日経平均の予想

Friday, June 20, 2025

[2025/06/20]今後の日経平均の見通し

[市況]

619日、米国市場は休場でした。620日の日経平均先物は、前日終値と同値で寄り付くと、午前中は100円高から180円安の間で上下し、午後は0円安から160円安と下落幅を拡げて、結局、160円安で取引を終えました。日経平均の終値は85円安の38403円で、出来高は27.73億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

619日の米国は奴隷解放記念日の祝日で、株式市場は休場でした。

620日の日本市場では、中東情勢の先行き不透明感が意識され、利益確定の売りや持ち高調整の売りが優勢となりました。19日の欧州で主要な株価指数がそろって下落したことや、20日の米株価指数先物が軟調に推移したことなども重石となりました。一方、アドバンテストやレーザーテックなど値がさの半導体関連株には買いが向かい、相場の下値を支えました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.4ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1310円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+2.2ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が840円ほど割高であることを示しています

 

日経VI25.60と前日より上昇し、VIX22.17と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国+0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.95ポイント(日経平均換算で61160円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、5月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.55PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-3.7%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.8%となり、日経平均の割高幅は550円から290円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+290円~+920円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.98ポイントから2.98ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

619日の米国市場では、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数のほか、アクセンチュア、カーマックス、クローガー、ダーデン・レストランツなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、中東情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを200円ほど下回り、下値は想定ラインを300円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在38740円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在37990円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は続落しましたが、上昇基調が崩れたと判断するには微妙な下げでした。正念場が続くことになりそうです。



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Thursday, June 19, 2025

[2025/06/19]今後の日経平均の見通し

[市況]

618日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは小幅上昇しました。619日の日経平均先物は、前日比180円安で寄り付くと、午前中は10円安から390円安と下落幅を拡げ、午後は240円安から380円安の間でもみあって、結局、340円安で取引を終えました。日経平均の終値は396円高の38488円で、出来高は14.32億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

618日の米国市場では、FOMCで政策金利が据え置かれ、利下げ見通しも従来どおり(年内に0.25%の利下げを2回)の水準が維持されるなど、利下げを急がない姿勢が改めて示されたことから、主力株の一角に売りが広がりました。トランプ大統領がイランへの攻撃の可能性について「やるかもしれないし、やらないかもしれない」と述べたことも投資家心理の重石となりました。結局、NYDowは小幅に続落し、NASDAQは小幅に反発しました。

619日の日本市場では、FOMCの結果を受けて前日のNYDowが下落したことや、中東情勢の先行き不透明感が重石となり、半導体関連株を中心とした幅広い銘柄に売りが優勢となりました。足元の株価上昇を受けて、利益確定の売りや戻り待ちの売りも出やすい環境でした。日経平均は4営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.5%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.3ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1270円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+2.4ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が920円ほど割高であることを示しています

 

日経VI25.20と前日より上昇し、VIX20.14と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国+0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.95ポイント(日経平均換算で61340円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、5月の住宅着工件数、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.54PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より6.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.5%となり、日経平均の割高幅は920円から550円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円~+920円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.96ポイントから2.98ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

619日の米国は、奴隷解放記念日の祝日で、株式市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインを60円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在38790円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在38030円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は4日ぶりに反落しましたが、かろうじて上昇基調は維持されています。明日が正念場となりそうです。



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Wednesday, June 18, 2025

[2025/06/18]今後の日経平均の見通し

[市況]

617日、NYDowNASDAQは下落しました。618日の日経平均先物は、前日比270円安で寄り付くと、午前中は270円安から300円高と上昇に転じ、午後は230円高から370円高と上昇幅を拡げて、結局、340円高で取引を終えました。日経平均の終値は348円高の38885円で、出来高は16.26億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

617日の米国市場では、イスラエルとイランの軍事衝突に米国が軍事介入すれば中東情勢が一段と緊迫化するとの警戒感から、リスク回避目的の売りが優勢となりました。また、5月の小売売上高が市場予想以上に落ち込んだことが、関税引き上げ前の駆け込み的な消費が一巡したとの見方につながり、投資家心理の重石となりました。NYダウとNASDAQは反落しました。

