日経平均の予想: May 2021

Monday, May 31, 2021

[2021/06/01]今後の日経平均の見通し

[市況]

531日、NYDowNASDAQは休場でした。61日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付くと、午前中は120円高まで上昇したあと360円安まで下落幅を拡げ、午後は270円安から100円安の間でもみあって、結局210円安で取引を終えました。日経平均の終値は45円安の28814円で、出来高は9.07億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

531日の米国はメモリアルデーの祝日で、米国市場は休場でした。

61日の日本市場では、新規材料に乏しい状態が続くなか、相場の上値の重さが意識され、利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。ただ、下値では押し目買いが入り、一方的に売られる展開とはなりませんでした。アジアの株価指数が総じて堅調に推移したことも安心感につながりました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.0%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.8%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.2ポイント拡大して-0.7となり、中長期的には日経平均が200円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.5ポイント(日経平均換算で1300円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.1、米国-2.8と日本が4.3ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.66ポイント(日経平均換算で16910円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、4月のISM非製造業景況指数、3の製造業受注4月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は38負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、526 0.1350 527 0.1346 528 0.1313と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.9PBR1.22なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より2.9ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+26.9%で、こちらは3か月前より21.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、きょうの日経平均は下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均の割安幅は110円から230円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-300円から-10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.52ポイントから1.54ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

61日の米国市場では、5月のISM製造業景況指数などが注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを90円ほど下回り、下値は想定ラインを60円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在29070円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在28550円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Sunday, May 30, 2021

[2021/05/31]今後の日経平均の見通し

[市況]

528日、NYDowNASDAQは上昇しました。531日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付くと、午前中は40円高まで上昇したあと220円安まで下落幅を拡げ、午後は330円安から150円安の間で上下して、結局150円安で取引を終えました。日経平均の終値は289円安の28860円で、出来高は10.21億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

528日の米国市場では、好決算を発表したセールスフォース・ドットコムが大幅高となり、指数をけん引しました。半導体関連株への買いも目立ちました。一方で、NYDowが過去最高値近辺にあることから過熱感も意識され、利益確定の売りが相場の上値を抑えました。NYDow3日続伸し、NASDAQは反発しました。

531日の日本市場では、目新しい取引材料が少ないなか、前週末の株高の反動で、利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。米株価指数先物の上値が重かったことや、上海市場が軟調に推移したことなども相場の重石となりました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.6%と前週末よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+8.1%と前週末よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.5ポイントとマイナスに転換しました。中長期的には日経平均が140円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.4ポイント(日経平均換算で1270円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.1、米国-2.8と日本が4.3ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.60ポイント(日経平均換算で16530円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、4月のISM非製造業景況指数、3の製造業受注4月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は38負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、526 0.1350 527 0.1346 528 0.1313と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.0PBR1.23なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.4%で、こちらは3か月前より22.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.4%となり、日経平均の割安幅は10円から110円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-300円から-10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.54ポイントから1.52ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

531日の米国はメモリアルデーの祝日で、米国市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを210円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在29120円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在28540円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, May 29, 2021

[2021/05/30]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、仮想通貨ビットコインの反発と新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、経済活動の正常化が進むとの期待から、株価指数は上昇しました。一方、中長期的には、過剰流動の副作用によるインフレ懸念、ファンドなどのディフォルトによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また、中国の不動産バブル崩壊懸念と景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、東アジア、中東、ウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.53ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.6に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.53ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER22.0程度になるか、又は、日経平均が45360円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は16210円ほど割安です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在+2.72%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は8.8%となりました。3ヶ月前に比べて3.0ポイント改善しています。また、利益伸び率は+27.4%3ヶ月前に比べて21.7ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 1.55から1.52と縮小したものの、為替は108円台から110円台で円安方向に動きました。

  OECDの日米の2021年の名目GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.72%で、米国は+4.35%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.63ポイント劣ります。

  5月第3週は売り越しで、5月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.8ポイント(日経平均に勘算すると230円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に3.1ポイント(日経平均に勘算する900円程度)割安です。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は+10.8%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は+9.4%でプラス幅は拡大しました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"黄信号"が点灯しています。

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上在ります。

短期的には黄信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、長期金利の上昇傾向、原油相場の上昇、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は落ち着いており、金融不安の兆候はありません。20203月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債や0から12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、急速に円安方向に反転していましたが、ここ7週はもみあっています。今週は109円台から110円台が想定されます。

