日経平均の予想: July 2025

Saturday, July 19, 2025

[2025/7/20]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、米国の高関税政策への懸念が引き続き強い中、ハイテク株高支えとなり、株価指数は週間ではまちまちでした。

週間変動率 NYダウ:-0.07%, NASDAQ:+1.51%, S&P500:+0.59%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.96ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.8対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.96ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER41.3程度になる。又は、日経平均が104,930円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は65,110円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、65,110円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは、やや改善しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は十字線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて-0.1%ポイント悪化しています。利益伸び率は-3.8%となりました。3ヶ月前に比べて-10.5%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2.90から2.89と縮小したものの、ドル円は146円台から149円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.61%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  7月第2週は買い越しで、7月第3週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に6.2ポイント(日経平均に勘算すると2470円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に0.7ポイント(日経平均に勘算すると270円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウより、やや強く、NASDAQより弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.4と横這いでした。 日経 VI は 週間で 24.8と上昇しました。米国市場は楽観的で日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+12.1%となり、200日移動平均線乖離率は+4.3%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、25日線・200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は増幅しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は147円台から150円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、引き続き、貿易協定の合意の有無とその内容が注目されるでしょう。米国の決算シーズンは本格化し、アルファベット、テスラ、ベライゾン、コカ・コーラ、IBMなど主要企業が四半期決算を発表する予定です。主要な米国経済指標としては、S&PグローバルPMI速報値、耐久財受注、既存住宅販売と新築住宅販売が注目されます。世界的には、ECBの金融政策決定が注目されます。市場はまた、ユーロ圏、ドイツ、日本、インド、英国、フランスのPMI、ドイツと英国の消費者信頼感指数、ドイツのIfo企業景況感指数、英国の小売売上高、東京の消費者物価指数(CPI)などの経済指標が発表されます。さらに、投資家は日本の参議院選挙の結果を注視するでしょう。

 

先週の日経平均は想定範囲内で推移しました。上値は530円下回り、下値は50円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ (現在40620円近辺)で、下値が25日線(現在39410円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週も日経平均が、25日線の上で推移できるか否かが、今後を予測する上で重要です。


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Friday, July 18, 2025

[2025/07/18]今後の日経平均の見通し

[市況]

717日、NYDowNASDAQは上昇しました718日の日経平均先物は、前日比120円高で寄り付くと、午前中は200円高から180円安と下落に転じ、午後は200円安から80円安の間でもみあって、結局、100円安で取引を終えました。日経平均の終値は82円安の39819円で、出来高は14.85億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

717日の米国市場では、6月の小売売上高や7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など、注目度の高い経済指標が市場予想を上回ったことから、米景気の底堅さが意識され、株買いを促しました。また、TSMCの決算が好感され、半導体株をはじめハイテク株の一部に買いが向かいました。NYDowは続伸し、 NASDAQ4日続伸しました。NASDAQは連日で過去最高値を更新しました。

718日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受けて買いが先行しましたが、勢いは続かず、次第に持ち高調整の売りや利益確定の売りが優勢となりました。参院選後の政治情勢の不透明感が嫌気されたようです。また、17日の取引終了後に決算を発表したディスコが大幅安となったことも重石となりました。一方で、ソフトバンクグループや消費関連の一角が買われて相場の下値を支えました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+12.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+4.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-6.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2470円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+0.3ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が120円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.75と前日より上昇し、VIX16.52と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国+0.2と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.99ポイント(日経平均換算で66640円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の消費者物価指数、6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.68PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.9%となり、日経平均の割安幅は800円から1170円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1240円~-800円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.92ポイントから2.93ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

718日の米国市場では、6月の住宅着工件数や、7月のミシガン大学消費者信頼感指数のほか、3M、ハンチントン・バンクシェアーズ、チャールズシュワブ、トリスト・フィナンシャル、シュルンベルジェ、アメリカン・エキスプレスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを120円ほど下回り、下値は想定ラインを140円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在40110円近辺)が上値の目安に、25日線(現在39410円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均はザラ場では74日の高値を上回りましたが、終値では上回ることはできませんでした。目先、上昇トレンド入りと判断するには、きょうの高値(40088円)を上回ることが必要です。



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Thursday, July 17, 2025

[2025/07/17]今後の日経平均の見通し

[市況]

716日、NYDowNASDAQは上昇しました717日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付くと、午前中は240円安から40円高と上昇に転じ、午後には340円高まで上昇幅を拡げて、結局、340円高で取引を終えました。日経平均の終値は237円高の39901円で、出来高は16.07億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

716日の米国市場では、6月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことから、インフレへの警戒感が後退し、株買いにつながりました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソンが好決算を手がかりに買われ、他のヘルスケア関連銘柄にも買いが波及しました。一方、トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任を検討しているとの報道は投資家心理の重石となりました。NYDowは反発し、NASDAQ3日続伸しました。

