日経平均の予想: May 2011

Tuesday, May 31, 2011

[2011/05/31]日経平均の今後の見通し

[市況]
30日のNYDowとNASDAQは休場でした。31日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付き、午前中は、30円安から110円高まで上昇する動きとなりました。午後も上昇基調は継続し、最終的に170円高で取引を終わりました。日経平均は188円高で引け、出来高は22.9億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、100万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状況です。
30日の米国市場は、休場でした。
31日の日本市場では、寄り付き前に発表された鉱工業生産指数で先行き見通しが堅調だったことで買いが徐々に優勢となりました。また、ムーディーズが日本国債の格付け見通しを引き下げたことで、円が売られると、日経平均は上げ幅を広げました。後場に4月の新設住宅着工戸数が、市場予想に反しプラスになったと伝わると、さらに買いが強まりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から青信号に変わりました。総合乖離率は-3.1%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-1.4%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.9ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.91ポイント割安となっています。
市場は現在、「震災の日本経済への影響」、「世界の景気と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の耐久財受注額、4月のシカゴ連銀景気指数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の仮契約住宅指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、今年4月以降、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月26日 0.2540% → 05月27日 0.2538% → 05月30日 0.2538%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが14.9、PBRが1.09、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowが休場でしたが、上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.6となり、日経平均は50円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-200円 ~ +60円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていましたが、今日は強い動きに転換しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドとなりました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.91%と縮小したものの、為替は円安方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっていますが、今夜の米国市場は3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数などが注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配も見えていましたが、今日は国内に強気材料が出て逆に動きました。テクニカルには、一目均衡表の雲や25日線を上に抜き強気に転換しました。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点です。国内は3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な業績悪化は想定しづらい面もあります。日経平均はテクニカルには強気転換を示唆していますが、米国市場は不透明のままですので、今夜の動きを見極めたいところです。25日線の9660円をキープ出来れば目先は強気に転換しても良さそうです。


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Monday, May 30, 2011

[2011/05/30]日経平均の今後の見通し

[市況]
27日のNYDowとNASDAQは上昇しました。30日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付き、午前中は、80円安と前日同値の間で持ち直す動きとなりました。午後は10円高まで上昇する場面もありましたが小動きで、最終的に10円安で取引を終わりました。日経平均は16円安で引け、出来高は13.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、170万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
27日の米国市場では、午前発表の4月の仮契約住宅指数が市場予想以上に悪化し、米住宅市場の長期低迷に対する警戒感が改めて広がったことで、FRBの緩和的な金融政策は長期間続き、株式市場に資金が流入するとの見方が広がりました。また、商品相場が上昇し、素材など関連銘柄の上昇が目立ったことなどで、3連休を控え買い戻しが優勢となりました。
30日の日本市場では、今晩の米英市場が休場の予定で外国人投資家の売買が細る中、内閣不信任案提出を巡る政治情勢緊迫や、週内には米国で注目度の高い経済統計の発表を控え、方向感の乏しい展開でした。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-9.0%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-3.3%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在り、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.2ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.6ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.06ポイント割安となっています。
市場は現在、「震災の日本経済への影響」、「世界の景気と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の耐久財受注額、4月のシカゴ連銀景気指数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の仮契約住宅指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、今年4月以降、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月25日 0.2545% → 05月26日 0.2540% → 05月27日 0.2538%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが14.6、PBRが1.07、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5となり、日経平均は60円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-220円 ~ +60円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.95%と縮小し、為替は円高方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっていますが、今夜の米国市場は休場です。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配が見えます。テクニカルには、一目均衡表の雲を抜けない状況が続いています。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点です。国内は3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な業績悪化は想定しづらい面もあります。目先の価格レンジは、引き続き、一目均衡表の雲の上限の9560円近辺とボリンジャーバンド-2σ9375円近辺の間が想定されますが、9375円を下回った場合は3月22日に空けた窓の窓埋めとなる9275円近辺が次の抵抗ラインとなりそうです。


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Saturday, May 28, 2011

[2011/05/29]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、欧州の財政問題と経済指標の悪化で、下落しましたが、後半は原油など商品相場の戻しで株式市場も戻り歩調となりました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念、資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場の下落で1.0ポイント割安となりました。その要因はS&P500のPERが14.0で、東証1部平均のPERの14.9との差と日米金利差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が0.7%程度になることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、原油価格など商品相場の行方や住宅関連指標、5月のISM製造業指数、5月の雇用統計の発表などが株式相場に影響しそうですが、弱含みで、もみ合う相場が続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は-2.8%となり、今期ROE予想値は7.9%から7.3%へ悪化しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向ですが、日米の金利差は2.02%~1.94%と縮小傾向で、為替は82円から80円台と円高方向の動きでした。今週は81から79円台で円高ぎみの動きが予想されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は日本が+1.7%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.5ポイント分の弱気材料です。ただ、震災の影響は考慮されていない数字ですので、日本は1.0%程度の低下はありそうです。
⑤ 5月3週は買い越しで5月4週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち⑤が強気材料で①②③④が弱気材料でした。今週は、①③⑤と地震災害による②④が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、9.6ポイント割安となり、先週比0.4ポイント割安幅(弱い動き)が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。200日移動平均線乖離率は-3.1%となり先週と比較してマイナス幅が拡大しました。総合乖離率は-8.5%となりマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので中期トレンドは、”赤信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線の上に在りますが、9日線、25日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、不動産市場の低迷、アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上げなどのリスクは後退しているものの景気・雇用指標の停滞、EU財政問題が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、企業決算は概ね好調である点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドですが、短期はもみ合いとなっています。日本市場は下降トレンドで短期は下降トレンドです。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準横ばいで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。一方、先週の日米金利差は縮小し、為替は円高方向となっています。
今週の日経平均も、米国市場や為替の動き、などを睨んだ動きとなりそうです。米国市場では景気指標の悪化とEU財政問題で、目先は調整局面を迎えていますが、企業業績は好調ですのですので、深押しは考えにくい環境です。一方、日本市場では、3月期決算発表はほぼ終了し、欧米市場の動きが、今後の重要な要素です。テクニカルな視点での日経平均は、200日線を割る展開となり、短期も下降トレンドですので、弱気が勝りそうです。目先は一目均衡表の雲の上限の9560円近辺とボリンジャーバンド-2σ9370円近辺の間でのレンジ相場が想定されますが、9370円を下回った場合は3月22日に空けた窓の窓埋めとなる9275円近辺が次の抵抗ラインとなりそうです。


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Friday, May 27, 2011

[2011/05/27]日経平均の今後の見通し

[市況]
26日のNYDowとNASDAQは上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付き、午前中は、60円安と前日同値の間での動きとなりました。午後は50円高まで上昇する場面もありましたが引けにかけて売られ、最終的に20円安で取引を終わりました。日経平均は40円安で引け、出来高は15.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、10万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
26日の米国市場では、朝方発表の1-3月期の米GDP改定値が1.8%増と速報値と同水準で、市場予想の2.2%増を下回ったことや、新規失業保険申請件数が予想以上に増えたことで、午前の株式相場は売りに押される場面が目立ちました。ただ、ネットアップが発表した四半期決算は増収増益となり、企業のIT関連製品需要が強いとの期待が広がり、午後はIT関連銘柄を中心に見直し買の動きが広がりました。
27日の日本市場では、米国市場高を受けて、前日比プラスで推移する場面もあったものの、円高や米中景気の先行き不透明感から自動車や電機など輸出関連の主力株の一部が売られ、株価指数はマイナスで終わりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在り、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。総合乖離率は-8.5%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-3.1%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.6ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.1ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.80ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発問題の行方」、「世界の景気と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の耐久財受注額、4月のシカゴ連銀景気指数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、今年4月以降、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月24日 0.2550% → 05月25日 0.2545% → 05月26日 0.2540%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.07、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1となり、日経平均は10円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~ +60円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日でほぼニュートラルとなりました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.94%と縮小し、為替は円高方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっていますが、今夜の米国市場は4月の個人所得・支出、4月の中古住宅販売成約指数、G8の声明などが注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配が見えます。テクニカルには、一目均衡表の雲を抜けない状況が続いています。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点です。国内は3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な業績悪化は想定しづらい面もあります。目先の価格レンジは、引き続き、一目均衡表の雲の上限の9560円近辺とボリンジャーバンド-2σ9370円近辺の間が想定されますが、9370円を下回った場合は3月22日に空けた窓の窓埋めとなる9275円近辺が次の抵抗ラインとなりそうです。


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Thursday, May 26, 2011

[2011/05/26]日経平均の今後の見通し

[市況]
25日のNYDowとNASDAQは上昇しました。26日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付き、午前中は、80円高と160円高の間で値を上げる動きとなりました。午後は小動きながら堅調に推移し、最終的に140円高で取引を終わりました。日経平均は139円高で引け、出来高は16.2億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、160万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
25日の米国市場では、4月の耐久財受注額は、市場予想を超える落ち込みとなり、景気の先行きに対する警戒感が浮上し、朝方の相場は小安い場面が目立ちました。ただ、商品先物相場が上昇基調を強めるのに歩調を合わせ、軟調に始まった株式相場も徐々に持ち直し、石油株や素材株などを中心に買いが広がりました。
26日の日本市場では、朝方から米国市高を受けた買いが優勢となりました。前日に自社株買いを発表したキヤノンや大規模なリストラ策が伝わったリコーが大幅高となり日経平均をけん引しました。アジア市場の株高基調も支援材料となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は-7.5%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-2.7%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.5ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.9ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.78ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発問題の行方」、「世界の景気と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の耐久財受注額、4月のシカゴ連銀景気指数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、今年4月以降、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月20日 0.2575% → 05月23日 0.2567% → 05月24日 0.2550% → 05月25日 0.2545%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.7、PBRが1.08、ROEが6.8%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均は80円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~ -60円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが縮小しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.00%と変わらず、為替はもみ合いです。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっていますが、今夜の米国市場は新規失業保険申請件数、1-3月GDP確報値などが注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配が見えます。テクニカルには、9日線を上回りましたが、一目均衡表の雲の上限で頭を押さえられた格好です。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な業績悪化は想定しづらい面もあります。目先の価格レンジは、引き続き、一目均衡表の雲の上限の9560円近辺とボリンジャーバンド-2σ9370円近辺の間が想定されますが、9370円を下回った場合は3月22日に空けた窓の窓埋めとなる9275円近辺が次の抵抗ラインとなりそうです。


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Wednesday, May 25, 2011

[2011/05/25]日経平均の今後の見通し

[市況]
24日のNYDowとNASDAQは下落しました。25日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き、午前中は、30円高と60円安の間で徐々に値を下げる動きとなりました。午後も一時70円安となるなど小動きながら軟調に推移し、最終的に70円安で取引を終わりました。日経平均は54円安で引け、出来高は16.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、20万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
24日の米国市場では、5月のリッチモンド連銀製造業景気指数は8ヶ月ぶりにマイナス圏に低下し、米景気をけん引してきた製造業の収益に先行き不透明感が強まりました。商品相場の上昇を背景に上げる場面がありましたが、取引終了にかけて売りが優勢になりました。
25日の日本市場では、朝方は値ごろ感からの買いで9500円台に乗せる場面があったものの、米国と中国の景気減速や欧州の財政問題に対する懸念が引き続き相場の重荷で、買い一巡後は下げに転じました。もっとも、25日以降に新規の投資信託の設定が相次ぐことで需給が一時的に改善するとの期待感もあり、下値は限られました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-11.8%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-4.1%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.1ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.82ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発問題の行方」、「世界の景気と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のシカゴ連銀景気指数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、今年4月以降、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月20日 0.2575% → 05月23日 0.2567% → 05月24日 0.2550%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.05、ROEが6.8%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%となり、日経平均は200円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~ -30円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.00%とやや縮小したものの、為替はもみ合いです。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっていますが、今夜の米国市場は4月の耐久財受注、3月の住宅価格指数が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配が見えます。テクニカルには、一目均衡表の雲の下限を下回り、投資家心理が悪化しました。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な業績悪化は想定しづらい面もあります。日経平均は一目均衡表の雲の下限で頭を押さえる形のもみ合いに変わりそうです。目先の価格レンジは、引き続き、一目均衡表の雲の下限の9550円近辺とボリンジャーバンド-2σ9400円近辺の間が想定されますが、9400円を下回った場合は3月22日に空けた窓の窓埋めとなる9275円近辺が次の抵抗ラインとなりそうです。