 

今週は、米国の雇用統計、世界各国の製造業およびサービス業のPMIにより、景気回復の状況に加えて、供給制約や価格圧力についての最新情報が提供されます。その他の重要な発表としては、インド、ブラジル、オーストラリア、カナダのGDPRBARBIの金融政策決定、ユーロ圏のインフレ率などがあります。なお、月曜日の米国株式市場はメモリアルデーの祝日のため休場となります。

 

先週の日経平均は、ほぼ想定レンジ通りの動きでした。上値は想定ラインを20円ほど上回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +2σ(現在29690円近辺)で、下値が25日線(現在28650円近辺)の間での動きが想定されます。


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Thursday, May 27, 2021

[2021/05/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

527日、NYDowは上昇し、NASDAQは小幅下落しました。528日の日経平均先物は、前日比410円高で寄り付くと、午前中は370円高から630円高と上昇幅を拡げ、午後は670円高から590円高の間でもみあって、結局590円高で取引を終えました。日経平均の終値は600円高の29149円で、出来高は13.57億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

527日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が新型コロナウイルスの感染が広がった昨年3月以降で最低を更新したことが投資家心理を上向かせ、景気敏感株を中心に買いが広がりました。一方、長期金利の上昇を受けて高PERのハイテク銘柄が売られ、相場の重石となりました。結局、NYDowは続伸し、NASDAQは小反発しました。

528日の日本市場では、景気回復への期待から前日のNYDowが上昇したことが好感され、値がさ株や景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われました。米MSCIの指数見直しを通過し、需給不安が後退したことも投資家心理の支えとなりました。日経平均は大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+10.8%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+9.4%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.8ポイントとプラスに転換しました。中長期的には日経平均が230円ほど割高であることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が3.0ポイント(日経平均換算で870円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.0、米国-2.9と日本が4.1ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.52ポイント(日経平均換算で16150円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、4月のISM非製造業景況指数、3の製造業受注4月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は29負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、524 0.1408 525 0.1385 526 0.1350と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.1PBR1.25なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.1%で、こちらは3か月前より21.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.0%となり、日経平均の割安幅は300円から10円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-420円から-10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.51ポイントから1.54ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

528日の米国市場では、4月の個人所得・個人消費支出や、4月のシカゴ購買部協会景気指数などが注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを340円ほど上回り、下値は想定ラインを670円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在29370円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在28850円近辺)が下値の目安になりそうです。



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[2021/05/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

526日、NYDowNASDAQは上昇しました。527日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付くと、午前中は10円高から240円安の間で上下し、午後は130円安から10円安の間でもみあって、結局60円安で取引を終えました。日経平均の終値は93円安の28549円で、出来高は24.04億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

 

526日の米国市場では、新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進んでいるとの観測から、経済活動の正常化が近づいているとの期待が高まり、景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。ただ、高値警戒感から利益確定の売りも出て、相場の上値を抑えました。NYDowNASDAQは反発しました。

527日の日本市場では、前日までの株高の反動で、利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。米MSCIが「標準指数」から日本株29銘柄を除外するとあって、銘柄入れ替えに関連する売りも相場の重石となりました。一方で、ハイテク株や成長株の一角には押し目買いが入り、相場の下値を支えました。日経平均は6営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線の上にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+4.5%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.3%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上に抜けました。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.9ポイント拡大して-1.4となり、中長期的には日経平均が400円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.7ポイント(日経平均換算で1340円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.2、米国-2.9と日本が4.3ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.63ポイント(日経平均換算で16410円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率6.4%増で、市場予想を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数、4月のISM非製造業景況指数、3の製造業受注4月のISM製造業景況指数、3月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は29負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.6万人増で、市場予想の97.8万人増を大きく下回りました。また、失業率は6.1%で、先月の6.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、521 0.1470 524 0.1408 525 0.1385と落ち着いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.9PBR1.22なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より2.9ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.2%で、こちらは3か月前より22.2ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%となり、日経平均の割安幅は200円から300円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-420円から-200円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.51ポイントから1.51ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的にもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

526日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、13月期のGDP改定値、4月の耐久財受注、4月の中古住宅販売仮契約指数のほか、ベストバイ、セールスフォース・ドットコム、ギャップなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを280円ほど下回り、下値は想定ラインを40円ほど上回りました。目先は、25日線+200円(現在28870円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在28220円近辺)が下値の目安になりそうです。



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