[市況]
14日のNYSEとNASDAQが下落したこと受けて、日経平均先物は前日比380円安で寄り付き、前場は一時100円安まで上昇しましたが、後場にかけて値を下げましたが、引けにかけては値を戻し、結局190円安で引けました。寄付き前の外人は2390万株の買い越しながら、出来高は23.8億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を縮小しまた。個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、ボトムアウト感があります。
14日の米国株式市場では、米政府が金融機関への公的資金注入や米連邦預金保険公社による新規債務の保証などを発表。銀行間の資金調達の回復で、金融市場の混乱が落ち着くとの見方から金融株を中心に買いが優勢となり、NY Dowは一時400ドル超上昇する場面があったものの、急騰後とあって、利益確定売りが出たことに加え、アナリストが利益予想や目標株価を引き下げたハイテク株の一角に売りが出たことも相場の重しとなったようです。
15日の日本市場では、米市場が下落したことや、前日急騰の反動もあって、後場中ごろまでは総じて下げる展開でした。前日の米ハイテク株安の背景である世界景気の悪化はむしろ強まっており、業種別ではハイテクや自動車、鉄鋼、海運といった景気敏感株への売りが目立ちました。ただ、売り込まれてきた銘柄への見直し買いは継続しており、景気動向に左右されにくい医薬品や小売り、食品関連は総じて堅調でした。
[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-65.3%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-27.6%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は0.7ポイントに縮小しましが、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できますが大分改善しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.4ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在り、9日線も割りました。米国市場の短期トレンドは"赤信号"となり、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米政府が金融機関への公的資金注入を発表したことで、当面の材料で尽くしとなったようです。当面の市場の関心事は銀行間取引がどの程度正常化するか、銀行ごとの注入額の決定と金融機関の財務状況のディスクローズがなされるかどうかである思われます。実際に資本を注入し銀行間取引が正常化するには、いま少し時間が掛かる可能性も有ります。中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、14日は上昇しました。(10月安値12.9ドルに対して現在18.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.2%で、予想PERは12.3、PBRは1.1となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場安にも関わらず上昇しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.1%(-0円)とほぼ無くなりました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、まだ下落基調です。CBOE VIX (恐怖指数)は低下傾向は維持され市場心理は改善方向です。材料出尽くしで米国市場が下げた為、今日の日経平均は9日線に接近しましたが、抜けませんでした。9日線を大きく抜けば25日線(現在11200円)までは戻せるのではないかと思います。ここ3日の寄り付きの外人の大幅買い越しも好材料です。
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