[市況]
22日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均先物は前日比560円安で寄り付き、前場は一時8000円を割る場面(790円安)がありましたが、後場は下げ幅を縮め、結局210円安で引けました。日経平均は213円安で出来高は28.3億株と高水準で、寄付き前の外人は2170万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
22日の米国株式市場ではNY Dowが史上7位の下落幅となりました。景気後退に加え、ユーロ安で商品先物相場が大幅安となり、資源株や業績不振のアルコアやボーイングが下落したことなどが相場急落につながりました。
23日の日本市場では、連日の米市場の大幅安を嫌気した売りに加え、今日も、円相場が一時96円台となるなど急ピッチに上昇したこともあり、日経平均先物は8000円を割るところまで売られました。午後に入って米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が政府による借り手保護策を報じたことをきっかけに金融危機打開への期待感が広がって下げ渋って終了しました。
[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、年初来安値を更新しました。短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-82.9%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率は-34.8%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.1ポイントに縮小しました。市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.7ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線も割りました。Nasdaqは、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"赤信号"となり、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米市場は、ユーロ安にともなう原油を始めとする商品先物相場の下落と企業業績の急速な悪化で大幅に下落しました。やはり、ヘッジファンドの解約売りを始め、投資家の現金回帰が鮮明となってきました。中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。10月中旬から欧米主要企業の決算が始まりましたが、これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、22日は下落しました。(10月の年初来安値12.9ドルに対して現在13.3ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.1%で、予想PERは11.0、PBRは1.01となりました。
[今後の見通し]
日本市場は一旦はNY Dowの下落率以上に下げましたが、後場急速に下げ渋りました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+1.9%(+180円)とプラスに転換しました。プレミアム値はここ2週間は-450~+180の範囲で動いています。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在りますが、かろうじて年初来安値は更新しませんでした。VIX (恐怖指数)は急騰しました。下げ過程の三角持合はやはり下離れましたが、今日は出来高も増加しており、目先のボトムの可能性も多少あると思われます。市場は米政府の追加対策を促しているようですので、効果的対策が出れば一旦リバウンドする可能性もありそうです。
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