日経平均の予想: [2025/12/09]今後の日経平均の見通し

Monday, December 08, 2025

[2025/12/09]今後の日経平均の見通し

[市況]

128日、NYDowNASDAQは下落しました。129日の日経平均先物は、前日110円安で寄り付くと、午前中は200円安から190円高の間で上下し、午後は90円安から260円高の間で上下して、結局、260円高で取引を終えました。日経平均の終値は73円高の50655円で、出来高は20.45億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

128日の米国市場では、FOMCの結果公表が迫るなか、高値警戒感も意識され、利益確定の売りや持ち高調整の売りが優勢となりました。長期金利が上昇したことも重石となりました。一方、エヌビディア製AI半導体「H200」の中国への出荷が近く当局に許可されるとの報道を受け、同社株には買いが向かいました。結局、NYDowは反落し、NASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

129日の日本市場では、前日の米株式市場で半導体関連株が上昇した流れを受けてアドバンテストや東京エレクトロン、ディスコ、ファナックなど値がさ株が買われ、指数を支えました。ただ、FOMCの結果公表を前に投資家の様子見姿勢も強く、積極的な上値追いの動きは限定的でした。また、国内金利が高止まりするとの懸念も重石となりました。結局、日経平均は小幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+30.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は+22.0%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+6.9ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3500円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.6ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均6890円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.04と前日より低下し、VIX16.66と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.34、米国-0.15と日本が3.19ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.39ポイント(日経平均換算で18080円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.91PBR1.68となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-3.1%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は360円から50円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1040円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.18ポイントから2.22ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

129日の米国市場では、10月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数のほか、トール・ブラザーズ、キャンベル、オートゾーンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインを490円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-300円(現在51530円近辺)が上値の目安に、25日線(現在50130円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は下値を切り上げていますが、一方で25日線は下降し始めており、ここで上昇基調を維持できるかどうか、正念場が続いています。



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