[市況]
13日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したこと受けて、日経平均先物は前日比1330円高で寄り付き、前場は一時1550円高まで上昇しましたが、後場は若干反落し、結局1660円高で引けました。寄付き前の外人は3130万株の買い越しで、出来高は23.8億株と低水準ながら、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を縮小しまた。個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、ボトムアウト感が出てきました。
13日の米国株式市場では、G7による金融機関への公的資金の注入などを柱とする「行動計画」の発表とユーロ圏15カ国が公的資金注入や銀行間取引の政府保証を含む行動計画を採択したことで、銀行間取引の政府保証に米国も追随するとの期待が広がり、幅広い銘柄に買いが膨らみました。FRBなど日米欧の主要中央銀行が事実上無制限にドル資金を供給すると発表したほか、モルガン・スタンレーがMUFGからの90億ドルの出資が完了したと発表したことも買い安心感を誘ったようです。
14日の日本市場では、日経平均の上昇率がバブル崩壊初期の1990年10月2日の13.24%を上回り、過去最大を記録しました。10日のG7後に欧州各国が金融危機対策を打ち出したことを好感し、欧米の急騰もあり、主力株中心に買い戻しが殺到しました。米政府による追加対策への期待もあって、三菱UFJ、武田といった主力株が軒並みストップ高まで買われた。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-69.0%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-28.5%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.3ポイントに縮小しました。市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できますが大分改善しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.0ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は縮小しました。
NY Dowは、大幅上昇しましたが、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線を抜きました。米国市場の短期トレンドは"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
世界各国が公的資金注入や銀行間取引の政府保証に取り組むとの期待で、各市場は大幅に反発しました。市場は根本的な信用収縮対策である銀行への具体的資本注入策を要求していましたので、対応を一応評価したようです。当面の市場の関心事は銀行間取引がどの程度正常化するか、銀行ごとの注入額の決定と金融機関の財務状況のディスクローズがなされるかどうかである思われます。実際に資本を注入し銀行間取引が正常化するには、いま少し時間が掛かる可能性も有りますよ。中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はなかなか払拭できません。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、12日は上昇しました。(10月安値12.9ドルに対して現在15.7ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-8.6%で、予想PERは11.1、PBRは1.01となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場安以上に反応し大幅上昇しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+0.5%(+50円)と若干割高に転換しました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、まだ下落基調です。CBOE VIX (恐怖指数)は低下し市場心理は改善し始めました。強力な材料が出ましたので、悪材料が出なければ、まずは、9日線を抜き、25日線までは戻しそうです。
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