日経平均の予想: February 2014

Thursday, February 27, 2014

[2014/02/28]今後の日経平均の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは上昇しました。28日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付き、午前中は110円安から10円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は230円安まで下げる場面がありましたが、結局100円安で取引を終わりました。日経平均の終値は82円安の14841円で、出来高は23.28億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は650万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、やや「売り」が有利な状況です
26
日の米国市場では、ウクライナ情勢の緊迫で欧州市場が下落したことを嫌気して、朝方は上値が重かったものの。必要なら金融緩和を長期化するとのFRB議長発言を受けて買いが優勢になり、引けにかけて上げ幅を拡大しました。
27日の日本市場では、米国市場高もあり、プラス圏まで上げる場面もありましたが、円相場の上昇、アジア市場安、ウクライナ情勢などが重荷となりました。後場は、日経平均の下げ幅が200円近くに拡大する場面がありました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+0.4%でプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+2.3%でプラス幅が縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅は1.2ポイント拡大して、中長期的には日本市場が10.6ポイント割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.98イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP速報値は3.2%と予想と一致しました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、1月の耐久財受注、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、2月のNY連銀製造業景気指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月のISM製造業景況指数は予想以下でした。
1月の雇用統計は就業者数が前月比11.3万人増で、市場予測の18万人増を大きく下回りました。失業率は先月の6.7%から6.6%に改善しました。
一方、住宅関連では、1月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、1月の中古住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。12月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回りました。23ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
寒波の為、目先の経済指標に弱さが目立つものの、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとの従来のガイダンスにこだわらずに低金利政策を続けるとの方針に変更し、量的緩和縮小の市場への影響を最小限にする方法を模索しています。ECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、11月に短期金利を引き下げました。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整することを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0225 0.2336% 0226 0.2333% 0227 0.2361%%となっています。過去22ヶ月は低下傾向ですが、目先上昇傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.8PBR1.38となっています。ROE9.4%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも拘らず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均は110円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-300円 ~+100円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きに戻りましたが、今日は弱い動きが加速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.06と縮小し、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、米金融緩和縮小は市場と新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?中国など新興国経済の変調は先進国に影響しないのか?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は低下していますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、米国の雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識ながら、目先は寒波の影響で経済指標は予想以下が目立つようになってきました。しかし、FRBは短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、米景気を改善傾向と判断し、小幅ながら量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢や人民元安などによる為替の円高推移が重荷です。このような相場環境の中、28日の米国市場は、10-12月期のGDP改定値、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の中古住宅販売仮契約が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内の動きとなり、下値は想定値にほぼ一致しました。目先の日経平均の想定範囲は上値がボリンジャーバンド+1σ(15050円近辺を想定)で、下値が、25日線(14700円近辺を想定)の間での動きが想定されます


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Wednesday, February 26, 2014

