日経平均の予想: [2023/10/31]今後の日経平均の見通し

Thursday, October 31, 2024

[2023/10/31]今後の日経平均の見通し

[市況]

1030NYDowNASDAQは下落しました1031日の日経平均先物は、前日比260円安で寄り付くと、午前中は220円安から490円安の間で上下し、午後は300円安から650円安の間で上下して、結局、430円安で取引を終えました。日経平均の終値は196円安の39081円で、出来高は21.91億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱まりました。

 

1030の米国市場では、キャタピラーやAMDなど、市場予想を下回る四半期決算を発表した銘柄を中心に売られました。AMDやクォルボの下落は、他の半導体株にも波及しました。マイクロソフトやメタプラットフォームズなど、主力ハイテク株の決算を見極めたいとの雰囲気も、買い手控えにつながったようです。NYDowは続落し、NASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

1031日の日本市場では、前日の米半導体株安を受け、関連株に売りが向かいました。また、前日に決算を発表した京セラや日立、エムスリーなどが売られ、指数を下押ししました。前日までの株高の反動で利益確定の売りが出やすかったものの、日経平均が39000円を下回る水準では押し目買いが入り、下値を支えました。日経平均は4日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+5.2%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.9%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.6ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2970円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-4.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1560円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.75と前日より低下し、VIX20.35と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.1と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.55ポイント(日経平均換算で99390円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.76PBR1.38となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+1.6%で、こちらは3か月前より0.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均の割安幅は330円から500円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1730円~-330円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.30ポイントから3.35ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1031日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、9月の個人所得・個人消費支出、PCE価格指数のほか、アップル、アマゾン・ドットコム、インテル、ウーバー・テクノロジーズ、シグナ、イートン、エスティ・ローダー、メルク、コノコ・フィリップスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを470円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在39420円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在38650円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、前日比で低下しました。また、信用の売り圧力は、かなり弱まりました。日経平均は4日ぶりに反落しました。目先は、米主要ハイテク銘柄の決算次第ですが、売り圧力は低下しており、反発の可能性もありそうです。



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