日経平均の予想: March 2014

Monday, March 31, 2014

[2014/03/31]今後の日経平均の見通し

[市況]
28
日のNYDowNASDAQは上昇しました。31日の日経平均先物は、前日比140円高で寄り付き、午前中は150円高から20円高の範囲で上げ幅を縮める動きでした。午後は50円高から150円高の範囲でもみ合う動きとなり、結局80円高で取引を終わりました。日経平均の終値は131円高の14827円で、出来高は20.93億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は550万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
28
日の米国市場では、2月の個人消費支出と個人所得がともに前月から増加しとことが好感され、NYDowの上げ幅は朝方に一時150ドルを超えましたが、午後は利益確定売りに押されて伸び悩みました。
31日の日本市場では、先週末の米国市場高と2週間ぶりの円安で買いが先行しました、午前中に上げ幅を縮める動きがあったものの、3月期末のお化粧買いも入り、午後は堅調に推移しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。総合乖離率は+0.7%でプラス転換しました。200日線との乖離率は+2.0%でプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の中に入りました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が0.8ポイント縮小して、中長期的には日本市場が4.2ポイント割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2015年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.20イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP確報値は2.6%となり改定値から0.2ポイント上方修正されました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、2月の耐久財受注、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、3月のNY連銀製造業景気指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM非製造業景況指数は予想以下でした。
2月の雇用統計は就業者数が前月比17.5万人増で、市場予測の14.9万人増を上回りました。失業率は先月の6.6%から6.7%に悪化しました。
一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売件数は予想並みながら低水準で、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数は予想以下でした。ただ、1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.6%上昇を上回りました。24ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いていることを示しています。
寒波の為、目先の経済指標に弱さが目立つものの、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整することを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境がより明確となりました。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0326 0.2333% 0327 0.2336% 0328 0.2333%となっています。過去23ヶ月は低下傾向ですが、目先も落ち着いています。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.5PBR1.35なっています。ROE9.4%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、先週末のNYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は40円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-530円 ~+50円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きに変わりましたが、今日は弱い動きにもどりました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.09と拡大し、ドル円は、円安方向の動きでした。直近の米国長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、ウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は上昇ぎみで、引き続き中国のシャドーバンキング問題に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、米国市場は雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に対するリスク回避の動きは後退しています。このような相場環境の中、31日の米国市場は、3月のシカゴ購買部協会景気指数、イエレンFRB議長講演が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内で25日線を挟んだ動きとなり、上値は想定値近辺となりました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が 14930円近辺で、下値が14630円近辺の間で、25日線(現在14740円近辺)を挟んだ動きが想定されます


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Saturday, March 29, 2014

[2014/03/30]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、ウクライナ情勢緊迫懸念とまちまちな経済指標でもみ合う展開でした。一方、中長期的には、ウクライナ情勢、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中東の地政学的リスク、中国の景気減速とシャドーバンキング問題などに引き続き注意が必要ですが、米国の景気回復は続きそうです。
2014年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2015年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.28ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER15.6で、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2014年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.3%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.9程度になる(日経平均が15300円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2015GDP予測値(現在+1.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は十字線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲の中に在ります。米国市場は中長期的に黄信号で、短期的にも黄信号が点灯しています。今週は、ウクライナ情勢や3月のシカゴ購買部協会景気指数、ISM製造業景況指数、3月の雇用統計などが株式相場に影響しそうです。NYDow25日線の上で推移出来るか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い前年比+60%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は9.3%と伸び率は前四半期に比べて0.3%増加しています。
   日米の長期金利は低下し、日米の金利差は2.15%から2.10%と縮小したものの、為替は101円台から102円台と円安方向の動きでした。今週は101円台から103円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2015年の実質GDP伸び率は日本が+1.0%で、米国は+3.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。
   33週は売り越しで、34週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが③強気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、5.0ポイント割安となりました。先週比割安幅が6.7ポイント縮まりました。日本市場は米国市場に比べ中長期的に割安です。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-2.0%となり先週と比較してマイナス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+1.2%となりプラス転換しました。1つの要素がプラスですので中期トレンドは、黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。短期的には黄信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、住宅市況の低迷、南欧政府債務問題、中東の地政学的リスクなどは後退しているものの、ウクライナ情勢と金融緩和縮小による中国など新興国の景気減速、資源高がリスク要因です。また、中国のシャドーバンキング問題も残っています。好材料としては、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続及び追加金融緩和余地、ECBによる金利引き下げ余地が挙げられますが、米国の金融緩和の終了時期は早まりそうです。
テクニカルな面を見ると、米国市場はもみ合いで、短期ももみ合いです。日本市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです
目先の状況を分析するとウクライナ情勢は落ち着きつつあるものの、緊迫によるリスク回避の動きは今後も起こる可能性が有ります。日米長期金利差は縮小したものの、為替は円安方向の動きとなりました。日本市場は米国市場の足踏みにも拘らず上昇し、リスクを取れる状況に変化しつつあります。引き続き、外人の売買動向と日経平均が200日線の上で推移出来るか否かを見てゆく必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移し、下値は想定ラインに接近する場面があり、上値は想定ライン近辺となりました。今週の日経平均は、上値がボリンジャー・バンド+1σ(現在15040円近辺)で、値が25日線-150円(現在14600円近辺)の間での動き想定されます


