日経平均の予想: [2025/11/28]今後の日経平均の見通し

Thursday, November 27, 2025

[2025/11/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

1127日、米国市場は休場でした。1127日の日経平均先物は、前日40円安で寄り付くと、午前中は140円高から110円安の間で上下し、午後は50円安から140円高とプラス圏に戻して、結局、120円高で取引を終えました。日経平均の終値は86円高の50253円で、出来高は18.97億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

1127日の米国は感謝祭の祝日で、株式市場は休場でした。

1128日の日本市場では、前日に上昇した半導体関連株に利益確定の売りが出た一方、バリュー(割安)株には配当の再投資を意識した買いが向かい、相場を支えました。わけても銀行株への買いが目立ちました。もっとも、27日の米国市場が休場、28日も短縮取引とあって市場参加者は少なく、指数は方向感に乏しい動きとなりました。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は+30.0%と前日比横ばいで、200日線との乖離率も+22.1%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.7ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3870円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+14.1ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均7090円ほど割高であることを示しています

 

日経VI27.61と前日より低下し、VIX17.21と前日よりやや上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っているものの、低下傾向にあります。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.51、米国-0.47と日本が3.04ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.23ポイント(日経平均換算で15210円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.84PBR1.67となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は続伸しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均の割安幅は1110円から1050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1880円~-1050円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.20ポイントから2.19ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1128日の米国はブラックフライデーで、株式市場は短縮取引です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを490円ほど下回り、下値は想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在50850円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+400円(現在49610円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にありますが、低下傾向にあります。一方、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は4日続伸しました。引き続き、1120日の高値(50575円)を終値で上回って、もみあいを上抜けることができるかどうかが、目先の注目点です。



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