[市況]
3月17日、NYDowとNASDAQは上昇しました。3月18日の日経平均先物は、前日比530円高で寄り付くと、午前中は550円高から370円高の間でもみあい、午後は540円高から380円高の間でもみあって、結局、420円高で取引を終えました。日経平均の終値は448円高の37845円で、出来高は18.94億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。
3月17日の米国市場では、短期的に下げ過ぎとの見方から、主力株に押し目買いが入りました。また、2月の小売売上高が市場予想から逸脱しない内容だったことから、個人消費をめぐる過度な懸念が後退し、ナイキやウォルマートなど景気敏感株に買いが集まりました。NYDowとNASDAQは続伸しました。
3月18日の日本市場では、前日の米株高を背景に、海外勢が株価指数先物に買いを入れ、現物株を押し上げました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことや、米投資会社バークシャー・ハザウェイが日本の商社株を買い増したと伝わったことも追い風となりました。ただ、日経平均が3万8000円を上回る場面では利益確定の売りや戻り待ちの売りが出て、指数は伸び悩みました。日経平均は3日続伸しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上にありますが、25日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。
総合乖離率は-4.7%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-1.9%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+1.9ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が720円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が490円ほど割安であることを示しています。
日経VIは22.75と前日より低下し、VIXも20.51と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-5.1、米国-0.6と日本が4.5ポイント割安ですが、OECDの2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)は1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.35ポイント(日経平均換算で39860円)割安となっています。
市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
経済指標を見てみます。
2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は6勝6負で、景気・金利の両面で中立です。
米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標を見てみます。
12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です
欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが15.30、PBRが1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.1%で、こちらは3か月前より2.2ポイント悪化しています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.4%となり、日経平均の割高幅は1020円から900円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+900円~+1450円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.80イントから2.80ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。
3月18日の米国市場では、2月の住宅着工件数や、2月の鉱工業生産指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを200円ほど上回り、下値は想定ラインを810円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在38300円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在37410円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、目安の20を上回っています。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は3日続伸しました。3月6日の高値(37874円)をザラ場では上回ったものの、終値では上回れず、25日線に押し戻される形となりました。さらに上昇できるかどうか、微妙な状況となっています。
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