日経平均の予想: [2025/11/21]今後の日経平均の見通し

Thursday, November 20, 2025

[2025/11/21]今後の日経平均の見通し

[市況]

1120日、NYDowNASDAQは下落しました1121日の日経平均先物は、前日比1400円安で寄り付くと、午前中は1640円安から870円安と下落幅を縮め、午後は1010円安から1420円安の間でもみあって、結局、1140円安で取引を終えました。日経平均の終値は1198円安の48625円で、出来高は33.72億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1120日の米国市場では、エヌビディアの好決算を受けて主力株に買いが先行しましたが、当のエヌビディアが昼ごろに下げに転じると、市場心理が悪化し、相場全体に売りが広がりました。ビットコインが大幅に下落したことも重石となりました。また、9月の雇用統計で雇用者数が市場予想を上回り、12月利下げ観測が後退したことも売り要因となりました。NYDowNASDAQは反落しました。

1121日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けてAIや半導体関連株が軒並み下落し、相場を押し下げました。前日の日経平均は米株高を見込んで急伸していたため、期待が裏切られて下げ幅が大きくなった面もありました。一方、不動産や小売など、出遅れ感のあった内需株には物色が向かい、相場の下値を支えました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+21.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+18.8%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+9.6ポイントとプラス幅を縮め、日平均が4670円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+14.5ポイントとプラス幅を縮め、日経平均7050円ほど割高であることを示しています

 

日経VI37.25と前日より上昇し、VIX26.39と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.77、米国-0.24と日本が3.53ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.73ポイント(日経平均換算で22120円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.05PBR1.60となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.4%となり、日経平均の割安幅は710円から1260円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1850円~-540円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.33ポイントから2.32ポイントに縮小しました。ドル円相場は、やや円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

1121日の米国市場では、11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを940円ほど下回り、下値は想定ラインを470円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在49260円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在47820円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は大幅に反落しましたが、個別銘柄は買い優勢でした。しばらくは、もみあう展開となりそうな地合いです。



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