日経平均の予想: June 2025

Friday, June 13, 2025

[2025/06/13]今後の日経平均の見通し

[市況]

612日、NYDowNASDAQは上昇しました。613日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は30円安から680円安と下落幅を拡げ、午後は620円安から330円安と下落幅を縮めて、結局、370円安で取引を終えました。日経平均の終値は338円安の37834円で、出来高は20.80億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

612日の米国市場では、オラクルの好決算を受けてAI需要の強さが見直され、ハイテク株や半導体株の一角に買いが向かいました。5月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回り、インフレへの警戒感が後退したことも追い風となりました。一方、貿易交渉の先行き不透明感は引き続き投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQは反発しました。

613日の日本市場では、取引開始直後に「イスラエルがイランの核関連施設への攻撃を実施した」と伝わり、中東情勢緊迫化への警戒感からリスク回避目的の売りが優勢となりました。ただ、午後に入ると、外国為替市場の円高ドル安進行が一服したこともあり、指数は下げ渋る展開となりました。今晩の米株式相場の反応を見極めたいとの雰囲気もありました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+3.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-0.2%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスとなり、中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.9ポイントと前日よりマイナス幅を拡げ、日経平均が2230円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-1.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が450円ほど割安であることを示しています

 

日経VI27.44と前日より上昇し、VIX18.02と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.1、米国-0.1と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.88ポイント(日経平均換算で56130円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は48負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.41PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.2%で、こちらは3か月前より7.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均は80円の割高から330円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円~+80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.97ポイントから2.93ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しましたが、午後は円高一服となりました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

613日の米国市場では、6月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを450円ほど下回り、下値は想定ラインを190円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38230円近辺)が上値の目安に、25日線-400円(現在37360円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は続落しました。安値では三角持ち合いを下離れしたものの、終値では三角の中に戻りました。当面は、中東情勢の推移に注目する必要があるようです。



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Thursday, June 12, 2025

[2025/06/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

611日、NYDowNASDAQは下落しました。612日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は50円安から350円安と下落幅を拡げ、午後は330円安から230円安の間でもみあって、結局、260円安で取引を終えました。日経平均の終値は248円安の38173円で、出来高は15.27億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

611日の米国市場では、朝方に発表された5月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことから、インフレ再燃に対する警戒感が後退し、株買いにつながりました。一方、足元で上昇していたハイテク株の一角には高値警戒感から利益確定の売りが出て、相場の重石となりました。結局、NYDowは小幅に反落し、NASDAQ4営業日ぶりに反落しました。

612日の日本市場では、前日の米ハイテク株安や外国為替市場の円高ドル安進行を受けて、利益確定の売りが優勢となりました。「トランプ大統領が相互関税の一時停止措置の延長に否定的な見解を示し、改めて関税率を設定して各国・各地域に通知する」と報じられたことも投資家心理の重石となりました。もっとも、短期的な先高観から押し目を買う動きもあり、相場の下値は限定的でした。日経平均は5営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+6.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+0.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.8ポイントと前日比横ばいで、日経平均が1830円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-0.1ポイントとマイナスに転換し、日経平均が40円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.52と前日より上昇し、VIX17.26と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.0と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.88ポイント(日経平均換算で57570円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.50PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より7.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は20円の割安から80円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-150円~+80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.04ポイントから2.97ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

612日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、5月の生産者物価指数(PPI)のほか、アドビなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを370円ほど下回り、下値は想定ラインを90円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+100円(現在38580円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在37710円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は5日ぶりに反落しました。日足チャートは三角持ち合いの様相を呈してきており、25日線(現在37747円)を下回るかどうかも、注目点となってきました。



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Wednesday, June 11, 2025

[2025/06/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

610日、NYDowNASDAQは上昇しました。611日の日経平均先物は、前日比130円高で寄り付くと、午前中は300円高から60円高の間で上下し、午後は100円高から230円高の間でもみあって、結局、210円高で取引を終えました。日経平均の終値は209円高の38421円で、出来高は16.20億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

610日の米国市場では、TSMC5月の売上高が前年同月比で大幅に伸びたことから、AI向け半導体の需要は底堅いとの見方が強まり、関連したハイテク株の一角が買われました。ただ、米中閣僚級協議の結果が判明するのを前に利益確定の売りも出やすく、相場の重石となりました。NYDowは反発し、NASDAQ3日続伸しました。

