日経平均の予想: [2025/11/20]今後の日経平均の見通し

Wednesday, November 19, 2025

[2025/11/20]今後の日経平均の見通し

[市況]

1119日、NYDowNASDAQは上昇しました1120日の日経平均先物は、前日比1350円高で寄り付くと、午前中は1340円高から1980円高の間で上下し、午後は1660円高から1040円高の間で上下して、結局、1280円高で取引を終えました。日経平均の終値は1286円高の49823円で、出来高は24.23億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

1119日の米国市場では、足元の急速な株安の反動で、売りが目立っていた銘柄を中心に買い戻しが入りました。もっとも、エヌビディアの決算発表を直後に控えて様子見ムードが強く、持ち高を一方に傾ける動きは限定的でした。11月の雇用統計の発表が予定より遅れると伝わり、12月利下げの可能性が後退したことも投資家心理の重石となりました。NYDow5営業日ぶりに反発し、NASDAQ3営業日ぶりに反発しました。

1120日の日本市場では、米エヌビディアが市場予想を上回る好決算を発表したことから、AI投資への不安が後退し、値がさの半導体関連株を中心とした幅広い銘柄に買いが優勢となりました。外国為替市場で円相場が急速に円安ドル高方向に推移したことも追い風となりました。日経平均の上昇幅は一時2000円を上回りましたが、午後は利益確定の売りが上値追いの勢いを削ぐ展開となりました。日経平均は5営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+29.6%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+21.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+10.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が5130円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+16.7ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均8320円ほど割高であることを示しています

 

日経VI29.83と前日より低下し、VIX23.66と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.53、米国-0.19と日本が3.34ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.54ポイント(日経平均換算で20180円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.73PBR1.66となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.6%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇率以上に上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.4%となり、日経平均の割安幅は1250円から710円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1850円~-540円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.38ポイントから2.33ポイントに縮小しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

1120日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の中古住宅販売件数のほか、ウォルマート、ジェイコブス・エンジニアリング・グループ、インチュイット、ロス・ストアーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを1250円ほど上回り、下値は想定ラインを1350円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在50390円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在48920円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は大幅に反発しました。上昇傾向に転換したと判断するには、25日線を終値で上回り、きょうの高値を上回ることが必要と思われます。



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