日経平均の予想: July 2012

Tuesday, July 31, 2012

[2012/07/31]今後の日経平均の見通し



[市況]
30
日のNYDowNASDAQは小幅下落しました。31日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付き、午前中は40円安から90円高の範囲でプラスに転換する動きでした。午後は130円高まで上げ幅を拡げる場面がありましたが、最終的に前日比70円高で取引を終わりました。日経平均の終値は59円高の8695円で、出来高は17.61億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は280万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況ですが、ボトムアウト感があります。
30
日の米国市場では、ECBの定例理事会を2日に控え、欧州当局の次の一手を見極めたいとして様子見ムードが優勢でした。前週末までの大幅上昇に伴う反動で、目先の利益確定売りがやや優勢でした。
31日の日本市場では、米国市場安を受けて小安く始まったものの、月末を迎え、これまで業績悪化で売られてきた電機株などに買い戻しが入ったことで、日経平均は上昇に転じました。
[
テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在りますが9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-5.8%でマイナス幅は縮小しました。200日線との乖離率は-2.9%でマイナス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。
NYDow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQ200日線の上に在り、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.6ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.2ポイント縮まりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2012年予想実質GDP伸び率の日米差(0.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.11イント割安となっています
市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の4-6月期のGDP速報値は年率で1.5%でした。4-6月期の米主要企業の決算発表は思ったほどは悪くないようです。経済指標では、6月の耐久財受注、6月の鉱工業生産、7月のNY連銀製造業景気指数、5月の製造業受注、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のフィラデルフィア連銀指数、6月の小売売上高、6月のISM非製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指は予想以下でした。
6月の雇用統計は就業者数が前月比8.0万人増で、市場予測の10.0万人増を下回り、失業率は8.2%と前月の8.2%と変わりませんでした。
一方、住宅関連では、5月の住宅着工件数は減少したものの許可件数は予想以上に増加し、7月の住宅市場指数、5月の仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数は予想以下でした。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.7%上昇し、市場予想の0.4%上昇を上回りました。雇用と住宅関連は回復しつつあるものの低水準で、金融緩和継続の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが悪化し、世界経済の先行き不透明感が強まりつつあります。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは住宅と雇用の回復の鈍さから、短期金利を2014年後半までは超低金利で維持する政策を継続することを発表しました。これは長期的な円高要因ですが、日銀も2月に1%のインフレ目標と追加金融緩和を決め通過安競争となってきました。また、中国を初めとする新興国も成長率減速で利下げ方向です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は0726 0.4471% 0727 0.4466% 0730 0.4446%となり、過去6ヶ月は下降トレンドですが、ここ3ヶ月も下降気味です。2010年のギリシャ財政危機直前の一昨年0503日の0.346%を超えていますが、ECBによる3年物オペで金融システム危機懸念は後退しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER11.3PBR0.93ROE8.2%と今期の業績予想は大幅に改善しています。PBR1.0を下回っていますので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘らず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;-2.2%となり、日経平均は190円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円 ~-130円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが減速しました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.71と縮小し、ドル円は、やや円高の動きでした。米国金利の低下で、円高圧力はやや強まりました。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。
ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国経済や主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は低下傾向で、直近の金利も下降気味となっています。ギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの不良債権問題が出ても、EUの金融不安は小康状態です。ただ、EUの景気後退や政権交代による財政規律の後退、スペインの財政赤字拡大による国債の金利上昇が懸念されていますので、欧州債券市場や金融機関への影響を見極める必要があります。また、米国の4-6月期の決算は今のところ悪くなさそうですが、経済指標は弱さが目立ち、直近の雇用統計は4ヶ月連続で伸び悩みを示しました。また、住宅指標も伸びなやみ、世界景気の減速懸念は払拭出来ていません。このような相場環境の中、31日の米国市場は5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数、7月のCB消費者信頼感指数が注目されそうです。
今日の日経平均の下値は想定したボリンジャーバンド-1σ上値は想定した25日線に接近しました。目先の日経平均は上値が25日線(現在8770円近辺)で下値がボリンジャーバンド-1σ(現在8570円近辺)が想定されます。



