[市況]
7月24日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。7月25日の日経平均先物は、前日比220円安で寄り付くと、午前中は130円安から310円安と下落幅を拡げ、午後は280円安から510円安と下落幅を拡げて、結局、510円安で取引を終えました。日経平均の終値は370円安の41456円で、出来高は17.68億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
7月24日の米国市場では、4~6月期決算がふるわなかったIBMやハネウェル・インターナショナルなどが売られ、指数の重石となりました。一方、クラウド事業が好調と伝わったアルファベットには買いが集まり、他のハイテク株や半導体株の一角にも買いが波及しました。結局、NYDowは3日ぶりに反落し、NASDAQは続伸しました。NASDAQは連日で過去最高値を更新しました。
7月25日の日本市場では、足元の急ピッチな株高を受け、前日まで上昇が目立った銘柄を中心に、短期的な過熱感を意識した売りが優勢となりました。また、前日に決算を発表した信越化学工業やキヤノンの急落を受け、これから発表が相次ぐ主要企業の4~6月期決算への警戒感が高まり、投資家心理の重石となりました。日経平均は3日ぶりに反落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+22.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+8.5%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドに青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、-2.5ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1040円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.2ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が1740円ほど割高であることを示しています。
日経VIは22.17と前日より低下し、VIXも15.32と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-4.5、米国+0.2と日本が4.7ポイント割安ですが、OECDの2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)は1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.58ポイント(日経平均換算で59310円)割安となっています。
市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
7月のミシガン大学消費者信頼感指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数、6月の消費者物価指数、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です。
米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
7月の住宅市場指数、5月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが早まるという面では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが16.45、PBRが1.49となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.0%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.6%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.0%となり、日経平均の割高幅は1280円から790円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-940円~+1280円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.81ポイントから2.81ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。
7月25日の米国市場では、6月の耐久財受注のほか、フィリプス66、センティーン、エーオン、チャーター・コミュニケーションズ、HCAホールディングスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを390円ほど下回り、下値は想定ラインを210円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+300円(現在41680円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在40890円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は反落しましたが、テクニカル的にはまだ過熱感が残っており、調整の時間はもう少し必要なようです。
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