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Tuesday, May 24, 2011

[2011/05/24]日経平均の今後の見通し

[市況]
23日のNYDowとNASDAQは下落しました。24日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付き、午前中は、60円安と20円高の間で徐々に値を上げる動きとなりました。午後も一時40円高となるなど小動きながら堅調に推移し、最終的に20円高で取引を終わりました。日経平均は16円高で引け、出来高は16.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、90万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
23日の米国市場では、S&Pがイタリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことや、スペインの地方議会選で政府与党が大敗し、財政緊縮策が見直されるとの思惑が浮上したことで、株式が売られました。また、中国やユーロ圏の5月の購買担当者景気指数が軒並み低下したことや、4月のシカゴ連銀景気指数が前月から低下したことも売り材料となりました。
24日の日本市場では、朝方に米国市場安を受けた売りが一巡した後は、東証1部全銘柄のPBRが1倍に迫るなど値ごろ感が下値を支えた面もあり、買い優勢となりました。ただ、外部環境の弱さから、積極的に上値を買う動きは見られませんでした。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-10.4%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-3.6%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.5ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 2.0ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.93ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「世界の景気と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のシカゴ連銀景気指数、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月19日 0.2585% → 05月20日 0.2575% → 05月23日 0.2567%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.1、PBRが1.06、ROEが7.0%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.3%となり、日経平均は130円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~ +70円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが縮小しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.01%とやや縮小したものの、為替はもみ合いです。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっていますが、今夜の米国市場は4月の新築住宅販売が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配が見えます。テクニカルには、一目均衡表の雲の下限を下回り、投資家心理が悪化しました。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内はそろそろ、3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な下落は想定しづらい面もあります。日経平均は一目均衡表の雲の下限で頭を押さえる形のもみ合いに変わりそうです。目先の価格レンジは、一目均衡表の雲の下限の9560円とボリンジャーバンド-2σ近辺の9400円の間が想定されます。


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Monday, May 23, 2011

[2011/05/23]日経平均の今後の見通し

[市況]
20日のNYDowとNASDAQは下落しました。23日の日経平均先物は、前日比80円安で寄り付き、午前中は、70円安と170円安の間で徐々に値を下げる動きとなりました。午後は一時200円安となるなど軟調に推移し、最終的に160円安で取引を終わりました。日経平均は146円安で引け、出来高は18.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、530万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
20日の米国市場では、格付け会社によるギリシャの債務格付けの引き下げで、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めたことや、前日までに低調な米指標の発表が相次いだことで景気の先行き不透明感が蒸し返されたことで、売り優勢となりました。
23日の日本市場では、前週末の米国市場の下落を受けて朝方から売りが先行しました。中国の景気減速懸念から機械株が大きく売られたことや、心理的節目である一目均衡表の雲の下限の9534円を割り込んだことで、市場全体の投資家心理が悪化しました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-11.1%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-3.8%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.5ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.6ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.00ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気・雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月18日 0.2600%と→ 05月19日 0.2585% → 05月20日 0.2575%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが14.9、PBRが1.04、ROEが7.0%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.7%となり、日経平均は270円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~ +70円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日も弱い動きが拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドとなりました。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.02%と縮小したものの、為替はやや円安方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっています。今夜の米国市場は4月のシカゴ連銀全米活動指数が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる気配が見えます。テクニカルには、一目均衡表の雲の下限を下回り、投資家心理が悪化しました。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内はそろそろ、3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な下落は想定しづらい面もあります。日経平均は一目均衡表の雲の下限で頭を押さえる形に変わりそうです。目先の価格レンジは、9560円から3月18日に空けた窓の窓埋めとなる9275円が想定されます。


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Saturday, May 21, 2011

[2011/05/22]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、原油など商品相場の下落と経済指標の悪化で、下落しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念、資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場の下落で0.9ポイント割安となりました。その要因はS&P500のPERが14.0で、東証1部平均のPERの15.4との差と日米金利差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が0.5%下がり、2011年度の企業業績が2010年度予想値より6%程度下がることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、原油価格下落の行方や住宅関連指標、4月の耐久財受注の発表などが株式相場に影響しそうですが、弱含みで、もみ合う相場が続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は-2.8%となり、今期ROE予想値は7.9%から7.0%へ悪化しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向ですが、日米の金利差は2.06%~2.02%と縮小傾向で、為替は80円から82円台と小動きでした。今週は80から82円台でのもみ合いが予想されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は日本が+1.7%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.5ポイント分の弱気材料です。ただ、震災の影響は考慮されていない数字ですので、日本は0.5%程度の低下はありそうです。
⑤ 5月2週は買い越しで5月3週は買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち⑤が強気材料で①④が弱気材料でした。今週は、①③⑤と地震災害による②④が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、10.0ポイント割安となり、先週比1.1ポイント割安幅(弱い動き)が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は-2.3%となり先週と比較してマイナス幅が拡大しました。総合乖離率は-6.8%となりマイナス幅が拡大しました。1つがプラスですので中期トレンドは、”黄信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線の上に在りますが、9日線、25日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線の上に在りますが、9日線、25日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には赤信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、不動産市場の低迷、アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上げなどのリスクは後退しているものの景気・雇用指標の停滞、EU財政問題が見え始めました。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、企業決算は概ね好調である点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドですが、短期は下降トレンドとなっています。日本市場は中期もみ合いで短期は下降トレンドです。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準横ばいで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。一方、先週の日米金利差はやや縮小したものの、為替はもみ合う動きとなっています。
今週の日経平均も、米国市場や為替の動き、震災の企業業績への影響などを睨んだ動きとなりそうです。米国市場では景気指標の悪化と資源価格の下落で、目先は調整局面を迎えていますが、企業業績は好調ですのですので、深押しは考えにくい環境です。一方、日本市場では、3月期決算発表はピークを過ぎ、欧米市場の動きが、今後の重要な要素です。テクニカルな視点での日経平均は、200日線を割る展開となり、短期も下降トレンドですので、弱気が勝りそうです。目先は9500円と9750円の範囲で揉み合う展開が予想されますが、一目均衡表の雲の下限9534円を大きく割り込むと、さらに一段安となりそうです。