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Monday, July 30, 2012

[2012/07/30]今後の日経平均の見通し



[市況]
27
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。30日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付き、午前中は110円高から50円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は20円高まで上げ幅を縮める場面がありましたが、最終的に前日比50円高で取引を終わりました。日経平均の終値は68円高の8635円で、出来高は14.49億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は60万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況ですが、ボトムアウト感があります。
27
日の米国市場では、独仏首脳が、ユーロ圏の維持に注力するとの内容の声明を発表したことや、ドラギECB総裁が、欧州各国の国債の購入について協議するとも伝わったことが好感され、NYDowの上げ幅が230ドルに迫る場面もありました。4-6月期の実質GDP速報値は1.5%増加し、1.3%程度になるとの市場予想を上回ったことも、支援材料となりました。
30日の日本市場では、前週末の米国市場が上昇したことで、買いが優勢となりました。ただ、6月の鉱工業生産指数が市場予想に反し減少したことや、新日鉄が発表した4-6月期決算が大幅な赤字となったことが相場全体の重荷になり、伸び悩みました。
[
テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-8.0%でマイナス幅は縮小しました。200日線との乖離率は-3.6%でマイナス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。
NYDow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQ200日線の上に在り、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.8ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.4ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2012年予想実質GDP伸び率の日米差(0.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.23イント割安となっています
市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の4-6月期のGDP速報値は年率で1.5%でした。4-6月期の米主要企業の決算発表は思ったほどは悪くないようです。経済指標では、6月の耐久財受注、6月の鉱工業生産、7月のNY連銀製造業景気指数、5月の製造業受注、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のフィラデルフィア連銀指数、6月の小売売上高、6月のISM非製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指は予想以下でした。
6月の雇用統計は就業者数が前月比8.0万人増で、市場予測の10.0万人増を下回り、失業率は8.2%と前月の8.2%と変わりませんでした。
一方、住宅関連では、5月の住宅着工件数は減少したものの許可件数は予想以上に増加し、7月の住宅市場指数、5月の仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数は予想以下でした。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.7%上昇し、市場予想の0.4%上昇を上回りました。雇用と住宅関連は回復しつつあるものの低水準で、金融緩和継続の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが悪化し、世界経済の先行き不透明感が強まりつつあります。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは住宅と雇用の回復の鈍さから、短期金利を2014年後半までは超低金利で維持する政策を継続することを発表しました。これは長期的な円高要因ですが、日銀も2月に1%のインフレ目標と追加金融緩和を決め通過安競争となってきました。また、中国を初めとする新興国も成長率減速で利下げ方向です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は0725 0.4481% 0726 0.4471% 0727 0.4466%となり、過去6ヶ月は下降トレンドですが、ここ3ヶ月も下降気味です。2010年のギリシャ財政危機直前の一昨年0503日の0.346%を超えていますが、ECBによる3年物オペで金融システム危機懸念は後退しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER11.2PBR0.92ROE8.2%と今期の業績予想は大幅に改善しています。PBR1.0を下回っていますので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;-3.4%となり、日経平均は300円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円 ~-150円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが加速しました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.78と縮小し、ドル円は、やや円高の動きでした。米国金利の上昇で、円高圧力はやや弱まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国経済や主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は低下傾向で、直近の金利も下降気味となっています。ギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの不良債権問題が出ても、EUの金融不安は小康状態です。ただ、EUの景気後退や政権交代による財政規律の後退、スペインの財政赤字拡大による国債の金利上昇が懸念されていますので、欧州債券市場や金融機関への影響を見極める必要があります。また、米国の4-6月期の決算は今のところ悪くなさそうですが、経済指標は弱さが目立ち、直近の雇用統計は4ヶ月連続で伸び悩みを示しました。また、住宅指標も伸びなやみ、世界景気の減速懸念は払拭出来ていません。このような相場環境の中、30日の米国市場は重要な経済指標の発表は無さそうですので個別材料が注目されそうです。
今日の日経平均はボリンジャーバンド-1σを挟んだ動きとなり、上値は想定した値近辺でした。目先の日経平均は上値が25日線(現在8770円近辺)で下値がボリンジャーバンド-1σ(現在8570円近辺)が想定されます。



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Saturday, July 28, 2012

[2012/07/29]今週の日経平均の見通し



[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、欧州の財政問題に対するEU首脳の前向き発言で、上昇しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2012年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が1.32ポイント割安となりました。その要因はS&P500PER13.0で、東証1部平均の今期予想PER11.6との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には日本の2012年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.7%分日本が減速する、又は、東証1部平均の今期予想PER13.7程度まで悪化することが織り込まれているとも解釈できます。



[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となり、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、欧州の財政問題、世界の景気、米雇用統計など経済指標、住宅関連指標などが株式相場に影響しそうですが、NYDowNasdaqとも一目均衡表の雲の上で推移出来るか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は3月期の決算発表に伴い+73%と大幅な伸びとなっています。ROE予想値も4.7%から8.2%へ改善しています。
   日米の長期金利は上昇し、日米の金利差は0.71%から0.81%と拡大し、為替は77円台から78円台で円高方向の動きでした。今週は79円台から77円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2012年の実質GDP伸び率は改定され日本が+2.0%で、米国は+2.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が劣ります。
   73週は売り越しで74週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が強気材料で③が弱気材料でした。今週も、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、8.6ポイント割安となりました。先週比2.1ポイント割安幅は拡大しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-10.5%となり先週と比較してマイナス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は-4.4%となりマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので中期トレンドは、赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期的トレンドには"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。中期的には"青信号"で、短期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、アフリカ・中東政情不安、新興国の利上、資源高、不動産市場の低迷、などのリスクはやや後退しているものの欧州の政府債務問題、雇用指標の停滞、世界景気後退懸念が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2014年後半まで継続する見通しの中、4-6月期の米企業決算は思ったほど悪くない点とFRBによるQE3実施期待が挙げられます。日本市場では4-6月期の決算発表が注目されそうです。テクニカルな面を見ると、米国市場は上昇トレンドで、短期は上昇トレンドです。日本市場は中期下降トレンドで、短期は下降トレンドです。
目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機懸念が再び危惧されます。今のところ、LIBORのドル3ヶ月物金利は下降傾向で小康状態を示していますが、引き続き、スペインの地方政府や金融機関の不良債権問題やギリシャなど欧州諸国の政治情勢と国債金利動向を見極める必要がありそうです。一方、先週の為替は週末に米国長期金利が上昇して、日米金利差が拡大し、週末はやや円安方向の動きとなりました。
先週の日経平均は想定よりも下振れしました。今週の日経平均も米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。今週の日経平均は、上値がボリンジャー・バンド+1σ(現在8980円近辺)で下値がボリンジャー・バンド-1σ(現在8580近辺)が想定されます



