日経平均の予想: February 2025

Thursday, February 27, 2025

[2025/02/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

227日、NYDowNASDAQは下落しました。228日の日経平均先物は、前日比650円安で寄り付くと、午前中は580円安から1260円安と下落幅を拡げ、午後は1460円安から1100円安の間でもみあって、結局、1190円安で取引を終えました。日経平均の終値は1100円安の37255円で、出来高は27.09億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

227日の米国市場では、トランプ大統領がカナダとメキシコからの輸入品に予定どおり関税を課し、加えて既に追加関税が発動している中国には追加で10%を課す、との考えを示したことから、米国内のインフレ圧力が高まって個人消費が減速するとの懸念が強まり、リスク回避の動きが優勢となりました。また、AI需要減速への警戒感からエヌビディアが売られ、他のハイテク株に売りが波及したことも重石となりました。NYダウは続落し、NASDAQは反落しました。

228日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けて値がさの半導体関連株が売られ、指数を押し下げました。米国の関税政策が業績に与える悪影響への警戒感から、自動車株や中国関連株にも売りが向かいました。日経平均は大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-13.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.9%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線の下にあり、25日線と200日線を下回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.5ポイントとマイナス幅をやや縮め、日経平均が1680円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-7.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2650円ほど割安であることを示しています

 

日経VI26.98と前日より上昇し、VIX21.13と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.2と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.13ポイント(日経平均換算で57690円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月の耐久財受注、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数、1月の消費者物価指数、1月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.3万人増で、市場予想の17万人増を下回りました。一方、失業率は4.0%で、前月の4.1%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.72PBR1.35となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.9%で、こちらは3か月前より2.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均は1010円の割高から130円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-130円~+1150円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.88ポイントから2.87ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

228日の米国市場では、1月個人の消費支出やPCEデフレーターが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを640円ほど下回り、下値も想定ラインを730円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-2σ+200円(現在37970円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ(現在37170円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に反落し、レンジの下限を大きく下回りましたが、出来高を伴っておらず、安値更新銘柄数もさほど多くないので、ここで下げ止まりとは考えるのは早計と思われます。目先、一段安となることも覚悟しておく必要がありそうです。



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Wednesday, February 26, 2025

[2025/02/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

226日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。227日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付くと、午前中は170円高から130円安の間で上下し、午後は150円安から100円高の間で上下して、結局、80円高で取引を終えました。日経平均の終値は113円高の38256円で、出来高は18.01億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を6日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

226日の米国市場では、足元で下げが目立っていたハイテク株の一角に見直し買いが入り、午前の相場を支えました。ただ、トランプ大統領がEUに対して関税を課す考えを示し、メキシコとカナダへの関税は42日に発効することが確定した、と伝わると、リスク回避目的の売りが優勢となりました。結局、NYDow3営業日ぶりに反落し、NASDAQ5営業日ぶりに反発しました。

227日の日本市場では、日経平均の底堅さが意識され、株価指数先物に断続的に買いが入り、指数を支えました。一方、米景気の先行き不透明感や為替の円高ドル安基調は引き続き投資家心理の重石となりました。米エヌビディアは好決算を発表しましたが、同社の株価が一進一退となったこともあり、日本の半導体関連株の反応は限定的でした。日経平均は3営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-5.2%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-1.1%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.6ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1760円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1840円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.39と前日より低下し、VIX19.10と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国-0.2と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.97ポイント(日経平均換算で57360円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数、1月の消費者物価指数、1月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高、1月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.3万人増で、市場予想の17万人増を下回りました。一方、失業率は4.0%で、前月の4.1%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の中古住宅販売件数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.09PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.3%で、こちらは3か月前より2.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均の割高幅は780円から1010円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+720円~+1150円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.97ポイントから2.88ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

227日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、1012月期のGDP改定値、1月の耐久財受注、1月の中古住宅販売仮契約指数のほか、デル・テクノロジーズ、HP、オートデスク、ユニバーサル・ヘルス、ノルウェー・クルーズ・ライン・ホールディングスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを210円ほど下回り、下値も想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在38780円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-200円(現在37890円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。きょうの日経平均は反発しましたが、戻りの勢いは鈍く、まだ底を打ったとは言えない状態です。



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Tuesday, February 25, 2025

[2025/02/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

225日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。226日の日経平均先物は、前日比270円安で寄り付くと、午前中は140円安から510円安と下落幅を拡げ、午後は460円安から20円安と下落幅を縮めて、結局、20円安で取引を終えました。日経平均の終値は95円安の38142円で、出来高は18.58億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強い状態です。

 

225日の米国市場では、好決算を発表したホーム・デポが買われ、指数を押し上げました。また、景気の先行き不透明感から、ディフェンシブ株が買われました。一方、対中半導体輸出規制の強化観測を受け、半導体株は売られました。景気減速が業績の逆風になるとの見方から、金融株も売られました。結局、NYDowは続伸し、NASDAQ4日続落しました。

