日経平均の予想: [2023/11/29]今後の日経平均の見通し

Thursday, November 28, 2024

[2023/11/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

1128、米国市場は休場でした1129日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付くと、午前中は120円安から390円安の間で上下し、午後は120円安から270円安の間でもみあって、結局、210円安で取引を終えました。日経平均の終値は141円安の38208円で、出来高は16.25億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

1128日の米国は感謝祭の祝日で、株式市場は休場でした。

1129日の日本市場では、前日に買われた半導体関連株に戻り待ちの売りが向かい、指数を押し下げました。外国為替市場で円相場が強含んだことも重石となりました。ただ、売り一巡後は押し目買いも入り、相場の下値を支えました。また、比較的に円高の影響を受けにくい内需株にも物色が向かいました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変りました。

総合乖離率は-2.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-1.1%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-11.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4240円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-12.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4580円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.69と前日より上昇し、VIX13.90と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国+0.2と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.67ポイント(日経平均換算で100330円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、9月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月の耐久財受注、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.49PBR1.40となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月より0.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均の割安幅は1050円から830円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1750円~-830円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.21ポイントから3.18ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的は下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

1129日の米国はブラックフライデーで、株式市場は短縮取引です。重要な経済指標の発表は予定されておらず、個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを500円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど上回りました。目先は、25日線(現在38670円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在37660円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は円高と半導体関連株の下落を受けて反落しました。日経VIが高水準にあるうちは、上値の重い展開が続きそうです。



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