日経平均の予想: October 2024

Thursday, October 31, 2024

[2023/10/31]今後の日経平均の見通し

[市況]

1030NYDowNASDAQは下落しました1031日の日経平均先物は、前日比260円安で寄り付くと、午前中は220円安から490円安の間で上下し、午後は300円安から650円安の間で上下して、結局、430円安で取引を終えました。日経平均の終値は196円安の39081円で、出来高は21.91億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

1030の米国市場では、キャタピラーやAMDなど、市場予想を下回る四半期決算を発表した銘柄を中心に売られました。AMDやクォルボの下落は、他の半導体株にも波及しました。マイクロソフトやメタプラットフォームズなど、主力ハイテク株の決算を見極めたいとの雰囲気も、買い手控えにつながったようです。NYDowは続落し、NASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

1031日の日本市場では、前日の米半導体株安を受け、関連株に売りが向かいました。また、前日に決算を発表した京セラや日立、エムスリーなどが売られ、指数を下押ししました。前日までの株高の反動で利益確定の売りが出やすかったものの、日経平均が39000円を下回る水準では押し目買いが入り、下値を支えました。日経平均は4日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.2%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.9%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.6ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2970円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-4.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1560円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.75と前日より低下し、VIX20.35と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.1と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.55ポイント(日経平均換算で99390円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.76PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+1.6%で、こちらは3か月前より0.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均の割安幅は330円から500円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1730円~-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.30ポイントから3.35ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1031日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、9月の個人所得・個人消費支出、PCE価格指数のほか、アップル、アマゾン・ドットコム、インテル、ウーバー・テクノロジーズ、シグナ、イートン、エスティ・ローダー、メルク、コノコ・フィリップスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを470円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39420円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在38650円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、かなり弱まりました。日経平均は4日ぶりに反落しました。目先は、米主要ハイテク銘柄の決算次第ですが、売り圧力は低下しており、反発の可能性もありそうです。



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Wednesday, October 30, 2024

[2023/10/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

1029NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1030日の日経平均先物は、前日比200円高で寄り付くと、午前中は150円高から470円高と上昇幅を拡げ、午後は260円高から520円高の間で上下して、結局、520円高で取引を終えました。日経平均の終値は373円高の39277円で、出来高は34.33億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり強まりました。

 

1029の米国市場では、9月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想に届かなかったことから、景気の減速が意識され、消費関連株や景気敏感株の一部に売りが出ました。また、住宅建設のDRホートンの急落を受けてホーム・デポが連れ安し、指数を下押ししました。一方、ハイテク株には買いが向かいました。結局、NYDowは反落しました。NASDAQ4日続伸し、3か月半ぶりに過去最高値を更新しました。

1030日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受け、半導体関連株を中心に買いが優勢となりました。国内長期金利が低下したことも株価には追い風となりました。ただ、上値では利益確定の売りも出やすく、午後は上値の重い相場となりました。コマツや日野自動車など決算がふるわなかった銘柄にも売りが向かいました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+6.8%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.4%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3060円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-3.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1490円ほど割安であることを示しています

 

日経VI29.06と前日より低下し、VIX19.34と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.1と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.48ポイント(日経平均換算で95680円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.81PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前より0.6ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均の割安幅は930円から330円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1990円~-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.31ポイントから3.30ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1030日の米国市場では、10月のADP雇用統計や、79月期のGDP速報値、9月の中古住宅販売仮契約指数のほか、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、イーベイ、キャタピラー、バイオジェン、クラフト・ハインツ、イーライリリー、アムジェンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを20円ほど下回り、下値は想定ラインを590円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在39700円近辺)が上値の目安に、25日線(現在38800円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、かなり強まりました。日経平均は3日続伸したものの、個別銘柄は売り有利に転換しており、半導体関連株の推移次第では、上昇一服となる可能性もありそうです。



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Tuesday, October 29, 2024

[2023/10/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

1028NYDowNASDAQは上昇しました1029日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付くと、午前中は240円安から250円高と上昇に転じ、午後は110円高から300円高の間で上下して、結局、300円高で取引を終えました。日経平均の終値は298円高の38903円で、出来高は15.87億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

1028の米国市場では、前週末までの下げの反動で、主力株を中心に自律反発狙いの買いが入りました。また、アップルやアマゾンなど、週内に四半期決算を発表する銘柄に、先回り的な買いが入りました。イスラエルによるイランへの再攻撃が石油施設や核施設を回避する限定的なものだったと伝わり、地政学的リスクへの懸念が和らいだことも、買い安心感につながりました。NYDow6営業日ぶりに反発し、NASDAQ3日続伸しました。

