日経平均の予想: February 2025

Wednesday, February 05, 2025

[2025/02/06]今後の日経平均の見通し

[市況]

25日、NYDowNASDAQは上昇しました。26日の日経平均先物は、前日比200円高で寄り付くと、午前中は450円高まで上昇したのち100円高まで上昇幅を縮め、午後は140円高から360円高と上昇幅を拡げて、結局、350円高で取引を終えました。日経平均の終値は235円高の39066円で、出来高は21.73億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

25日の米国市場では、1月のISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことから、長期金利が低下し、相対的に割高感の薄れた株式に買いが向かいました。また、好決算を発表したアムジェンや、AI需要への期待に支えられたエヌビディアが上昇したことも、投資家心理を支えました。一方、アルファベットやAMDなどは決算を手がかりに売られました。NYDowNASDAQはともに続伸しました。

26日の日本市場では、海外投機筋による株価指数先物への断続的な買いが相場を押し上げました。前日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株の一角が買われたことも支えとなりました。ただ、日銀の審議委員が講演で「25年度の後半までに政策金利を1%まで引き上げる」と発言したことが嫌気され、売りがかさむ場面もありました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+0.8%とプラスに転換し、200日線との乖離率は+1.1%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2810円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-7.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2770円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.27と前日より低下し、VIX15.77と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.1と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.89ポイント(日経平均換算で63050円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

1月のISM製造業景況指数、12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、1月のISM非製造業景況指数、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は60負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.89PBR1.44となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.6%で、こちらは3か月前より1.8ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均の割安幅は610円から280円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1490円~-280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.23ポイントから3.17ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

26日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数のほか、アマゾン、タペストリー、イーライリリー、コノコ・フィリップス、ブリストルマイヤーズ、ケロッグ、スナップオン、フィリップモリス、ハネウェルなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを90円ほど下回り、下値も想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、25日線+200円(現在39480円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在38630円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は3日続伸しました。3日続けて下値を切り上げており、ひとまず下げ止まったと見てよさそうです。25日線(現在39282円)を明確に上回れるかどうかが、次の注目点です。



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[2025/02/05]今後の日経平均の見通し

[市況]

24日、NYDowNASDAQは上昇しました。25日の日経平均先物は、前日比230円高で寄り付くと、午前中は340円高から90円安と下落に転じ、午後は50円安から140円高の間で上下して、結局、30円安で取引を終えました。日経平均の終値は33円高の38831円で、出来高は21.93億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

24日の米国市場では、市場予想を上回る収益見通しを発表したパランティア・テクノロジーズが大幅高となったことなどが好感され、主力ハイテク株の一角に好決算を期待した買いが入り、指数を押し上げました。一方、米中貿易摩擦への警戒感は引き続き投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQ3営業日ぶりに反発しました。

25日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株やソフトバンクグループに買いが先行しました。また、好決算銘柄を物色する動きも広がりました。ただ、買い一巡後は外国為替市場の急速な円高ドル安や長期金利の上昇などが重石となり、売りが優勢となる場面もありました。トランプ政権の関税政策に対する警戒感も、引き続き重石となりました。結局、日経平均は小幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-1.1%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率は+0.5%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線の下にありますが、25日線と200日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線の下にありますが、200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に戻りました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.7ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2990円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-7.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2720円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.80と前日より低下し、VIX17.21と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国+0.0と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で65870円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

1月のISM製造業景況指数、12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、12月の製造業受注、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は60負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、4会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.79PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.7%で、こちらは3か月前より1.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日のNYDowは上昇し、きょうの日経平均も上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.6%となり、日経平均の割安幅は1030円から610円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1490円~-610円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.31ポイントから3.23ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

25日の米国市場では、1月のADP雇用統計や、1月のISM非製造業景況指数のほか、アーム、ウーバー・テクノロジーズ、ウォルト・ディズニー、クアルコム、フォード、ボストン・サイエンティフィック、エマーソン・エレクトリック、スタンレーブラック&デッカーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを180円ほど下回り、下値も想定ラインを400円ほど上回りました。目先は、25日線(現在39300円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+200円(現在38390円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は小幅に続伸しましたが、日足はきょうも陰線となり、下げ止まりを確認したとまでは言えません。引き続き、117日につけた安値(38056円)を下回らずに済むかどうか、見極める時間が必要なようです。



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Monday, February 03, 2025

[2025/02/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

23日、NYDowNASDAQは下落しました。24日の日経平均先物は、前日比680円高で寄り付くと、午前中は710円高から470円高と上昇幅を縮め、午後は480円安から20円安と一時下落に転じて、結局、170円高で取引を終えました。日経平均の終値は278円高の38798円で、出来高は21.47億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

23日の米国市場では、トランプ政権が週末にカナダやメキシコ、中国に対して関税を引き上げる方針を発表したことから、米経済や企業業績に与える影響が警戒され、リスク回避の売りが優勢となりました。ただ、午後に入り、メキシコへの関税発動が1か月延期されることが明らかになると、一時的に買い戻しが優勢となりました。結局、NYDowNASDAQは続落しました。

