日経平均の予想

Monday, May 19, 2025

[2025/05/19]今後の日経平均の見通し

[市況]

516日、NYDowNASDAQは上昇しました。519日の日経平均先物は、前日比160円安で寄り付くと、午前中は100円安から260円安の間で上下し、午後は150円安から380円安と下落幅を拡げて、結局、380円安で取引を終えました。日経平均の終値は255円安の37498円で、出来高は16.71億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

516日の米国市場では、前日までの8営業日で3割ほど下げていたユナイテッドヘルス・グループが、短期的に売られ過ぎとの見方から買い直され、指数を押し上げました。関税交渉進展への期待も、引き続き相場を支えました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が低水準となり、1年先の予想インフレ率が前月より上昇したことは、投資家心理の重石となりました。NYDowは続伸し、NASDAQは反発しました。

519日の日本市場では、米長期金利の上昇を受けて円相場が強含んだことや、米大手格付け会社が米国債の格付けを引き下げたことなどが投資家心理を冷やし、株式の持ち高を圧縮する動きが優勢となりました。アジアの主要な株価指数が総じて軟調に推移したことや、米株価指数先物が下落したことなども重石となりました。日経平均は4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+5.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-0.9%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1910円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が600円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.20と前日より上昇し、VIX17.24と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.4、米国-0.0と日本が4.4ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.25ポイント(日経平均換算で47210円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER17.15PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.1%となり、これは3か月前より1.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-13.1%で、こちらは3か月前より6.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.6%となり、日経平均の割安幅は270円から970円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-970円~-90円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.96ポイントから3.04ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

519日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐる米政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを630円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-800円(現在38080円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在36980円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は4日続落しました。引き続き、ボリンジャーバンド+1σ(現在37381円)で踏みとどまれるかどうかが、目先の注目点です。



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Saturday, May 17, 2025

[2025/5/18]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、米中貿易摩擦の緩和に向けた動きや長期金利の低下で、株価指数は週間では、上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+3.41%, NASDAQ:+7.15%, S&P500:+5.27.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.56ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.1対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.56ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER38.8程度になる。又は、日経平均が89,810円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は51,210円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、52,050円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは、やや拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが200日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.1%となりました。3ヶ月前に比べて-0.7%ポイント悪化しています。利益伸び率は-13.1%となりました。3ヶ月前に比べて-20.4%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.03から3.04と拡大して、ドル円は148円台から144円台の範囲でやや円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.55%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  5月第1週は買い越しで、5月第2週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に4.5ポイント(日経平均に勘算する1700円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に1.0ポイント(日経平均に勘算する380円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対して、弱い状態に変わりました。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 17.2 と低下しました。 日経 VI は 週間で 23.0と低下しました。米国市場はやや楽観的で日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+7.7%となり、200日移動平均線乖離率は-0.3%となりました。1つの要因がマイナスですので、中期トレンドには"黄信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は増幅しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期は上昇トレンドです。

日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は144円台から147円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、関税をめぐる動向、FRB高官による講演、S&Pグローバル製造業・サービス業PMI、中古・新築住宅販売件数の発表に注目が集まります。世界的には、日本、インド、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国のPMIが注目されます。その他、中国の鉱工業生産と小売売上高、住宅価格指数、固定資産投資、金利決定、日本のインフレ率、ドイツのIfo景気指数、英国の小売売上高とインフレ率などが発表されます。

 

先週の日経平均は想定範囲内で推移しました。上値は一致し、下値は160円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ (現在38990円近辺)で、下値がボリンジャーバンド+1σ(現在37320円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、上昇トレンドを維持できるか否かが関心事となりそうです。


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Friday, May 16, 2025

[2025/05/16]今後の日経平均の見通し

[市況]

515日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。516日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付くと、午前中は110円高から220円安の間で上下し、午後は90円安から90円高の間でもみあって、結局、60円高で取引を終えました。日経平均の終値は1円安の37753円で、出来高は19.52億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

515日の米国市場では、長期金利の低下を受けて株式の相対的な割高感が後退し、配当利回りの高い銘柄に買いが向かいました。また、インフレへの警戒感から、ディフェンシブ株の一角が物色されました。一方、メディケア事業における不正の疑いで当局の捜査を受けていると伝わったユナイテッドヘルス・グループが大幅安となり、指数を押し下げました。NYDow3日ぶりに反発し、NASDAQ7日ぶりに反落しました。

