Tuesday, June 15, 2021

[2021/06/15]今後の日経平均の見通し

[市況]

614日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。615日の日経平均先物は、前日比130円高で寄り付くと、午前中は70円高から280円高の間で上下し、午後は190円高から300円高の間でもみあって、結局270円高で取引を終えました。日経平均の終値は279円高の29441円で、出来高は9.73億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

614日の米国市場では、FOMCで量的緩和縮小(テーパリング)の議論が始まるかどうかを見極めたいとの思惑から、消費関連株や景気敏感株などに持ち高調整の売りが出ました。一方、米長期金利が1.5%前後で落ち着いていることが好感され、高PER銘柄が多いハイテク株は買われました。結局、NYDow3営業日ぶりに反落し、NASDAQ3日続伸しました。

615日の日本市場では、前日の米ハイテク株高が投資家心理を上向かせ、ハイテク株を中心に運用リスクをとる動きが優勢となりました。外国為替市場で円相場が1ドル110円台前半まで下落したことも追い風となりました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+12.9%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+8.9%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上に抜けました。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より0.3ポイント縮小して-1.9となり、中長期的には日経平均が560円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較でも、日経平均が1.9ポイント(日経平均換算で560円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.9、米国-3.0と日本が3.9ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.32ポイント(日経平均換算で14720円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、4の製造業受注4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比55.9万人増で、市場予想の65万人増を下回りました。一方、失業率は5.8%で、先月の6.1%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、69 0.1247 610 0.1190 611 0.1188と低下傾向が続いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.4PBR1.26なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.2%で、こちらは3か月前より21.9ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.1%とプラス幅を拡げ、日経平均の割高幅は360円から590円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-50円から+590円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.43ポイントから1.44ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせとなりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

615日の米国市場では、5月の小売売上高、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の鉱工業生産指数、6月の住宅市場指数などが注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを90円ほど下回り、下値は想定ラインを40円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在29570円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ(現在29100円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Sunday, June 13, 2021

[2021/06/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

611日、NYDowNASDAQは上昇しました。614日の日経平均先物は、前日比210円高で寄り付くと、午前中は240円高から90円高の間でもみあい、午後は180円高から260円高と上昇幅を拡げて、結局260円高で取引を終えました。日経平均の終値は213円高の29161円で、出来高は8.54億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

611日の米国市場では、景気回復への期待から消費関連株に買いが入りました。ただ、NYDowは過去最高値圏にあり、高値警戒感から利益確定の売りも出て、相場の重石となりました。1516日に開催されるFOMCで量的金融緩和の縮小(テーパリング)について言及があるかどうか見極めたいとの思惑もあったようです。NYDowNASDAQは続伸しました。

614日の日本市場では、前週末の米株式相場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、運用リスクをとる動きが優勢となりました。国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済が正常化に向かうとの観測も引き続き支えとなりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+10.2%と前週末よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+8.0%と前週末よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より0.3ポイント縮小して-2.2となり、中長期的には日経平均が640円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が3.2ポイント(日経平均換算で930円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.0、米国-3.0と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.35ポイント(日経平均換算で14710円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、4の製造業受注4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比55.9万人増で、市場予想の65万人増を下回りました。一方、失業率は5.8%で、先月の6.1%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、69 0.1247 610 0.1190 611 0.1188と低下傾向が続いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.3PBR1.25なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より2.9ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+26.8%で、こちらは3か月前より21.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.3%とプラス幅を拡げ、日経平均の割高幅は170円から360円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-50円から+360円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.41ポイントから1.43ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせとなりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

614日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていませんので個別材料が注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど下回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在29480円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在28940円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, June 12, 2021

[2021/06/13]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、長期金利の低下でハイテク株が買いなおされたものの、FRBの量的緩和縮小懸念が上値を抑える展開で、株価指数はまちまちな動きでした。

一方、中長期的には、過剰流動の副作用によるインフレ懸念、ファンドなどのディフォルトによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また、中国の不動産バブル崩壊懸念と景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、東アジア、中東、ウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.39ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.5に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.39ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER21.5程度になるか、又は、日経平均が43820円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は14870円ほど割安です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在+2.72%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は8.7%となりました。3ヶ月前に比べて3.0ポイント改善しています。また、利益伸び率は+26.81%3ヶ月前に比べて22.0ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 1.40から1.43と縮小したものの、為替は109円台で小動きでした。

  OECDの日米の2021年の名目GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.72%で、米国は+4.35%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.63ポイント劣ります。

  6月第1週は買い越しで、6月第2週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に2.8ポイント(日経平均に勘算すると810円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に3.8ポイント(日経平均に勘算する1100円程度)割安です。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は+7.9%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+7.4%でプラス幅は縮小しました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"黄信号"が点灯しています。

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、200日線・25日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には黄信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、長期金利の上昇傾向、原油相場の上昇、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は落ち着いており、金融不安の兆候はありません。20203月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債や0から12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、急速に円安方向に反転していましたが、ここ9週はもみあっています。今週は109円台から110円台が想定されます。

