日経平均の予想: [2025/07/17]今後の日経平均の見通し

Thursday, July 17, 2025

[2025/07/17]今後の日経平均の見通し

[市況]

716日、NYDowNASDAQは上昇しました717日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付くと、午前中は240円安から40円高と上昇に転じ、午後には340円高まで上昇幅を拡げて、結局、340円高で取引を終えました。日経平均の終値は237円高の39901円で、出来高は16.07億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

716日の米国市場では、6月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことから、インフレへの警戒感が後退し、株買いにつながりました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソンが好決算を手がかりに買われ、他のヘルスケア関連銘柄にも買いが波及しました。一方、トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任を検討しているとの報道は投資家心理の重石となりました。NYDowは反発し、NASDAQ3日続伸しました。

717日の日本市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが決算発表後、慎重な先行き見通しを示したことが重石となり、半導体関連株が売られて指数を押し下げました。しかし、午後に台湾TSMCの四半期決算の内容が伝わると、好調との受け止めから、買い戻す動きが優勢となりました。日本株の先高観を背景に、海外短期筋が先物に断続的に買いを入れたことも追い風となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+13.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+4.6%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2030円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.1ポイントと前日比横ばいで、日経平均が440円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.35と前日より上昇し、VIX17.16と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.8、米国+0.3と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.98ポイント(日経平均換算で66220円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の消費者物価指数、6月のISM製造業景況指数、6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.69PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より7.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%となり、日経平均の割安幅は1050円から800円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1290円~-800円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.90ポイントから2.92ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

717日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の住宅市場指数のほか、TSMC、ネットフリックス、USバンコープ、ペプシコ、アボット・ラボラトリーズ、トラベラーズ・カンパニーズ、マーシュ&マクレナン、シンタス、フィフスサードバンコープなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを90円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+200円(現在40200円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在39530円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は反発しました。目先、74日の高値(40012円)を終値で上回ることができれば、上昇トレンドに転換したと判断してもよさそうです。



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