日経平均の予想: [2025/07/16]今後の日経平均の見通し

Wednesday, July 16, 2025

[2025/07/16]今後の日経平均の見通し

[市況]

715日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました716日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付くと、午前中は150円安から110円高の間で上下し、午後は250円高から70円安の間で上下して、結局、70円安で取引を終えました。日経平均の終値は14円安高の39663円で、出来高は15.69億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

715日の米国市場では、6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことから、インフレ圧力の高まりが意識され、主力株に売りが向かいました。長期金利の上昇も重石となりました。また、足元で堅調だった金融株に利益確定の売りが出て、指数を下押ししました。一方、中国向けAI半導体の出荷再開を表明したエヌビディアが買われ、他の半導体株にも買いが波及しました。結局、NYDowは反落し、NASDAQは続伸しました。

716日の日本市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLの決算への期待から、半導体関連株に先回り的な買いが集まりました。ただ、実際に決算の内容が伝わると、関連銘柄の一角に売りが出て、指数を下押ししました。また、前日の米国市場で金融大手が売られた流れを受け、銀行株や保険株に売りが向かいました。結局、日経平均は小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+4.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.5ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2180円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+1.1ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が440円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.27と前日より上昇し、VIX17.38と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国+0.3と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で65350円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の消費者物価指数、6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.63PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.5%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.6%となり、日経平均の割安幅は1090円から1050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1290円~-870円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.86ポイントから2.90ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

716日の米国市場では、5月の生産者物価指数(PPI)や、6月の鉱工業生産指数のほか、ASMLホールディング、J&J、バンク・オブ・アメリカ、PNCファイナンシャル、M&Tバンク、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、プログレッシブなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39960円近辺)が上値の目安に、25日線(現在39260円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は小幅に反落しました。引き続き、711日の高値(39957円)を終値で上回れるかどうかが、次の注目点です。



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