Wednesday, May 25, 2022

[2022/05/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

524日、NYDowは上昇し、NASDAQは大幅下落しました。525日の日経平均先物は、前日比40円高で寄付くと、午前中は50円高から160円安の間で上下し、午後は60円高から80円安と下落に転じて、結局60円安で取引を終了しました。日経平均の終値は70円安の26677円で、出来高は11.65億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

また、空売り比率は、5日平均と一致しました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

524日の米国市場では、業績懸念から主力ハイテク株が売られました。SNSのスナップが「46月期の業績が会社予想を下回る見通し」と発表したことで、インフレや景気減速でインターネット広告が打撃を受けているとの見方が強まりました。一方で、前週まで売られてきたディフェンシブ株には下げ過ぎとみた買いが入りました。結局、NYDow3日続伸し、NASDAQは反落しました。

525日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けて、ハイテク株の一角に売りが出て、相場を押し下げました。売り一巡後は押し目買いが優勢となり、日経平均は午後には上昇に転じる場面もありましたが、5月のFOMC議事要旨の公表を控え、積極的に買い進む動きは限定的でした。結局、日経平均は小幅に続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は-5.2%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-4.6%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線の上にありますが、25日線と200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドに黄信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+17.1ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が4560円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+3.6ポイントと前日よりプラス幅を縮め、日経平均が960円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.55VIX29.45と、日本市場のボラティリティーは下落しましたが、米国市場のボラティリティーは上昇しました。VIXは節目の30を下回っているものの、依然として高い水準で推移しています。NYDowと比較して、日経平均は強い状態ですが、前日よりは強さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.6、米国-3.1と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.42ポイント(日経平均換算で5920円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率1.4%減で、市場予想の1.0増を下回りました。また、13月期の米企業の決算は、今のところまちまちです。

 

経済指標を見てみます。

4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数、3月の製造業受注産指数は市場予想を上回りました。また、4月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、5月のフィラデルフィア、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月のISM製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが速まらないという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比42.8万人増で、市場予想の40万人増をやや上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.6%からほぼ横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

4月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+20.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・利上げの両面で中立材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに5回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、金融緩和政策を継続しています。2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、519 1.5048% 520 1.5064% 523 1.5238%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.83PBR1.16となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は+0.3%で、こちらは3か月前より26.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.2%となり、日経平均の割高幅は1160円から1090円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1090円から+2000円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.62ポイントから2.55ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

525日の米国市場では、5月のFOMC議事要旨や、4月の耐久財受注のほか、エヌビディアなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在27010円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在26330円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均と一致し、信用の売り圧力はやや強まりました。VIXは節目の30を下回っているものの、高い水準で推移しており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、引き続き上値抵抗線付近で上下しており、正念場はまだ続いているようです。



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Tuesday, May 24, 2022

[2022/05/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

523日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。524日の日経平均先物は、前日比50円安で寄付くと、午前中は10円高から240円安の間で上下し、午後は180円安から320円安と下落幅を拡げて、結局310円安で取引を終了しました。日経平均の終値は253円安の26748円で、出来高は11.14億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

523日の米国市場では、前週までの下落の反動で、割安感の出ていたハイテク株などが買われました。また、金利上昇で利ざやが拡大するとの見通しから、JPモルガン・チェースなど銀行株が軒並み上昇しました。バイデン大統領の「対中関税の引き下げを検討している」との発言を材料に、景気敏感株も買われました。主要3指数はそろって上昇しました。

524日の日本市場では、主力の値がさ株に戻り待ちの売りが出て、指数を押し下げました。また、時間外取引でSNS関連など米ハイテク株が急落したことが意識され、グロース(成長)株が売られました。上海や香港市場の下落も重石となりました。日経平均は3営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.5%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-4.3%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+15.6ポイントと前日よりプラス幅を縮め、日経平均が4170円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差も、+4.0ポイントと前週末よりプラス幅を縮め、日経平均が1070円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.30VIX28.48と、日本市場のボラティリティーは上昇しましたが、米国市場のボラティリティーは下落しました。VIXは節目の30を下回っているものの、依然として高い水準で推移しています。NYDowと比較して、日経平均は強い状態ですが、前日よりは強さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.4、米国-3.0と日本が4.4ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.29ポイント(日経平均換算で5470円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率1.4%減で、市場予想の1.0増を下回りました。また、13月期の米企業の決算は、今のところまちまちです。

 

経済指標を見てみます。

4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数、3月の製造業受注産指数は市場予想を上回りました。また、4月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、5月のフィラデルフィア、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月のISM製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが速まらないという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比42.8万人増で、市場予想の40万人増をやや上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.6%からほぼ横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+20.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが速まらないという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに5回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、金融緩和政策を継続しています。2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、518 1.4780% 519 1.5048% 520 1.5064%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.16PBR1.16となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-2.1%で、こちらは3か月前より29.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.4%となり、日経平均の割高幅は2000円から1160円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+640円から+2000円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.61ポイントから2.62ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