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Friday, May 20, 2011

[2011/05/20]日経平均の今後の見通し

[市況]
19日のNYDowとNASDAQは上昇しました。20日の日経平均先物は、前日比10円安で寄り付き、午前中は、20円安と40円高の間の動きとなりました。午後は一時30円安となるなど軟調に推移し、最終的に10円安で取引を終わりました。日経平均は13円安で引け、出来高は16.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、470万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
19日の米国市場では、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想以上に減少した一方、5月のフィラデルフィア連銀景気指数は市場の上昇予想に反して低下し、4月の中古住宅販売件数も市場予想とは逆に減少しました。景気減速に対する警戒感を誘い、NYDowは一時26ドル安まで水準を切り下げました。ただ、IPO銘柄のリンクトインが公開価格を大幅に上回る好調な滑り出しとなったことが、投資家心理を改善させ株価指数は上昇して取引を終えました。
20日の日本市場では、国内景気や企業業績の中期的な回復期待が下値を支えたものの、売買の手掛かりとなる新たな材料がなく、見送り気分が強い中、電力株や主力輸出株の一角への売りが優勢となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-6.8%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-2.3%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線、9日線の下に在り、200日線を下回りました。
NYDowは、200日線の上に在り、9日線の下に在りますが、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.91ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、5月のフィラデルフィア連銀景気指数、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以下となりました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月17日 0.2597% → 05月18日 0.2600%と→ 05月19日 0.2585%なり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.08、ROEが7.0%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.7%となり、日経平均は170円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-210円 ~ +70円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きに戻りましたが、今日は弱い動きが拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合となりました。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.05%と拡大したものの、為替は方向感がでいません。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっています。今夜の米国市場は注目すべき経済指標の発表は無さそうですので個別材料が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。テクニカルには、弱含みですが、一目均衡表の雲の上限の上で推移しており底堅い動きが続いています。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内はそろそろ、3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な下落も想定しづらく、しばらくはもみ合い相場が続きそうです。目先の価格レンジは引き続き、9750円から9500円が想定されます。ただ、一目均衡表の雲の下限の9534円を大きく割り込むようですと一段安もありそうです。


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Thursday, May 19, 2011

[2011/05/19]日経平均の今後の見通し

[市況]
18日のNYDowとNASDAQは上昇しました。19日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付き、午前中は、60円高と40円安の間で徐々に下げる動きとなりました。午後も一時70円安となるなど軟調に推移し、最終的に40円安で取引を終わりました。日経平均は41円安で引け、出来高は16.7億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、70万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
18日の米国市場では、原油相場が3%あまり上昇し100ドルを回復したことで、石油株や、素材株を中心に買いが入りました。午後にFRBが公表したFOMC議事要旨の内容も市場が懸念していたほど、FOMC委員が景気に対して慎重な見方を示さなかったことが好感され、買い材料になりました。
19日の日本市場では、米国市場高を受け、朝方は主力株の一部に買いが先行しましたが、朝方発表の1-3月期の実質GDPが前期比年率3.7%減と市場予想を大きく下回り、年後半の景気回復に対する期待が後退し、売りが優勢になりました。また、枝野幸男官房長官が午前の会見で、金融機関による東電向け債権放棄の必要性を改めて示唆したため、後場は大手銀行株が売られたことも、悪材料となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-6.5%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-2.1%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線、9日線の下に在り、200日線を下回りました。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.5ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.5ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.71ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の住宅着工件数は予想以下となり、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月16日 0.2605% → 05月17日 0.2597% → 05月18日 0.2600%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.8、PBRが1.08、ROEが6.8%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.3%となり、日経平均は130円の割安い、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-210円 ~ +70円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて昨日は強い動きに転換しましたが,一日で今日は弱い動きに戻りました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.037%と拡大し、為替は円安方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況に左右される相場となっています。今夜の米国市場は新規失業保険申請件数、4月の中古住宅販売件数、4月の景気先行指標総合指数が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。テクニカルには、弱含みですが、一目均衡表の雲の上限の上で推移しており底堅い動きが続いています。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内はそろそろ、3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な下落も想定しづらく、しばらくはもみ合い相場が続きそうです。一昨日は9500円が支持線となり、今日は9730円で頭を押さえられました。目先の価格レンジは9750円から9500円が想定されます。ただ、一目均衡表の雲の下限の9534円を大きく割り込むようですと一段安もありそうです。


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Wednesday, May 18, 2011

[2011/05/18]日経平均の今後の見通し

[市況]
17日のNYDowは下落し、NASDAQは小幅上昇しました。18日の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付き、午前中は、10円高と80円高の間での動きとなりました。午後も一時110円高となるなど堅調に推移し、最終的に90円高で取引を終わりました。日経平均は95円高で引け、出来高は18.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、80万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
17日の米国市場では、4月の住宅着工件数や鉱工業生産指数がともに市場予想を下回ったことを受け、景気の回復が鈍化するとの警戒感から売りが優勢になりました。朝方に四半期決算と同時に通期の売上高や利益の見通しの下方修正を発表したHPが大幅安となったことも重荷でした。
18日の日本市場では、国内企業の生産正常化に対する期待感や、復興に絡む追加補正予算検討のために通常国会の会期を延長する案が政府で浮上したことで、朝方から幅広い銘柄に買いが入りました。午後に入ると先物に買い戻しとみられる大口の買いが相次ぎ、日経平均は上げ幅を120円強に広げる場面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-5.4%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-1.7%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線、9日線の下に在りますが、200日線を上回りました。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.0ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.62ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の鉱工業生産指数、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の住宅着工件数は予想以下となり、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月13日 0.2605% → 05月16日 0.2605% → 05月17日 0.2597%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.9、PBRが1.08、ROEが6.8%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%となり、日経平均は50円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-210円 ~ +130円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていましたが,今日は強い動きに転換しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.97%と縮小し、為替は円高方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況安が悪材料視されています。今夜の米国市場は重要な経済指標の発表は無さそうですので、個別材料が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。テクニカルには、弱含みですが、終値では一目均衡表の雲の上限の上に在りますので底堅い動きが続いています。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内はそろそろ、3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な下落も想定しづらく、しばらくはもみ合い相場が続きそうです。昨日は9500円が支持線となり、今日は9700円で頭を押さえられました。目先の価格レンジは引き続き9700円から9500円が想定されます。ただ、一目均衡表の雲の下限の9534円を大きく割り込むようですと一段安もありそうです。


