日経平均の予想: [2023/10/03]今後の日経平均の見通し

Thursday, October 03, 2024

[2023/10/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

102NYDowNASDAQは小幅上昇しました103日の日経平均先物は、前日比1030円高で寄り付くと、午前中は1280円高から760円高の間で上下し、午後は960円高から810円高の間でもみあって、結局、850円高で取引を終えました。日経平均の終値は743円高の38552円で、出来高は19.07億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

102の米国市場では、中東情勢の緊迫化が投資家の買い意欲を削ぐなか、9月のADP雇用統計が労働市場の底堅さを示す内容と受け止められ、半導体を中心に主力株の一部が持ち直しました。また、原油高を受けて石油株が買われました。NYDowNASDAQは反発しました。

103日の日本市場では、石破新首相が前言を翻し金融正常化を急がない姿勢を示したことから、外国為替市場で円安ドル高が進行し、輸出関連株を中心に買いが入りました。また、前日の米半導体株高を受けて値がさの半導体関連株が買われ、指数を押し上げました。ただ、中東情勢悪化への警戒感は根強く、買い一巡後は上値の重い展開となりました。日経平均は大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄青信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+5.3%とプラスに転換し、200日線との乖離率は+1.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.7ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2200円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2120円ほど割安であることを示しています

 

日経VI26.70と前日より大幅に低下し、VIX18.90と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.6、米国-0.4と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.24ポイント(日経平均換算で76030円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の耐久財受注、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は102負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.2万人増で、市場予想の16.0万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡大するという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、今年に入り上昇を続けています。直近では926 4.8652% 927 4.8549% 930 4.8537%と、ここ5年の最高値圏からピークアウトしています。なお、202199日の0.1141%が直近の最低金利で、20231010日に記録した5.6873%がここ5年間の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.66PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.2%で、こちらは3か月前より1.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は340円から220円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-340円~+990円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.92ポイントから2.98ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。欧米の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。不動産企業の破綻と地方政府の財政問題が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、経済のハードランディングを避けるべく、0.5%の利下げが決まりました。対ドルで円安が進みにくい状況です。尚、ECBは利下げを継続しています

 

102日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、8月の製造業受注、9月のISM非製造業景況指数のほか、コンステレーション・ブランズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを400円ほど上回り、下値は想定ラインを1290円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+500円(現在39160円近辺)が上値の目安に、25日線+400円(現在37970円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、かなり弱まりました。日経平均は円安ドル高を受けて大幅に反発しました。25日線や200日線の上を維持しているものの、当面は変動の大きい相場が続きそうです。



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