日経平均の予想

Thursday, November 13, 2025

[2025/11/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

1113日、NYDowNASDAQは下落しました1114日の日経平均先物は、前日比1140円安で寄り付くと、午前中は1290円安から540円安と下落幅を縮め、午後は710円安から1020円安の間で上下して、結局、970円安で取引を終えました。日経平均の終値は905円安の50376円で、出来高は25.45億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

1113日の米国市場では、高値警戒感が意識されるなか、連邦政府機関の一部閉鎖が解除されたことを受け、材料出尽くし感から利益確定の売りが優勢となりました。わけてもAI関連銘柄に売りが広がり、投資家心理を冷やしました。FRB高官が相次いで利下げに慎重な発言をしたことも重石となりました。結局、NYDow5営業日ぶりに反落し、NASDAQ3日続落しました。

1114日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受け、値がさの半導体関連株を中心に売りが優勢となりました。米政府機関の閉鎖で遅れていた経済指標の発表が再開されれば新たなリスク要因となる可能性があるとの見方も重石となりました。一方、不動産などバリュー株や、好決算を発表した銘柄には物色が向かいました。日経平均は3日ぶりに大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+35.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+23.8%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+10.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が5190円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+15.5ポイントとプラス幅を縮め、日経平均7810円ほど割高であることを示しています

 

日経VI31.23と前日より上昇し、VIX20.02と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.59、米国-0.14と日本が3.45ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.64ポイント(日経平均換算で22720円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.91PBR1.67となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-4.4%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.4%となり、日経平均の割安幅は730円から720円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-730円~+840円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.40ポイントから2.42ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1114日の米国市場では、10月消費者物価指数(CPI)のほか、ウォルト・ディズニー、アプライド・マテリアルズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを990円ほど下回り、下値は想定ラインを410円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在50860円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在49640円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に反落しました。目先は、25日線(現在49837円)を下回るかどうかが注目点です。



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Wednesday, November 12, 2025

[2025/11/13]今後の日経平均の見通し

[市況]

1112日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました1113日の日経平均先物は、前日終値と同値で寄り付くと、午前中は140円安から250円高の間で上下し、午後は40円安から240円高の間で上下して、結局、180円高で取引を終えました。日経平均の終値は218円高の51281円で、出来高は24.66億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1112日の米国市場では、連邦議会下院でつなぎ予算案が可決されれば政府機関閉鎖の解除が一段と近付くとの期待から、景気敏感株などに買いが向かいました。また、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど大手銀行株が買われ、相場全体を支えました。一方、割高感の強いハイテク株の一角には売りが向かいました。結局、NYDow4日続伸し、連日で最高値を更新しました。NASDAQは続落しました。

1113日の日本市場では、外国為替市場の円安ドル高進行を追い風に株価指数先物に買いが入り、現物株を押し上げました。トランプ大統領が米連邦議会上下院で可決されたつなぎ予算案に署名し、政府閉鎖が解除されたと伝わったことも投資家心理を支えました。一方、AI関連銘柄の過熱感は引き続き警戒され、ソフトバンクグループなどは下落しました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+42.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+26.2%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+10.0ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が5130円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+16.0ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8200円ほど割高であることを示しています

 

日経VI27.49と前日より低下し、VIX17.51と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.43、米国-0.17と日本が3.26ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.46ポイント(日経平均換算で20440円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.51PBR1.70となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-5.8%で、こちらは3か月前より6.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.4%となり、日経平均の割安幅は430円から730円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-730円~+840円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.40ポイントから2.40ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1112日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを360円ほど下回り、下値は想定ラインを520円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+500円(現在51700円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-600円(現在50600円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は続伸しました。インパクトのある新たな材料が出るまでは、もみあう展開が続きそうです。



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Tuesday, November 11, 2025

[2025/11/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

1111日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました1112日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付くと、午前中は50円安から580円安の間で上下し、午後は480円安から10円安と下落幅を縮めて、結局、40円安で取引を終えました。日経平均の終値は220円高の51063円で、出来高は27.85億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1111日の米国市場では、連邦議会上院がつなぎ予算案を可決し、政府機関の閉鎖が解除される公算が強まったことが投資家心理を支え、主力株に買いが広がりました。高値警戒感から半導体株やハイテク株には売りが出ましたが、相対的に出遅れ感のある銘柄やセクターには物色が向かいました。結局、NYDow3日続伸し、2週間ぶりに最高値を更新しました。NASDAQは反落しました。

