日経平均の予想: May 2025

Friday, May 23, 2025

[2025/05/23]今後の日経平均の見通し

[市況]

522日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは上昇しました。523日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付くと、午前中は20円高から360円高の間で上下し、午後は250円高から90円高の間でもみあって、結局、170円高で取引を終えました。日経平均の終値は174円高の37160円で、出来高は15.78億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

522日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことや、5月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が製造業・サービス業の双方で改善されたことなどを受け、主力株に見直し買いが入りました。ただ、下院がトランプ減税の恒久化を含む減税法案を可決したことから、長期金利の先高観が意識され、取引終盤には急速に売りがかさみました。結局、NYDowは小幅に3日続落し、NASDAQ3営業日ぶりに反発しました。

523日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株に買いが向かい、指数を押し上げました。また、ゲーム関連や原子力発電関連など、個別に材料の出た銘柄が物色されました。米長期金利の上昇一服を受けて国内長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らいだことも追い風となりました。ただ、日米財務相会談を前に持ち高調整の売りも出て、相場の上値を抑えました。日経平均は3日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+1.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は-1.7%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線の上にありますが、9日線と200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1520円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-0.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が150円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.23と前日より低下し、VIX20.10と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.88ポイント(日経平均換算で54560円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.34PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.7%で、こちらは3か月前より6.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%で、日経平均の割安幅は250円から60円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-970円~-60円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.02ポイントから2.98ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

523日の米国市場では、4月の新築住宅販売件数などが注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐる米政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを40円ほど下回り、下値は想定ラインを530円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在37520円近辺)が上値の目安に、25日線+300円(現在36680円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は反発しましたが、勢いは伴っていません。引き続き、上昇中の25日線(現在36378円)まで下落するかどうかが、目先の注目点です。



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Thursday, May 22, 2025

[2025/05/22]今後の日経平均の見通し

[市況]

521日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。522日の日経平均先物は、前日比330円安で寄り付くと、午前中は430円安から150円安の間で上下し、午後は400円安から230円安の間でもみあって、結局、240円安で取引を終えました。日経平均の終値は313円安の36985円で、出来高は16.74億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

521日の米国市場では、財務省が実施した20年債入札が低調となったことを受けて長期金利が急上昇し、株式相場の重石となりました。トランプ大統領の提唱する減税案をめぐって共和党内で不和が続いていることも警戒されました。また、米政権の関税政策が消費の落ち込みにつながるとの懸念から消費関連銘柄の一角が売られ、指数を下押ししました。NYDowNASDAQは続落しました。

522日の日本市場では、米長期金利の上昇を背景に前日の米株式相場が下落した流れが引き継がれ、半導体関連など主力株を中心に売りが優勢となりました。また、外国為替市場で円相場が強含んだことを受けて自動車株が売られ、指数の重石となりました。一方、中外製薬や第一三共など医薬品株は買われました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+0.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-2.2%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線の上にありますが、9日線と200日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1630円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-0.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が330円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.38と前日より上昇し、VIX20.63と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.7、米国+0.1と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.68ポイント(日経平均換算で52310円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.93PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.4ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-7.8%で、こちらは3か月前より6.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%で、日経平均の割安幅は770円から250円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-970円~-250円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.01ポイントから3.02ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

522日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や4月の中古住宅販売件数のほか、ラルフローレン、アナログ・デバイセズ、オートデスク、インチュイットなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐる米政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを550円ほど下回り、下値は想定ラインとほぼ一致しました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在37350円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在36460円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、やや弱まりました。日経平均は続落しました。引き続き、上昇中の25日線(現在36263円)まで下落するかどうかが、目先の注目点です。



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Wednesday, May 21, 2025

[2025/05/21]今後の日経平均の見通し

[市況]

520日、NYDowNASDAQは下落しました。521日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付くと、午前中は140円高から100円安と下落に転じ、午後は50円安から270円安と下落幅を拡げて、結局、270円安で取引を終えました。日経平均の終値は230円安の37298円で、出来高は41.96億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

520日の米国市場では、短期的な過熱感が意識され、主力株に持ち高調整の売りや利益確定の売りが広がりました。長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が強まったことも重石となりました。また、トランプ大統領が提唱する大型減税をめぐって共和党がまとまれずにいる、と伝わったことも、投資家心理の悪化につながりました。結局、NYDow4営業日ぶりに反落し、NASDAQ3営業日ぶりに反落しました。

