日経平均の予想: [2025/07/01]今後の日経平均の見通し

Tuesday, July 01, 2025

[2025/07/01]今後の日経平均の見通し

[市況]

630日、NYDowNASDAQは上昇しました。71日の日経平均先物は、前日比190円安で寄り付くと、午前中は80円安から420円安と下落幅を拡げ、午後は270円安から550円安と下落幅を拡げて、結局、550円安で取引を終えました。日経平均の終値は501円安の39986円で、出来高は18.51億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

630日の米国市場では、出遅れ感のあった景気敏感株など、幅広い銘柄に買いが膨らみました。トランプ大統領の反発を受けてカナダが「デジタルサービス税」の導入を撤回したことから、両国の貿易交渉が進展するとの期待が高まりました。また、連邦議会でトランプ減税の延長を柱とした減税・歳出法案の成立が近付いているとの観測も、投資家心理を支えました。NYDow3日続伸し、NASDAQ6日続伸しました。

71日の日本市場では、日経平均が前日までの5営業日で2000円強上昇していたとあって、短期的な過熱感を意識した売りが広がりました。国内の機関投資家が四半期の初めに評価益を実現益にする「益出しの売り」も相場の下落につながりました。日経平均は6営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+17.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+5.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.4ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1360円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が780円ほど割高であることを示しています

 

日経VI24.25と前日より低下し、VIX16.73と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.1と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.75ポイント(日経平均換算で57800円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の消費者物価指数、4月の製造業受注、5月のシカゴ購買部協会景気指数、5月のISM製造業景況指数、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は210負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。

 

米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、市場予想の12.5万人増を上回りました。また、失業率は4.2%で、前月の4.2%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、5月の新築住宅販売件数、6月の住宅市場指数、5月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.75PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-3.4%で、こちらは3か月前より6.7ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%となり、日経平均の割高幅は1050円から340円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+20円~+1060円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.86ポイントから2.82ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

71日の米国市場では、6月のISM製造業景況指数や、5月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを360円ほど下回り、下値は想定ラインとほぼ一致しました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+200円(現在40290円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在39380円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は踊り場に入ったようです。ボリンジャーバンド+1σ(現在39280円)を下回らずに反発するかどうかが、目先の注目点です。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のバナーをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート