[市況]
11月5日、NYDowとNASDAQは大幅下落しました。11月6日の日経平均先物は、前日比3880円安で寄り付くと、午前中は4410円安から2730円安と下落幅を縮め、午後は2960円安から3770円安の間で上下して、結局、3510円安で取引を終えました。日経平均の終値は3643円安の57434円で、出来高は43.06億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
11月5日の米国市場では、中間選挙でAI規制に前向きな民主党が大勝したことから、データセンターをはじめとしたAIインフラの建設や半導体需要が減速するとの観測が強まり、AI・半導体関連を中心とした幅広い銘柄に売りが膨らみました。NYDowは大幅に反落し、NASDAQは3日ぶりに急反落しました。
11月6日の日本市場では、前日の米株式市場が全面安となった流れを受け、AI・半導体関連を中心とした幅広い銘柄に売りが膨らみました。台湾加権指数や韓国総合株価指数(KOSPI)が下落したことも重石となり、投資家の押し目買い意欲は低調でした。日経平均は大幅に5日続落し、およそ7か月ぶりの安値をつけました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-31.5%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-7.3%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に抜けました。NASDAQは、9日線と25日線の下にあり、200日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、-4.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2350円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-8.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が5110円ほど割安であることを示しています。
日経VIは44.60と前日より上昇し、VIX指数も28.18と前日より上昇しました。両指数ともに、投資が不安を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-4.11、米国-0.36と日本が3.75ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.85ポイント(日経平均換算で8260円程度)割安の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の7~9月期のGDP速報値は前期比年率3.4%増で、市場予想の3.2%増を上回りました。また、7~9月期の米企業の決算は、主力IT企業の間でも明暗が分かれる展開となっています。
米国の経済指標は:
10月のISM製造業景況指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月の耐久財受注、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の鉱工業生産指数、9月の小売売上高、9月の消費者物価指数は市場予想を上回りました。また、8月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です。
米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.9万人増で、市場予想の8.4万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
9月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売件数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.7%で、市場予想の+2.6%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、10月のFOMCでは、より多くのデータの蓄積が必要だとして、追加利上げを見送りました。ECBも、10月の理事会では、前回会合での追加利上げの効果を見極めたいとして、中銀預金金利を2.5%に据え置きました。日銀も、10月の金融政策決定会合では追加利上げを見送りました。一方で、ETFの売却ペースを27年1月から加速する方針を示しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが14.86、PBRが1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは11.4%となり、これは3か月前より0.7ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+22.2%で、こちらは3か月前より7.4ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて大幅に下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-11.0%となり、日経平均の割安幅は6520円から7190円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-7190円~-2970円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.09ポイントから2.21ポイントに拡大しました。ドル円相場は方向感なく推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。
11月6日の米国市場では、10月の雇用統計、11月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)のほか、モデルナ、チャーター・コミュニケーションズ、ヒューマナなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1640円ほど下回り、下値は想定ラインを2210円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-2σ+1600円(現在60350円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ+1500円(現在57000円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は、大幅に続落しました。米AIデータセンター問題に出口が見えるまでは、ボリンジャーバンド-2σラインに沿った動きが続きそうです。
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