611日の日本市場では、前日の米半導体株高を受けて東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ株が買われ、指数を押し上げました。外国為替市場で円安ドル高が進んだことも追い風となりました。ただ、買い一巡後は利益確定の売りや戻り待ちの売りが出て指数の上値を抑えました。午後は様子見ムードが強まり、膠着した相場展開となりました。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.8ポイントと前日よりマイナス幅を拡げ、日経平均が1840円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+0.5ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が190円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.80と前日より低下し、VIX16.95と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国+0.1と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.87ポイント(日経平均換算で59460円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.69PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より7.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%で、日経平均は60円ほど割安の状態です。プレミアム値は、ここ一週間、-150円~+30円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.00ポイントから3.04ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

611日の米国市場では、5月の消費者物価指数(CPI)などが注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを150円ほど下回り、下値は想定ラインを500円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+300円(現在38780円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在37990円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は4日続伸しました。引き続き、529日の高値(38454円)を終値で上回れるかどうかが注目点です。



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Tuesday, June 10, 2025

[2025/06/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

69日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは上昇しました。610日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は120円高から370円高と上昇幅を拡げ、午後は390円高から30円高と上昇幅を縮めて、結局、120円高で取引を終えました。日経平均の終値は122円高の38211円で、出来高は15.90億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

69日の米国市場では、5月の雇用統計が市場予想を上回ったことや、ロンドンで2回目の米中閣僚級会議がおこなわれたことなどが投資家心理を支え、株買いにつながりました。ただ、足元の株高を受けて引けにかけては主力株を中心に利益確定の売りが出て、指数の重石となりました。結局、NYDowは小幅に反落し、NASDAQは続伸しました。

610日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受けて値がさの半導体関連株やソフトバンクグループが買われ、指数を押し上げました。外国為替市場で円相場が円安ドル高基調で推移していることも追い風となりました。ただ、大引けにかけては急激に利益確定の売りが強まるなど、不安定な相場展開でした。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+6.6%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+0.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.7ポイントと前日比横ばいで、日経平均が1800円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+0.2ポイントとプラスに転換し、日経平均が80円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.95と前日より上昇し、VIX17.16と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国+0.0と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.85ポイント(日経平均換算で57880円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.64PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は150円から60円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円~+30円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.05ポイントから3.00ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

610日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを40円ほど下回り、下値は想定ラインを410円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+200円(現在38630円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在37730円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は続伸しました。引き続き、529日の高値(38454円)を終値で上回れるかどうかが注目点です。



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Monday, June 09, 2025

[2025/06/09]今後の日経平均の見通し

[市況]

66日、NYDowNASDAQは上昇しました。69日の日経平均先物は、前日比200円高で寄り付くと、午前中は190円高から410円高と上昇幅を拡げ、午後は410円高から290円高の間でもみあって、結局、340円高で取引を終えました。日経平均の終値は346円高の38088円で、出来高は13.47億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

66日の米国市場では、5月の雇用統計が市場予想を上回ったことから、労働市場や景気の悪化に対する懸念が後退し、主力株を中心に買いが優勢となりました。9日に米中が閣僚級協議の場をもつと伝わり、貿易交渉進展への期待が高まったことも追い風となりました。NYDow3日ぶりに反発し、NASDAQも反発しました。

69日の日本市場では、前週末の米株式相場が上昇したことや、週明けのアジア株が総じて上昇したことが好感され、値がさのグロース(成長)株を中心に買いが優勢となりました。9日にロンドンでおこなわれる米中閣僚級協議への期待も投資家心理を支えました。ただ、日経平均が200日線を越えたことで利益確定の売りも増え、相場の上値は限定的でした。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は+5.7%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は+0.5%とプラスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドも黄信号から青信号に変りました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.7ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1790円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は-0.1ポイントとマイナスに転換し、日経平均が40円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.78と前日より低下し、VIX16.77と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国+0.1と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.89ポイント(日経平均換算で59480円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.66PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.0%で、こちらは3か月前より6.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.4%となり、日経平均は30円の割高から150円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円~+30円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.95ポイントから3.05ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

69日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。アップルの年次開発者会議など、個別材料が注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値は想定ラインを740円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+100円(現在38500円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在37690円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は200日線を上回り、かつ25日線(現在37511円)の上を維持する動きとなったので、529日の高値(38454円)を上回れるかどうかが、次の注目点となりました。



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