[市況]
10月28日、NYDowとNASDAQは上昇しました。10月29日の日経平均先物は、前日比190円安で寄り付くと、午前中は一時380円高まで上昇したのち530円安と下落幅を拡げ、午後は670円安から430円高と再び上昇に転じて、結局、200円高で取引を終えました。日経平均の終値は705円高の64659円で、出来高は41.48億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
10月28日の米国市場では、韓国市場でSKハイニックスが好決算を背景に大幅高となったことが材料視され、AI関連株の一角が買われました。また、FOMCでは政策金利の据え置きが決まり、イベント通過の安心感から相対的に出遅れ感のあった金融株やディフェンシブ株にも買いが向かいました。一方、原油先物相場の上昇は相場の重石となりました。NYDowは3日続伸し、NASDAQも3日続伸しました。
10月29日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇したことや、アドバンテストが業績を上方修正したことなどが好感され、AI関連株を中心に買いが優勢となりました。日経平均は、KOSPI(韓国総合株価指数)の下落と歩調を合わせて下落に転じる場面もありましたが、下値では短期筋の先物買いや個人投資家による押し目買いが入り、結局は3日続伸しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上にありますが、25日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。
総合乖離率は+0.7%とプラスに転換し、200日線との乖離率は+4.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上に出ました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、-1.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が710円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+1.1ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が710円ほど割高であることを示しています。
日経VIは25.80と前日より低下し、VIX指数も16.91と前日より低下しました。日経VIは、投資が不安を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.07、米国-0.22と日本が2.85ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.05ポイント(日経平均換算で590円程度)割高の状態です。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の4~6月期のGDP確定値は前期比年率2.2%増で、改定値の1.5%増を上回りました。また、4~6月期の米企業の決算は、好決算を記録しています。
米国の経済指標は:
9月の耐久財受注、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の鉱工業生産指数、9月の小売売上高、9月の消費者物価指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、8月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、9月のISM非製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという面では弱気材料です。
米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.9万人増で、市場予想の8.4万人増を下回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
9月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、8月の中古住宅販売件数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.7%で、市場予想の+2.6%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、10月のFOMCでは、より多くのデータの蓄積が必要だとして、追加利上げを見送りました。ECBは、9月の理事会で0.25%の利上げを決定し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、9月の金融政策決定会合で政策金利の0.25%引き上げを決定しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが16.95、PBRが1.85となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+17.5%で、こちらは3か月前より5.3ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.0%となり、日経平均の割安幅は2800円から2650円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-5060円~-2650円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.20ポイントから2.17ポイントに縮小しました。ドル円相場は方向感なく推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。
10月29日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数、7~9月期のGDP速報値、9月のPCEデフレーター、ECB定例理事会のほか、アマゾン・ドット・コム、インテル、メルク、キャタピラー、イーライ・リリー、マスターカード、DRホートン、ギリアド・サイエンシズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを350円ほど下回り、下値は想定ラインを1030円ほど上回りました。目先は、25日線-300円(現在65880円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在63520円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は3日続伸しました。引き続き、25日線を越えられるかどうかが、次の注目点です。
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