[2014/02/27]今後の日経平均の見通し

[市況]
26
日のNYDowNASDAQは小幅上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付き、午前中は160円安から10円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は20円高まで上げる場面がありましたが、結局40円安で取引を終わりました。日経平均の終値は47円安の14923円で、出来高は22.49億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は490万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
26
日の米国市場では、1月の新築住宅販売件数が市場予想に反して増加したことや、一部の小売企業の四半期決算が懸念したほど悪化しなかったことで、買いがやや優勢となりました。
27日の日本市場では、米国市場は小幅上昇でしたが、米長期金利の低下もあり、買い意欲に欠け、売りが優勢でした。ウクライナ情勢なども影響してか、商いが盛り上がらない点も問題です。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+1.9%でプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+2.9%でプラス幅が縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅は0.3ポイント拡大して、中長期的には日本市場が9.4ポイント割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.96イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP速報値は3.2%と予想と一致しました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、2月のNY連銀製造業景気指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月のISM製造業景況指数、12月の耐久財受注は予想以下でした。
1月の雇用統計は就業者数が前月比11.3万人増で、市場予測の18万人増を大きく下回りました。失業率は先月の6.7%から6.6%に改善しました。
一方、住宅関連では、1月の新築住宅販売件数は予想以上でしたが、1月の中古住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。12月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回りました。23ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
寒波の為、目先の経済指標に弱さが目立つものの、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとの従来のガイダンスにこだわらずに低金利政策を続けるとの方針に変更し、量的緩和縮小の市場への影響を最小限にする方法を模索しています。ECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、11月に短期金利を引き下げました。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整することを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0224 0.2344% 0225 0.2336% 0226 0.2333%となっています。過去22ヶ月は低下傾向ですが、最近3ヶ月はもみ合いです。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.9PBR1.39となっています。ROE9.3%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも拘らず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は40円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-410円 ~+100円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、やや強い動きに変わりましたが、今日は弱い動きに戻りました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.08と縮小したものの、ドル円は、小動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、米金融緩和縮小は市場と新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?中国など新興国経済の変調は先進国に影響しないのか?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は低下していますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、米国の雇用状況と住宅指標は改善傾向ながら目先は停滞ぎみで、直近の経済指標は予想以下も目立つようになってきました。しかし、FRBは短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、米景気を改善傾向と判断し、小幅ながら量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。市場環境は目先、リスク回避の動きが後退し、日本市場の割安感もなくなりました。ただ、ウクライナ情勢が新たな重荷です。このような相場環境の中、27日の米国市場は新規失業保険申請件数、1月の耐久財受注、イエレンFRB議長の上院議会証言が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内の動きとなり、下値は想定値に接近しました。目先の日経平均の想定範囲は上値がボリンジャーバンド+1σ(15080円近辺を想定)で、下値が、25日線(14740円近辺を想定)の間での動きが想定されます


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[2014/02/26]今後の日経平均の見通し

[市況]
25
日のNYDowNASDAQは下落しました。26日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付き、午前中は110円安から70円高の範囲で上げに転じる動きでした。午後は90円高まで上げる場面がありましたが、結局前日同値で取引を終わりました。日経平均の終値は80円安の14970円で、出来高は19.21億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は100万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
25
日の米国市場では、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は予想以上となり、小高くなる場面もあったものの、2月の消費者信頼感指数が予想以下となったことで、売りが優勢となりマイナス圏で推移しました。
26日の日本市場では、米国市場安を受けて、朝方から売りが先行しました。上海市場が上昇に転じたことから日経平均も上げに転じる場面があったものの、取引終了にかけて利益確定売りに押されました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+2.7%でプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+3.2%でプラス幅が縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅は0.3ポイント拡大して、中長期的には日本市場が9.1ポイント割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.98イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP速報値は3.2%と予想と一致しました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、2月のNY連銀製造業景気指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月のISM製造業景況指数、12月の耐久財受注は予想以下でした。
1月の雇用統計は就業者数が前月比11.3万人増で、市場予測の18万人増を大きく下回りました。失業率は先月の6.7%から6.6%に改善しました。
一方、住宅関連では1月の中古住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。12月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回りました。23ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
寒波の為、目先の経済指標に弱さが目立つものの、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとの従来のガイダンスにこだわらずに低金利政策を続けるとの方針に変更し、量的緩和縮小の市場への影響を最小限にする方法を模索しています。ECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、11月に短期金利を引き下げました。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整することを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0221 0.2349% 0224 0.2344% 0225 0.2336%となっています。過去22ヶ月は低下傾向ですが、最近3ヶ月はもみ合いです。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.9PBR1.39となっています。ROE9.3%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%となり、日経平均は10円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-420円 ~+100円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていましたが、今日はやや強い動きに変わりました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.13と縮小し、ドル円は、円高方向に動きました。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりました。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、米金融緩和縮小は市場と新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?中国など新興国経済の変調は先進国に影響しないのか?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は低下していますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、米国の雇用状況と住宅指標は改善傾向ながら目先は停滞ぎみで、直近の経済指標は予想以下も目立つようになってきました。しかし、FRBは短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、米景気を改善傾向と判断し、小幅ながら量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。市場環境は目先、リスク回避の動きが後退し、日本市場の割安感もなくなりました。このような相場環境の中、26日の米国市場は1月の新築住宅販売が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内の動きとなり、下値は想定値に接近しました。目先の日経平均の想定範囲は上値がボリンジャーバンド+1σ(15180円近辺を想定)で、下値が、25日線(14770円近辺を想定)の間での動きが想定されます


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