日経平均の予想: <081003>日経平均の今後の見通し

Friday, October 03, 2008

<081003>日経平均の今後の見通し

[市況]
2日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均先物は前日比80円安で寄り付き、その後も軟調な展開となり、後場に節目となる11000円を割り込みました。その後もその水準で揉み合い、結局290円安で引けました。出来高は23.5億株と増加したものの、寄付き前の外人は1430万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、安値更新銘柄数は1000を超えましたので安値圏に到達したものと思われます。
2日の米国株式市場では、新規失業保険申請件数が49万7000件と2001年9月以来の水準に上昇し、3日発表の9月の雇用統計の悪化が危惧され、金融安定化法の下院での採決結果を見極めたいとの見方が強く、売りが優勢となりました。景気減速懸念が強まっているとの見方から景気敏感株への売りが目立ちました。ダウ・ジョーンズ通信がGEの普通株発行価格が前日終値を9%下回ると報じた為、GEの株価が9.6%下落したことも株価指数下落に影響したようです。
3日の日本市場は、約3年4ヶ月ぶりに11000円を割り込んで終了しました。米経済や金融システムに対する警戒感や、ユーロの下落がら自動車や電機など主力株が売られました。米金融安定化法案の成否や雇用統計発表を見極めたいとの意識から、値ごろ感の買いは入りづらかったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、今日も年初来安値を更新し、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-42.6%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-18.4%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.8ポイントと変化はありませんが、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.6ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線の下に在り、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日米とも経済指標悪化が顕著になってきましたので、例え下院で金融安定化法案が可決されても大きな上昇は望めそうにありません。成立しても、根本的な信用収縮対策である銀行の自己資本比率の向上への貢献は限定的と思われ、中長期的に見ると、世界景気の減速懸念は顕著になりつつあり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はなかなか払拭できません。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、2日は下落しました。(9月安値14.0ドルに対して現在22.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-8.1%で、予想PERは13.6となりました。(ちなみにS&P500の今期増益率は-0.7%でPERは14.2です。)

[今後の見通し]
日本市場は今日も年初来安値を更新しましたが、昨日に下げ過ぎていた分、下げは比較的限定的でした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.9%(-240円)と割安度は縮小しました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も安値を更新して、下落基調が顕著です。より強力な材料が早急に出てこないと、中期的に日経平均の下落基調は今後も続くと考えざるを得ません。しかし、目先は騰落レシオが70以下となり、25日平均乖離率は-9%を下回り、総合乖離率も-40%を下回り、安値更新銘柄数が1000を超えるなど、テクニカル指標が売られ過ぎを示してきました。来週は一旦リバウンドが有りそうです。


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