[市況]
9月8日、NYダウとNASDAQは下落しました。9月9日の日経平均先物は、前日比180円安で寄り付くと、午前中は400円安から580円高と上昇に転じ、午後は360円高から260円安と一時マイナス圏に戻して、結局、50円高で取引を終えました。日経平均の終値は126円安の65142円で、出来高は23.00億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
9月8日の米国市場では、イエメンのフーシ派がサウジアラビアの空軍基地やエネルギー施設を攻撃したとの報道を受けて原油先物相場が上昇し、株式への売りを促しました。長期金利の上昇も重石となりました。一方で、クアルコムやインテルなどAI・半導体関連の一角には買いが入り、相場を支えました。NYDowとNASDAQは続落しました。
9月9日の日本市場では、前日の米株式市場でAI・半導体関連株が買われた流れを受け、同種株に買いが向かい、相場を押し上げました。ただ、中東情勢の悪化と、それに伴う原油高が投資家心理の重石となり、積極的な買いを抑えました。また、日銀が利上げペースを加速させるとの観測も、買い控えにつながりました。結局、日経平均は続落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は+5.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうちプラスは2つであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、25日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+2.1ポイントと前日比横ばいで、日平均が1370円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.4ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が2870円ほど割高であることを示しています。
日経VIは31.55と前日より低下し、VIXは15.71と前日より上昇しました。日経VIは、投資が不安を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.00、米国+0.09と日本が3.09ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.18ポイント(日経平均換算で2110円ほど)割安の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の4~6月期のGDP改定値は前期比年率1.5%増で、速報値の1.5%増と一致しました。また、4~6月期の米企業の決算は、5年ぶりの好決算を記録する見通しです。
米国の経済指標は:
8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、7月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月のISM製造業景況指数、8月のシカゴ購買部協会景気指数、7月の鉱工業生産指数、6月の耐久財受注、7月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標6勝6負で、景気・金利の両面で中立です。
米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比16.2万人増で、市場予想の5.3万人増を大幅に上回りました。一方、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
8月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数、7月の中古住宅販売仮契約指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想の+1.7%を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、7月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、参加者の多くは「インフレ圧力次第では追加の金融引き締めが必要」と評価しています。ECBも、7月の会合では、中銀預金金利を2.25%に据え置きました。日銀も、7月の金融政策決定会合では政策金利を現在の1.0%程度に据え置きましたが、報道では9月・10月利上げを視野に入れているとされています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.05、PBRが1.87となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+18.3%で、こちらは3か月前より8.3ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.0%となり、日経平均の割高幅は1190円から1900円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-830円~+1900円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.92ポイントから1.93ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
9月9日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを60円ほど下回り、下値は想定ラインを370円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+600円(現在65650円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+500円(現在64340円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は続落しました。引き続き、9月3日の安値(63772円)を下回るかどうかが、次の注目点です。
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