[ファンダメンタルの現状認識]
2008年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は+2.0ポイント日本市場が割安で、先週に比べ割安度は0.1ポイント増加しました。200日線乖離率差は7.7ポイント割安となりました。先週比割安度は7.3ポイント拡大しました。日本市場は米国市場に比べ売られ過ぎの状態は拡大しました。打ち出された対策では銀行間の信用は回復せず市場はこの点が解消されないと落着かないようです。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2008年GDP予測値(現在1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は米欧の協調利下げも利かず底値が見えません。
②第三四半期決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-8.8%の減益予想に悪化しました。先週も0.7ポイント悪化しました。
③長期金利は日米とも上昇し、日米の金利差は2.1%から2.3%に拡大したものの、為替は103円から99円と円高方向の動きでした。今週も102-97円の円高ぎみの推移が予想されます。
④9月初旬に、OECDによる日米の2008年のGDP伸び率予測値が修正され日本が1.7%→1.2%となり、米国は1.2%→1.8%となりましたので、この面では日本市場にとって0.6ポイント弱気材料となりました。OECD合計も下方修正され世界的にも景気減速が予想されています。
⑤外人は10月1週は売り越しでしたが、10月2週も売り越だった可能性が高く、今週は買い越しもあり得そうです。
5つのポイントのうち先週は①②③⑤が弱気材料でした。今週も①の米国市場動向がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は-37.5%となり先週と比較してマイナス幅は19.1ポイント拡大し、総合乖離率は-98.9%となりマイナス幅は56.3ポイント拡大しました。3つともマイナスですので中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。日経平均は25日線と9日線の下に在りますので短期的にも"赤信号"です。
[今週の見通し]
今週はG7の市場評価と米金融機関の決算内容がテーマと思われますが、銀行間取引が正常化しない限り戻しそうもありません。G7の行動計画はインパクトに欠けましたが、ユーロ圏15カ国が銀行間取引への政府保証を含む「共同行動計画」を採択し、米国も追従との観測が浮上し銀行間取引が正常に向かう可能性が出てきたようですので、週初は反発が期待できそうです。その後は実態が伴えば一段高も期待出来そうですが、時間が掛かったり、新たな金融機関の破綻があれば、逆に一段安もまだ有り得ると思われます。
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