日経平均の予想: [2025/06/02]今後の日経平均の見通し

Monday, June 02, 2025

[2025/06/02]今後の日経平均の見通し

[市況]

530日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。62日、日経平均先物は、前日比350円安で寄り付くと、午前中は320円安から590円安と下落幅を拡げ、午後は630円安から450円安と下落幅を縮めて、結局、450円安で取引を終えました。日経平均の終値は494円安の37470円で、出来高は17.00億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

530日の米国市場では、同日発表の4月のPCEデフレーターが市場予想を下回ったことから、インフレへの懸念が後退し、主力株に買いが入りました。一方、トランプ大統領が自身のSNSに「中国は米国との合意を完全に破っている」と投稿したことや、ベッセント財務長官が「中国との交渉はやや行き詰まっている」との認識を示したことなどは、投資家心理の重石となりました。結局、NYDowは続伸し、NASDAQは反落しました。

62日の日本市場では、米中間の緊張の高まりを背景に前週末の米株式相場でハイテク株が売られた流れを受け、半導体関連株や電子部品株が売られ、指数を押し下げました。関税をめぐる日米交渉の進展の度合いが不透明なことや、外国為替市場で円相場が強含んだことも投資家心理の重石となりました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+1.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率は-0.9%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち1つがマイナスとなり、中期トレンドも青信号から黄信号に変わりました。

一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-4.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1540円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-0.4ポイントとマイナスに転換し、日経平均が150円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.12と前日より上昇し、VIX19.81と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態に転換しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.1と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.80ポイント(日経平均換算で53880円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP改定値は前期比年率0.2%減で、速報値の0.3%減を上回りました。また、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、4月の小売売上高、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の鉱工業生産指数、3月の製造業受注、4月の消費者物価指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増で、市場予想の13.8万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の新築住宅販売件数、4月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売仮契約指数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.07%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、6会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、5月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.54PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.1%で、こちらは3か月前より6.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均は270円の割高から110円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-210円~+810円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.94ポイントから2.93ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。

 

62日の米国市場では、5月のISM製造業景況指数のほか、キャンベルスープなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税をめぐる米政権の動向や長期金利の推移も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを770円ほど下回り、下値は想定ラインを180円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在37920円近辺)が上値の目安に、25日線-300円(現在36800円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は続落しました。ここで踏みとどまれるか、あるいは522日の安値(36856円)を下回るかどうかが、目先の注目点です。



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