日経平均の予想: 2024

Wednesday, December 11, 2024

[2023/12/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

1211NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1212日の日経平均先物は、前日比450円高で寄り付くと、午前中は420円高から690円高の間で上下し、午後は660円高から420円安の間で上下して、結局、420円高で取引を終えました。日経平均の終値は476円高の39849円で、出来高は19.32億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

1211日の米国市場では、朝方に発表された11月の消費者物価指数(CPI)が概ね市場予想と一致したことから、FRBの利下げ方針に変化はないとの観測が強まり、ハイテク株を中心に買いが広がりました。一方、ユナイテッドヘルス・グループやJ&Jといったディフェンシブ株は売られ、指数の重石となりました。結局、NYDow5日続落しました。NASDAQ3日ぶりに反発し、過去最高値を更新しました。

1212日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を追い風に半導体関連株が買われ、指数を押し上げました。オプション12 月物のSQ算出を13日に控えて株価指数先物が買われ、現物株を押し上げた面もありました。もっとも、日経平均が節目の4万円を越えると利益確定の売りや戻り待ちの売りが強まり、上値が重くなりました。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+9.3%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.0%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-11.5ポイントと前日よりマイナス幅を拡げ、日経平均が4580円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-5.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2310円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.09と前日より低下し、VIX13.58と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国-0.2と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.13ポイント(日経平均換算で78830円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、11月の消費者物価指数、11月のISM非製造業景況指数、10月の耐久財受注、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.09PBR1.46となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より0.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.9%となり、日経平均の割高幅は850から1130円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+330円~+1130円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.18ポイントから3.25ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1212日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、11月の生産者物価指数(PPI)、欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表のほか、ブロードコム、コストコホールセール、ノードソンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを210円ほど上回り、下値は想定ラインを900円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ-200円(現在40410円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ(現在39360円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。日経平均は4日続伸しました。今夜発表の米PPI次第ですが、テクニカルにはピークアウトの可能性もあり、ここが正念場です。



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Tuesday, December 10, 2024

[2023/12/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

1210NYDowNASDAQは下落しました1211日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付くと、午前中は10円高まで上昇したのち260円安まで下落し、午後は240円安から10円高とプラス圏に戻して、結局、10円高で取引を終えました。日経平均の終値は4円高の39372円で、出来高は17.07億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

1210日の米国市場では、11月の消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控えて様子見ムードが強まり、積極的な買いは手控えられました。CPIがインフレ鈍化を示す数値でなければ、FRBが利下げ継続を正当化しにくくなるとの見方が投資家心理の重石となったようです。一方、個別に材料が出たテスラやアルファベットが買われ、相場を支えました。結局、NYDow4日続落し、NASDAQも続落しました。

1211日の日本市場では、前日の米株式市場で半導体株が売られた流れを受け、半導体関連株が軒並み売られました。前日に買われた中国関連株も売りに押されました。一方、銀行や保険、重工など大型株には買いが入り、相場を支えました。結局、日経平均は小幅に3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.7%と前日比横ばいで、200日線との乖離率も+1.8%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-10.9ポイントと前日よりマイナス幅を縮め、日経平均が4290円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-7.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2870円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.23と前日より低下し、VIX14.18と前日よりやや低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.2と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.15ポイント(日経平均換算で75800円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注、10月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM非製造業景況指数、10月の耐久財受注、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.85PBR1.44となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前より0.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず小幅に上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.2%となり、日経平均の割高幅は840から850円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+330円~+850円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.14ポイントから3.18ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1211日の米国市場では、11月の消費者物価指数(CPI)のほか、アドビなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを410円ほど下回り、下値は想定ラインを300円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在39810円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在38910円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は小幅に3日続伸しました。今夜発表の米CPIが市場の想定内であれば、目先、上昇が期待できそうです。



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[2023/12/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

129NYDowNASDAQは下落しました1210日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付くと、午前中は270円高から40円安と下落に転じ、午後は20円安から200円高とプラス圏に戻して、結局、190円高で取引を終えました。日経平均の終値は207円高の39367円で、出来高は17.02億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

129日の米国市場では、11日発表の消費者物価指数(CPI)や12日発表の卸売物価指数(PPI)が来週のFOMCの政策判断に影響を与えるとの警戒感から、売りが優勢となりました。相場の過熱感も意識され、エヌビディアなどハイテク株や半導体株への売りが目立ちました。NYDow3日続落し、NASDAQは反落しました。