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Friday, July 27, 2012

[2012/07/27]今後の日経平均の見通し



[市況]
26
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比110円高で寄り付き、午前中は130円高から70円高の範囲でもみ合う動きでした。午後も同水準でもみ合う動きとなり、最終的に前日比120円高で取引を終わりました。日経平均の終値は123円高の8566円で、出来高は16.65億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は110万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況ですが、ボトムアウト感があります。
26
日の米国市場では、ドラギECB総裁が「ユーロを守るためにあらゆる手段をとる用意がある」と述べたことを受け、ユーロが大幅上昇し、スペインやイタリアの国債利回りが低下しました。欧州の株式市場が全面高となり、米国市場にも買いが波及しました。また、6月の耐久財受注が予想以上になったことも支援材料となりました。
27日の日本市場では、米国市場高と円安・ユーロ高で、主力株を中心に買い戻しが入りました。午後は、来週にECB理事会やFOMCなど重要日程を控え様子見姿勢で膠着相場となりました。
[
テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-10.5%でマイナス幅は縮小しました。200日線との乖離率は-4.4%でマイナス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDow200日線の上に在りますが、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQ200日線の上に在りをますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.1ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2012年予想実質GDP伸び率の日米差(0.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.21イント割安となっています
市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1-3月期のGDP確定値は年率で1.9%でした。1-3月期の米主要企業の決算発表は概ね好調のようです。経済指標では、6月の耐久財受注、6月の鉱工業生産、7月のNY連銀製造業景気指数、5月の製造業受注、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、7月のフィラデルフィア連銀指数、6月の小売売上高、6月のISM非製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指は予想以下でした。
6月の雇用統計は就業者数が前月比8.0万人増で、市場予測の10.0万人増を下回り、失業率は8.2%と前月の8.2%と変わりませんでした。
一方、住宅関連では、5月の住宅着工件数は減少したものの許可件数は予想以上に増加し、7月の住宅市場指数、5月の仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数は予想以下でした。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.7%上昇し、市場予想の0.4%上昇を上回りました。雇用と住宅関連は回復しつつあるものの低水準で、金融緩和継続の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが悪化し、世界経済の先行き不透明感が強まりつつあります。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは住宅と雇用の回復の鈍さから、短期金利を2014年後半までは超低金利で維持する政策を継続することを発表しました。これは長期的な円高要因ですが、日銀も2月に1%のインフレ目標と追加金融緩和を決め通過安競争となってきました。また、中国を初めとする新興国も成長率減速で利下げ方向です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は0724 0.4481% 0725 0.4481% 0726 0.4471%となり、過去6ヶ月は下降トレンドですが、ここ3ヶ月も下降気味です。2010年のギリシャ財政危機直前の一昨年0503日の0.346%を超えていますが、ECBによる3年物オペで金融システム危機懸念は後退しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER11.1PBR0.92ROE8.2%と今期の業績予想は大幅に改善しています。PBR1.0を下回っていますので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;-2.3%となり、日経平均は210円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-280円 ~-120円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きがやや加速しました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.71と拡大したものの、ドル円は、小動きでした。米国金利の上昇で、円高圧力はやや弱まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国経済や主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は低下傾向で、直近の金利も下降気味の横ばいとなっています。ギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの不良債権問題が出ても、EUの金融不安は小康状態です。ただ、EUの景気後退や政権交代による財政規律の後退、スペインの財政赤字拡大による国債の金利上昇が懸念されていますので、欧州債券市場や金融機関への影響を見極める必要があります。また、米国の4-6月期の決算は今のところ悪くなさそうですが、経済指標は弱さが目立ち、直近の雇用統計は4ヶ月連続で伸び悩みを示しました。また、住宅指標は改善傾向ながら世界景気の減速懸念は払拭出来ていません。このような相場環境の中、27日の米国市場は4-6月期のGDP速報、7月のミシガン大学消費者信頼感指数やメルクなどの決算発表が注目されそうです。
今日の日経平均の上値は想定以上となりボリンジャーバンド-1σ近辺となりました。目先の日経平均は下降中のボリンジャーバンド-1σ(現在8580円近辺) を挟んだ動き (上値が8670円近辺で下値が8450円近辺)が想定されます。



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