日経平均の予想: December 2013

Sunday, December 29, 2013

[2013/12/30]今後の日経平均の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは小幅下落しました。30日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付き、午前中は80円高から20円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は140円高まで上昇する場面があり、結局120円高で取引を終わりました。日経平均の終値は112円高の16291円で、出来高は29.10億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は470万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
27
日の米国市場は、目先の利益をひとまず確定する目的の売りが優勢になりましたが、押し目買い意欲は強く、相場は方向感に欠ける展開でした。
30日の日本市場では、円相場が1ドル105円台に下落したことを受けて、買いが先行しました。後場も先物主導で上昇し、日経平均は9連騰で引けました。大納会で年初来高値を更新するのは2年連続となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+29.0%でプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+15.4%でプラス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、割高幅が1.2ポイント拡大し、中長期的には、日本市場が1.3ポイント割高(強い動き)となりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.13イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と金融緩和縮小の時期」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の7-9月期のGDP改定値は3.6%と上方修正されました。7-9月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、11月の耐久財受注、11月の鉱工業生産指数、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、12月のNY連銀製造業景気指数、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想以下でした。
11月の雇用統計は就業者数が前月比20.3万人増で、市場予測の18.5万人増を上回り、失業率は先月の7.3%から7.0%に改善しました。
一方、住宅関連では、11月の新築住宅販売件数、11月の住宅着工件数、12月の住宅市場指数、10月の中古住宅販売仮契約指数は予想以上でしたが、11月の中古住宅販売は予想以下でした。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で1.0%上昇し、市場予想の0.8%上昇を上回りました。20ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、短期低金利政策は当面継続されるものの、量的緩和縮小のスピードが市場の懸念材料として残っています、また、中国のPMIとユーロ圏のPMIは低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとの従来のガイダンスにこだわらずに低金利政策を続けるとの方針に変更し、量的緩和縮小の市場への影響を最小限にする方法を模索しています。ECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、11月に短期金利を引き下げました。日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境が続いています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、1223 0.2459% 1224 0.2469% 1227 0.2466%となっています。過去2年は低下傾向ですが、最近1ヶ月は上昇傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.5PBR1.50となっています。ROE9.0%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、先週末のNYDowの下落にも拘らず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均は80円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~+30円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強弱が日々入れ替わる動きとなっていますが、今日は弱い動きが縮小しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルにはやや割高で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.27と縮小したものの、ドル円は、円安方向に動きました。直近の米国長期金利は上昇傾向で、円安圧力が強まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、米金融緩和縮小は市場と新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?世界の景気は拡大か後退か?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、米国の金融緩和縮小で新興国市場への影響が懸念されます。LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は上昇傾向で、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。一方、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、7-9月期の米国企業決算内容はまちまちですが、米国の雇用状況と住宅指標は改善傾向で、直近の経済指標も予想以上が目立ちます。FRBは短期的超低金利政策を当面継続するものの、米景気を改善傾向と判断し、小幅ながら量的緩和の縮小に踏み切りました。目先はリスク許容度が増しています。このような相場環境の中、30日の米国市場では、11月の中古住宅販売仮契約が注目されそうです。

今日の日経平均は想定通りボリンジャーバンド+2σを挟んだ動きとなり、上値は想定値に一致しました。米国市場は年末年始も開かれますので、目先の日経平均の予想は15日から開始する予定です。来年も宜しくお願いします。