 

今週は、米国と日本の政策担当者が金融政策を決定するほか、オーストラリアとインドの中央銀行の議事録も注目されます。その他の重要な発表としては、米国と中国の鉱工業生産高と小売売上高、カナダと英国のインフレ率、日本の貿易収支とインフレ率、オーストラリアの雇用統計、インドの消費者物価と卸売物価などが挙げられます。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを400円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +2σ(現在29540円近辺)で、下値が25日線(現在28610円近辺)の間での動きが想定されます。


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Friday, June 11, 2021

[2021/06/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

610日、NYDowNASDAQは上昇しました。611日の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付くと、午前中は140円安から30円高の間で上下し、午後は40円安から40円高の間でもみあって、結局40円安で取引を終えました。日経平均の終値は9円安の28948円で、出来高は12.21億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、前日比横ばいでした。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

610日の米国市場では、買いが優勢となりました。朝方に発表された5月の消費者物価指数は市場予想を上回りましたが、FRBが量的緩和縮小を急ぐほどではないと受け止められました。長期金利が低下し、ハイテク株など高PER銘柄が買われた一方で、利ざやの縮小が懸念されて金融株は売られました。春先から堅調だった景気敏感株の一角にも利益確定の売りが出ました。NYDow4営業日ぶりに反発し、NASDAQも反発しました。

611日の日本市場では、前日の米株高を受けて買いが先行しましたが、心理的な節目の29000円前後では主力株を中心に利益確定の売りが出やすく、買いの勢いは続きませんでした。1日を通して方向感に乏しい相場でしたが、エーザイなど医薬品株への買いが支えとなりました。日経平均は小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.9%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.4%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.9ポイント拡大して-2.5となり、中長期的には日経平均が720円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が3.8ポイント(日経平均換算で1100円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.0、米国-3.0と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.38ポイント(日経平均換算で14780円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4の製造業受注4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比55.9万人増で、市場予想の65万人増を下回りました。一方、失業率は5.8%で、先月の6.1%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、67 0.1231 68 0.1280 69 0.1247と低下傾向が続いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.2PBR1.25なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.4%で、こちらは3か月前より22.0ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.6%とプラス幅を縮め、日経平均の割高幅は240円から170円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-50円から+240円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.43ポイントから1.41ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせとなりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

611日の米国市場では、6月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値などが注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを190円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在29270円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在28710円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, June 09, 2021

[2021/06/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

69日、NYDowNASDAQは下落しました。610日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付くと、午前中は50円安まで下落したのち180円高まで上昇幅を拡げ、午後は90円高から150円高の間でもみあって、結局140円高で取引を終えました。日経平均の終値は97円高の28958円で、出来高は10.28億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

 

69日の米国市場では、NYDowが過去最高値圏にあることが意識され、高値警戒感から売りが優勢となりました。10日に発表される予定の5月の消費者物価指数が市場予想より上振れすれば、量的緩和の早期縮小観測が盛り返す可能性がある、との見方もあり、取引終了にかけては持ち高調整の売りも出ました。NYDow3日続落し、NASDAQ4営業日ぶりに反落しました。

610日の日本市場では、国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進展していることから、経済正常化を見据えた買いが入り、相場を支えました。また、米長期金利の低下を受け、前日まで売られていた値がさの半導体関連株が買われました。午後は、5月の米消費者物価指数の発表を間近に控えて様子見ムードが強まりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+8.0%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+7.5%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.4ポイント縮小して-1.6となり、中長期的には日経平均が460円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が3.8ポイント(日経平均換算で1100円)割安となっています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.0、米国-3.0と日本が4.0ポイント割安ですが、OECD2021年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.72、米国が+4.35)1.63ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.37ポイント(日経平均換算で14810円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率6.4%増で、速報値と一致しました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値は市場予想と一致しました。一方、4の製造業受注4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比55.9万人増で、市場予想の65万人増を下回りました。一方、失業率は5.8%で、先月の6.1%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面ではやや強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

5月の住宅市場指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+13.3%で、市場予想の+12.3%を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、金融緩和が長引く公算が大きくなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。このところ、長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこれに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れると変更しています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近では、64 0.1282 67 0.1231 68 0.1280と低下傾向が続いており、金融不安の気配はありません。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.3PBR1.25なっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より3.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+27.4%で、こちらは3か月前より22.2ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%とプラスに転換し、日経平均は50円の割安から240円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-210円から+240円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.47ポイントから1.43ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせとなりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、銀行の資本規制緩和終了などの影響で、このところ長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

610日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、5月の消費者物価指数のほか、ECB定例理事会およびラガルド総裁の記者会見などが注目されるでしょう。引き続き、仮想通貨の値動きや長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを100円ほど下回り、下値は想定ラインを280円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在29310円近辺)が上値の目安に、25日線(現在28620円近辺)が下値の目安になりそうです。



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