日経平均の予想: <081028>日経平均の今後の見通し

Tuesday, October 28, 2008

<081028>日経平均の今後の見通し

[市況]
27日のNYSEと、NASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は前日比60円安で寄り付きましたが、前場は一時7000円割れの170円安となる場面もありましたが、後場にかけて上昇に転じ、結局570円高で引けました。日経平均は459円高で、出来高は31.6億株と高水準となりまいたが、寄付き前の外人は3230万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
27日の米国株式市場では海外株式市場の下で売りが先行したものの、大手銀9行に続き、地銀やクレジットカード会社などの公的資金受け入れ発表で金融株の一角に買いが入り、午後にはNY Dowダウ平均が220ドル高まで上げ幅を広げる場面がありましたが、引けにかけて急落し楽観的な見方は打ち消されて終了しました。
28日の日本市場では、1兆円の増資を発表した三菱UFJが大幅安となり、投資家心理が悪化し前場は一時7000円を割ったものの売りは続かず、後場に入って新日鉄やトヨタ、ソニーなどに買いが膨らみ、主力株の上昇で相場の下値不安が次第に後退すると、為替が円安に振れたことや空売り規制発表もあり、引けにかけて市場全体に買いが広がりました。

[テクニカル視点]
日経平均は上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在り、年初来安値を更新しました。短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-98.9%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-40.8%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.9ポイントに縮小しましたが、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.5ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は大幅に縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日本市場は、空売り規制と円安で、大きく上昇しましたが、市場テーマはIMFは赤字国の通貨危機を救えるか、世界的リセッションの対策は出るのか、株安で新たな金融危機は来ないのか?という点に変化はありませんので、これが落着くまでは、信用の投売りや、ヘッジファンドの解約売りを始め、投資家の現金回帰は続くものと思われますので安心はできません。中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。ただ、超長期で見れば日経平均のPBRの1倍割れは明らかに買い場到来を意味していると思われます。ここからは、日本の主要企業の中間決算と米国の経済指標、金利切り下げの有無などに関心が移るものと思います。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、27日は下落し安値を更新しました。(10月の年初来安値12.1ドルに対して現在11.7ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-10.0%で、予想PERは10.1、PBRは0.93となりました。

[今後の見通し]
日本市場は空売り規制と円安で、NY Dowの下落に関わらず上げました。その結果、ドルベース(円高考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.2%(-200円)とマイナス幅が大幅に縮小。プレミアム値はここ2週間は-650~+180の範囲で動いています。今日の上げは売られすぎの訂正と見るのが妥当でしょう。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も年初来安値を更新しました。先進国政府の新たな対応策は見えてこないので、VIX (恐怖指数)は高止まりしています。目先の米国市場は大統領選挙が終わるまでは株価対策は出しずらく、FOMCの利下げ幅の結果待ちで一方には動きづらいと思われます。日本市場も空売り規制で一方的な売りも減りそうですので、しばらくは方向感のない乱高下となりそうです。


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