521日の日本市場では、米国株と比べた日本株の相対的な出遅れ感に着目した買いが先行しましたが、日米財務相会談を前に様子見ムードも強く、買い一巡後は持ち高調整の売りが優勢となりました。外国為替市場で円高ドル安が進行したことも重石となりました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+2.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-1.4%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅をやや拡げ、日経平均が1900円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-2.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が750円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.65と前日より低下し、VIX18.09と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国-0.0と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.94ポイント(日経平均換算で56350円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.26PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-2.3%で、こちらは3か月前より6.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%で、日経平均は770円ほど割安となっています。プレミアム値は、ここ一週間、-970円~-230円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.95ポイントから3.01ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

521日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。シスコ・システムズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐる米政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを230円ほど下回り、下値は想定ラインを160円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ円(現在37590円近辺)が上値の目安に、25日線+600円(現在36740円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は反落しました。上昇中の25日線(現在36143円)まで下落するかどうかが、目先の注目点です。



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Tuesday, May 20, 2025

[2025/05/20]今後の日経平均の見通し

[市況]

519日、NYDowNASDAQは小幅上昇しました。520日の日経平均先物は、前日比270円高で寄り付くと、午前中は270円高から550円高の間で上下し、午後は320円高から80円高と上昇幅を縮めて、結局、140円高で取引を終えました。日経平均の終値は30円高の37529円で、出来高は19.24億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

519日の米国市場では、米国債の格下げと長期金利の上昇を背景に売りが先行しましたが、長期金利の上昇が一服すると主力株に押し目買いが入り、相場を押し上げました。また、15日までの8日続落のあと反発したユナイテッドヘルス・グループが前週末に続いて買われ、指数を支えました。結局、NYDow3日続伸し、NASDAQも小幅に続伸しました。

520日の日本市場では、前日の米株式相場が上昇した流れが引き継がれ、半導体や自動車をはじめとした幅広い銘柄に買いが先行しました。ただ、買い一巡後は利益確定の売りや戻り待ちの売りが強まり、指数の上値を抑えました。近く行われる予定の日米財務相会談で為替が議題になると伝わり、警戒感から様子見ムードが強まった面もありました。結局、日経平均の反発は小幅にとどまりました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.0%と前日比横ばいで、200日線との乖離率は-0.8%とマイナス幅をやや縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.0ポイントとマイナス幅をやや縮め、日経平均が1880円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-1.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が680円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.31と前日より上昇し、VIX18.14と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.1と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.84ポイント(日経平均換算で54000円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.35PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-2.2%で、こちらは3か月前より7.0ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均の割安幅は970円から770円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-970円~-90円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.04ポイントから2.95ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

520日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。キーサイト・テクノロジーズやパロアルト・ネットワークスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐる米政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを300円ほど下回り、下値は想定ラインを350円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在37810円近辺)が上値の目安に、25日線+1000円(現在36990円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は小幅に反発しましたが、日足は陰線となり、ボリンジャーバンド+1σにタッチしました。上昇トレンドが維持されるかどうかは微妙な形となりました。



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Monday, May 19, 2025

[2025/05/19]今後の日経平均の見通し

[市況]

516日、NYDowNASDAQは上昇しました。519日の日経平均先物は、前日比160円安で寄り付くと、午前中は100円安から260円安の間で上下し、午後は150円安から380円安と下落幅を拡げて、結局、380円安で取引を終えました。日経平均の終値は255円安の37498円で、出来高は16.71億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

516日の米国市場では、前日までの8営業日で3割ほど下げていたユナイテッドヘルス・グループが、短期的に売られ過ぎとの見方から買い直され、指数を押し上げました。関税交渉進展への期待も、引き続き相場を支えました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が低水準となり、1年先の予想インフレ率が前月より上昇したことは、投資家心理の重石となりました。NYDowは続伸し、NASDAQは反発しました。

519日の日本市場では、米長期金利の上昇を受けて円相場が強含んだことや、米大手格付け会社が米国債の格付けを引き下げたことなどが投資家心理を冷やし、株式の持ち高を圧縮する動きが優勢となりました。アジアの主要な株価指数が総じて軟調に推移したことや、米株価指数先物が下落したことなども重石となりました。日経平均は4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+5.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-0.9%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1910円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が600円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.20と前日より上昇し、VIX17.24と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.4、米国-0.0と日本が4.4ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.25ポイント(日経平均換算で47210円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER17.15PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.1%となり、これは3か月前より1.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-13.1%で、こちらは3か月前より6.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.6%となり、日経平均の割安幅は270円から970円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-970円~-90円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.96ポイントから3.04ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

519日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐる米政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを630円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-800円(現在38080円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在36980円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は4日続落しました。引き続き、ボリンジャーバンド+1σ(現在37381円)で踏みとどまれるかどうかが、目先の注目点です。



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