日経平均の予想: [2023/10/18]今後の日経平均の見通し

Friday, October 18, 2024

[2023/10/18]今後の日経平均の見通し

[市況]

1017NYDowNASDAQは上昇しました1018日の日経平均先物は、前日比230円高で寄り付くと、午前中は230円高から120円安と下落に転じ、午後は10円安から170円安の間で上下して、結局、90円安で取引を終えました。日経平均の終値は70円高の38981円で、出来高は14.32億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

1017の米国市場では、9月の小売売上高が市場予想を上回ったことから、米景気の底堅さが意識され、消費関連株や景気敏感株の一角に買いが向かいました。また、TSMCの好決算を受け、半導体株の一角が買われました。一方、長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が強まったことは相場の重石となりました。結局、NYDowは続伸し、過去最高値を更新しました。NASDAQも続伸しましたが、上昇は小幅にとどまりました。

1018日の日本市場では、前日の米株高や外国為替市場の円安進行を手がかりに、買いが先行しました。ただ、上値追いの勢いは乏しく、値がさの半導体関連株や、ソフトバンクグループやソニーといった時価総額の大きい銘柄には売りが向かい、相場の重石となりました。日経平均はマイナスに転じる場面もありましたが、結局は3日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.9%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.2%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2690円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-7.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2770円ほど割安であることを示しています

 

日経VI26.43と前日より低下し、VIX19.11と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.1と日本が5.3ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.40ポイント(日経平均換算で86640円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。また、8月の耐久財受注は市場予想と一致しました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.67PBR1.37となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+1.7%で、こちらは3か月前より0.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.6%となり、日経平均の割安幅は1140円から1430円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1430円~-430円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.08ポイントから3.13ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1018日の米国市場では、9月の住宅着工件数のほか、P&G、フィフスサードバンコープ、アメリカン・エキスプレス、リージョンズファイナンシャル、シュルンベルジェなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを350円ほど下回り、下値は想定ラインを550円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在39530円近辺)が上値の目安に、25日線(現在38250円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は小幅に反発しました。米国の半導体関連株の動き次第ではありますが、日本市場では調整が続く可能性のほうが高そうです。



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