[市況]
3月2日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。3月3日の日経平均先物は、前日460円安で寄り付くと、午前中は120円安から1360円安と下落幅を拡げ、午後は980円安から1890円安と下落幅を拡げて、結局、1850円安で取引を終えました。日経平均の終値は1778円安の56279円で、出来高は29.88億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。
空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
3月2日の米国市場では、中東情勢の緊迫化を受けてリスク回避目的の売りが先行しましたが、軍事衝突の市場への影響は一時的との観測から原油先物相場が伸び悩んだこともあり、売り一巡後は主力株の一角が買い直されました。AIに既存事業が代替されるとの懸念から売られていた銘柄に買い戻しが入ったことも、相場の支えとなりました。結局、NYDowは続落し、NASDAQは3営業日ぶりに反発しました。
3月3日の日本市場では、中東情勢悪化に伴う原油価格の高騰が企業業績や景気の悪化につながるとの懸念から、幅広い銘柄に売りが膨らみました。前週まで株価指数先物に買いを入れていた短期筋による持ち高解消の動きが相場の下落に拍車をかけたうえ、国内の年金基金が日本株にリバランスの売りを出しているとの観測も聞かれました。日経平均は大幅に続落しました。下落幅は今年最大でした。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
総合乖離率は+29.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+21.9%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+19.1ポイントとプラス幅を縮め、日平均が10750円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+16.3ポイントとプラス幅を縮め、日経平均9170円ほど割高であることを示しています。
日経VIは29.98と前日より低下し、VIXは21.44と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる目安の20を上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.86、米国-0.50と日本が2.36ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.9)は1.7ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.66ポイント(日経平均換算で8580円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「南米や中東、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP速報値は前期比年率1.4%増で、市場予想の2.8%増を下回りました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
2月のISM製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月の耐久財受注、1月の鉱工業生産指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の製造業受注、1月の消費者物価指数、12月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.0万人増で、市場予想の5.5万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.4%から改善されました。雇用は強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
12月の新築住宅販売件数、12月の住宅着工件数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.4%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、1月のFOMCでは4会合ぶりに政策金利を据え置きました。市場は、パウエル議長が在任中に追加利下げをする可能性は低いと見ています。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、1月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが20.08、PBRが1.80となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+0.9%で、こちらは3か月前より2.9ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落率以上に下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均は1630円の割高から440円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-440円~+3270円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.90ポイントから1.94ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。
3月2日の米国市場では、2月のISM製造業景況指数のほか、ノルウェー・クルーズ・ライン・ホールディングスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、AI関連投資やソフトウエア事業の先行きも相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを710円ほど下回り、下値は想定ラインを1110円ほど下回りました。目先はボリンジャーバンド+1σ-700円(現在57200円近辺)が上値の目安に、25日線-700円(現在55190円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、20を大きく上回る高水準にあります。信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に続落し、正念場となりました。目先、25日線を明確に下回るようであれば、年初来の上昇トレンドは終わり、下落に転じたと判断できるでしょう。
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