日経平均の予想

Wednesday, January 22, 2025

[2025/01/23]今後の日経平均の見通し

[市況]

122日、NYDowNASDAQは上昇しました。123日の日経平均先物は、前日比210円高で寄り付くと、午前中は100円高から320円高の間で上下し、午後は260円高から460円高と上昇幅を拡げて、結局、310円高で取引を終えました。日経平均の終値は312円高の39958円で、出来高は18.73億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

122日の米国市場では、トランプ大統領がAIインフラ開発への巨額な投資計画を発表したことが好感され、オラクルやエヌビディア、マイクロソフトなど、関連銘柄に買いが集まりました。また、ネットフリックスなど市場予想を上回る決算を発表した銘柄への買いも相場上昇を支えました。一方で、貿易摩擦への警戒感は投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQはともに3日続伸しました。

123日の日本市場では、AI投資への期待感を背景に前日の米株式市場が上昇した流れを受け、ソフトバンクグループなど関連株や値がさのハイテク関連株が買われました。ただ、高値警戒感から利益確定の売りも出て、相場の上値を抑えました。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.4%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-7.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3160円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-3.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1560円ほど割安であることを示しています

 

日経VI20.57と前日より低下し、VIX15.10と前日よりやや上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国+0.3と日本が5.4ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.31ポイント(日経平均換算で87870円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.96PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月前より1.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均の割安幅は440円から450円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-790円~-440円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.40ポイントから3.41ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

123日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数のほか、GE、ノーザン・トラスト、ユニオン・パシフィック、TIなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを70円ほど下回り、下値は想定ラインを410円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+100円(現在40410円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在39490円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は4日続伸しました。引き続き、1227日につけた高値(40398円)を上回れるかどうかが、次の注目点です。



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Tuesday, January 21, 2025

[2025/01/22]今後の日経平均の見通し

[市況]

121日、NYダウとNASDAQは上昇しました。122日の日経平均先物は、前日比390円高で寄り付くと、午前中は360円高から690円高と上昇幅を拡げ、午後は550円高から740円高と上昇幅を拡げて、結局、620円高で取引を終えました。日経平均の終値は618円高の39646円で、出来高は15.07億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

121日の米国市場では、トランプ大統領が就任前に仄めかしていた世界一律の関税引き上げや中国に対する即時引き上げが見送られたことから、インフレへの警戒感がひとまず後退し、主力株を中心に買いが優勢となりました。長期金利が低下したことや、IT大手3社によるAIインフラへの巨額投資が発表されたことも追い風となりました。NYDowNASDAQは続伸しました。

122日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、買いが優勢となりました。わけても、米国のAI開発への巨額投資を発表したソフトバンクグループをはじめ、半導体関連株が大きく買われ、指数を押し上げました。日経平均は大幅に3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+5.3%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.6%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-6.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2740円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1740円ほど割安であることを示しています

 

日経VI20.99と前日より低下し、VIX15.06と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国+0.3と日本が5.4ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.31ポイント(日経平均換算で86830円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.93PBR1.45となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.4ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より1.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均の割安幅は470円から440円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-830円~-440円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.37ポイントから3.40ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

122日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。P&G、テクストロン、J&J、アボット・ラボラトリーズ、トラベラーズ、ハリバートンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを240円ほど上回り、下値は想定ラインを690円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-200円(現在40090円近辺)が上値の目安に、25日線(現在39260円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は3日続伸し、25日線を大きく上回りました。1227日につけた高値(40398円)を上回れるかどうかが、次の注目点です。



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Monday, January 20, 2025

[2025/01/21]今後の日経平均の見通し

[市況]

120日、米国市場は休場でした。121日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は340円高から270円安と下落に転じ、午後は150円高から0円高の間でもみあって、結局、50円高で取引を終えました。日経平均の終値は125円高の39027円で、出来高は15.38億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強い状態です。

 

120日の米国はキング牧師生誕記念の祝日で、株式市場は休場でした。

121日の日本市場では、前日の欧州の株高を受けて買いが先行しました。午前10時頃、トランプ米大統領がカナダとメキシコ相手に25%の関税を発動する可能性を示唆したと伝わると、一転してリスク回避の売りが強まりましたが、対中関税の強化については新たな材料が出なかったことから半導体関連株には買いが向かい、相場を支えました。結局、日経平均は小幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+0.6%とプラスに転換し、200日線との乖離率は+1.0%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線の上にあり、25日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3320円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1870円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.98と前日より低下し、VIX15.81と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国+0.3と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.36ポイント(日経平均換算で85150円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.73PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.4ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より1.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は小幅に上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均の割安幅は740円から470円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-830円~-470円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.45ポイントから3.37ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