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Tuesday, May 17, 2011

[2011/05/17]日経平均の今後の見通し

[市況]
16日のNYDowとNASDAQは下落しました。17日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付き、午前中は、60円安と0円安の間での動きとなりました。午後は上昇に転じ、最終的に20円高で取引を終わりました。日経平均は8円高で引け、出来高は18.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、30万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
16日の米国市場では、朝方発表された5月のNY連銀景気指数が大幅に悪化したことや、原油相場が不安定な値動きを続けたことも重荷になり、目先の利益確定売りが優勢となりました。
17日の日本市場では、米国市場の続落を嫌気した売りが先行しましたが、午後に円安が進むと日経平均は持ち直しました。ただ、外部環境の先行き不安も意識されて上値は限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-8.3%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-2.6%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、9日線下に在り、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 2.0ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.65ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、5月のNY連銀景気指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月12日 0.2607% → 05月13日 0.2605% → 05月16日 0.2605%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.9、PBRが1.07、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均は130円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-170円 ~ +210円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日も弱い動きがやや拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドとなりました。一方、日経平均は中期もみ合いとなり、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.00%と縮小したものの、為替は円安方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況安が悪材料視されています。今夜の米国市場は重要な経済指標の発表は無さそうですので、個別材料が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。テクニカルには、弱含みですが、終値では一目均衡表の雲の上限の上に在りますので底堅い動きが確認された形です。ファンダメンタル面では、引き続き、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内はそろそろ、3月期決算の内容を織り込んだようですが、今期見通しは不透明です。ただ、年後半のサプライチェーンの復活が見込まれますので、過度な下落も想定しづらく、しばらくはもみ合い相場が続きそうです。目先の価格レンジは9700円から9500円が想定されます。ただ、一目均衡表の雲の下限の9533円を割り込むようですと一段安もありそうです。


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Monday, May 16, 2011

[2011/05/16]日経平均の今後の見通し

[市況]
13日のNYDowとNASDAQは下落しました。16日の日経平均先物は、前日比90円安で寄り付き、午前中は、120円安と70円安の間での動きとなりました。午後も同水準での動きとなり、最終的に110円安で取引を終わりました。日経平均は90円安で引け、出来高は18.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、340万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
13日の米国市場では、朝方は、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想以上になったことなどで、下げ渋る場面もありましたが、欧州の財政問題への不透明感からユーロが下げ幅を広げ、商品などへの売りも膨らんだことで、NYDowは152ドルまで下げ幅を広げる場面がありました。
16日の日本市場では、前週末の米国市場の下落を受けて朝方から売りが先行しました。商品相場の先行きやギリシャの財政問題を背景にリスク回避に対する警戒感が高まったことや、円がユーロに対し上昇したことが嫌気されました。ただ、3月の機械受注統計で民需が市場予想を大幅に上回ったことで、悲観的な見方がやや後退し下値を売り急ぐ動きは限られ、安値圏でのもみ合いが続きました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-8.7%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-2.7%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.5ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.66ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のニューヨーク連銀景気指数などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月11日 0.2622% → 05月12日 0.2607% → 05月13日 0.2605%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.9、PBRが1.08、ROEが6.8%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均は120円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-170円 ~ +210円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いとなり、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.05%と縮小したものの、為替はやや円安方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況安が悪材料視されています。今夜の米国市場は5月のNY連銀製造業景気指数の発表が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。今日の動きで、短期は下降トレンドで中期とももみ合いです。テクニカルには、弱含みです。ファンダメンタル面では、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は引き続き3月期決算の内容が影響しそうですが、買い材料は少なそうです。しばらく、弱含みの中、もみ合い相場が続きそうです。目先の価格レンジは9750円から9550円が想定されますが、一目均衡表の雲の下限の9533円を割り込むようですと一段安もありそうです。


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Saturday, May 14, 2011

[2011/05/15]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、原油など商品相場の下落、中国の預金準備率上げ、ユーロ急落などで、下落しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念、資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場の下落で0.6ポイント割安となりました。その要因はS&P500のPERが14.0で、東証1部平均のPERの16.2との差と日米金利差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が0.3%下がり、2011年度の企業業績が2010年度予想値より5%程度下がることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、原油価格下落の行方や住宅関連指標、4月の鉱工業生産の発表などが株式相場に影響しそうですが、もみ合う相場が続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は-0.2%となり、今期ROE予想値は7.9%から6.8%へ悪化しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向ですが、日米の金利差は2.09%~2.01%と縮小傾向で、為替は80円から81円台と小動きでした。今週は80から82円台でのもみ合いが予想されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は日本が+1.7%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.5ポイント分の弱気材料です。ただ、震災の影響は考慮されていない数字ですので、日本は0.3%程度の低下はありそうです。
⑤ 4月4週はと5月1週は買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち⑤が強気材料で①③④が弱気材料でした。今週は、①③⑤と地震災害による②④が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、11.1ポイント割安となり、先週比1.7ポイント割安幅(弱い動き)が拡がりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は-1.8%となり先週と比較してマイナスに転換しました。総合乖離率は-6.0%となりマイナスに転換しました。1つがプラスですので中期トレンドは、”黄信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、不動産市場の低迷、北アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上げなどのリスクは後退しているものの景気・雇用指標の停滞が見え始めました。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、企業決算は概ね好調である点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドですが、短期はもみ合いとなっています。日本市場は中期もみ合いで短期は下降トレンドです。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準横ばいで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。一方、先週の日米金利差はやや拡大し、為替はもみ合う動きとなっています。
今週の日経平均も、米国市場や為替の動き、原発問題が企業業績への影響などを睨んだ動きとなりそうです。米国市場では景気指標の悪化で、目先は調整局面を迎えていまが、企業業績は好調ですのですので、押し目買いも入りやすい環境です。一方、日本市場では、3月期決算発表が本格化し、震災の日本経済に与える影響の大きさが決算発表の内容にどう反映されるかが、今後の重要な要素です。テクニカルな視点での日経平均は、200日線を割る展開となり、短期も下降トレンドですので、弱気が勝りそうです。目先は一目均衡表の雲の上限9550円を割り込むと、さらに一段安となりそうですが、米国市場が戻す動きとなった場合は9550円と9750円の範囲で揉み合う展開が予想されます。