516日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けて値がさの半導体関連株が売られ、指数を下押ししました。また、外国為替市場で円相場が強含んだことも重石となりました。ただ、午後の取引で米株価指数先物が上昇すると投資家心理が上向き、押し目買いが入って指数の支えとなりました。結局、日経平均は小幅に3日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.7%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-0.3%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にありますが、200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1510円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-0.2ポイントとマイナスに転換し、日経平均が80円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.95と前日よりやや低下し、VIX17.83と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態に転換しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.7、米国-0.3と日本が4.4ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.28ポイント(日経平均換算で43180円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.29PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.5%となり、これは3か月前より0.7ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-6.1%で、こちらは3か月前より7.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均の割安幅は230円から270円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-380円~+670円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.06ポイントから2.96ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

516日の米国市場では、4月住宅着工件数や、5月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐるトランプ政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを800円ほど下回り、下値は想定ラインを160円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-600円(現在38390円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在37120円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は小幅に3日続落しました。引き続き、ボリンジャーバンド+1σ(現在37318円)で踏みとどまれるかどうかが目先の注目点です。



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Thursday, May 15, 2025

[2025/05/15]今後の日経平均の見通し

[市況]

514日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。515日の日経平均先物は、前日比460円安で寄り付くと、午前中は260円安から480円安の間で上下し、午後は500円安から300円安の間でもみあって、結局、430円安で取引を終えました。日経平均の終値は372円安の37755円で、出来高は20.26億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

514日の米国市場では、米中貿易摩擦緩和への期待を背景に株価上昇が続いた後とあって、景気敏感株を中心に持ち高調整の売りが強まりました。長期金利の上昇も重石となりました。一方、中東におけるAI事業拡大への期待から、エヌビディアをはじめとした関連銘柄が買われ、相場を支えました。結局、NYDowは続落し、NASDAQ6日続伸しました。

515日の日本市場では、およそ1か月続いた相場上昇の反動で、当面の利益確定を目的とした売りが優勢となりました。米国が日本にドル高の是正を求めてくるとの観測から円相場が強含んだことも重石となりました。ただ、相場全体の底堅さを受けて売り方の買い戻しも入るなど、一方的に売られる展開とはなりませんでした。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-0.3%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスとなり、中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にありますが、200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.3ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1620円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+0.4ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が150円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.99と前日より上昇し、VIX18.62と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は強い状態ですが、前日比で強さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.2と日本が4.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.60ポイント(日経平均換算で49120円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の耐久財受注、3月の小売売上高、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の製造業受注は市場予想を上回りました。一方、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.72PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-0.5%で、こちらは3か月前より6.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均の割安幅は90円から230円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-380円~+700円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.03ポイントから3.06ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

515日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、4月の生産者物価指数(PPI)、4月の小売売上高、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、5月の住宅市場指数のほか、ウォルマート、アプライド・マテリアルズ、ディアなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐるトランプ政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを460円ほど下回り、下値は想定ラインを190円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-400円(現在38440円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ(現在37150円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は続落し、200日線を下回りました。目先は調整が続きそうですが、ボリンジャーバンド+1σ(現在37147円)で踏みとどまれるかどうかが注目点です。



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Wednesday, May 14, 2025

[2025/05/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

513日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。514日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付くと、午前中は200円高から320円安と下落に転じ、午後は340円安から30円安と下落幅を縮めて、結局、60円安で取引を終えました。日経平均の終値は55円安の38128円で、出来高は22.61億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

513日の米国市場では、医療費の想定以上の増加によって収益見通しの撤回を余儀なくされたユナイテッドヘルス・グループが大幅安となり、指数を押し下げました。一方、サウジアラビア政府系ファンド傘下のAI関連企業との提携を発表したエヌビディアなど、主力株の一角には買いが入りました。NYDowは反落し、NASDAQ5日続伸しました。

514日の日本市場では、前日に日経平均が心理的節目の38000円を回復したとあって、利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。外国為替市場で円相場が対ドルで強含んだことも重石となりました。一方、前日の米ハイテク株高を受けてアドバンテストやソフトバンクグループなど指数寄与度の高い銘柄が買われ、指数を下支えしました。日経平均は5営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.9%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+0.6%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にありますが、200日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-2.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1070円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+1.0ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が380円ほど割高であることを示しています

 

日経VI21.64と前日より低下し、VIX18.22と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は強い状態であり、前日比で強さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国-0.3と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.46ポイント(日経平均換算で47190円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率0.3%減で、市場予想の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の耐久財受注、3月の小売売上高、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の製造業受注は市場予想を上回りました。一方、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数、3月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.00PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.4ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-0.1%で、こちらは3か月前より6.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均の割安幅は380円から90円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-380円~+1050円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.03ポイントから3.03ポイントと横ばいでした、ドル円相場は緩やかに円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

514日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。シスコ・システムズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易をめぐるトランプ政権の動向や、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-500円(現在38340円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在37310円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は5日ぶりに反落しました。200日線(現在37885円)を下回らずに推移できるかどうかが、目先の注目点です。



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