[市況]
10月30日、NYDowとNASDAQは下落しました。11月2日の日経平均先物は、前日比820円安で寄り付くと、午前中は930円安から20円安と下落幅を縮め、午後は240円高まで上昇したのち390円安とマイナス圏に戻して、結局、230円安で取引を終えました。日経平均の終値は208円安の63081円で、出来高は23.28億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
10月30日の米国市場では、インテルの7~9月期決算で売上高が市場予想に届かなかったことや、「アンソロピックは上場直後には投資適格級の長期債格付けを取得できない」とのブラックストーンの見解が伝わったことなどを受け、AI投資の収益性や持続性に対する懸念が強まり、AIインフラ関連銘柄を中心に売りが広がりました。一方で、ディフェンシブ株や石油株には買いが向かいました。NYDowは続落し、NASDAQも大幅に続落しました。
11月2日の日本市場では、キオクシアが四半期決算と同時に発表した収益見通しが市場予想に届かなかったことから、同社株が急落し、指数を下押ししました。一方、好決算を発表した一部の半導体株には買いが入り、相場の支えとなりました。日経平均はプラス圏で推移する時間帯もありましたが、米国の中間選挙を目前に控えて様子見ムードも強まり、結局は続落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-6.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率は+2.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に抜けました。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+0.7ポイントとプラスに転換し、日経平均が440円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-0.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が130円ほど割安であることを示しています。
日経VIは35.72と前日より上昇し、VIX指数も19.42と前日より上昇しました。日経VIは、投資が不安を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.30、米国-0.26と日本が3.04ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.13ポイント(日経平均換算で1420円程度)割安の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の7~9月期のGDP速報値は前期比年率3.4%増で、市場予想の3.2%増を上回りました。また、7~9月期の米企業の決算は、主力IT企業の間でも明暗が分かれる展開となっています。
米国の経済指標は:
10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月の耐久財受注、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の鉱工業生産指数、9月の小売売上高、9月の消費者物価指数は市場予想を上回りました。また、8月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標8勝4負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です。
米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.9万人増で、市場予想の8.4万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
9月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売件数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.7%で、市場予想の+2.6%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、10月のFOMCでは、より多くのデータの蓄積が必要だとして、追加利上げを見送りました。ECBも、10月の理事会では、前回会合での追加利上げの効果を見極めたいとして、中銀預金金利を2.5%に据え置きました。日銀も、10月の金融政策決定会合では追加利上げを見送りました。一方で、ETFの売却ペースを27年1月から加速する方針を示しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが16.51、PBRが1.81となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは11.0%となり、これは3か月前より0.4ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+17.8%で、こちらは3か月前より5.1ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前週末のNYDowの下落率ほどには下げませんでした。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.5%となり、日経平均の割安幅は3480円から2970円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-3880円~-2650円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.16ポイントから2.17ポイントに拡大しました。ドル円相場は方向感なく推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
11月2日の米国市場では、10月のISM製造業景況指数のほか、アップル、エスティ・ローダー、パランティア・テクノロジーズ、マリオット・インターナショナル、オン・セミコンダクター、アイデックス・ラボラトリーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを960円ほど下回り、下値は想定ラインを830円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+1200円(現在64580円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+1300円(現在62090円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は前週末の米国市場ほどには下げませんでした。米中間選挙通過後は上昇相場になりやすいというアノマリーもあり、週後半は反転を期待したいところです。
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