524日の米国市場では、4月の新築住宅販売件数のほか、ベスト・バイなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを110円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在27110円近辺)が上値の目安に、25日線-300円(現在26430円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を2連続で下回りましたが、信用の売り圧力はやや強まりました。VIXは節目の30を下回っているものの、高い水準で推移しており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、上値抵抗線付近で上下しており、正念場はまだ続いているようです。



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Monday, May 23, 2022

[2022/05/23]今後の日経平均の見通し

[市況]

520日、NYDowは小幅上昇し、NASDAQは下落しました。523日の日経平均先物は、前日比160円高で寄付くと、午前中は280円高から60円高の間で上下し、午後は80円高から280円高と上昇幅を拡げて、結局280円高で取引を終了しました。日経平均の終値は262円高の27001円で、出来高は10.98億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

520日の米国市場では、インフレとFRBによる積極的な金融引き締めが景気を冷やすとの懸念から、投資家のリスク回避姿勢が強まりました。ただ、NYDowは前日までに連日で年初来安値を更新しているとあって、短期的な戻りを見込んだ買いも入り、引けにかけては急速に下げ渋りました。結局、NYDow3営業日ぶりに小幅に反発し、NASDAQ3日続落しました。

523日の日本市場では、米長期金利の低下を受け、ハイテク株の一部に買いが先行しました。上海や香港市場が下げて始まると、日本株の上値も重くなりましたが、大引け間際、バイデン米大統領の「対中関税の引き下げを検討している」との発言が伝わると、日経平均は上昇幅を拡げました。結局、日経平均は続伸し、終値で27000円台を回復しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-1.8%と前週末よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-3.4%と前週末よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+17.8ポイントと前週末よりプラス幅を拡げ、日経平均が4810円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差も、+6.8ポイントと前週末よりプラス幅を拡げ、日経平均が1840円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.90VIX29.43と、日米市場のボラティリティーは小幅に上昇しました。VIXは節目の30を下回っているものの、高止まりしており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。NYDowと比較して、日経平均は強い状態です。前週末より強さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.5、米国-3.0と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.39ポイント(日経平均換算で5920円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率1.4%減で、市場予想の1.0増を下回りました。また、13月期の米企業の決算は、今のところまちまちです。

 

経済指標を見てみます。

4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数、3月の製造業受注産指数は市場予想を上回りました。また、4月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、5月のフィラデルフィア、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月のISM製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが速まらないという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比42.8万人増で、市場予想の40万人増をやや上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.6%からほぼ横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+20.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが速まらないという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに5回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、金融緩和政策を継続しています。2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、518 1.4780% 519 1.5048% 520 1.5064%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.98PBR1.17となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+1.9%で、こちらは3か月前より25.0ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+7.6%となり、日経平均の割高幅は1840円から2000円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+640円から+2000円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.63ポイントから2.61ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

523日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを70円ほど下回り、下値は想定ラインを400円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在27320円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在26630円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を3日ぶりに下回り、信用の売り圧力はかなり弱まりました。VIXは節目の30を下回っているものの、高止まりしており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、いちおう上値抵抗線を越えました。VIX30を上回らない状態が続けば、ボリンジャーバンド+2σまで上昇する可能性もありそうです。



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Saturday, May 21, 2022

[2022/05/22]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、インフレが企業収益を圧迫するとの懸念が強まり、景気後退を巡る不透明感から、株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-2.90%, NASAQ:-3.82%, S&P500:-3.05%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、サプライチェーン混乱の長期化による世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.38ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER17.2に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER12.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.38ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.7程度になるか、又は、日経平均が32500円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は5770円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は5770円分、魅力に欠けるとも言えます。

日米の長期金利差縮小で、日本市場の弱さは縮小しました。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow25日線の上に戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.0%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント悪化しています。また、利益伸び率は+1.9%3ヶ月前に比べて28.8%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は2.69から2.55と縮小して、ドル円は129円から127円の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-1.38%下落しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率は、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  5月第2は売り越しで、53週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に16.8ポイント(日経平均に勘算すると4490円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に5.8イント(日経平均に勘算する1550程度)割高です。

 

週間では米国市場に対する日本市場の弱さは縮小しました。米国市場のボラティリティーは高まり、VIX29.43と先週から上昇しました。投資家の最高レベルの不安心理の高まりを示す30を下回っていますが、高止まりしています。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには”青信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。総合乖離率は-4.5%となり先週と比較しマイナス幅は縮小しました。 200日移動平均線との乖離率は-4.4%で、マイナス幅は縮小しました。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"黄信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には赤信号で、中期的にも赤信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、ウクライナ紛争、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては日銀による金融緩和政策の維持が挙げられます

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は128円台から126円台が想定されます。

 

今週は、米国のFOMC議事録の発表に最も注目が集まりそうです。また、ドイツと英国のPMIも注目されそうです。その他の経済指標としては、米国の住宅指標、4月の耐久財受注、4月の個人所得・個人消費支出などの発表があります。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下ぶれしました。上値は想定ラインを460円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在27490円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在26310円近辺)の間での動きが想定されます。

 

ボラティリティーは高いものの低下傾向で、信用の売り圧力は改善しています。今週の日経平均は、反発が予想されます


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