618日の日本市場では、前日の米株式相場で主要な株価指数がそろって下落した流れを受けて売りが先行しましたが、売り一巡後は外国為替市場の円安ドル高進行を受けて株価指数先物に断続的に買いが入り、相場を押し上げました。前日まで開かれた日銀の金融政策決定会合で追加利上げに消極的な姿勢が示されたことも、買い安心感につながりました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.4%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.5%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と200日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-2.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が860円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+3.3ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が1280円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.91と前日より上昇し、VIX21.62と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国+0.1と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.86ポイント(日経平均換算で60070円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.71PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.7%で、こちらは3か月前より7.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.4%となり、日経平均の割高幅は430円から920円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円~+920円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.98ポイントから2.96ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

618日の米国市場では、FOMCおよびパウエルFRB議長の会見や、5月の住宅着工件数のほか、プログレッシブ・コープなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税や中東情勢をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを150円ほど下回り、下値は想定ラインを180円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+3σ-100円(現在39080円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38380円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。日経平均は3日続伸し、三角持ち合いを上離れしました。当面は、ボリンジャーバンド+2σを挟んだ動きが期待できそうです。



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Tuesday, June 17, 2025

[2025/06/17]今後の日経平均の見通し

[市況]

616日、NYDowNASDAQは上昇しました。617日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付くと、午前中は50円安まで下落したのち200円高まで上昇幅を拡げ、午後は180円高から80円高の間でもみあって、結局、150円高で取引を終えました。日経平均の終値は225円高の38536円で、出来高は15.88億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

616日の米国市場では、「イランが核開発計画に関する協議の再開を模索している」とのウォール・ストリート・ジャーナルの報道を受け、イスラエルとの軍事衝突をめぐって、イランが事態の沈静化に動き始めたとの見方が広がり、株買いをさそいました。原油先物相場が下落したことも追い風となりました。NYDowNASDAQは反発しました。

617日の日本市場では、イスラエルとイランの戦闘停止への期待が投資家心理を支え、値がさの半導体関連株を中心に買いが優勢となりました。一方、G7サミットに合わせてトランプ大統領と会談をおこなった石破総理大臣の口から、日米間の貿易交渉が難航している旨が語られたことは、投資家心理の重石となりました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.6%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線と200日線の下にありますが、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQ25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-4.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1620円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.7ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が660円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.64と前日より低下し、VIX19.11と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国+0.1と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.92ポイント(日経平均換算で60960円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.61PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.0%で、こちらは3か月前より7.0ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均の割高幅は760円から430円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円~+760円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.01ポイントから2.98ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

617日の米国市場では、5月の小売売上高や、5月の鉱工業生産指数、6月の住宅市場指数のほか、レナーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを120円ほど下回り、下値は想定ラインを430円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+300円(現在38900円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在38100円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は続伸し、611日の高値を終値で上回りましたが、三角持ち合いを明確に上離れしたと判断するには、もう一段の上昇を確認したいところです。



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Monday, June 16, 2025

[2025/06/16]今後の日経平均の見通し

[市況]

613日、NYDowNASDAQは下落しました。616日の日経平均先物は、前日比290円高で寄り付くと、午前中は220円高から440円高と上昇幅を拡げ、午後は410円高から580円高と上昇幅を拡げて、結局、580円高で取引を終えました。日経平均の終値は477円高の38311円で、出来高は16.01億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を6営業日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

613日の米国市場では、イスラエルの攻撃に対しイランが反撃をおこなったと伝わり、中東情勢緊迫化への警戒感からリスク回避の売りが広がりました。原油先物相場が急騰したことも、業績への悪影響が懸念される航空などの銘柄には重石となりました。一方、軍需や防衛株には買いが向かいました。NYDowNASDAQは反落しました。

616日の日本市場では、外国為替市場で円相場が対ドルで下落したことから、輸出関連株に買いが向かいました。値がさの半導体関連株への買いも目立ち、アドバンテストは1銘柄で200円以上日経平均を押し上げました。円安に歩調を合わせた海外勢による株価指数先物への買いも追い風となりました。日経平均は大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+7.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は+1.0%とプラスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQ25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1260円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.8ポイントとプラスに転換し、日経平均が690円ほど割高であることを示しています

 

日経VI25.21と前日より低下し、VIX20.84と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国+0.1と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.96ポイント(日経平均換算で61920円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。6月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.59PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.9%で、こちらは3か月前より7.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.0%となり、日経平均は330円の割安から760円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円~+760円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.93ポイントから3.01ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

616日の米国市場では、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを80円ほど上回り、下値は想定ラインを670円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+100円(現在38650円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在37870円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は大幅に反発しました。611日の高値(38530円)を終値で上回ることができれば、同時に三角持ち合いを上離れすることとなるので、ここが目先の注目点です。



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