ほど下回り、下値は想定ラインを80円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在29040円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-100円(現在28570円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Tuesday, April 27, 2021

[2021/04/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

427日、NYDowは小幅上昇し、NASDAQは下落しました。427日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付くと、午前中は130円安から130円高と上昇に転じ、午後は150円高から60円高の間でもみあって、結局60円高で取引を終えました。日経平均の終値は62円高の29053円で、出来高は12.37億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

427日の米国市場では、FOMCの結果発表を前に持ち高調整の債券売りで長期金利が上昇したことから、相対的な割高感が意識されるハイテクなど高PER銘柄が売られました。一方で、銀行や資本財など景気敏感株の一角が買われ、相場を支えました。NYDowは小反発し、NASDAQ3営業日ぶりに反落しました。

428日の日本市場では、月末やFOMCの結果公表を前に持ち高調整の売りが先行しましたが、売り一巡後は決算発表を通過した主力株に買いが入り、相場を支えました。もっとも、積極的に持ち高を傾ける動きは乏しく、午後は膠着した相場となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+9.5%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+11.2%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.7ポイント縮小して-2.9となり、中長期的には日経平均がNASDAQより840円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が2.5ポイント(日経平均換算で730円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.6、米国-2.6と日本が2.0ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.38ポイント(日経平均換算で2550円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率4.3%増で、改定値の4.1%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の小売売上高、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、3月の耐久財受注、3月の鉱工業生産指数、2の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は83負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比91.6万人増で、市場予想の67.5万人増を上回りました。また、失業率は6.0%で、先月の6.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+11.9%で、市場予想の+11.8%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、422 0.1757 423 0.1813 426 0.1840と落ち着いていますが、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER21.3PBR1.29なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE6.1%となり、これは3か月前より1.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+11.0%で、こちらは3か月前より30.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均の割安幅は530円から640円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-640円から-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.51ポイントから1.55ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇レンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

428日の米国市場では、FOMCの結果公表およびパウエルFRB議長の会見や、バイデン大統領の議会演説のほか、アップル、フェイスブック、ボーイング、クアルコム、フォード・モータ-、イーベイ、オートマチック・データ・プロセシングなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを160円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。目先は、25日線-100円(現在29300円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在28830円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Monday, April 26, 2021

[2021/04/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

426日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。427日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付くと、午前中は90円高から160円安と下落に転じ、午後は180円安から60円安の間でもみあって、結局180円安で取引を終えました。日経平均の終値は134円安の28991円で、出来高は11.59億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

426日の米国市場では、商品相場の上昇で採算が圧迫されるとの見方から、消費関連の一角が売られました。一方、今週に決算発表を控える主力ハイテク株には先回りの買いが入り、相場を下支えしました。結局、NYDowは反落しましたが、NASDAQは続伸し、2か月半ぶりに過去最高値を更新しました。

427日の日本市場では、目新しい売買材料を欠くなか、日米の主要な企業の決算発表が意識され、持ち高調整の売りが優勢となりました。国内における新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感も、引き続き投資家心理の重石となりました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+9.1%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+11.1%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.6ポイント拡大して-3.6となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1040円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が2.7ポイント(日経平均換算で780円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.6、米国-2.7と日本が1.9ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.32ポイント(日経平均換算で2140円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率4.3%増で、改定値の4.1%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の小売売上高、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、3月の耐久財受注、3月の鉱工業生産指数、2の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は83負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比91.6万人増で、市場予想の67.5万人増を上回りました。また、失業率は6.0%で、先月の6.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+11.1%で、市場予想の+11.0%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、421 0.1728 422 0.1757 423 0.1813と落ち着いていますが、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER21.4PBR1.28なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE6.0%となり、これは3か月前より1.2ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+10.3%で、こちらは3か月前より30.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.8%となり、日経平均の割安幅は330円から530円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-960円から-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.51ポイントから1.51ポイントと横ばいでしたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇レンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

427日の米国市場では、2月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数や、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数のほか、アルファベット、マイクロソフト、ビザ、スターバックス、3MTIUPSなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを190円ほど下回り、下値は想定ラインを130円ほど上回りました。目先は、25日線-100円(現在29280円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在28760円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Sunday, April 25, 2021