1029日の日本市場では、衆院選通過で政治の先行き不透明感がやや薄れたことが引き続き株買いにつながりました。米国株と比べて、10月中旬に大幅に調整した日本株は割安との見方も、支援材料となりました。また、午後には、米金利の上昇を背景に金融株が物色されました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+4.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.5%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、9日線と200日線を上回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3110円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1980円ほど割安であることを示しています

 

日経VI29.44と前日より上昇し、VIX19.80と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.1と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.56ポイント(日経平均換算で96970円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.64PBR1.37となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+1.8%で、こちらは3か月前より0.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.3%となり、日経平均の割安幅は1210円から930円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2500円~-930円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.32ポイントから3.31ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1029日の米国市場では、8月の住宅価格指数、8月のS&Pケース・シラー米住宅価格指数、9月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数のほか、アルファベット、AMD、ファイザー、エレクトロニック・アーツ、シスコ、マクドナルド、D.R.ホートンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを280円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39360円近辺)が上値の目安に、25日線-300円(現在38450円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、かなり弱まりました。日経平均は続伸しました。政局の予想外の混乱がなければ、引き続き反発が続きそうです。



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Monday, October 28, 2024

[2023/10/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

1025NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1028日の日経平均先物は、前日比450円安で寄り付くと、午前中は460円安から690円高と上昇に転じ、午後は460円高から760円高の間でもみあって、結局、660円高で取引を終えました。日経平均の終値は691円高の38605円で、出来高は17.83億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱い状態です。

 

1025の米国市場では、長期金利の上昇を嫌気した売りが出ました。食中毒との関連が指摘されているマクドナルドの下落も指数の重石となりました。一方、9月の耐久財受注や10月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことは株買いをさそいました。また、決算への期待から、大型ハイテク株には買いが向かいました。結局、NYDow5日続落し、NASDAQは続伸しました。

1028日の日本市場では、27日投開票の衆院選で与党の議席数が過半数割れしたことから、国内政治の混乱を嫌気した売りが先行しましたが、株価には既に織り込み済みとの見方もあり、朝方の売り一巡後は急激に買い戻しの動きが優勢となりました。外国為替市場の円安ドル高進行や、米ハイテク株高も追い風となりました。日経平均は大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+1.8%とプラスに転換し、200日線との乖離率も+0.8%とプラスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3280円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2010円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.86と前日より大幅に低下し、VIX20.33と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国+0.1と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.61ポイント(日経平均換算で97670円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.56PBR1.36となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より0.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.0%となり、日経平均の割安幅は1730円から1210円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2500円~-1210円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.23ポイントから3.32ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1028日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。フォード・モーター、センターポイント・エナジー、オン・セミコンダクターなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを480円ほど上回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在39000円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在38060円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、前日比で大幅に低下しました。また、信用の売り圧力は、やや弱い状態です。日経平均は、イベント通過で政局の方向感がある程度見えたことで、大幅に反発しました。政局の予想外の混乱がなければ、目先、反発が続きそうです。



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Saturday, October 26, 2024

[2024/10/27]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、おおむね好調な四半期決算発表が続く中、長期金利の上昇が嫌気されて、週間で株価指数はまちまちでした。

週間変動率 NYダウ:-2.68%, NASDAQ:+0.16%, S&P500:-0.96%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.70ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER24.2対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.70ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER54.3程度になる。又は、日経平均が134,820円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は104,650円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、96,900円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+2.9%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.8%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント悪化しました。また、利益伸び率は+2.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.9%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.12から3.30と拡大して、ドル円は149円台から153円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.83%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+2.9%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.0ポイント劣ります。

  10月第3週は売り超しで、10月第4週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に10.2ポイント(日経平均に勘算すると3870円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に6.9ポイント(日経平均に勘算する2620円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 20.3 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 32.1と上昇しました。米国市場はやや悲観的で、日本市場は悲観的です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは9日線と25日線の下にありますが、200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念が意識されています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は150円から153円が想定されます。

 

今週の米国市場では、10月の雇用統計、JOLTS求人数が注目されます。その他、ISM製造業PMICB消費者信頼感指数、PCEインフレ報告、個人消費・所得統計などが発表されます。加えて、第3四半期決算発表が続きます。世界的には、ユーロ圏のインフレ率とGDP成長率、中国の製造業景・サービス業景況指数、日本の中央銀行の金融政策などが発表されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下振れしました。上値は想定を1390円ほど下回り、下値は想定ラインを930円ほど下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線 (現在38640円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在37220円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、衆議院選挙結果次第では、政局混迷で一段安となりそうです。


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