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Saturday, December 28, 2013

[2013/12/29]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、経済指標の好転で、週間では上昇しました。一方、中長期的には、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中東の地政学的リスク、中国の景気減速とシャドーバンキング問題、米国の財政の崖問題の再燃などに引き続き注意が必要です。
2014年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が1.20ポイント割安となっています。2014年のOECDの実質GDP予想値を基にすると、日本市場は割安と考えられます。割安の要因はS&P500PER17.0で、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.48との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2014年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ1.2%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER20.5程度になる(日経平均が20150円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2014GDP予測値(現在+1.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場は中長期的には青信号で短期的にも青信号が点灯しています。今週は、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のISM製造業景況指数や住宅関連指標が株式相場に影響しそうです。NYDowが過去最高値を更新できるか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は7-9月期の決算発表に伴い前年比+54%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は7-9月期の決算発表に伴い9.0%と伸び率は前期に比べて0.4%増加しています。
   日米の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.21%から2.29%と拡大し、為替は103円台から105円台と円安方向の動きでした。今週は104円台から106円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2014年の実質GDP伸び率は日本が+1.4%で、米国は+2.8%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.4ポイント劣ります。
   123週は買い越しで、124週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが①③⑤が強気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、0.7ポイント割高となりました。先週比割高に転換しました。日本市場は米国市場に比べやや割高ですが、ほぼ均衡しています。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+27.3%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は+14.8%となりプラス幅は拡大しました。3つがプラスですので中期トレンドは、青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、住宅市況の低迷、雇用指標の停滞、南欧政府債務問題、中国のシャドーバンキング問題、資源高、中東の地政学的リスク、金融緩和縮小などの懸念は後退しているものの、新興国市場の下落と世界景気後退懸念、財政の崖問題再燃リスクが残っています。ただ、好材料としては、米国経済が回復基調の中でも、12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで継続されるとの目安に拘らず、FRBが超低金利を続ける意向を示したことや、無期限のMBSの購入表明、ECBによる無制限の国債購入の意思表示と金利引き下げ、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです
目先の状況を分析すると11月の雇用統計が市場予想以上に改善し、FRBによる金融緩和縮小が決まったものの市場は好感しました。ただ、米予算は与野党合意されたものの、債務上限問題は残っています。日米長期金利差は拡大し、円安が進みつつあります。市場はリスクを取り易い環境と考えられます。

先週の日経平均は想定レンジ内の動きとなりました。今週の日本市場は30日のみですが、日経平均は、上値が上昇中のボリンジャー・バンド+2σ(現在16160円近辺)+140円で、値がボリンジャー・バンド+2σ-140円の間での動き想定されます


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Friday, December 27, 2013

[2013/12/27]今後の日経平均の見通し

[市況]
26
日のNYDowNASDAQは上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付き、午前中は0円安から170円安の範囲で下げ幅を拡げる動きでした。午後は180円安まで下げる場面がありましたが、結局40円安で取引を終わりました。日経平均の終値は4円高の16178円で、出来高は26.50億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は60万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
26
日の米国市場は、朝方発表の新規失業保険申請件数が良好な内容となり、リスク許容度が上がり、買いが優勢となり6営業日連続で過去最高値を更新しました。
27日の日本市場では、米国市場高と円安推移で、朝方は買いが先行しました。その後は、円安一服に伴い、週末を控えた利益確定売りに押される場面がありましが、引けにかけては戻す動きとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+27.3%でプラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+14.8%でプラス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、割高幅が0.3ポイント縮小し、中長期的には、日本市場が0.1ポイント割高(強い動き)となりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.23イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と金融緩和縮小の時期」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の7-9月期のGDP改定値は3.6%と上方修正されました。7-9月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、11月の耐久財受注、11月の鉱工業生産指数、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、12月のNY連銀製造業景気指数、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想以下でした。
11月の雇用統計は就業者数が前月比20.3万人増で、市場予測の18.5万人増を上回り、失業率は先月の7.3%から7.0%に改善しました。
一方、住宅関連では、11月の新築住宅販売件数、11月の住宅着工件数、12月の住宅市場指数、10月の中古住宅販売仮契約指数は予想以上でしたが、11月の中古住宅販売は予想以下でした。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で1.0%上昇し、市場予想の0.8%上昇を上回りました。20ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、短期低金利政策は当面継続されるものの、量的緩和縮小のスピードが市場の懸念材料として残っています、また、中国のPMIとユーロ圏のPMIは低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとの従来のガイダンスにこだわらずに低金利政策を続けるとの方針に変更し、量的緩和縮小の市場への影響を最小限にする方法を模索しています。ECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、11月に短期金利を引き下げました。日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境が続いています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、1220 0.2483% 1223 0.2459% 1224 0.2469%となっています。過去111ヶ月は低下傾向ですが、最近1ヶ月は上昇傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.4PBR1.48となっています。ROE9.0%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均は120円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~+30円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強弱が日々入れ替わる動きとなっていますが、今日は弱い動きに変わりました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルにはほぼ均衡しており、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.29とやや拡大し、ドル円は、一時円安方向に動きました。直近の米国長期金利は上昇傾向で、円安圧力が強まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、米金融緩和縮小は市場と新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?世界の景気は拡大か後退か?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、米国の金融緩和縮小で新興国市場への影響が懸念されます。LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は上昇しており、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。一方、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、7-9月期の米国企業決算内容はまちまちですが、米国の雇用状況と住宅指標は改善傾向で、直近の経済指標も予想以上が目立ちます。FRBは短期的超低金利政策を当面継続するものの、米景気を改善傾向と判断し、小幅ながら量的緩和の縮小に踏み切りました。目先はリスク許容度が増しています。このような相場環境の中、27日の米国市場では、重要な経済指標の発表は無さそうですので個別材料が注目されそうです。

