日経平均の予想: [2025/12/12]今後の日経平均の見通し

Friday, December 12, 2025

[2025/12/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

1211日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。1212日の日経平均先物は、前日620円高で寄り付くと、午前中は970円高から300円高の間で上下し、午後は320円高から740円高の間で上下して、結局、560円高で取引を終えました。日経平均の終値は687円高の50836円で、出来高は22.35億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1211日の米国市場では、FRBの利下げが米景気を支えるとの期待を背景に、割高なハイテク株から景気敏感株やバリュー株に資金がシフトする展開となりました。決算が振るわなかったオラクルが10%ほど下落したことも、ハイテク株には重石となりました。結局、NYDowは続伸し、最高値をおよそ1か月ぶりに更新しました。一方、NASDAQ3日ぶりに反落しました。

1212日の日本市場では、前日の米株式市場でNYDowが最高値を更新した流れを受け、主力株を中心とした幅広い銘柄に買いが優勢となりました。日銀の金融政策決定会合を来週に控えて様子見ムードも強く、指数は伸び悩む場面もありました。日経平均は3日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+30.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+21.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.0ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3560円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+11.5ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均5850円ほど割高であることを示しています

 

日経VI26.69と前日より低下し、VIX14.85と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.32、米国-0.17と日本が3.15ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.36ポイント(日経平均換算で17640円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、次回会合の政策の方向性には慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.00PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-2.9%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowと歩調を合わせて上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.6%となり、日経平均の割安幅は990円から800円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-990円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.21ポイントから2.21ポイントと横ばいでした。ドル円相場は前日よりは円高ですが、日中は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1212日の米国市場では、重要な経済指標の発表はありません。個別材料が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを330円ほど上回り、下値は想定ラインを870円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+500円(現在51400円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在50190円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は反発しました。25日線で踏みとどまったので、日銀の金融政策決定会合までは、もみあう展開が続きそうです。



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