日経平均の予想: October 2024

Sunday, October 13, 2024

[2024/10/14]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、中東情勢の緊迫化が懸念材料ですが、米景気の底堅さから株高が続くとの期待感と、好調な四半期決算発表で、週間で株価指数は上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+1.21%, NASDAQ:+1.13%, S&P500:+1.11%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.36ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.8対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.8との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.36ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER51.3程度になる。又は、日経平均が128,190円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は88,580円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、88,580円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+2.9%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.8%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント悪化しました。また、利益伸び率は+2.1%となりました。3ヶ月前に比べて1.5%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.10から3.16と拡大して、ドル円は147円台から149円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.42%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.0%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.9ポイント劣ります。

  10月第1週は買い超しで、10月第1週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①③⑤が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に5.2ポイント(日経平均に勘算すると2060円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に4.4ポイント(日経平均に勘算する1740円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 20.5 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 28.7と低下しました。米国市場はやや楽観的で、日本市場はボラタイルです。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。日経平均の総合乖離率は+12.4%となり、また、200日移動平均線との乖離率は+4.2%でした。 2つの要素がプラスですので、中期トレンドには、"青信号"が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYDow9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念が意識されています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期は上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は149円から146円が想定されます。

 

今週の米国市場では、小売売上高とFRB高官の講演が注目されます。また、ニューヨーク連銀製造業景気指数、鉱工業生産、住宅着工件数が発表されます。一方、ユナイテッドヘルス、J&J、バンク・オブ・アメリカ、アボット、ネットフリックス、プロクター・アンド・ギャンブルなどの決算発表が予定されています。世界的にはECBの金利決定、ユーロ圏の鉱工業生産と、英国の失業率とインフレ率、小売売上高、中国の小売売上高、鉱工業生産、失業率、固定資産投資、第3四半期のGDP成長率、日本のインフレ率などが発表されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定を340円ほど下回り、下値は想定ラインを1190円ほど上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在40300円近辺)で、下値が25日線(現在37780円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、ボラティリティが低下傾向にあり、市場の過熱感もそれほど高くないことから、上昇トレンドが続きそうです。


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Friday, October 11, 2024

[2023/10/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

1010NYDowNASDAQは上昇しました1011日の日経平均先物は、前日比130円高で寄り付くと、午前中は70円高から380円高と上昇幅を拡げ、午後は210円高から380円高の間でもみあって、結局、300円高で取引を終えました。日経平均の終値は224円高の39605円で、出来高は15.80億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

1010の米国市場では、9月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回るなど、利下げを後押しする内容ではない指標が立て続けに発表されたことから、景気敏感株の一角などに利益確定の売りが出ました。ただ、米景気に対する楽観的な見方は根強く、下げは限定的でした。NYDowNASDAQ3営業日ぶりに小反落しました。

1011日の日本市場では、好決算を発表したファストリが上場来高値を更新し、指数を押し上げました。米長期金利の上昇一服を受けてハイテク株にも買いが向かいました。一方、不動産や食料品、陸運など内需株では下落する銘柄が目立ちました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+12.4%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+4.2%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1940円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-3.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1350円ほど割安であることを示しています

 

日経VI29.24と前日より上昇し、VIX20.93と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.2と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.29ポイント(日経平均換算で84070円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は102負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では、926 4.8652% 927 4.8549% 930 4.8537%と、ここ5年の最高値圏からピークアウトしています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.84PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前より1.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は430円の割安から60円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-430円~+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.13ポイントから3.13ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、経済のハードランディングを避けるべく、0.5%の利下げが決まりました。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げを継続しています

 

1011日の米国市場では、ノーベル賞(平和賞)の受賞者発表、9月の生産者物価指数(PPI)、10月のミシガン大学消費者信頼感指数のほか、JPモルガン・チェース、ファスナル、ウェルズ・ファーゴ、ブラックロック、バンクオブニューヨーク・メロンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを430円ほど下回り、下値は想定ラインを570円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-400円(現在39900円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在38940円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にあり、前日比で上昇しました。一方、信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。日経平均は3日続伸しました。上昇傾向は続いており、心理的節目の4万円を越えられるかどうかが、目先の注目点です。



