日経平均の予想: [2025/05/26]今後の日経平均の見通し

Monday, May 26, 2025

[2025/05/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

523日、NYDowNASDAQは下落しました。526日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付くと、午前中は20円安から320円高の間で上下し、午後は90円高から400円高と上昇幅を拡げて、結局、400円高で取引を終えました。日経平均の終値は371円高の37531円で、出来高は14.36億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

523日の米国市場では、トランプ大統領が、EUが設けている貿易障壁や米企業に対する訴訟を理由に、EUに対して50%の関税をかけると表明したことから、貿易交渉をめぐる先行き不透明感が改めて意識され、主力株を中心に売りが優勢となりました。エヌビディアの決算発表やメモリアルデーの祝日を控え、積極的な買いが手控えられたという面もありました。結局、NYDow4日続落し、NASDAQも反落しました。

526日の日本市場では、トランプ大統領とフォンデアライエン欧州委員長が電話協議をおこない、EUへの新たな関税の発動が延期されることになったと伝わり、安心感から買いが優勢となりました。日米の長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らいだことも追い風となりました。午後には半導体関連株が一段高となり、指数を押し上げました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は+3.9%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は-0.7%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線の上にありますが、9日線と200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-2.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が790円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.3ポイントとプラスに転換し、日経平均が490円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.44と前日より上昇し、VIX22.29と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は強い状態に転換しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.84ポイント(日経平均換算で55190円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.50PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.2%で、こちらは3か月前より6.8ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.1%となり、日経平均は60円の割安から770円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-770円~+770円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.98ポイントから3.01ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

526日の米国はメモリアルデーの祝日で、株式市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを50円ほど下回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在37880円近辺)が上値の目安に、25日線+400円(現在36920円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は続伸しました。25日線の手前で反転したことから、目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在39039円)を目指す動きを期待してもよさそうです。



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