OECDのGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.2ポイントとなりました、日本市場の割安度は先週より0.1ポイント増加しました。200日線乖離率差は-12.1ポイントとなり先週よりも1.4ポイント割安度は減少しましたが、この面でもまだ大きな割安感があります。
一方、3月決算の中間業績発表は終わり、通期予想増益率は、日経225採用銘柄平均+5.7%と増益率は減少傾向にあります。米国S&P平均は+1.3%に低下し、この面では日本企業より米国企業方が増益率が減少傾向にあり、サブプライム問題が企業業績により影響を及ぼしています。
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2008年GDP予測値(現在1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場は経済指標の発表が悪材料となり、ブット元首相暗殺も重なり金融週末にかけて下落しました。
②中間決算発表の結果、日経225採用銘柄の通期予想増益率は1ヶ月前の+6.8%から+5.7%に減少しました。
③長期金利は下降後横這いで、金利差は2.6%と先週と同水準ですが、週末に円高ぎみに推移しています。
④日米の2008年のGDP伸び率予測値は修正され日本が2.1%→1.6%となり、米国は2.5%→2.0%となりましたので、この面では日本市場にとって0.4ポイント弱気材料です。OECD合計も2.7%→2.3%に下方修正されています。
⑤12月第2週は大幅売り越しでした。12月第3,4週は改善されていますが出来高は極端に減少しています。
5つのポイントのうち先週は①③が弱気材料でした。年初も①③⑤と米国企業の業績発表に左右される展開が予想されます。
日経平均は昨年と同様に11月末の連休明けから上昇に転じましたが、勢いは無く、FOMCの利下げは期待はずれとなり、サブプライム問題が市場に与える影響がまだ解消されたとは言えないことが再確認された形です。
日本市場はテクニカル面では、日経平均は一目均衡表では、まだ雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は先週と比較し-9.4%とマイナス幅は若干縮小、総合乖離率も-15.2%とマイナス幅が若干縮小していますが、3つともまだマイナスですので、中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。
先週は25日平均線の上昇転換に繋がる陽線が出て、25日平均線を抜き、IPゾーン入りしたことで、一旦は買サインがでましたが、週末に大幅に下げ25日線を割ってしまいましたので、買サインは引っ込み短期的にも下降トレンド入りの可能性も出てきました。年初にIPゾーン入りに再チャレンジし達成できるか注目する必要が有ります。日経平均は年初から正念場です。