226日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けて半導体関連株が売られ、指数を押し下げました。米景気減速懸念や、外国為替市場の円高ドル安進行も重石となりました。ただ、日経平均が節目の38000円を割り込んだことや、外国為替市場で円高ドル安進行が一服したことなどが意識され、午後は買い戻しも入りました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-6.1%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-1.4%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.7ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1790円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-5.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2140円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.43と前日より上昇し、VIX19.43と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.1と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.08ポイント(日経平均換算で60750円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数、1月の消費者物価指数、1月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高、1月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.3万人増で、市場予想の17万人増を下回りました。一方、失業率は4.0%で、前月の4.1%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.06PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.6%で、こちらは3か月前より1.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.1%となり、日経平均の割高幅は890円から780円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+280円~+1150円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.01ポイントから2.97ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高傾向ですが、きょうの日中は円高一服しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

226日の米国市場では、1月の新築住宅販売件数のほか、エヌビディア、セールスフォース・ドットコム、イーベイ、ビヨンド・ミート、ロウズ・カンパニーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを470円ほど下回り、下値も想定ラインを20円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在38640円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ+100円(現在37820円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、やや強い状態です。日経平均は続落しましたが、終値では117日の安値(38055円)を下回らず、長い下ひげをつけたことで、目先、底を打った可能性も残しました。



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Monday, February 24, 2025

[2025/02/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

224日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。225日の日経平均先物は、前日比310円安で寄り付くと、午前中は350円安から130円高と上昇に転じ、午後は70円高から200円安とマイナス圏に戻して、結局、110円安で取引を終えました。日経平均の終値は539円安の38237円で、出来高は19.67億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強い状態です。

 

224日の米国市場では、足元の株安の反動で、自律反発狙いの買いが主力株に入りました。また、アナリストが投資判断を引き上げたナイキが大幅高となり、相場を支えました。一方、エヌビディアやマイクロソフト、アマゾンなどは、AI向けデータセンターの需要減に対する警戒感から売られました。結局、NYDow3営業日ぶりに小反発し、NASDAQ3日続落しました。

225日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けて値がさの半導体関連株が売られました。米国が対中半導体輸出規制を強化する方針、と伝わったことも重石となりました。一方、著名投資家による投資拡大観測を受けて商社株には買いが向かい、相場を下支えしました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-5.5%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率は-1.1%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスとなり、中期トレンドも黄信号から赤信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2260円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1910円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.94と前日より上昇し、VIX18.98と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.1と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.16ポイント(日経平均換算で63170円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、1月の鉱工業生産指数、1月の消費者物価指数、1月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の小売売上高、1月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.3万人増で、市場予想の17万人増を下回りました。一方、失業率は4.0%で、前月の4.1%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.96PBR1.37となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.8%で、こちらは3か月前より2.0ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.3%となり、日経平均の割高幅は1150円から890円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+280円~+1150円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.08ポイントから3.01ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

225日の米国市場では、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数や、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数のほか、ホームデポ、ヘンリー・シャイン、キューリグ・ドクター・ペッパーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを640円ほど下回り、下値も想定ラインを160円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在38710円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ(現在37880円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は23日の安値(38402円)を下回りました。この先、117日の安値(38055円)を終値で下回るようなら、下降トレンド入りは確実とみてよさそうです。



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Sunday, February 23, 2025

[2025/2/24]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、経済指標の悪化やトランプ政権の関税政策が米経済に与える悪影響を懸念して、株価指数は週間で下落しました。

週間変動率 NYダウ:-2.51%, NASDAQ:-2.51%, S&P500:-1.66%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.06ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.6対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.06ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER39.7程度になる。又は、日経平均が101,280円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は62,510円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、62,510円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.2%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント改善しています。また、利益伸び率は+6.8%となりました。3ヶ月前に比べて+4.8%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.13から3.01と縮小したものの、ドル円は152円台から148円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.14%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  2月第2週は買い超しで、2月第3週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に5.8ポイント(日経平均に勘算すると2250円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に3.5ポイント(日経平均に勘算する1360円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 18.2 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 20.8と低下しました。米国市場と日本市場ともやや不安定です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。総合乖離率は-1.4%、200日移動平均線との乖離率は+0.3%。これら2つの要因がマイナスですので、中期トレンドには"黄信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期も上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。

日本市場は中期もみあいで、短期は下落トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は150台から147台が想定されます。

 

今週の米国市場では、個人所得・支出、PCE価格指数、耐久消費財受注、第4四半期GDP成長率改定値、CB消費者センチメントなどの主要経済データとともに、FRB高官数名による講演に注目が集まります。住宅セクターでは、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、新築・保留住宅販売件数が注目されます。世界的には、フランス、イタリアのインフレ率、インドのGDP成長率、ドイツのインフレ率とIfo景気指数、小売売上高などが発表されます。

 

先週の日経平均は想定範囲を下ブレしました。上値は470円下回り、下値は280円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在39140円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-3σ(現在37930円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週もトランプ大統領の政策と景気後退懸念に影響されそうですが、日経平均は、持ち合い下離れするか否かの正念場を迎えそうです。


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