[市況]
4月29日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。4月30日の日経平均先物は、前日比150円安で寄り付くと、午前中は190円高から340円安の間で上下し、午後は360円安から250円高の間で上下して、結局、180円高で取引を終えました。日経平均の終値は632円安の59284円で、出来高は31.77億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均と一致しました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。
4月29日の米国市場では、FRBの金融政策の不透明感が警戒され、売りが優勢となりました。FOMCでは市場の予想通り政策金利の据え置きが決まりましたが、参加者には追加利下げに慎重な意見もあることが示唆されました。また、原油価格の上昇も相場の重石となりました。結局、NYDowは5日続落し、NASDAQは小幅に反発しました。
4月30日の日本市場では、米利下げ観測の後退や原油高、長期金利の上昇などが重なり、これまで日経平均を押し上げてきたAIや半導体関連の一角に利益確定の売りが出ました。もっとも、日本株の先高観は根強く、日経平均が節目の5万9000円に近付くと主力株を中心に押し目買いが入って相場の下値を支えました。日経平均は続落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
総合乖離率は+31.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+19.4%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。
NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+10.8ポイントとプラス幅を縮め、日平均が6400円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+16.0ポイントとプラス幅を縮め、日経平均9490円ほど割高であることを示しています。
日経VIは28.58と前日より低下し、VIXは18.80と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.41、米国-0.19と日本が2.22ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.7)は1.5ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.73ポイント(日経平均換算で10270円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP確定値は前期比年率0.5%増で、改定値の0.7%増から下方修正されました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
3月の耐久財受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の小売売上高、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、1月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、3月の鉱工業生産指数、3月の消費者物価指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は7勝5負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.8万人増で、市場予想の6万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.4%から改善されました。雇用は景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
3月の住宅着工件数、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の中古住宅販売件数は市場予想と一致しました。一方、4月の住宅市場指数、1月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+0.9%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、4のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、追加利下げには慎重な姿勢が示唆されました。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、4月の金融政策決定会合でも政策金利を0.75%に据え置きましたが、展望リポートはタカ派的と読み取れる内容でした。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが20.31、PBRが1.81となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-2.1%で、こちらは3か月前より3.4ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.9%となり、日経平均の割高幅は1930円から1080円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1060円~+2170円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.90ポイントから1.91ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。
4月30日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、1~3月期のGDP速報値、3月の個人消費支出(PCEデフレーター)のほか、アップル、コノコ・フィリップス、マスターカード、キャリア・グローバル、キャタピラーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、中東情勢と原油価格も株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを1420円ほど下回り、下値は想定ラインを100円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+600円(現在60030円近辺)が上値の目安に、25日線+1600円(現在58080円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は続落しました。ボリンジャーバンド+1σを下回ったので、4月の急ピッチな上昇はいったん終息したようです。この先、もみあうか下落幅を拡げる展開となるか、正念場を迎えたようです。
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