日経平均の予想: [2025/11/14]今後の日経平均の見通し

Thursday, November 13, 2025

[2025/11/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

1113日、NYDowNASDAQは下落しました1114日の日経平均先物は、前日比1140円安で寄り付くと、午前中は1290円安から540円安と下落幅を縮め、午後は710円安から1020円安の間で上下して、結局、970円安で取引を終えました。日経平均の終値は905円安の50376円で、出来高は25.45億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

1113日の米国市場では、高値警戒感が意識されるなか、連邦政府機関の一部閉鎖が解除されたことを受け、材料出尽くし感から利益確定の売りが優勢となりました。わけてもAI関連銘柄に売りが広がり、投資家心理を冷やしました。FRB高官が相次いで利下げに慎重な発言をしたことも重石となりました。結局、NYDow5営業日ぶりに反落し、NASDAQ3日続落しました。

1114日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受け、値がさの半導体関連株を中心に売りが優勢となりました。米政府機関の閉鎖で遅れていた経済指標の発表が再開されれば新たなリスク要因となる可能性があるとの見方も重石となりました。一方、不動産などバリュー株や、好決算を発表した銘柄には物色が向かいました。日経平均は3日ぶりに大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+35.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+23.8%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+10.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が5190円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+15.5ポイントとプラス幅を縮め、日経平均7810円ほど割高であることを示しています

 

日経VI31.23と前日より上昇し、VIX20.02と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が不安心理を強めているとされる20を上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.59、米国-0.14と日本が3.45ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.64ポイント(日経平均換算で22720円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増で、市場予想の7.5万人増を下回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.2%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です。なお、9月以降の雇用統計の発表は延期されています。

 

米国の住宅関連の指標は:

8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.91PBR1.67となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-4.4%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.4%となり、日経平均の割安幅は730円から720円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-730円~+840円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.40ポイントから2.42ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1114日の米国市場では、10月消費者物価指数(CPI)のほか、ウォルト・ディズニー、アプライド・マテリアルズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを990円ほど下回り、下値は想定ラインを410円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在50860円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在49640円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を大きく上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に反落しました。目先は、25日線(現在49837円)を下回るかどうかが注目点です。



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