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Friday, May 13, 2011

[2011/05/13]日経平均の今後の見通し

[市況]
12日のNYDowとNASDAQは上昇しました。13日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付き、午前中は、60円高と30円安の間で徐々に値を下げる動きとなりました。午後は一段安となり150円安となる場面もありましたが、最終的に30円安で取引を終わりました。日経平均は67円安で引け、出来高は28.3億株とSQ日で高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、120万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
12日の米国市場では、朝方の株式相場は週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったほか、4月の小売売上高が予想に達しなかったこと、また中国の預金準備率引き上げなどで、売りに押される場面が目立ちました。しかし、5日の安値を下回らなかったことが下値不安を和らげ、原油相場が上げに転じたのをきっかけに株価指数は上昇に転じました。
13日の日本市場では、米市場高を好感し、朝方に9700円台半ばに上昇する場面がありました。ただ、枝野幸男官房長官が、東電への公的資金注入について金融機関の債権放棄の必要性に言及したため、後場は大手銀行株に売りが膨らんだことや、パキスタンでのタリバンによる自爆テロ報道で円が急騰するなど、全体の地合いが悪化しました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線の下に在りますが、25日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。総合乖離率は-6.0%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-1.8%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.5ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.3ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.58ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月10日 0.2640% → 05月11日 0.2622% → 05月12日 0.2607%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.0、PBRが1.11、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均は50円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-170円 ~ +300円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて弱い動きに転換していましたが、今日は弱い動きが拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いとなり、短期は下降トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.11%と拡大したものの、為替は円高方向です。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況安が悪材料視されています。今夜の米国市場は5月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が注目されそうです。
ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。今日の動きで、短期は下降トレンドで中期とももみ合いとなりましたが、テクニカルには、弱含みです。ファンダメンタル面では、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は引き続き3月期決算の内容が影響しそうですが、買い材料は少なそうです。しばらく、弱含みの中、もみ合い相場が続きそうです。目先の価格レンジは9750円から9550円が想定されます。


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Thursday, May 12, 2011

[2011/05/12]日経平均の今後の見通し

[市況]
11日のNYDowとNASDAQは下落しました。12日の日経平均先物は、前日比90円安で寄り付き、午前中は、120円安と20円安の間の動きとなりました。午後は一段安となり、最終的に160円安で取引を終わりました。日経平均は147円安い引け、出来高は20.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、510万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状況です。
11日の米国市場では、原油など商品相場の急落を受け、エネルギー株や素材株を中心に売りが膨らみました。また、欧州の財政問題に対する警戒感や中国の費者物価指数の上昇、減益決算を発表したウォルト・ディズニーの下落しなど悪材料が重なりました。
12日の日本市場では、米市場安や商品市況の悪化を背景に、売りが優勢でした。前日に3月期の決算を発表したトヨタや日立が上昇し、相場全体も下げ渋る場面があったものの、欧州諸国の財政問題など海外の悪材料が今後も意識される可能性があり、終盤にかけては買い手控え気分が強まり、きょうの安値で取引を終えました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は-4.1%とマイナス転換しました。200日線との乖離率は-1.1%とマイナス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.2ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.3ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.65ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の小売売上高は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月09日 0.2657% → 05月10日 0.2640% → 05月11日 0.2622%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.2、PBRが1.11、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率より下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均は10円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-10円 ~ +340円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて強い動きが続いていましたが、今日は弱い動きに転換しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期もみ合いとなりました。一方、日経平均は中期もみ合いとなり、短期ももみ合いです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.04%と縮小したものの、為替は円高一服が続いています。一方、米国市場は景気に陰りが見え始め、商品市況安が悪材料視されています。今夜の米国市場は、新規失業保険申請件数、4月の小売売上高の発表が注目されそうです。
ここからは、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。今日の動きで、短期・中期とももみ合いとなりましたが、6日に空けた窓は、埋めることが出来ていませんので、テクニカルには、弱含みです。ファンダメンタル面では、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は引き続き3月期決算の内容が影響しそうですが、買い材料は少なそうです。しばらく、もみ合い相場が予想されますが、弱含みです。


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Wednesday, May 11, 2011

[2011/05/11]日経平均の今後の見通し

[市況]
10日のNYDowとNASDAQは上昇しました。11日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付き、午前中は、110円高と40円高の間の動きとなりました。午後は20円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、最終的に40円高で取引を終わりました。日経平均は45円高で引け、出来高は20.7億株と低水準ながら増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、430万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状況です。
10日の米国市場では、マイクロソフトによるスカイプ・テクノロジーズの買収や中国の4月の貿易黒字が急拡大したことが好感されNYDowは3日続伸しました。
11日の日本市場では、米国市場高と円高一服で主力株が水準を切り上げ、生産回復に向けた期待も後押しました。ただ、発表が続く3月期決算の内容を確認したいとの模様眺め気分から、買いは限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+0.3%とプラス転換しました。200日線との乖離率は+0.4%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.6ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.53ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の小売売上高は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月06日 0.2670% → 05月09日 0.2657% → 05月10日 0.2640%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.9、PBRが1.14、ROEが7.1%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.1%となり、日経平均は100円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+80円 ~ +340円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて強い動きが続いていますが、今日は弱含みな動きとなりました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドとなりました。一方、日経平均は中期上昇トレンドとなり、短期も上昇トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.10%と拡大し、為替は円高一服となりました。一方、米国市場は景気に陰りが見え始めましたが、堅調な動きに戻りつつあります。今夜の米国市場は、3月の貿易収支の発表が注目されそうです。
ここからは、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。今日の動きで、短期・中期とも上昇トレンドに復帰しましたが、6日に空けた窓は、まだ埋めることが出来ていませんので、テクニカルには、微妙です。ファンダメンタル面では、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は本格化する3月期決算の内容が影響しそうですが、買い材料は少なそうです。しばらく、もみ合い相場が予想されます。


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Tuesday, May 10, 2011

[2011/05/10]日経平均の今後の見通し

[市況]
9日のNYDowとNASDAQは上昇しました。10日の日経平均先物は、前日比10円安で寄り付き、午前中は、30円高と60円安の間の動きとなりました。午後は50円高となる場面もありましたが、最終的に10円高で取引を終わりました。日経平均は24円高で引け、出来高は18.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、250万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状況です。
9日の米国市場では、前週に急落した原油相場がこの日は反発し、100ドルを上回りました。金相場も1500ドルを回復するなど、商品相場の上昇を好感し、エネルギー株や素材株に買いが入り、株価指数は上昇しました。ただ、ギリシャ国債が格下げされるなど、欧州の債務問題に対する警戒感が上値を抑えました。
10日の日本市場では、前日の米国市場が上昇したことで、朝方から買いが先行しました。ただ、円高に対する懸念で、日経平均は下げに転じる場面もありました。14時にトヨタが生産正常化の時期を2-3ヶ月前倒しすると伝わると市場の心理がやや好転し日経平均は上げに転じました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-1.1%とマイナス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+0.0%とプラス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 0.2ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.53ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の小売売上高は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、金融不安の指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月05日 0.2682% → 05月06日 0.2670% → 05月09日 0.2657%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.5、PBRが1.13、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連れて上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.9%となり、日経平均は170円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+100円 ~ +340円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて強い動きが続いていますが、今日は弱含みな動きとなりました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.02%とやや拡大したものの、為替は円高方向となっています。一方、米国市場は景気に陰りが見え始めましたが、今夜の米国市場は、注目される経済指標の発表はなさそうですので、商品市況や個別材料が注目されそうです。
ここからは、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。米国市場の調整が長引くと到来しそうです。今日は200日線(現在9820円)まで戻したものの、6日に空けた窓は、まだ埋めることが出来ていませんので、テクニカルには、弱気が勝りそうです。ファンダメンタル面では、米国景気の減速懸念と原油などの商品市況の動きが注目点となりそうです。国内は本格化する3月期決算の内容が影響しそうですが、買い材料は少なそうです。しばらく、もみ合い相場が予想されます。


