日経平均の予想: 2025

Tuesday, March 18, 2025

[2025/03/18]今後の日経平均の見通し

[市況]

317日、NYDowNASDAQは上昇しました。318日の日経平均先物は、前日比530円高で寄り付くと、午前中は550円高から370円高の間でもみあい、午後は540円高から380円高の間でもみあって、結局、420円高で取引を終えました。日経平均の終値は448円高の37845円で、出来高は18.94億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

317日の米国市場では、短期的に下げ過ぎとの見方から、主力株に押し目買いが入りました。また、2月の小売売上高が市場予想から逸脱しない内容だったことから、個人消費をめぐる過度な懸念が後退し、ナイキやウォルマートなど景気敏感株に買いが集まりました。NYDowNASDAQは続伸しました。

318日の日本市場では、前日の米株高を背景に、海外勢が株価指数先物に買いを入れ、現物株を押し上げました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことや、米投資会社バークシャー・ハザウェイが日本の商社株を買い増したと伝わったことも追い風となりました。ただ、日経平均が38000円を上回る場面では利益確定の売りや戻り待ちの売りが出て、指数は伸び悩みました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.7%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-1.9%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+1.9ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が720円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が490円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.75と前日より低下し、VIX20.51と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国-0.6と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.35ポイント(日経平均換算で39860円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.30PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.1%で、こちらは3か月前より2.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.4%となり、日経平均の割高幅は1020円から900円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+900円~+1450円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.80イントから2.80ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

318日の米国市場では、2月の住宅着工件数や、2月の鉱工業生産指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを200円ほど上回り、下値は想定ラインを810円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在38300円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在37410円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は3日続伸しました。36日の高値(37874円)をザラ場では上回ったものの、終値では上回れず、25日線に押し戻される形となりました。さらに上昇できるかどうか、微妙な状況となっています。



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Monday, March 17, 2025

[2025/03/17]今後の日経平均の見通し

[市況]

314日、NYDowNASDAQは上昇しました。317日の日経平均先物は、前日比410円高で寄り付くと、午前中は460円高から250円高の間で上下し、午後は450円高から290円高の間でもみあって、結局、340円高で取引を終えました。日経平均の終値は343円高の37396円で、出来高は18.83億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

314日の米国市場では、前日までの株安の反動で、下げがきつかったハイテク株をはじめ、主力株を中心に自律反発を見込んだ買いが膨らみました。連邦政府のつなぎ予算の延長法案が成立する見通しとなったことも投資家心理の改善につながりました。一方で、長期金利の上昇は重石となりました。NYDowNASDAQは反発しました。

317日の日本市場では、前週末の米国市場でハイテク株が買われた流れを受け、値がさの半導体関連株を中心とした幅広い銘柄に買いが向かいました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことも追い風となりました。ただ、米国の関税政策など外部環境の不透明感が強いことは、引き続き投資家心理の重石となりました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は-8.4%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-3.1%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が340円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.7ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が640円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.82と前日より低下し、VIX21.77と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国-0.6と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.45ポイント(日経平均換算で40530円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースがにぶるという面では弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.08PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.1%で、こちらは3か月前より2.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均の割高幅は1450円から1020円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+950円~+1450円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.77イントから2.80ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

317日の米国市場では、2月の小売売上高や、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の住宅市場指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲をやや上ぶれしました。上値は想定ラインを30円ほど上回り、下値は想定ラインを650円ほど上回りました。目先は、25日線-200円(現在37840円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在37030円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は続伸しました。36日の高値(37874円)を上回れるかどうかが、次の注目点です。



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Saturday, March 15, 2025

[2025/3/16]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、米政権による関税発動に対し、カナダやEUが対抗措置を示すなど、貿易摩擦の激化による景気減速への懸念から、株価指数は週間で下落しました。

週間変動率 NYダウ:-3.07%, NASDAQ:-2.43%, S&P500:-2.27%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.51ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER20.5対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.0との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.51ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER31.5程度になる。又は、日経平均が78,080円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は41,030円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、41,030円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.2%となりました。3ヶ月前に比べて同水準です。また、利益伸び率は+7.1%となりました。3ヶ月前に比べて+4.9%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2.79から2.81と拡大して、ドル円は146円台から149円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.16%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  3月第1週は売り越しで、3月第2週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.7ポイント(日経平均に勘算すると260円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に0.5ポイント(日経平均に勘算する190円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 21.8 と低下しました。 日経 VI は 週間で 24.7と低下しました。米国市場と日本市場とも不安定です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。総合乖離率は-11.2%、200日移動平均線との乖離率は-4.0%。これら3つの要因がマイナスですので、中期トレンドには"赤信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは9日線・25日線・200日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の下に在ります。

NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には"赤信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。

日本市場は中期下降トレンドで、短期も下落トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は149円台から146円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、今週の米国市場では、FRBの金利政策が金利予測とともに発表されます。米国の主要データには、小売売上高、住宅着工件数、鉱工業生産、中古住宅販売件数などの指標が含まれます。世界的には、日本、中国、英国、の金利決定が予想される。そのほか、日本のインフレ率、中国の小売売上高、鉱工業生産、住宅価格指数、英国の失業率、ドイツのZEW景況感、ユーロ圏の消費者信頼感が注目されます。

 

先週の日経平均は想定範囲を下振れしました。上値は850円下回り、下値は710円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在38110円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在37020円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週は、週初は下げ過ぎからの自律反発が期待できそうですが、それが、本格的な反発に繋がるには、新たな材料が必要と思われます。


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Friday, March 14, 2025

[2025/03/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

313日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは上昇しました。314日の日経平均先物は、前日終値と同値で寄り付くと、午前中は240円安から200円高と上昇に転じ、午後は190円高から390円高と上昇幅を拡げて、結局、350円高で取引を終えました。日経平均の終値は263円高の37053円で、出来高は19.17億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

313日の米国市場では、貿易戦争の長期化が景気減速につながるとの懸念が強まり、ハイテク株を中心とした主力株に売りが広がりました。連邦政府のつなぎ予算の失効が間近に迫り、政府機関の一部が閉鎖するおそれがあることや、ロシアが米提案の停戦案に難色を示したと伝わったことも投資家心理の重石となりました。NYDow4日続落し、NASDAQは反落しました。

314日の日本市場では、前日の米株安を受けて売りが先行しましたが、売り一巡後は短期筋が株価指数先物に買いを入れ、相場を押し上げました。午後も、日本株の相対的な底堅さに着目した買いが優勢となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-11.2%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-4.0%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+2.5ポイントとプラスに転じ、日経平均が930円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が370円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.70と前日より低下し、VIX24.66と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国-0.4と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.63ポイント(日経平均換算で43960円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースがにぶるという面では弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.96PBR1.37となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+7.1%で、こちらは3か月前より2.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.9%となり、日経平均の割高幅は1150円から1450円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+520円~+1450円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.76イントから2.77ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

314日の米国市場では、3月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを220円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+400円(現在37590円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+500円(現在36770円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を大きく上回っています。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は反発しました。当面は、変動幅の大きい不安定な動きが続きそうですが、目先、陽線が続けば、テクニカルには反転のサインとなりそうです。



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Thursday, March 13, 2025

[2025/03/13]今後の日経平均の見通し

[市況]

312日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは上昇しました。313日の日経平均先物は、前日比330円高で寄り付くと、午前中は540円高から280円高の間でもみあい、午後は380円高から40円安と下落に転じて、結局、40円安で取引を終えました。日経平均の終値は29円安の36790円で、出来高は17.75億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

312日の米国市場では、貿易戦争激化への警戒感が引き続き投資家心理の重石となりました。一方、値ごろ感からエヌビディアなど一部のハイテク株には見直し買いが入り、相場を下支えしました。2月の消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回りましたが、関税政策の影響でインフレ圧力は高まるとみられており、積極的な買いにはつながりませんでした。結局、NYDow3日続落し、NASDAQ3営業日ぶりに反発しました。

313日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受けて値がさの半導体関連株に買いが先行し、指数を押し上げました。ただ、米景気や米関税政策の先行き不透明感は引き続き投資家心理の重石であり、買い一巡後の指数は伸び悩みました。円相場が対ドルで強含んだことも重石となり、結局、日経平均はマイナスに転じて終えました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-13.5%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率は-4.7%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.1ポイントとマイナスに転じ、日経平均が40円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-3.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1100円ほど割安であることを示しています

 

日経VI26.65と前日より低下し、VIX24.23と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国-0.4と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.68ポイント(日経平均換算で44080円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースがにぶるという面では弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.83PBR1.36となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.1%で、こちらは3か月前より2.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.1%となり、日経平均の割高幅は1120円から1150円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+500円~+1150円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.76イントから2.76ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

313日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、2月生産者物価指数(PPI)のほか、ドキュサイン、アルタ・ビューティ、ダラー・ゼネラルなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを150円ほど上回り、下値は想定ラインを400円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在37380円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+100円(現在36470円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を大きく上回っています。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は小幅に反落しました。下降中のボリンジャーバンド-2σを挟んだ動きからは脱したように見えますが、しばらくは変動幅の大きい不安定な動きが続きそうです。



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