[市況]
9月7日、米国市場は休場でした。9月8日の日経平均先物は、前日比640円安で寄り付くと、午前中は750円安から290円高と一時上昇に転じ、午後は230円高から1390円安と下落幅を拡げて、結局、1280円安で取引を終えました。日経平均の終値は1130円安の65269円で、出来高は22.30億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
9月7日の米国はレイバーデイの祝日で、株式市場は休場でした。
9月8日の日本市場では、為替の急激な円高進行が重石となり、輸出関連を中心とした幅広い銘柄に売りが先行しました。売り一巡後はアドバンテストやキオクシア、フジクラなどが上昇に転じて指数を押し上げましたが、午後、サウジアラビアで複数のエネルギー施設が攻撃され火災が発生したと伝わると、幅広い銘柄にリスク回避の売りが膨らみ、日経平均は右肩下がりの展開となりました。結局、日経平均は3営業日ぶりに大幅に反落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。
総合乖離率は+6.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.4%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下に抜けました。3つの要素のうちプラスは2つとなり、中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+2.1ポイントとプラス幅を縮め、日平均が1370円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+3.5ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が2280円ほど割高であることを示しています。
日経VIは32.05と前日よりに上昇し、VIXも15.60と前日より上昇しました。日経VIは、投資が不安を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.97、米国+0.09と日本が3.06ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.16ポイント(日経平均換算で1810円ほど)割安の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の4~6月期のGDP改定値は前期比年率1.5%増で、速報値の1.5%増と一致しました。また、4~6月期の米企業の決算は、5年ぶりの好決算を記録する見通しです。
米国の経済指標は:
8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、7月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月のISM製造業景況指数、8月のシカゴ購買部協会景気指数、7月の鉱工業生産指数、6月の耐久財受注、7月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標6勝6負で、景気・金利の両面で中立です。
米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比16.2万人増で、市場予想の5.3万人増を大幅に上回りました。一方、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
8月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数、7月の中古住宅販売仮契約指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想の+1.7%を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、7月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、参加者の多くは「インフレ圧力次第では追加の金融引き締めが必要」と評価しています。ECBも、7月の会合では、中銀預金金利を2.25%に据え置きました。日銀も、7月の金融政策決定会合では政策金利を現在の1.0%程度に据え置きましたが、報道では9月・10月利上げを視野に入れているとされています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.09、PBRが1.87となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+17.9%で、こちらは3か月前より7.7ポイント改善されています。
[今後の見通し]
前日の米国市場は休場でしたが、きょうの日経平均は大幅に下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.9%となり、日経平均の割高幅は1540円から1190円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1220円~+1540円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.88ポイントから1.92ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は急激に円高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
9月8日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインを440円ほど下回りました。目先は、25日線-400円(現在65810円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-400円(現在64540円近辺)が下値の目安となります。
日経平均はザラ場でも8月27日の高値を上回れず、反落して25日線の下に戻りました。9月3日の安値(63772円)を下回るかどうかが、次の注目点です。
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