日経平均の予想: 2025

Tuesday, January 14, 2025

[2025/01/15]今後の日経平均の見通し

[市況]

114日、NYダウは上昇し、NASDAQは下落しました。115日の日経平均先物は、前日比260円高で寄り付くと、午前中は310円高から90円安の間で上下し、午後は80円高から280円安の間で上下して、結局、110円安で取引を終えました。日経平均の終値は29円安の38444円で、出来高は38.74億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、前日より弱まりました。

 

114日の米国市場では、12月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことから、インフレに対する過度な懸念が後退し、景気敏感株を中心に買いが入りました。ただ、長期金利が不安定な動きを見せたこともあり、積極的な株買いは手控えられました。また、半導体関連の一角や、主力ハイテク株には売りが向かいました。結局、NYDowは続伸したものの、NASDAQ5日続落しました。

115日の日本市場では、足元の株安の反動で自律反発狙いの買いが先行しましたが、買い一巡後は利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。トランプ氏の大統領就任や日銀の金融政策決定会合など重要日程を来週に控えて様子見ムードも強く、積極的な買いは手控えられました。結局、日経平均は小幅に5日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.1%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率は-0.6%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2730円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-4.3ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1650円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.72と前日より低下し、VIX18.71と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国+0.5と日本が4.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.62ポイント(日経平均換算で97170円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注、11月の小売売上高、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。一方、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の住宅市場指数、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.51PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+2.4%で、こちらは3か月前より0.2ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%となり、日経平均の割安幅は600円から810円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-810円~+10円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.53ポイントから3.54ポイントに拡大しました。ドル円相場は方向感なく推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

114日の米国市場では、12月の生産者物価指数(PPI)などが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを100円ほど下回り、下値は想定ラインを250円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在38980円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ+200円(現在38170円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は小幅に5日続落しました。引き続き、1128日につけた安値(37802円)を下回るかどうかが、次の注目点です。



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[2025/01/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

113日、NYダウは上昇し、NASDAQは下落しました。114日の日経平均先物は、前日比450円安で寄り付くと、午前中は180円安から920円安と下落幅を拡げ、午後は690円安から940円安の間で上下して、結局、750円安で取引を終えました。日経平均の終値は716円安の38474円で、出来高は19.57億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり強まりました。

 

113日の米国市場では、前週末の大幅な株安の反動で、主力株の一部に自律反発狙いの買いが入りました。政府のメディケア計画案が好感され、ユナイテッドヘルス・グループをはじめとした医療保険関連株が上昇したことも支えとなりました。一方、AI向け先端半導体の輸出規制強化への警戒感から、半導体関連株が売られました。結局、NYDowは反発し、NASDAQは下落しました。

114日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受け、半導体関連株を中止に売りが優勢となりました。FRBの利下げペース鈍化への警戒感や、国内外の長期金利の上昇も相場の重石となりました。トランプ氏の米大統領就任や日銀の金融政策決定会合など重要日程を控え、買いが手控えられた面もありました。日経平均は4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.0%とマイナスに転換し、200日線との乖離率も-0.6%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうち2つがマイナスとなり、中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2850円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-3.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1460円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.23と前日より上昇し、VIX19.19と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国+0.5と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.65ポイント(日経平均換算で97330円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注、11月の小売売上高、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。一方、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の住宅市場指数、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.41PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前と同水準です。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.5%となり、日経平均の割安幅は370円から600円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-600円~+480円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.51ポイントから3.53ポイントに拡大しました。ドル円相場は方向感なく推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

114日の米国市場では、12月の生産者物価指数(PPI)などが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを410円ほど下回り、下値は想定ラインを220円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在38950円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ+100円(現在38210円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、かなり強まりました。日経平均は4日続落し、1219日につけた安値を下回りました。1128日につけた安値(37802円)を下回るかどうかが、次の注目点です。



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Sunday, January 12, 2025

[2025/1/13]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、米長期金利の上昇と12月の雇用統計が予想以上となったことが長期金利先高観を助長して、週間で株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.86%, NASDAQ:-2.34%, S&P500:-1.94%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.63ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.4対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.6との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.63ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER55.6程度になる。又は、日経平均が140,200円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は101,010円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、101,010円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.3ポイント改善しています。また、利益伸び率は+2.5%となりました。3ヶ月前に比べて-0.2%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.53から3.57と拡大して、ドル円は156円台から158円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.66%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  12月第5週は売り超しで、1月第1週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に6.0ポイント(日経平均に勘算すると2350円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に1.0ポイント(日経平均に勘算する390円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 19.5 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 21.7と高止まりしています。米国市場、日本市場ともやや悲観的です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+1.5%、200日移動平均線との乖離率は+1.3%。これら3つの要因がプラスであるため、中期トレンドにはまだ"青信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の下に在ります。

NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20249月につけた140円台をボトムに円安方向に転換しています。今週は157円台ら159円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、シティグループなどの大手銀行が四半期決算を発表します。また、物価動向やFRBの政策の方向性を見極めるため、CPIPPIなど主要なインフレ・データも注目されます。世界的には、中国の第4四半期GDP成長率、貿易統計、鉱工業生産、小売売上高、英国のインフレ率、小売売上高、ユーロ圏では、ECBの金融政策決定会合議事録などが発表されます。

 

先週の日経平均は想定範囲を上ブレました。上値は560円上回り、下値は150円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在40150円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在38640円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週も、米国の金利の先行きの読みに関心が集まりそうですが、日経平均は軟調な展開が続きそうです。


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Friday, January 10, 2025

[2025/01/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

19、米国市場は休場でした。110日の日経平均先物は、前日比170円安で寄り付くと、午前中は100円安から400円安の間で上下し、午後は190円安から380円安の間で上下して、結局、310円安で取引を終えました。日経平均の終値は414円安の39190円で、出来高は17.36億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

19日の米国では、カーター元大統領の国葬がおこなわれるのにあわせて、株式市場は休場となりました。

110日の日本市場では、前日の米株式市場が休場とあって手がかり不足のなか、決算で中国事業が不振だったファーストリテイリングに売りが膨らみ、指数を下押ししました。12月の米雇用統計の発表を間近に控え、買い手控えムードも強まりました。一方で、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体関連の一角は買われ、相場を下支えしました。日経平均は3日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の下にあり、25日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は+1.5%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3100円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-2.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1100円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.72と前日より低下し、VIX18.07と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国+0.0と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.17ポイント(日経平均換算で72430円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の住宅市場指数、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.55PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より0.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均は370円ほど割安の状態となりました。プレミアム値は、ここ一週間、-370円~+480円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.50ポイントから3.51ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

110日の米国市場では、12月の雇用統計のほか、デルタ航空などの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを380円ほど下回り、下値は想定ラインを30円ほど下回りました。目先は、25日線+100円(現在39500円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在38640円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は3日続落し、三角持ち合いを下離れしました。次は、ボリンジャーバンド-2σ(現在38642円)を下回るかどうかが注目点です。



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Thursday, January 09, 2025

[2025/01/09]今後の日経平均の見通し

[市況]

18NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。19日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は30円安から360円安と下落幅を拡げ、午後は580円安から290円安の間で上下して、結局、400円安で取引を終えました。日経平均の終値は375円安の39605円で、出来高は18.48億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

18日の米国市場では、長期金利の上昇が引き続き相場の重石となったものの、FRB高官が講演で追加利下げの必要性に言及したことなどを受けて午後に長期金利が水準を切り下げると、主力株の一角に買い戻しが入りました。翌日9日は休場で、10日には注目の雇用統計が発表されるとあって、方向感に乏しい相場展開でした。結局、NYDow3営業日ぶりに反発し、NASDAQは小幅に続落しました。

19日の日本市場では、前日の米株式市場で半導体株の下げが目立ったことや、米国の対中輸出規制強化にまつわる報道などが重石となり、売りが優勢となりました。円安が一服し、海外短期筋が株価指数先物に売りを出したことも、相場全体を下押ししました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+4.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+2.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2770円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が710円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.13と前日より低下し、VIX17.70と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国-0.0と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.02ポイント(日経平均換算で70140円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の住宅市場指数、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.91PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より0.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.0%となり、両指数はほぼ均衡状態となりました。プレミアム値は、ここ一週間、-130円~+480円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.50ポイントから3.50ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安一服となりました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

19日の米国では、カーター元大統領の国葬がおこなわれるのにあわせて、株式市場は休場となります。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを370円ほど下回り、下値は想定ラインを100円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在39980円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在39170円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は続落しました。日足は三角持ち合いの形になったように見えます。25日線(現在39369円)を下回らずに反発することができれば、まだ上昇余地はありそうです。



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