日経平均の予想: <081016>日経平均の今後の見通し

Thursday, October 16, 2008

<081016>日経平均の今後の見通し

[市況]
15日のNYSEとNASDAQが暴落したこと受けて、日経平均先物は前日比1190円安で寄り付き、前場は一時760円安まで戻しましたが、後場は一転して下げ、結局1240円安で引けました。出来高は25.6億株と高水準ながら、寄付き前の外人は2690万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大しまた。個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
15日の米国株式市場では、S&P500の下落率は9.0%とブラックマンデー以来の大きさとなりました。10月のニューヨーク連銀景気指数がマイナス24.6と大幅に悪化し、9月の小売売上高は前月比1.2%減と市場予想の0.7%減を上回る落ち込みとなり、米景気の急速悪化を嫌気して景気敏感株に売りが膨らみました。バーナンFRB議長が講演で「信用収縮の改善には時間がかかる」との見方を示し、地区連銀経済報告も「すべての地域で経済活動が弱まった」と指摘するなど、金融危機が景気を押し下げていることが示され、引け間際には下げが加速しました。
16日の日本市場では、米国市場の急落もあり、海外ヘッジファンドなどの解約に備えた換金売りや、ここ2日で1200円超上昇したことでの戻り待ちの売りなどが優勢になったようです。後場後半にGLOBEXで米株価指数先物が軟調な展開となったことなどから、今夜の米株式相場の下落を警戒する売りが出て、日経平均は下げ幅が拡大して終えました。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-90.5%とマイナス幅は大幅拡大し、200日線との乖離率は-35.7%とマイナス幅が大幅拡大しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.5ポイントに拡大しました。市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.2ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米市場では景気後退は、ある程度折込済みと思われたのですが、裏切られた感じです。結果的に、政府の金融機関への公的資金注入の発表はほんの一時しか効果を発揮できませんでした。実際に銀行間取引が正常化するには、いま少し時間が掛かる可能性も有り、加えて、投資家による現金回帰がレバレッジを利かせて投資していたヘッジファンドの解約売りを誘い、暴力的な下げに繋がっているとの憶測も現実味を帯びてきたことから、短期的にも一段の下落の可能性も、再び出てきました。中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。10月中旬から欧米主要銀行の決算が始まりましたが、これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、15日は下落しました。(10月の年初来安値12.9ドルに対して現在16.2ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.2%で、予想PERは10.8、PBRは0.99となりました。

[今後の見通し]
日本市場は米国市場の下げ率を大幅に上回りました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-3.3%(-350円)と大きく売られ過ぎとなりました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、まだ下落基調です。CBOE VIX (恐怖指数)は、大きく上昇して市場心理は、また大きく悪化してきました。日経平均は9日線を抜けずに大幅下落しましたので、一転して、目先下落が続く可能性が高くなりました。


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