今日の日経平均は想定通りボリンジャーバンド+2σを挟んだ動きとなり、下値は想定値近辺となりました。目先の日経平均の上値は16320円近辺で、下値が16040円近辺の間で、ボリンジャーバンド+2σ(16250円近辺を想定)を挟んだ動きが想定されます。



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Wednesday, December 25, 2013

[2013/12/26]今後の日経平均の見通し

[市況]
25
日のNYDowNASDAQは休場でした。26日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付き、午前中は20円安から90円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は引けにかけて130円高まで上げる場面があり、結局130円高で取引を終わりました。日経平均の終値は164円高の16174円で、出来高は26.57億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は50万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
25
日の米国市場は、クリスマス休日で休場でした。
26日の日本市場では、証券優遇税制の廃止に伴う個人などの売りが昨日で終了して、逆に今日からはNISAの取引開始に伴う株式の購入が可能となったことで、需給が急速に改善し、買いが優勢となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+27.8%でプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+14.9%でプラス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、割高に転換し、中長期的には、日本市場が0.4ポイント割高(強い動き)となりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2014年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.20イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と金融緩和縮小の時期」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国市場の減速懸念」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の7-9月期のGDP改定値は3.6%と上方修正されました。7-9月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、11月の耐久財受注、11月の鉱工業生産指数、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、12月のNY連銀製造業景気指数、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想以下でした。
11月の雇用統計は就業者数が前月比20.3万人増で、市場予測の18.5万人増を上回り、失業率は先月の7.3%から7.0%に改善しました。
一方、住宅関連では、11月の新築住宅販売件数、11月の住宅着工件数、12月の住宅市場指数、10月の中古住宅販売仮契約指数は予想以上でしたが、11月の中古住宅販売は予想以下でした。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で1.0%上昇し、市場予想の0.8%上昇を上回りました。20ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、短期低金利政策は当面継続されるものの、量的緩和縮小のスピードが市場の懸念材料として残っています、また、中国のPMIとユーロ圏のPMIは低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとの従来のガイダンスにこだわらずに低金利政策を続けるとの方針に変更し、量的緩和縮小の市場への影響を最小限にする方法を模索しています。ECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であると発表し、さらに、11月に短期金利を引き下げました。日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルは円に対して高くなり易い環境が続いています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、1220 0.2483% 1223 0.2459% 1224 0.2469%となっています。過去111ヶ月は低下傾向ですが、最近1ヶ月は上昇傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.3PBR1.48となっています。ROE9.0%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの休場にも拘らず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は30円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円 ~+30円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きとなっていましたが、今日は強い動きに変わりました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルにはほぼ均衡しており、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は2.28と縮小したものの、ドル円は、円安方向に動きました。直近の米国長期金利は上昇傾向で、円安圧力が強まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、米金融緩和縮小は市場と新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?世界の景気は拡大か後退か?などが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、米国の金融緩和縮小で新興国市場への影響が懸念されます。LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は上昇しており、引き続き中国のシャドーバンキング問題の再燃に注意が必要です。一方、世界景気の減速懸念は完全には払拭出来ていない中、7-9月期の米国企業決算内容はまちまちですが、米国の雇用状況と住宅指標は改善傾向で、直近の経済指標も予想以上が目立ちます。FRBは短期的超低金利政策を当面継続するものの、米景気を改善傾向と判断し、小幅ながら量的緩和の縮小に踏み切りました。目先はリスク許容度が増しています。このような相場環境の中、26日の米国市場では、重要な経済指標の発表は無さそうですので個別材料が注目されそうです。

今日の日経平均は想定したボリンジャーバンド+2σの上で推移しましたが、先物の上値は想定値近辺となりました。目先の日経平均の上値は16300円近辺で、下値が16040円近辺の間で、ボリンジャーバンド+2σ(16150円近辺を想定)を挟んだ動きが想定されます。


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