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Friday, March 28, 2014

[2014/03/28]今後の日経平均の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは下落しました。28日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付き、午前中は110円安から40円高の範囲で上げに転じる動きでした。午後は90円高まで買われる場面がありましたが、結局60円高で取引を終わりました。日経平均の終値は73円高の14696円で、出来高は21.93億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は160万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
27
日の米国市場では、新規失業保険申請件数は前週比で減少し、10-12月期のGDP確報値改定値から上方修正されましたが、相場の反応は限定的で、NYDowは終日小動きでした。
28日の日本市場では、米国市場安を受けて、朝方は売りが優勢でしたが、その後は、アジア市場が好調だったことや、3月決算期末を控えたお化粧買いで買いが優勢となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-2.0%でマイナス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+1.2%でプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が1.1ポイント縮小して、中長期的には日本市場が5.0ポイント割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.22イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP確報値は2.6%となり改定値から0.2ポイント上方修正されました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、2月の耐久財受注、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、3月のNY連銀製造業景気指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM非製造業景況指数は予想以下でした。
2月の雇用統計は就業者数が前月比17.5万人増で、市場予測の14.9万人増を上回りました。失業率は先月の6.6%から6.7%に悪化しました。
一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売件数は予想並みながら低水準で、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数は予想以下でした。ただ、1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.6%上昇を上回りました。24ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いていることを示しています。
寒波の為、目先の経済指標に弱さが目立つものの、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整することを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境がより明確となりました。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0325 0.2343% 0326 0.2333% 0327 0.2336%となっています。過去23ヶ月は低下傾向ですが、目先も落ち着いています。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.3PBR1.34なっています。ROE9.3%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘らず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は20円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-620円 ~+50円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていましたが、今日は強い動きに変わりました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.06と縮小し、ドル円は、やや円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。
ファンダメンタル面では、ウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は上昇ぎみで、引き続き中国のシャドーバンキング問題に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、米国市場は雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に対する過度のリスク回避の動きは後退しています。このような相場環境の中、28日の米国市場は、3月のミシガン大学消費者信頼感指数改定値が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内の動きとなり、上値は想定値近辺となりました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が 14850円近辺で、下値が14550円近辺の間で、25日線(現在14740円近辺)を挟んだ動きが想定されます


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Thursday, March 27, 2014

[2014/03/27]今後の日経平均の見通し

[市況]
26
日のNYDowNASDAQは下落しました。27日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付き、午前中は50円安から140円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は上昇に転じて290円高まで買われる動きとなり、結局250円高で取引を終わりました。日経平均の終値は145円高の14622円で、出来高は25.84億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は560万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です
26
日の米国市場では、朝方発表の2月の耐久財受注額が市場予想を上回る伸びとなったことで、買いが先行しましたが、徐々に経済の回復基調に力強さが欠けるとの見方が拡がり、利益確定売りが優勢となりました。
27日の日本市場では、米国市場安と円高で売りが先行しましたが、午後に入り、為替が円安方向に戻したことや、海外機関投資家による先物主導での買いが入ったことで、急劇にプラス圏まで戻しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-3.5%でマイナス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+0.7%でプラス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が2.6ポイント縮小して、中長期的には日本市場が6.1ポイント割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.23イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP改定値は2.4%となり速報値から0.8%減少しました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、2月の耐久財受注、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月のISM製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、3月のNY連銀製造業景気指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の製造業受注、2月のISM非製造業景況指数は予想以下でした。
2月の雇用統計は就業者数が前月比17.5万人増で、市場予測の14.9万人増を上回りました。失業率は先月の6.6%から6.7%に悪化しました。
一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売件数は予想並みながら低水準で、2月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。ただ、1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.6%上昇を上回りました。24ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いていることを示しています。
寒波の為、目先の経済指標に弱さが目立つものの、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整することを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境がより明確となりました。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0324 0.2351% 0325 0.2343% 0326 0.2333%となっています。過去23ヶ月は低下傾向ですが、目先も落ち着いています。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.3PBR1.33なっています。ROE9.3%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘らず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均は50円の割安で、割安幅が大幅縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-620円 ~-10円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが急減速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.08と縮小し、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりました。
テクニカルから見て、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。
ファンダメンタル面では、ウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は上昇ぎみで、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、米国市場は雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に対する過度のリスク回避の動きは後退しています。このような相場環境の中、27日の米国市場は、新規失業保険申請件数、10-12月期のGDP確報値、2月の中古住宅販売仮契約などが注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲を上下とも超えましたが、下値は想定値近辺で、上値は想定値を110円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在14730円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在14430円近辺)を挟んだ動きが想定されます


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