[市況]
3月31日、NYDowとNASDAQは大幅上昇しました。4月1日の日経平均先物は、前日比1700円高で寄り付くと、午前中は1580円高から2170円高の間で上下し、午後は1980円高から2900円高と上昇幅を拡げて、結局、2900円高で取引を終えました。日経平均の終値は2675円安の53739円で、出来高は25.13億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
3月31日の米国市場では、イランのペゼシュキアン大統領がEUのコスタ大統領との電話会談で、米国などが侵略を再開しないといった条件が満たされれば「戦闘を終わらせる意思がある」との考えを示した、と伝わり、軍事衝突が終結に向かうとの観測が浮上して、運用リスクをとる動きが優勢となりました。NYDowは大幅に続伸し、NASDAQは4営業日ぶりに反発しました。
4月1日の日本市場では、中東における軍事衝突が終結に向かうとの期待を背景に前日の米株式市場が大幅に上昇した流れが引き継がれ、値がさ株を中心とした幅広い銘柄に買い戻しが膨らみました。トランプ大統領が4月1日に予定されている米国民向け演説で戦闘終結に言及する、との観測も投資家心理を支えました。原油先物相場は高止まりしているものの、株買いの勢いは衰えませんでした。日経平均は5営業日ぶりに大幅に反発しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
総合乖離率は+11.4%とプラスに転換し、200日線との乖離率は+12.5%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中に戻りました。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。
NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+16.1ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が8650円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.5ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均7250円ほど割高であることを示しています。
日経VIは26.43と前日より急低下し、VIXも25.24と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が不安を強めているとされる目安の20をまだ上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.73、米国-0.63と日本が2.10ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.7)は1.5ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.60ポイント(日経平均換算で7260円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP改定値は前期比年率0.7%増で、速報値の1.4%増から下方修正されました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
2月の小売売上高、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のISM製造業景況指数、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、2月の消費者物価指数、2月の鉱工業生産指数、1月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の耐久財受注、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比9.2万人減で、市場予想の5万人増に反して減少しました。また、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという点では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
3月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、1月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.2%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという点では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、3月のFOMCでも政策金利を据え置きました。また、26年と27年にそれぞれ1回の利下げ見通しも維持されました。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、3月の金融政策決定会合でも政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが19.92、PBRが1.75となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-2.3%で、こちらは3か月前より3.0ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて大幅に上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.3%となり、日経平均は1300円の割安から700円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1300円~+700円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.98ポイントから1.97ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。
3月31日の米国市場では、3月のADP雇用統計や、3月のISM製造業景況指数のほか、コナグラ・ブランズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、中東情勢と原油価格の推移が株式相場に大きく影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを1450円ほど上回り、下値は想定ラインを1550円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在54830円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+500円(現在51890円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、大幅に低下しました。また、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は大幅に反発しましたが、まだ下降トレンドを脱却したとはいえません。3月26日の高値(54175円)を終値で上回れるかどうかが、次の注目点です。
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