121日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。ネットフリックス、3MD.R.ホートン、キーコープ、フィフスサードバンコープなどの四半期決算が注目されるでしょう。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを10円ほど下回り、下値は想定ラインを110円ほど上回りました。目先は、25日線+200円(現在39450円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在38640円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強い状態です。日経平均は小幅に続伸しました。25日線(現在39249円)を大きく上回れるかどうかが、次の注目点です。



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[2025/01/20]今後の日経平均の見通し

[市況]

117日、NYDowNASDAQは上昇しました。120日の日経平均先物は、前日比300円高で寄り付くと、午前中は210円高から580円高と上昇幅を拡げ、午後は540円高から360円高の間でもみあって、結局、440円高で取引を終えました。日経平均の終値は451円高の38902円で、出来高は14.99億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

117日の米国市場では、12月の住宅着工件数や12月の鉱工業生産指数が市場予想を上回ったことから、米経済は底堅いとの見方が強まり、買いが優勢となりました。長期金利が週初と比べて大幅に低下したことも買い安心感につながりました。NYDowNASDAQは反発しました。

120日の日本市場では、前週末の米株高の流れが引き継がれ、ハイテク株を中心とした幅広い銘柄に買いが入りました。上海市場や香港市場が上昇したことも好感されました。ただ、トランプ大統領の就任式を間近に控えて様子見ムードも強まり、午後は膠着した相場展開となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-0.4%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率は+0.6%とプラスに転換しました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうちマイナスは1つとなり、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。NASDAQは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3460円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は-5.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2060円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.37と前日より低下し、VIX15.97と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国+0.4と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.47ポイント(日経平均換算で90600円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月の鉱工業生産指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、12月の小売売上高、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の消費者物価指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の製造業受注、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.6万人増で、市場予想の16万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

12月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売仮契約指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍化するという面では弱気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.66PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.4ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より1.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.9%となり、日経平均の割安幅は790円から740円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-830円~-600円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.42ポイントから3.45ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

120日の米国はキング牧師生誕記念の祝日で、株式市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを180円ほど上回り、下値は想定ラインを530円ほど上回りました。目先は、25日線(現在39260円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在38550円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は反発しました。個別銘柄は買い有利に転換しており、1128日につけた安値(37802円)を下回らずに上昇に転じたと判断してよさそうです。



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Saturday, January 18, 2025

[2025/1/19]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、物価指数が市場予想を下回り、インフレ懸念が薄れたことで、米長期金利が低下し、週間で株価指数は上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+3.69%, NASDAQ:+2.45%, S&P500:+0.79%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.53ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.4対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.53ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER51.9程度になる。又は、日経平均が128,740円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は90,290円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、90,290円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.1%となりました。3ヶ月前に比べて0.3ポイント改善しています。また、利益伸び率は+2.1%となりました。3ヶ月前に比べて-0.1%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は3.57から3.44と縮小して、ドル円は158円台から154円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0,21%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  1月第1週は買い超しで、1月第2週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に10.0ポイント(日経平均に勘算すると3850円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に6.4ポイント(日経平均に勘算する2460円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.0 と低下しました。 日経 VI は 週間で 22.5と上昇しました。米国市場は楽観的で、日本市場はやや悲観的です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。総合乖離率は-3.9%、200日移動平均線との乖離率は-0.5%。これら3つの要因がマイナスであるため、中期トレンドには"赤信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、9日線と25日線、200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の中に在ります。

NASDAQも、9日線と25日線、200日線の上にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

日本市場は中期は下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20249月につけた140円台をボトムに円安方向に転換しています。今週は155円台ら157台が想定されます。

 

今週の米国市場では、トランプ大統領の就任式と大統領令の影響、ネットフリックス、P&GJ&JGETI、ユニオン・パシフィック、アメリカン・エキスプレス、ベライゾンなどの決算発表が注目されます。経済指標としては、S&PグローバルPMIと中古住宅販売件数が発表されます。世界的には、ユーロ圏、ドイツ、英国、日本のPMI、ドイツのZEW景況感、英国の雇用データなどが注目されます。

 

先週の日経平均は想定範囲を下ブレました。上値は1320円下回り、下値は230円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在39270円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在38260円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週も、日経平均は日米の金利動向に左右されそうですが、24日の日銀の金融政策発表までは、大きく動きづらい状態が続きそうです。


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