24日の日本市場では、米政権が3日、カナダとメキシコへの追加関税発動を1か月先送りすると発表したことが安心感につながり、買い戻す動きが先行しました。ただ、午後に入り、中国への10%の追加関税については予定どおりに発動され、加えて、中国も米製品に対して報復関税を課すとの情報が伝わると、景気悪化への警戒感が再燃し、中国関連銘柄を中心に売り圧力が強まりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-1.4%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率は+0.4%とプラスに転換しました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうちマイナスは2つとなり、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2520円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-6.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2640円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.51と前日より低下し、VIX18.62と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国+0.1と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.09ポイント(日経平均換算で69990円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

1月のISM製造業景況指数、12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の耐久財受注、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は60負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.72PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+3.1%で、こちらは3か月前より1.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日のNYDowは下落しましたが、日経平均は反発しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.6%となり、日経平均の割安幅は1490円から1030円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1490円~-620円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.29ポイントから3.31ポイントに拡大しました。ドル円相場は方向感なく推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

24日の米国市場では、12月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数や、12月の製造業新規受注のほか、アルファベット、AMD、ペイパル、メルク、ファイザー、エスティ・ローダー、フォックス、ジェイコブス・エンジニアリング・グループなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを230円ほど上回り、下値も想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、25日線(現在39310円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+100円(現在38310円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は反発しましたが、日足は陰線となり、下げ止まったと判断するのは早計と思われます。117日につけた安値(38056円)を下回らずに済むかどうか、まだ見極める時間が必要なようです。



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Sunday, February 02, 2025

[2025/02/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

131日、NYDowNASDAQは下落しました。23日の日経平均先物は、前日比1020円安で寄り付くと、午前中は760円安から1250円安と下落幅を拡げ、午後は1240円安から1040円高の間でもみあって、結局、1030円安で取引を終えました。日経平均の終値は1052円安の38520円で、出来高は24.86億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり強まりました。

 

131日の米国市場では、米政権が21日からカナダやメキシコ、中国に対して新たな関税を課すと改めて伝わり、高関税がインフレ圧力を強めるとか、米経済に悪影響が及ぶとの警戒感が強まり、リスク回避の売りが優勢となりました。一方、主力ハイテク株の一角には買いが向かい、相場を下支えました。NYDowNASDAQは反落しました。

23日の日本市場では、米政権の関税政策が世界経済や日本企業の業績に与える影響が警戒され、幅広い銘柄にリスク回避の売りが膨らみました。海外短期筋による株価指数先物への断続的な売りも日経平均を下押ししました。日経平均は4営業日ぶりに大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は-3.6%とマイナスに転換し、200日線との乖離率も-0.3%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の下に抜けました。3つの要素すべてがマイナスとなり、中期トレンドも青信号から赤信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3310円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-7.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3040円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.63と前日より上昇し、VIX16.43と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国+0.0と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.10ポイント(日経平均換算で68960円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP速報値は前期比年率2.3%増で、予想値の2.5%%増を下回りました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の耐久財受注、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の新築住宅販売件数、12月の中古住宅販売件数、12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は60負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはトランプ政権の政策を見極める必要があるとし、1月のFOMCで利下げを一旦停止しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、1月の金融政策決定会合で0.25ポイントの利上げを決定し、金利水準を0.5%としました。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.66PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より1.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落率以上に下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.8%となり、日経平均の割安幅は620円から1490円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1490円~-620円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.31ポイントから3.29ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

23日の米国市場では、1月のISM製造業景況指数のほか、タイソン・フーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1020円ほど下回り、下値も想定ラインを720円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在38980円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-100円(現在38140円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、かなり強まりました。日経平均は4日ぶりに大幅に反落しました。目先、117日につけた安値(38056円)を下回らずに反発することができれば、4万円に向けて再チャレンジする可能性が残っていると判断できますが…。



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Saturday, February 01, 2025

[2025/02/02]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、好決算株が買われた反面、DeepSeekショックでハイテク株が売られ、週間で株価指数はまちまちでした。

週間変動率 NYダウ:+0.27%, NASDAQ:-1.64%, S&P500:-1.00%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.95ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.3対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.95ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER44.1程度になる。又は、日経平均が108,540円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は68,970円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、69,970円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.3ポイント改善しています。また、利益伸び率は+2.5%となりました。3ヶ月前に比べて+0.9%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.41から3.31と縮小して、ドル円は156円台から153円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.96%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  1月第3週は買い超しで、1月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に5.8ポイント(日経平均に勘算すると2300円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に5.2ポイント(日経平均に勘算する2060円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.4 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 20.4と上昇しました。米国市場は楽観的で、日本市場はやや不安定です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+4.3%、200日移動平均線との乖離率は+2.4%。これら3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"青信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、9日線と25日線、200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQは、25日線、200日線の上にありますが、9日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

日本市場は中期は下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20249月につけた140円台をボトムに円安方向に転換しています。今週は155円台ら153台が想定されます。

 

今週の米国市場では、雇用統計が主役となる一方、ISM PMIが景気に関する新たな洞察を提供します。また、トランプ大統領の政策、特に21日に発効するカナダとメキシコからの輸入品に対する25%の関税の実施も注目されます。そのほか、アマゾンとアルファベット、ペプシコ、AMD、ファイザー、ウォルト・ディズニー、クアルコムなどが四半期決算を発表します。世界的には、各国のPMI、ユーロ圏のインフレ率、ドイツの製造業受注などが注目されます。

 

先週の日経平均は想定範囲を下ブレしました。上値は650円下回り、下値は930円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在39870円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在38830円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週はトランプ大統領の政策と決算発表に影響されそうですが、日経平均は、不安定ながら底堅い展開となりそうです。


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