[市況]
7月29日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。7月30日の日経平均先物は、前日比440安で寄り付くと、午前中は1140円安から550円高の間で上下し、午後は900円安から140円安の間で上下して、結局、740円安で取引を終えました。日経平均の終値は433円高の61867円で、出来高は30.04億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
7月29日の米国市場では、トランプ米大統領が「イランを激しく攻撃する」と述べたとの報道を受けて原油先物相場が上昇し、株式の重石となりました。半導体関連株への売りも続きました。FOMCでは金利の据え置きが決まりましたが、金融政策の不透明感が嫌気され、株式には売りが広がりました。NYDowは4営業日ぶりに大幅反落し、NASDAQは6日続落しました。
7月30日の日本市場では、前日の米株安を受けて売りが先行しましたが、前日までの株安の反動でAI・半導体関連株に見直し買いが入り、相場を押し上げました。ただ、KOSPI(韓国総合株価指数)が下落に転じたことや、中東情勢の先行き不透明感などが重石となり、午後には主力株に売りが出て、指数は伸び悩みました。日経平均は3日ぶりに反発しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-3.6%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率は+8.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+7.1ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が4390円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+3.7ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が2290円ほど割高であることを示しています。
日経VIは39.79と前日より上昇し、VIXも18.35と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.89、米国-0.09と日本が2.80ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.10ポイント(日経平均換算で1020円)割高となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP確定値は前期比年率2.1%増で、改定値の1.6%増から上方修正されました。また、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調でした。
米国の経済指標は:
7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、5月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月の鉱工業生産指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標5勝7負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比5.7万人増で、市場予想の11.5万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%からやや改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
6月の新築住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、6月の中古住宅販売仮契約指数、7月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.6%で、市場予想の+1.3%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、7月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、ウォーシュ議長はインフレ目標はあくまで2%であると強調しました。ECBは6月の会合で、およそ3年ぶりに0.25ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀も、6月の金融政策決定会合で政策金利を現在の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決定しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.59、PBRが1.86となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.6%となり、これは3か月前より1.7ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+12.2%で、こちらは3か月前より14.3ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず、上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-7.1%となり、日経平均の割安幅は5970円から4770円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-5970円~-2980円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.89ポイントから1.86ポイントに縮小しました。ドル円相場は円安水準でもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
7月30日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数、4~6月期のGDP速報値、PCEデフレーターのほか、アップル、アマゾン、コインベース、マスターカード、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、ヤム・ブランズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを20円ほど下回り、下値は想定ラインを930円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ-800円(現在63650円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-500円(現在61250円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は反発しましたが、上昇の勢いは弱く、ボリンジャーバンド-2σに沿った動きは、まだ続きそうです。
ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。