717日の日本市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが決算発表後、慎重な先行き見通しを示したことが重石となり、半導体関連株が売られて指数を押し下げました。しかし、午後に台湾TSMCの四半期決算の内容が伝わると、好調との受け止めから、買い戻す動きが優勢となりました。日本株の先高観を背景に、海外短期筋が先物に断続的に買いを入れたことも追い風となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+13.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+4.6%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2030円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.1ポイントと前日比横ばいで、日経平均が440円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.35と前日より上昇し、VIX17.16と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国+0.3と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で66220円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の消費者物価指数、6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.69PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%となり、日経平均の割安幅は1050円から800円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1290円~-800円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.90ポイントから2.92ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

717日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の住宅市場指数のほか、TSMC、ネットフリックス、USバンコープ、ペプシコ、アボット・ラボラトリーズ、トラベラーズ・カンパニーズ、マーシュ&マクレナン、シンタス、フィフスサードバンコープなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを90円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在40200円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在39530円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は反発しました。目先、74日の高値(40012円)を終値で上回ることができれば、上昇トレンドに転換したと判断してもよさそうです。



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Wednesday, July 16, 2025

[2025/07/16]今後の日経平均の見通し

[市況]

715日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました716日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付くと、午前中は150円安から110円高の間で上下し、午後は250円高から70円安の間で上下して、結局、70円安で取引を終えました。日経平均の終値は14円安高の39663円で、出来高は15.69億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

715日の米国市場では、6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことから、インフレ圧力の高まりが意識され、主力株に売りが向かいました。長期金利の上昇も重石となりました。また、足元で堅調だった金融株に利益確定の売りが出て、指数を下押ししました。一方、中国向けAI半導体の出荷再開を表明したエヌビディアが買われ、他の半導体株にも買いが波及しました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは続伸しました。

716日の日本市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLの決算への期待から、半導体関連株に先回り的な買いが集まりました。ただ、実際に決算の内容が伝わると、関連銘柄の一角に売りが出て、指数を下押ししました。また、前日の米国市場で金融大手が売られた流れを受け、銀行株や保険株に売りが向かいました。結局、日経平均は小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+4.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.5ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2180円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+1.1ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が440円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.27と前日より上昇し、VIX17.38と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国+0.3と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で65350円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の消費者物価指数、6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.63PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.5%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.6%となり、日経平均の割安幅は1090円から1050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1290円~-870円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.86ポイントから2.90ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

716日の米国市場では、5月の生産者物価指数(PPI)や、6月の鉱工業生産指数のほか、ASMLホールディング、J&J、バンク・オブ・アメリカ、PNCファイナンシャル、M&Tバンク、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、プログレッシブなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39960円近辺)が上値の目安に、25日線(現在39260円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は小幅に反落しました。引き続き、711日の高値(39957円)を終値で上回れるかどうかが、次の注目点です。



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Tuesday, July 15, 2025

[2025/07/15]今後の日経平均の見通し

[市況]

714日、NYDowNASDAQは上昇しました715日の日経平均先物は、前日比150円高で寄り付くと、午前中は30円安から230円高の間で上下し、午後は10円高から270円高と上昇幅を拡げて、結局、250円高で取引を終えました。日経平均の終値は218円高の39678円で、出来高は15.77億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

714日の米国市場では、トランプ大統領がEUとメキシコに81日から30%の追加関税を課すと表明したことを受け、売りが先行しました。ただ、高関税はあくまで交渉手段に過ぎないとの見方も強く、下げた場面では押し目買いが入りました。また、ビットコインの価格が過去最高値を更新したことを手がかりに、暗号資産関連銘柄が買われました。NYDowは反発しました。NASDAQも反発し、2営業日ぶりに過去最高値を更新しました。

715日の日本市場では、前日の米株高や外国為替市場の円安ドル高進行が投資家心理を支え、買いが先行しました。今晩発表される6月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの雰囲気や、参院選や米国との関税交渉など不透明要素が意識されて方向感に乏しい展開が続きましたが、エヌビディアが中国向けのAI半導体の輸出を再開したと伝わると、半導体関連株への買いが強まって指数を押し上げました。日経平均は4営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は+12.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+4.1%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2100円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+0.1ポイントとプラスに転じ、日経平均が40円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.55と前日より低下し、VIX16.89と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国+0.2と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.91ポイント(日経平均換算で63190円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.71PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.3%で、こちらは3か月前より7.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.7%となり、日経平均の割安幅は1240円から1090円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1290円~-730円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.85ポイントから2.86ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

715日の米国市場では、6月の消費者物価指数(CPI)や、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数のほか、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、ブラックロック、JPモルガン、ステート・ストリート、バンクオブニューヨークメロンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39920円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在39310円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は4日ぶりに反発しました。このまま711日の高値(39957円)を上回ることができれば、25日線近辺で反転したと言えそうです。



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