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注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。

Monday, May 09, 2011

[2011/05/09]日経平均の今後の見通し

[市況]
6日のNYDowとNASDAQは上昇しました。9日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付き、午前中は、50円高と50円安の間の動きとなりました。午後は70円安となる場面もありましたが、最終的に40円安で取引を終わりました。日経平均は64円安で引け、出来高は17.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、350万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状況です。
6日の米国市場では、朝方発表の4月の雇用統計が雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となり、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しましたが、景気が順調に回復に向かっているとの見方から買いが優勢となりました。ただ、午後になり原油相場が売りに押される場面が目立ち始めると、株価指数は上げ幅を縮小しました。
9日の日本市場では、朝方は前週末の米市場高を受けて買いが先行したものの、買い一巡後は、米国の景気減速と円相場が80円台に高止まりしていることを嫌気した売りに押されました。浜岡原子力発電所の全原子炉の停止を要請したことも、重荷となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は-1.9%とマイナス転換しました。200日線との乖離率は-0.3%とマイナス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.1ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.0ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.51ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の小売売上高は予想以下となりました。4月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が244,000人増と市場予想以上となりましたが、失業率は8.8%から9.0%と前月から悪化しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りもでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとのFRBによる方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。金融不安の気配を知る上で、金融機関間の金利、株価の推移や金融機関の業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、金融不安の指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月04日 0.2702% → 05月05日 0.2682% → 05月06日 0.2670%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
シティグループの株価は6日、上昇しました。(一昨年1月高値7.59ドル・一昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.52ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.6、PBRが1.12、ROEが7.2%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.9%となり、日経平均は210円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+180円 ~ +340円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて強い動きが続いていますが、今日は弱含みな動きとなりました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.01%と変わりませんが、為替は円高方向となっています。一方、米国市場は景気に陰りが見え始めましたが、今夜の米国市場は、米中戦略・経済対話が注目されそうです。
ここからは、米国市場をにらみながら、為替と外人投資家の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。米国市場の調整が長引くと到来しそうです。今日は200日線(現在9820円)を少し下回り、6日に空けた窓が埋められませんでしたので、テクニカルには、やや弱気な相場となる可能性が高まりました。ファンダメンタル面では、米国景気の減速懸念と本格化する3月期決算の内容次第の相場と思われますが、買い材料は少なそうです。


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Saturday, May 07, 2011

[2011/05/08]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、週末の雇用統計は好材料と受け止めたものの、景気や雇用関連指標の悪化で、下落しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念、資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場の下落で0.5ポイント割安となりました。その要因はS&P500のPERが14.0で、東証1部平均のPERの16.4との差と日米金利差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が0.3%下がり、2011年度の企業業績が2010年度予想値より3%程度下がることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、原油価格下落の行方や米中戦略・経済対話、4月の小売売上高の発表などが株式相場に影響しそうですが、もみ合う相場が続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は38%となり、今期ROE予想値は7.9%から7.2%へ悪化しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向ですが、日米の金利差は2.09%~2.01%と縮小傾向で、為替は81円から79円台と円高方向の動きでした。今週は81から79円台でのもみ合いが予想されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は日本が+1.7%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.5ポイント分の弱気材料です。ただ、震災の影響は考慮されていない数字ですので、日本は0.3%程度の低下はありそうです。
⑤ 4月4週はと5月1週は買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち⑤が強気材料で①③④が弱気材料でした。今週は、①③⑤と地震災害による②④が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、9.4ポイント割安となり、先週比2.6ポイント割安幅(弱い動き)が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+0.4%となり先週と比較してプラス幅は変わりません。総合乖離率は+0.1%となりプラス幅は変わりません。3つがプラスですので中期トレンドは、”青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、不動産市場の低迷、北アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上げなどのリスクは後退しているものの景気・雇用指標の停滞が見え始めました。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、好調な企業決算の発表が続いている点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドですが、短期はもみ合いとなっています。日本市場は中期・短期とも上昇トレンドにを維持しています。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準横ばいで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。一方、先週の日米金利差はバーナンFRB議長の緩和的な金融政策継続発言で縮小し、為替は円高ぎみの動きが続いています。
今週の米国市場では、3月の貿易収支、4月の小売売上高、5月のミシガン大学消費者信頼感指数などの経済指標の発表が注目されそうです。先週の日経平均はドルベースではNYDowの動きより強い動きが継続しています。今週の日経平均も、米国市場や為替の動きを睨みながらの展開が続きそうです。米国市場では目先は調整局面を迎えていますが、週末も雇用統計が好材料と受け止められましたので、過度な警戒感は後退したと思われます。一方、日本市場では、3月期決算発表が結果を本格化し、震災の日本経済に与える影響の大きさが決算発表の内容にどう反映されるかが、今後の重要な要素となりそうです。テクニカルな視点での日経平均は、今のところ、200日線が下値支持線になっていますので、6日の窓埋となる9940円までの戻りが実現すれば、短期上昇トレンドは維持される可能性が高まりそうですが、200日線を割る展開となった場合は雰囲気は一転しそうです。