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Thursday, October 10, 2024

[2023/10/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

109NYDowNASDAQは上昇しました1010日の日経平均先物は、前日比400円高で寄り付くと、午前中は410円高から90円高と上昇幅を縮め、午後は10円高から260円高の間で上下して、結局、20円高で取引を終えました。日経平均の終値は102円高の39380円で、出来高は15.07億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

109の米国市場では、米景気の先行きに対する懸念が後退しつつあることを背景に、ハネウェル・インターナショナルやキャタピラーといった景気敏感株を中心とした幅広い銘柄で買いが優勢となりました。また、原油先物相場の上昇一服も追い風となりました。NYDowは続伸し、3営業日ぶりに過去最高値を更新しました。NASDAQも続伸しました。

1010日の日本市場では、前日の米株式相場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、幅広い銘柄に買いが先行しました。外国為替市場で円相場が下落したことも追い風となりました。ただ、短期的な過熱感も意識され、朝高後は利益確定の売りや戻り待ちの売りが相場の上値を抑える展開となりました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.7%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2210円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1610円ほど割安であることを示しています

 

日経VI28.68と前日より低下し、VIX20.86と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.2と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.33ポイント(日経平均換算で84370円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の耐久財受注、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は102負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では、926 4.8652% 927 4.8549% 930 4.8537%と、ここ5年の最高値圏からピークアウトしています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.74PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.5%で、こちらは3か月前より1.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均は110円の割高から430円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-430円~+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.10ポイントから3.13ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、経済のハードランディングを避けるべく、0.5%の利下げが決まりました。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げを継続しています

 

1010日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、ノーベル賞(文学賞)の受賞者発表、9月消費者物価指数(CPI)などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを280円ほど下回り、下値は想定ラインを590円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-200円(現在39900円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在38690円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。日経平均は続伸しました。下値を切り上げる展開が続いており、心理的節目の4万円を越えられるかどうかが、目先の注目点です。



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Wednesday, October 09, 2024

[2023/10/09]今後の日経平均の見通し

[市況]

108NYDowNASDAQは上昇しました109日の日経平均先物は、前日比450円高で寄り付くと、午前中は530円高から170円高と上昇幅を縮め、午後は200円高から450円高と上昇幅を拡げて、結局、330円高で取引を終えました。日経平均の終値は340円高の39277円で、出来高は15.83億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均と一致しました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

108の米国市場では、前日に下げが目立ったハイテク株を中心に、買い戻しの動きが優勢となりました。原油高の一服を受けてインフレ圧力の高まりに対する警戒感がいったん後退し、米経済がソフトランディングに向かうとの観測が改めて投資家心理を支えました。一方で、中東情勢に対する警戒感や、大型ハリケーンの接近は買い手控えにつながりました。NYDowNASDAQは反発しました。

109日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受け、値がさの半導体関連株が買われました。中国の財政政策への期待から、中国関連株にも買いが向かいました。円相場が円安ドル高ぎみに推移したことも追い風となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+10.4%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.5%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.3ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2080円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-3.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1300円ほど割安であることを示しています

 

日経VI32.07と前日より低下し、VIX21.42と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.2と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.29ポイント(日経平均換算で82070円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の耐久財受注、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は102負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では、926 4.8652% 927 4.8549% 930 4.8537%と、ここ5年の最高値圏からピークアウトしています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.78PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月前より1.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.3%となり、日経平均の割高幅は60円から110円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-220円~+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.09ポイントから3.10ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、経済のハードランディングを避けるべく、0.5%の利下げが決まりました。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げを継続しています

 

109日の米国市場では、FOMC議事要旨やノーベル化学賞の発表のほか、デルタ航空やドミノ・ピザなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを150円ほど下回り、下値は想定ラインを780円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-200円(現在39810円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在38630円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。きょうの日経平均は反発しました。乱高下はまだ続きそうですが、927日の高値(39830円)を越えられるかどうかが、目先の注目点です。



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