[市況]
5月28日、NYDowとNASDAQは上昇しました。5月29日の日経平均先物は、前日比1170円高で寄り付くと、午前中は1010円高から1560円高と上昇幅を拡げ、午後は1480円高から1980円高と上昇幅を拡げて、結局、1910円高で取引を終えました。日経平均の終値は1636円高の66329円で、出来高は46.02億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。
空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
5月28日の米国市場では、主力株の一角に持ち高調整の売りや利益確定の売りが先行しましたが、「米国とイランが停戦期間を60日間延長し、核問題を協議する覚書を交わすことで合意した」と報じられると、戦闘終結が近いとの期待が強まり、運用リスクをとる動きが優勢となりました。長期金利の低下も追い風となりました。NYDowは続伸し、連日で最高値を更新しました。NASDAQは6日続伸し、3日連続で最高値を更新しました。
5月29日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって最高値を更新した流れを受け、AI・半導体関連を中心とした幅広い銘柄に買いが膨らみました。わけても、村田製作所など積層セラミックコンデンサー(MLCC)関連銘柄への買いが目立ちました。アジア各国の株価指数が総じて堅調に推移したことや、原油先物相場が下落したことなども追い風となりました。日経平均は反発し、4日ぶりに最高値を更新しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+50.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+28.4%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+12.5ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が8290円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+22.4ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均14860円ほど割高であることを示しています。
日経VIは26.04と前日より低下し、VIXも15.73と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.89、米国-0.14と日本が2.75ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.7)は1.5ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.25ポイント(日経平均換算で19400円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP改定値は前期比年率1.6増で、速報値の2.0%増から下方修正されました。また、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の製造業受注、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、4月の小売売上高は市場予想と一致しました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のISM製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、3月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は5勝7負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという点では強気材料です。
米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.5万人増で、市場予想の5.5万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.3%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を上回りました。また、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+0.83%で、市場予想の+1.0%を下回りました。住宅関連の指標は4勝2負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、4月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、追加利下げには慎重な姿勢が示唆されました。ECBは、4月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、4月の金融政策決定会合でも政策金利を0.75%に据え置きましたが、展望リポートはタカ派的と読み取れる内容でした。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが18.06、PBRが1.92となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.6%となり、これは3か月前より1.7ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+9.0%で、こちらは3か月前より8.2ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇率以上に上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.7%となり、日経平均の割高幅は1140円から2920円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1140円~+2920円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.83ポイントから1.80ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。
5月29日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格も株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを430円ほど上回り、下値は想定ラインを1300円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+700円(現在66880円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+900円(現在64940円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は大幅に反発し、終値での最高値を更新しました。米国とイランの停戦交渉が決裂とならず、長期金利の上昇もなければ、ボリンジャーバンド+2σに沿った動きが続きそうです。
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