1210日の日本市場では、外国為替市場の円安ドル高進行を受け、自動車など主力株の一角に買いが向かいました。中国当局の景気刺激策への期待感から、中国関連銘柄にも買いが集まりました。一方、日立や三菱重工、フジクラなど、このところ上昇が続いていた主力銘柄の一部には利益確定の売りが出て、相場の上値を抑えました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-11.3ポイントと前日よりマイナス幅を縮め、日経平均が4450円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-7.7ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3030円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.53と前日より低下し、VIX14.19と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.3と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.10ポイント(日経平均換算で73470円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注、10月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM非製造業景況指数、10月の耐久財受注、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.88PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前と同水準です。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.2%となり、日経平均の割高幅は630円から840円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+330円~+840円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.11ポイントから3.14ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1210日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。オートゾーンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを260円ほど下回り、下値は想定ラインを560円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在39820円近辺)が上値の目安に、25日線(現在38820円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は続伸しました。目立った材料がないため、目先は想定レンジ内での小動きとなりそうです。



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Sunday, December 08, 2024

[2023/12/09]今後の日経平均の見通し

[市況]

126NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました129日の日経平均先物は、前日比340円高で寄り付くと、午前中は430円高から60円安の間で上下し、午後は210円高から30円高の間でもみあって、結局、180円高で取引を終えました。日経平均の終値は69円高の39160円で、出来高は17.98億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

126日の米国市場では、短期的な過熱感が意識され、主力株の一角に利益確定の売りが出ました。一方、朝方に発表された11月の雇用統計は市場予想をやや上回ったものの、FRBが利下げ方針を見直すほどではないと受け止められ、買い安心感につながりました。金利の上昇に一服感が出ていることも、ハイテク株への買いをさそいました。結局、NYDowは続落しましたが、NASDAQは反発し、4日ぶりに過去最高値を更新しました。

129日の日本市場では、前週末の米株式市場でハイテク株が買われた流れが引き継がれ、幅広い銘柄に買いが優勢となりました。ただ、値がさの半導体関連株には利益確定の売りが出やすく、指数の重石となりました。日米の金融政策決定会合を来週に控えて様子見ムードも強く、持ち高を一方に傾ける動きは限定的でした。結局、日経平均は小幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+4.3%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.2%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-12.7ポイントと前日よりマイナス幅を拡げ、日経平均が4980円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-9.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3520円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.68と前日より低下し、VIX12.77と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.3と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.10ポイント(日経平均換算で72170円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注、10月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM非製造業景況指数、10月の耐久財受注、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.80PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月より0.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均の割高幅は330円から630円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+250円~+630円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.13ポイントから3.11ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

129日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。オラクルやトール・ブラザーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを240円ほど下回り、下値は想定ラインを290円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在39670円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在38580円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、弱まりました。きょうの日経平均は小幅に反発しました。半導体関連株が復調しなければ、目先は弱含みの展開が続きそうです。



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Saturday, December 07, 2024

[2024/12/8]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、景気敏感株が利益確定売りに押された反面、長期金利の低下でハイテク株が買われ、週間で株価指数はまちまちでした。

週間変動率 NYダウ:-0.60%, NASDAQ:+3.34%, S&P500:+0.96%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.13ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.5対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.13ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER44.9程度になる。又は、日経平均が111,560円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は72,470円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、72,470円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.3ポイント改善しています。また、利益伸び率は+2.1%となりました。3ヶ月前に比べて+0.1%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.14から3.11と縮小して、ドル円は148円台から151円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.18%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.0%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.9ポイント劣ります。

  11月第4週は売り超しで、12月第1週は買い越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に12.8ポイント(日経平均に勘算すると5000円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に9.1ポイント(日経平均に勘算する3560円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 12.8 と低下しました。 日経 VI は 週間で 22.9と低下しました。米国市場は楽観的で、日本市場はボラタイルです。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+3.9%、200日移動平均線との乖離率は+1.1%。これら3つの要因がプラスであるため、中期トレンドには"青信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンド。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は150円から147円が想定されます。

 

今週の米国市場では、消費者物価指数、生産者物価指数に注目が集まります。世界的には、ユーロ圏、オーストラリア、カナダなどの中央銀行が金融政策を決定します。また、中国のインフレ率と貿易収支、ドイツの貿易収支と卸売物価、英国の10月のGDP成長率と鉱工業生産、日本の日銀短観と製造業景況指数が発表されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを上振れしました。上値は想定を390円ほど上回り、下値は想定ラインを230円ほど上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在39750円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在37720円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週も、措定レンジ内の値動きとなりそうです。半導体関連株が復活しなければ、日経平均の本格的な反発は難しそうです。


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