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Friday, May 06, 2011

[2011/05/06]日経平均の今後の見通し

[市況]
5日のNYDowとNASDAQは下落しました。6日の日経平均先物は、前日比250円安で寄り付き、午前中は、250円安と190円安の間の動きとなりました。午後は膠着した相場ながら、下げ幅を縮め、最終的に180円安で取引を終わりました。日経平均は145円安で引け、出来高は19.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、1490万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状況です。
5日の米国市場では、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が47万件と市場予想の41万件に対して大幅に増え、投資家の景況感が悪化し、幅広い銘柄に売りが優勢となりました。原油相場の急落で石油株が売りに押されたことも重荷になりました。
6日の日本市場では、連休中の米国市場の下落と円高進行などを受けた売りに押され、自動車株や石油株、非鉄金属株などの下げが目立ちました。日経平均は前場に一時、下げ幅が200円を超えましたが、今夜発表の4月の米雇用統計を控えて見送り気分も強く、午後は買い戻しが入り下げ渋りました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+0.1%とプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+0.4%とプラス幅が縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.1ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.2ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.50ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、4月のISM製造業景況感指数は予想の範囲ながら前月より低下し、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の小売売上高は予想以下となりました。3月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が216,000人増と市場予想以上となり、失業率も8.9%から8.8%と前月から改善しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向でしたが、ここにきて、景気と雇用指標に陰りがでてきました。また、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、6月末で大幅なドル供給策は終了するものの、金利は据え置かれ、緩和的な政策は継続されるとの方向が示されました。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。金融不安の気配を知る上で、金融機関間の金利、株価の推移や金融機関の業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、金融不安の指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月03日 0.2722% → 05月04日 0.2702% → 05月05日 0.2682%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
シティグループの株価は5日、下落しました。(一昨年1月高値7.59ドル・一昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.48ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.6、PBRが1.13、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率ほどは下げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.4%となり、日経平均は310円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+150円 ~ +340円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて強い動きが続き、今日は拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期はもみ合いとなりました。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.01%と縮小し、為替は円高方向となっています。一方、米国市場は連休中に軟調な動きとなりましたが、今夜の米国市場は、4月の雇用統計が注目されそうです。
ここからは、米国市場をにらみながら、為替と外人投資家の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうです。米国市場の調整が長引くと到来しそうです。今日は後場下げ渋り、200日線が下値のサポートラインとなった格好です。ここからは4月の雇用統計が市場の関心事となりそうですが、テクニカルには米国市場の短期のトレンドが黄信号となり要注意です。日経平均は200日線(現在9820円)を守りきれるか否かと今日空けた窓が埋められるか否かが、今後を占う目安となりそうです。


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Monday, May 02, 2011

[2011/05/02]日経平均の今後の見通し

[市況]
29日のNYDowとNASDAQは上昇しました。2日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付き、午前中は、70円高と110円高の間の動きとなりました。午後は一段高となり一時170円高となる場面がありましたが、最終的に160円高で取引を終わりました。日経平均は154円高で引け、出来高は18.3億株と減少しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、660万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状況です。
29日の米国市場では、キャタピラなど良好な企業業績を手掛かりとした買いが優勢となり年初来高値を更新しました。ただ、朝方発表の4月のシカゴ購買部協会景気指数が予想以下となったことで、売りが優勢となる場面もありました。
2日の日本市場では、日本が休場だった前週末にかけて米国市場が上昇したことで、投資家心理が改善しました。さらに、昼休み時間中にアルカイダのウサマ・ビンラディン容疑者が死亡したと伝わると、午後から買いが広がりました。ただ、連休を控え、10000円を超えると伸び悩む展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+4.6%とプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+1.9%とプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は 1.7ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2011年予想実質GDP伸び率の日米差と予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.82ポイント割安となっています。
市場は現在、「福島原発の行方」、「中東・北アフリカ情勢と原油価格」、「米国の景気と雇用状況と住宅市況」、「欧州の財政赤字による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を実行中ですが、終了後も緩和的な政策は続きそうです。米国の1-3月期のGDPは年率で1.8%に減少しました。1-3月期の主要企業の決算発表は、ここまでのところ、好調な決算企業が勝り、支援材料となっています。経済指標では、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者態度指数、4月のニューヨーク連銀景気指数、3月のISM製造業景況感指数、2月の個人消費支出などは市場予想を上回りましたが、4月のフィラデルフィア連銀景気指数が前月比で大幅低下し、3月の小売売上高は前月比で市場予想ほど増加せず、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。3月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が216,000人増と市場予想以上となり、失業率も8.9%から8.8%と前月から改善しました。一方、住宅関連では、3月の新築住宅販売件数、3月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は予想以上でしたが、2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で-2.6%の低下となりました。昨年9月以降の景気関連の経済指標は改善傾向で、雇用もゆるやかに改善傾向ながら、住宅関連の回復は鈍く金融緩和解除の足かせとなっています。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が金融システム不安再燃の懸念を残しています。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策と大幅なドル供給策は継続され、相場の支援材料となっていますが、4月28日のFOMCで方向が修正されるか否かが注目されます。一方、中国を初めとする新興国の利上げが悪材料視されています。金融不安の気配を知る上で、金融機関間の金利、株価の推移や金融機関の業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、金融不安の指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は04月26日 0.2727% → 04月27日 0.2732% → 04月28日 0.2730%となり低水準で低下傾向です。欧州財政危機直前の昨年05月03日の0.346%を下回っています。MAXは昨年6月17日の0.539%でした。
シティグループの株価は29日、下落しました。(一昨年1月高値7.59ドル・一昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.59ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.0、PBRが1.15、ROEが7.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.6%となり、日経平均は240円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 ~ +250円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べて強い動きが続き、今日は拡大しました。
米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
日経平均を中長期的に見ると、テクニカルには米国市場に比べて割安で、ファンダメンタルにも割安です。
LIBORのドル3ヶ月物金利は低水準で、欧州財政問題が金融不安に発展する気配とは言えない水準です。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.09%と縮小したものの、為替はやや円安方向となっています。一方、米国市場は高値を更新する動きが続いていますが、今夜の米国市場は、4月のISM製造業指数が注目されそうです。
ここからは、米国市場をにらみながら、為替と外人投資家の動向が鍵となりそうです。日経平均は、いずれ、震災の企業業績に与える影響やGDP低下懸念も問題となり、二番底を探る動きとなる余地はありそうですが、その時期は米国市場高に助けられて、当面遠のいたようです。今日の上昇はウサマ・ビンラディン容疑者の死亡で米国市場が上昇するとの読みで上昇幅が大きくなったようです。ここからは週末の雇用統計と経済指標が市場の関心事となりそうですが、日米ともテクニカルに短期・中期とも強気になり、日経平均は200日線を200円以上超えてきましたので、利食い売りが出た場合でも、200日線が下値のサポートラインとなりそうです。連休中に為替が円安方向となれば、一段高も考えられます。


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