日経平均の予想: [2025/06/04]今後の日経平均の見通し

Wednesday, June 04, 2025

[2025/06/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

63日、NYDowNASDAQは上昇しました。64日の日経平均先物は、前日比220円高で寄り付くと、午前中は170円高から360円高の間でもみあい、午後は330円高から220円高の間でもみあって、結局、270円高で取引を終えました。日経平均の終値は300円高の37747円で、出来高は16.28億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

63日の米国市場では、投資銀行ジェフリーズのアナリストが半導体業界の急速な拡大を指摘したことから、AI開発や導入の加速が意識され、半導体株を中心としたハイテク株に買いが集まりました。4月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を上回ったことや、中国やインドとの貿易交渉が進展するとの期待も、投資家心理を支えました。NYDow4日続伸し、NASDAQも続伸しました。

64日の日本市場では、前日の米半導体株高が投資家心理を上向かせ、ハイテク株を中心とした幅広い銘柄に買いが向かいました。また、足元の株安を受けて自律反発狙いの買いが入ったほか、外国為替市場の円安ドル高進行も追い風となりました。ただ、5月の米雇用統計の発表や米中首脳会談を控えて様子見ムードも強く、上値追いの勢いは限定的でした。日経平均は4日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+3.5%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は-0.3%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-5.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1890円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-0.4ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が150円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.54と前日より低下し、VIX17.69と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.0と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.77ポイント(日経平均換算で54570円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、4月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.66PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.1%で、こちらは3か月前より6.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均は10円の割高から230円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円~+280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.94ポイントから2.96ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

64日の米国市場では、5月のADP雇用統計や、5月のISM非製造業景況指数、ベージュブックのほか、ダラー・ツリーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど下回り、下値は想定ラインを700円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在38190円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在37270円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱い状態です。きょうの日経平均は反発しました。529日の高値(38454円)を上回れるかどうかが、目先の注目点となりました。



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