[市況]
7月27日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。7月28日の日経平均先物は、前日比110高で寄り付くと、午前中は850円高まで上昇したのち1130円安まで下落し、午後は1880円安から50円高とプラス圏に戻して、結局、50円高で取引を終えました。日経平均の終値は930円安の61434円で、出来高は36.08億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
7月27日の米国市場では、シャーウィン・ウィリアムズやコカ・コーラ、ボーイングなど、好決算を発表した銘柄を中心に買いが入りました。また、原油先物相場の下落も追い風となりました。一方、AI・半導体分野における中国企業の台頭や、米企業によるAI投資の収益性をめぐる懸念などが重石となり、AIインフラ関連株へは売りが続きました。結局、NYDowは3日続伸し、NASDAQは5日続落しました。
7月28日の日本市場では、前日の大幅な株安の反動で自律反発狙いの買いが先行しましたが、買い一巡後は戻り待ちの売りが優勢となりました。また、28日のKOSPI(韓国総合株価指数)が下落に転じたことが、AI・半導体関連株への売りを促しました。28日に熊本県で震度7を観測した地震が国内の生産や供給網に悪影響を与えるとの懸念も重石となりました。日経平均は続落し、およそ2か月ぶりの安値となりました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-5.8%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率は+8.2%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。
NYDowは、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+4.6ポイントとプラス幅を縮め、日平均が2830円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+0.7ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が430円ほど割高であることを示しています。
日経VIは39.52と前日より低下し、VIXも18.20と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.09、米国-0.13と日本が2.96ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.06ポイント(日経平均換算で620円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP確定値は前期比年率2.1%増で、改定値の1.6%増から上方修正されました。また、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調でした。
米国の経済指標は:
7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、5月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月の鉱工業生産指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標5勝7負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比5.7万人増で、市場予想の11.5万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%からやや改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
6月の新築住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、6月の中古住宅販売仮契約指数、7月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.6%で、市場予想の+1.3%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、6月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、年内に利上げに転換する見通しを示しました。ECBは6月の会合で、およそ3年ぶりに0.25ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀も、6月の金融政策決定会合で政策金利を現在の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決定しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.22、PBRが1.82となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.6%となり、これは3か月前より1.7ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+12.1%で、こちらは3か月前より13.1ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず、下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-8.8%となり、日経平均の割安幅は5780円から5970円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-5970円~-2640円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.86ポイントから1.89ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安水準でもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
7月29日の米国市場では、FOMCおよびウォーシュFRB議長の会見のほか、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、クアルコム、P&G、ADP、ボストン・サイエンティフィック、アンフェノール、ゼネラル・ダイナミクス、スターバックス、ラムリサーチなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを110円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-2σ+1200円(現在63650円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ+1100円(現在61020円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は続落し、昨日の安値を下回りました。ボリンジャーバンド-2σに沿った動きは、まだ続きそうです。
ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。