1112日の日本市場では、アドバンテストや東京エレクトロン、ディスコ、ソフトバンクグループなど半導体関連株やハイテク株が売られ、相場の重石となりました。一方、決算発表で好業績が伝わった銘柄には物色が向かい、相場を支えました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことも追い風となりました。結局、日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は+41.4%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+25.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+9.1ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が4650円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+16.3ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8320円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.90と前日より低下し、VIX17.28と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.48、米国-0.18と日本が3.30ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.49ポイント(日経平均換算で20790円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.39PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.8%で、こちらは3か月前より6.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均は430円の割高から430円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-430円~+840円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.44ポイントから2.40ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1112日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを400円ほど下回り、下値は想定ラインを260円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+500円(現在51570円近辺)が上値の目安に、25日線+700円(現在50300円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は反発しました。インパクトのある新たな材料が出るまでは、引き続き、もみあう展開となりそうです。



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Monday, November 10, 2025

[2025/11/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

1110日、NYDowNASDAQは上昇しました1111日の日経平均先物は、前日比290円高で寄り付くと、午前中は500円高から50円高と上昇幅を縮め、午後は200円高から440円安の間で上下して、結局、110円高で取引を終えました。日経平均の終値は68円安の50842円で、出来高は24.28億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

1110日の米国市場では、連邦議会上院で近く予算案が可決される見通しとなり、下院でも週内に採決がおこなわれるなど、政府機関閉鎖の解除に向けて事態が前進したことが投資家心理を上向かせ、運用リスクをとる動きが優勢となりました。わけても、前週に下げたハイテク株に見直し買いが入り、相場全体を支えました。NYDowは続伸し、NASDAQ3営業日ぶりに反発しました。

1111日の日本市場では、前日の米株式相場がハイテク株を中心に上昇した流れが引き継がれ、半導体関連株を中心に買いが先行しました。ただ、買い一巡後は利益確定の売りや持ち高調整の売りが出て、指数を押し下げる展開となりました。米政府機関の閉鎖が解除され、滞っていた経済指標の発表が相次いで再開されると、かえって株安につながるおそれがあるとの警戒感もあったようです。結局、日経平均は小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+40.7%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+25.5%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+8.4ポイントとプラス幅を縮め、日平均が4270円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+17.2ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8740円ほど割高であることを示しています

 

日経VI32.06と前日より低下し、VIX17.60と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.52、米国-0.14と日本が3.38ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.58ポイント(日経平均換算で22130円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.22PBR1.68となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.5%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%となり、日経平均の割高幅は840円から430円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+430円~+840円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.45ポイントから2.44ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1111日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを40円ほど下回り、下値は想定ラインを330円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+400円(現在51350円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-800円(現在50150円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は、米国市場の動きとは歩調を合わせず、反落しました。目先は、もみあう展開となる可能性が高まりました。



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Sunday, November 09, 2025

[2025/11/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

117日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました1110日の日経平均先物は、前日比450円高で寄り付くと、午前中は160円高から660円高と上昇幅を拡げ、午後は390円高から750円高と上昇幅を拡げて、結局、740円高で取引を終えました。日経平均の終値は635円高の50911円で、出来高は24.16億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

117日の米国市場では、連邦政府機関の一部閉鎖が国民生活に与える悪影響が懸念されるなか、野党民主党がつなぎ予算成立に向けて歩み寄りを提案したと伝わり、主力株の一角を買い直す動きにつながりました。一方、AI関連銘柄の割高感が意識され、ハイテク株には売りが目立ちました。結局、NYDowは小幅ながら上昇に転じ、NASDAQは下げ渋ったものの続落しました。

1110日の日本市場では、米連邦政府の一部閉鎖が解除に向かうとの期待から、運用リスクをとる動きが優勢となりました。日本株は先週末に急落していたため、好業績銘柄や主力のハイテク株を中心に自律反発狙いの押し目買いも入りました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことも追い風となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+42.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+25.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+11.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が5750円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+18.5ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均9420円ほど割高であることを示しています

 

日経VI33.72と前日より低下し、VIX19.08と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.48、米国-0.12と日本が3.36ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.55ポイント(日経平均換算で21880円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.35PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-6.3%で、こちらは3か月前より6.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇率以上に上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均の割高幅は440円から840円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+440円~+1400円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.43ポイントから2.45ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1110日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、連邦政府閉鎖や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを80円ほど上回り、下値は想定ラインを720円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+600円(現在51490円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-700円(現在50190円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は反発しました。このまま上昇継続するか、あるいはもみあう展開となるか、判断するには新たな材料が必要なようです。



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