[2021/04/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

423日、NYDowNASDAQは上昇しました。426日の日経平均先物は、前日比160円高で寄り付くと、午前中は70円安から190円高の間で上下し、午後は130円高から280円高の間でもみあって、結局200円高で取引を終えました。日経平均の終値は105円高の29126円で、出来高は9.75億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

423日の米国市場では、「バイデン政権が富裕層を対象にキャピタルゲイン課税の税率を引き上げる」との前日の報道をきっかけに、売りが先行しました。しかし、売り一巡後は、増税が相場に与える影響は限定的との見方から、前日に大きく下げたハイテク株を中心に買いが広がりました。NYDowNASDAQは反発しました。

426日の日本市場では、前週末の米株高に加え、日経平均が29000円前後で底堅さを見せたことが好感され、押し目買いの好機と見た買いが優勢となりました。米株価指数先物やアジア株の上昇も投資家心理を支えました。ただ、主要企業の決算発表後の株安への警戒感から利益確定の売りも出て、相場の重石となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+10.7%と前週末よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+11.8%と前週末よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.1ポイント拡大して-2.0となり、中長期的には日経平均がNASDAQより580円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が2.4ポイント(日経平均換算で700円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.5、米国-2.7と日本が1.8ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.23ポイント(日経平均換算で1550円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率4.3%増で、改定値の4.1%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の小売売上高、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、3月の鉱工業生産指数、2の製造業受注2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は83負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比91.6万人増で、市場予想の67.5万人増を上回りました。また、失業率は6.0%で、先月の6.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+11.1%で、市場予想の+11.0%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、421 0.1728 422 0.1757 423 0.1813と落ち着いていますが、しばらくは金融不安の再燃に注意が必要です。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER21.8PBR1.29なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.9%となり、これは3か月前より1.2ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+9.1%で、こちらは3か月前より28.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均の割安幅は390円から330円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-960円から-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.50ポイントから1.51ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇レンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

426日の米国市場では、3月の耐久財受注額のほか、テスラなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを140円ほど上回りました。目先は、25日線(現在29380円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在28860円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, April 24, 2021

[2021/04/25]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、世界の新型コロナウイルス感染者数の増加基調と、キャピタルゲイン課税の引き上げ観測で、株価指数は下落しました。一方、中長期的には、過剰流動の副作用によるインフレ懸念、ファンドなどのディフォルトによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また、中国の不動産バブル崩壊懸念と景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、東アジア、中東、ウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.25ポイント割安となっています。割高の要因はS&P500PER23.6に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER21.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.25ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER22.9程度になるか、又は、日経平均が30670円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は1650円ほど割安です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在+2.72%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は5.9%となりました。3ヶ月前に比べて1.2ポイント改善しています。また、利益伸び率は+9.1%3ヶ月前に比べて29.0ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 1.50%から1.50%と変わらないものの、為替は108円台から107円台で円高方向に動きました。

  OECDの日米の2021年の名目GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.72%で、米国は+4.35%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.63ポイント劣ります。

  42週は売り越しで、43週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に2.3ポイント(日経平均に勘算すると670円程度)割安です。先週と比べ割安に変わりました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に2.7ポイント(日経平均に勘算する780円程度)割安となっています。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。総合乖離率は+9.8%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+11.5%でプラス幅は縮小しました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"黄信号"が点灯しています。

日経平均は、25日線と9日線の下にありますので、短期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNY Dowは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、長期金利の上昇傾向、原油相場の上昇、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は落ち着いており、金融不安の兆候はありません。20203月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債や0から12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、ここ1年は、ゆるやかに円高方向に動いていました。ここ2か月は急速に円安方向に反転していましたが、ここ3週は円高方向に動きました。今週は108円台から107円台が想定されます。

 

今週は、アップル、フェイスブック、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンが四半期決算を発表など、決算シーズンが最も忙しい時期に入ります。また、米国と日本の中央銀行が金融政策を決定されます。経済指標では、米国、ユーロ圏、韓国が第1四半期のGDP見通しを発表します。その他、米国の耐久財受注、個人所得・支出、ユーロ圏の景況感・インフレ率、日本の小売売上高、鉱工業生産、中国のNBS PMI調査、オーストラリアのインフレ率などが発表される予定です。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下回りました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを590円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +1σ(現在29800円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -1σ(現在28960円近辺)の間での動きが想定されます。


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