日経平均の予想: August 2020

Monday, August 31, 2020

[2020/09/01]今後の日経平均の見通し

[市況]
831日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。91日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付くと、午前中は110円安から50円高の間で上下し、午後は0円高から80円安の間でもみあって、結局は前日終値と同値で取引を終えました。日経平均の終値は1円安の23138円で、出来高は10.28億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

831日の米国市場では、8月の最終売買日とあって、ウォルト・ディズニー、ボーイング、3M、ダウケミカルなど足元で上昇していた景気敏感株を中心に利益確定の売りが優勢となりました。NYDowは下落しましたが、一方でNASDAQは続伸し、過去最高値を更新しました。
91日の日本市場では、前日の株高の反動で売りが優勢となりました。一方で、自民党が総裁選で党員投票を省く方針を決めたと伝わり、菅氏が優勢になるとの見方が強まると、政策への期待感から買われる場面もありました。日経平均は小幅に反落しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+9.9%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率は+5.1%と前日比で横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.7ポイント拡大して-21.1となり、中長期的には日経平均がNASDAQより4880円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が3.1ポイント(日経平均換算で720円)割安となっています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差(1.5ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より0.94ポイント(日経平均換算で3980円)割高となっています。

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率31.7%減で、速報値の32.9%減から上方修正されました。また、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては市場の想定ほど悪化していません。

経済指標を見てみます。
7月の耐久財受注、7月の鉱工業生産指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のISM非製造業景況指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面ではやや弱気材料です。

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比176万人増で、市場予想の148万人増を上回りました。また、失業率は10.2%で、先月の11.1%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

米国の住宅関連の指標を見てみます。
7月の中古住宅販売仮契約指数、7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.46%で、市場予想の+3.60%を下回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBはゼロ金利政策を少なくとも2022年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ4か月は低下しています。直近では、826 0.2558 827 0.2460 828 0.2408と落ち着きつつあり、金融不安の気配は見られません。これは、FRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER22.0PBR1.10となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.0%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-17.9%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均の割安幅は500円から270円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-850円から-270円の間で推移しています。

日米の長期金利の差は0.68ポイントから0.66ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。
欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

91日の米国市場では、8月のISM製造業景況指数などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを210円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在23420円近辺)が上値の目安に、25日線(現在22810円近辺)が下値の目安になりそうです。



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[2020/08/31]今後の日経平均の見通し

[市況]
828日、NYDowNASDAQは上昇しました。831日の日経平均先物は、前日比230円高で寄り付くと、午前中は220円高から480円高と上昇幅を拡げ、午後は450円高から250円高と上昇幅を縮めて、結局270円高で取引を終えました。日経平均の終値は257円高の23139円で、出来高は13.41億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

829日の米国市場では、FRBのゼロ金利政策の長期化を背景に株式市場への資金流入が続くとの思惑から、半導体など景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。NYDow3日続伸し、NASDAQは反発して過去最高値を更新しました。
831日の日本市場では、安倍首相の辞任表明に端を発する前週末の急落の反動で、買いが優勢となりました。前週末の米株式相場が上昇したことや、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが5大商社株をそれぞれ5%超取得したと伝わったことなども投資家心理を上向かせました。ただ、午後は利益確定の売りに押され、日経平均は上昇幅を縮めました。

 [テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
総合乖離率は+10.2%と前週末よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+5.1%と前週末よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より0.7ポイント縮小して-20.4となり、中長期的には日経平均がNASDAQより4720円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が4.0ポイント(日経平均換算で930円)割安となっています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差(1.5ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より0.94ポイント(日経平均換算で3980円)割高となっています。

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率31.7%減で、速報値の32.9%減から上方修正されました。また、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては市場の想定ほど悪化していません。

経済指標を見てみます。
7月の耐久財受注、7月の鉱工業生産指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のISM非製造業景況指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面ではやや弱気材料です。

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比176万人増で、市場予想の148万人増を上回りました。また、失業率は10.2%で、先月の11.1%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

米国の住宅関連の指標を見てみます。
7月の中古住宅販売仮契約指数、7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数、8月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.46%で、市場予想の+3.60%を下回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBはゼロ金利政策を少なくとも2022年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ4か月は低下しています。直近では、826 0.2558 827 0.2460 828 0.2408と落ち着きつつあり、金融不安の気配は見られません。これは、FRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER22.1PBR1.10となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-17.7%で、こちらは3か月前より1.1ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均の割安幅は850円から500円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-850円から-280円の間で推移しています。

日米の長期金利の差は0.72ポイントから0.68ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。
欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

831日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていませんので、引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを150円ほど上回り、下値は想定ラインを510円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在23390円近辺)が上値の目安に、25日線(現在22790円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, August 29, 2020

[2020/08/30]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、新型コロナウイルスワクチン開発の進展と主力ハイテク株が相場上昇をけん引して、株価指数は上昇しました。一方、中長期的には、新型肺炎拡大長期化による景気後退とハイ・イールド債のディフォルトなどによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また世界的な自国中心な政治状況から中国などの景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.86ポイント割高となっています。割高の要因はS&P500PER26.7に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER21.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。
これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.86ポイント縮小するか(日本が上方修正又は米国が下方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER18.3程度になるか、又は、日経平均が19300円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は3590円ほど割高です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2021GDP予測値(現在-0.5%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、8月のISM製造業景気指数、8月の雇用統計などが注目されそうです。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。
   四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は5.0%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント悪化しています。また、利益伸び率は-17.7%3ヶ月前に比べて1.7ポイント悪化しています。
   米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は 0.61%から0.67%と拡大したものの、為替は106台から105台で円高でした
   OECDの日米の2021年の実質GDP伸び率予測が発表されて、日本が-.0.5%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。
   83週は売り越しで、84週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料で、③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に21.6ポイント(日経平均に勘算すると4940円程度)割安となっています。先週と比べ割安幅は拡大しました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に5,2ポイント(日経平均に勘算すると1190円程度)割安となっています。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+7.0%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+3.9%でプラス幅が縮小しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。
日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にありますので、短期トレンドは、"黄信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dowは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。
短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、米国政治の不透明感、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大、世界的な長期金利低下傾向、原油相場の低迷、米企業業績の悪化、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

また、直近のLIBOR金利は低下しつつありますが、3月は、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や3兆ドルの経済対策、トランプ大統領の政策期待。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債・12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策期待やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立ECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は上昇し、日米長期金利差は拡大したものの、為替は円高方向に動きました。今週は105円台から104円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

今週は、米国の8月の雇用統計が注目されそうです。非農業部門の雇用者数は100万人以上増加すると見られ、失業率は4月以来初めて10%を下回る可能性があります。 他の地域では、ブラジル、インド、オーストラリア、トルコのGDP、世界の製造とサービスのPMIRBAによる金融政策などが注目されそうです。その他の発表には、米国とカナダの貿易額、米国とドイツの工場発注、日本と韓国の工業生産高と小売販売が含まれます。

先週の日経平均は、想定レンジを下回りました。上値は想定ラインを40円ほど下回り、下値は想定ラインを180円ほど下回りしました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在23170円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在22390円近辺)の間での動きが想定されます。


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