[市況]
3月10日、NYDowは小幅に下落し、NASDAQは小幅に上昇しました。3月11日の日経平均先物は、前日比370円高で寄り付くと、午前中は350円高から1090円高と上昇幅を拡げ、午後は1290円高から390円高と上昇幅を縮めて、結局、740円高で取引を終えました。日経平均の終値は776円高の55025円で、出来高は28.62億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
3月10日の米国市場では、中東戦争の早期終結への期待から買いが先行しましたが、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡でイランが機雷の設置を始めた、と報道されると、軍事衝突激化・長期化への懸念が強まり、リスク回避目的の売りが広がりました。一方、原油先物相場が下落したことは相場の支えとなりました。結局、NYDowは小幅に反落し、NASDAQは小幅ながら続伸しました。
3月11日の日本市場では、10日に好決算を発表した米オラクルが時間外取引で上昇したことが好感され、ソフトバンクグループをはじめAI関連のハイテク銘柄に買いが入り、相場を押し上げました。外国為替市場で円相場が対ドルで弱含んだことや、原油先物相場の上昇が一服したことなども追い風となりました。大引けにかけては利益確定の売りが重石となったものの、日経平均は続伸し、終値で5万5000円台を回復しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は+19.8%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+17.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+15.8ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が8690円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+15.3ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均8420円ほど割高であることを示しています。
日経VIは42.94と前日より上昇し、VIXも24.93と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安を強めているとされる目安の20を上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.93、米国-0.52と日本が2.41ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.9)は1.7ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.71ポイント(日経平均換算で9000円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP速報値は前期比年率1.4%増で、市場予想の2.8%増を下回りました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
2月のISM製造業景況指数、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月の耐久財受注、1月の鉱工業生産指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、12月の製造業受注、1月の消費者物価指数、12月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比9.2万人減で、市場予想の5万人増に反して減少しました。また、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという点では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
2月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅市場指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.4%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は1勝5負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという点では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、1月のFOMCでは4会合ぶりに政策金利を据え置きました。市場は、パウエル議長が在任中に追加利下げをする可能性は低いと見ています。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、1月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが19.69、PBRが1.76となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+0.5%で、こちらは3か月前より3.1ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均の割安幅は1000円から500円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2830円~+0円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.95ポイントから1.99ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。
3月11日の米国市場では、2月の消費者物価指数(CPI)のほか、キャンベル・スープなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格やAI関連投資、ソフトウエア事業の先行きなども相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを390円ほど上回り、下値は想定ラインを1400円ほど上回りました。目先は、25日線-300円(現在55920円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-800円(現在53750円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、40を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は続伸しましたが、日足は長い上髭をつけました。25日線を終値で上回れるかどうかが、目先の注目点です。
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